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本来の姿
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「今回の件は、オーベルニュとこの国の国際問題でもあり、冒険者ギルドが警戒している犯罪組織が関わっている事件でもある。だからこそS級冒険者であり、王族の一員である俺が解決するべき事件なんだ。まさか、その調査中にノアが狙われるとは思わなかったけど」
「え? まさか、さっきの人攫いって……」
「そう。あのまま奴らに捕まっていたら他国に売り飛ばされていたかもしれない……奴隷として」
(ひょえぇ……そんなやばい奴らだったんだ……ってか、王都こわっ!)
「まさか、こんな王都のど真ん中で怖い犯罪が蔓延っているなんて……」
「この国の治安が一年前からどんどん悪化していっている。原因はその犯罪組織の暗躍のせいだが、イマイチ尻尾が掴めない」
「さっきの奴らから情報を聞き出すとか?」
「無理だ。あいつらは下っ端の下っ端。たいした情報は持っていない。本当は、わざと泳がせて、アジトを見つけた後に救出するはずだったんだが……」
そこでローランがノアの顔を見つめて、大きなため息を吐いた。
「拉致られたのが、公爵家の令息とあっては問題が……リスクがでかすぎて、その場で助けざるを得なかった……」
「いやなんかほんとごめんね!?」
どうやらノアはローランの調査を思いっきり邪魔してしまったらしい。
「いいよ。ノアが無事で良かった。これに懲りてお忍びで王都に行くのは、これで最後にしてほしいけどね……君も今さっき経験したばかりだからわかると思うけど、今この王都は危険地帯そのものだ。一人で出歩いていい場所ではなくなった」
「…………」
ノアは公務で何度か王都のパレードに参加したことがある。その時は活気に満ち溢れ、平和そうな光景が広がっていた。
もちろん、今でもこの町は活気には溢れている……でも、平和とは程遠い状況になりつつあるらしい。
(一体どうして……犯罪組織が原因っていう話だったけど……お父様や陛下はこの事を御存じなのだろうか?)
「……そんな昏い顔をするな。一人で行くのを反対しているんだ。お忍びで遊びに行きたいなら俺が町を案内するよ」
「本当!?」
「ああ。この町にはよく来ているから、きっとノアよりも詳しいぞ」
ローランは気さくそうな笑みを浮かべて頷いた。
「……なんかこうしていると、本当に別人みたい」
「そう?」
「こっちのローラン、じゃなかったオルランドの方が男臭い」
「それっていいことなのか?」
「うん。かっこいいし、話しやすいし……それになんか生き生きしている気がする」
「まぁ、この格好の方が気楽なのは間違いないな。自分の身分を、立ち振る舞いを気にしなくていいのは楽だ」
それまでのローランは、隙のない完璧な王子様という印象が強かった。
でも、冒険者オルランドとしてのローランを見ていると、それは完璧な王子様演じていただけで、本来の彼の気質はこちらの気さくなオルランドの方なのかもしれないと思えてきた。
公爵家として、王族として、産まれた頃からその立ち振る舞いを強制されて、身に染みてしまったノアやアルフレッドとは違い、もしかしたらローランはそういった立場から解放されたただの冒険者としての自分の方が好きなのかもしれない。
その気持ちは、前世のごくごく普通の一般人として生活した記憶を取り戻したノアにはなんとなくわかる気がした。
「……もしかして、俺を口説いていたのも、なんかの調査の一環で?」
「いや単純に好みだったから口説いてた。というか、さっきのもデートに誘っているつもりだった」
(あ、そう……)
……まぁ、王子のローランと冒険者オルランドと変わらない共通部分もあるらしい。
(そこは嘘でも良かったんですけどねぇー?)
「え? まさか、さっきの人攫いって……」
「そう。あのまま奴らに捕まっていたら他国に売り飛ばされていたかもしれない……奴隷として」
(ひょえぇ……そんなやばい奴らだったんだ……ってか、王都こわっ!)
「まさか、こんな王都のど真ん中で怖い犯罪が蔓延っているなんて……」
「この国の治安が一年前からどんどん悪化していっている。原因はその犯罪組織の暗躍のせいだが、イマイチ尻尾が掴めない」
「さっきの奴らから情報を聞き出すとか?」
「無理だ。あいつらは下っ端の下っ端。たいした情報は持っていない。本当は、わざと泳がせて、アジトを見つけた後に救出するはずだったんだが……」
そこでローランがノアの顔を見つめて、大きなため息を吐いた。
「拉致られたのが、公爵家の令息とあっては問題が……リスクがでかすぎて、その場で助けざるを得なかった……」
「いやなんかほんとごめんね!?」
どうやらノアはローランの調査を思いっきり邪魔してしまったらしい。
「いいよ。ノアが無事で良かった。これに懲りてお忍びで王都に行くのは、これで最後にしてほしいけどね……君も今さっき経験したばかりだからわかると思うけど、今この王都は危険地帯そのものだ。一人で出歩いていい場所ではなくなった」
「…………」
ノアは公務で何度か王都のパレードに参加したことがある。その時は活気に満ち溢れ、平和そうな光景が広がっていた。
もちろん、今でもこの町は活気には溢れている……でも、平和とは程遠い状況になりつつあるらしい。
(一体どうして……犯罪組織が原因っていう話だったけど……お父様や陛下はこの事を御存じなのだろうか?)
「……そんな昏い顔をするな。一人で行くのを反対しているんだ。お忍びで遊びに行きたいなら俺が町を案内するよ」
「本当!?」
「ああ。この町にはよく来ているから、きっとノアよりも詳しいぞ」
ローランは気さくそうな笑みを浮かべて頷いた。
「……なんかこうしていると、本当に別人みたい」
「そう?」
「こっちのローラン、じゃなかったオルランドの方が男臭い」
「それっていいことなのか?」
「うん。かっこいいし、話しやすいし……それになんか生き生きしている気がする」
「まぁ、この格好の方が気楽なのは間違いないな。自分の身分を、立ち振る舞いを気にしなくていいのは楽だ」
それまでのローランは、隙のない完璧な王子様という印象が強かった。
でも、冒険者オルランドとしてのローランを見ていると、それは完璧な王子様演じていただけで、本来の彼の気質はこちらの気さくなオルランドの方なのかもしれないと思えてきた。
公爵家として、王族として、産まれた頃からその立ち振る舞いを強制されて、身に染みてしまったノアやアルフレッドとは違い、もしかしたらローランはそういった立場から解放されたただの冒険者としての自分の方が好きなのかもしれない。
その気持ちは、前世のごくごく普通の一般人として生活した記憶を取り戻したノアにはなんとなくわかる気がした。
「……もしかして、俺を口説いていたのも、なんかの調査の一環で?」
「いや単純に好みだったから口説いてた。というか、さっきのもデートに誘っているつもりだった」
(あ、そう……)
……まぁ、王子のローランと冒険者オルランドと変わらない共通部分もあるらしい。
(そこは嘘でも良かったんですけどねぇー?)
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