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第47話 レオナルド・ムーンバルト
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デロトリノの町で道行く人に右腕を骨折していて左足が義足の男と訊ねると、三人目でレオナルドの居場所が判明した。
レオナルドは町はずれにあるムーンバルト王の別荘にいるということだった。
僕はその足でムーンバルト王の別荘とやらに向かう。
ニ十分ほど歩くと町はずれに一軒の立派なログハウスが立っていた。
庭には大きなプールもある。
「ここかな……」
僕は玄関ドアの前に立ちドアをノックする。
すると中から「誰だっ?」と声が返ってきた。
僕はその声を聞いて胸が高鳴る。
返事をしないでいると少ししてから内側からドアが開いた。
そして顔を覗かせたのは他の誰でもないレオナルドだった。
「っ!? ク、クロノっ!?」
レオナルドは僕と目が合うと目を見開き驚きの声を発する。
「久しぶりだねレオナルド」
「お、お前、なんでここがっ……!」
「ムーンバルト王が死ぬ前に教えてくれたよ」
松葉杖をつきながらじりじりと部屋の中に後退していくレオナルドを追うように、僕も部屋の中へと入っていく。
「お、お前、親父を殺したのかっ! 何考えてやがるんだっ……!」
「それとアンジーも殺した。だからもうレオナルドを助けに来る人間は一人もいないよ」
「なっ……」
レオナルドは愕然とした顔を僕に見せた。
僕はレオナルドの姿を眺める。
レオナルドは右腕に包帯を巻いてそれを首からかけている。
さらに左足は義足になっていて松葉杖を使いなんとか立っているような状態だった。
「痛々しい姿だねレオナルド」
「お前がやったんだろうが、クソがっ!」
「もとはと言えばレオナルドが裏切ったのが悪いんだろ。それに僕の親友もひどい目に遭わせたし。そしてエレナを死に追いやった」
「裏切っただとっ、調子に乗るなっ! お前ははなっからオレらの仲間なんかじゃねぇっ! 誰がお前みたいな雑魚なんかと仲間になるかよっ! お前の親友とやらも知るかっ! 奴隷なんざ吐いて捨てるほどいるんだ、一人や二人死んだってオレには関係ねぇっ! あの死んだガキだって勝手に自殺しただけだろうがっ!」
レオナルドは唾を飛ばしながら吐き捨てるように言う。
「レオナルド、今の状況わかってる?」
「わかってらあっ! お前はオレを殺しに来たんだろ、だったらさっさとやりやがれっ! のろまの雑魚野郎がっ!」
部屋の中央まできたところでレオナルドは松葉杖を僕に投げつけてきた。
どうやら命乞いをする気はないようだ。
「もしかして僕を怒らせたいの? それで苦しまないように一瞬で殺してもらおうとか思ってない?」
僕はレオナルドに近付いていきレオナルドの目をじっと見る。
「無駄だよ。僕は至って冷静だからね」
「っ……」
「この別荘が町から離れていてよかったよ。おかげで何をしてもレオナルドの悲鳴は誰にも届かない」
それだけ言うと僕は手始めにレオナルドの骨折している右手を掴んだ。
「ぐあぁっ!」とレオナルドが声を上げる。
「ちょっとレオナルド、僕はまだ何もしてないよ」
「は、放せクソがっ……!」
「これからレオナルドの指を一本一本折っていくから。じゃあまずは小指から」
「や、やめろぉぉぅああがあぁぁっ……!!」
「次は薬指だよ」
「はぁっ、はぁっ、も、もうやめてくれぇぐぎぃぃぃっ……!!」
レオナルドは歯を食いしばって痛みに耐える。
「じゃあ中指行こうか」
☆ ☆ ☆
右手の指の骨をすべて折ったところでレオナルドは痛みのあまり気を失ってしまった。
床にはレオナルドの吐瀉物と排泄物で汚い水たまりが出来上がっていた。
「次は左手だ。気絶してても痛みで起きるだろ」
僕は倒れているレオナルドの左手を持ち上げるとまたも小指から折っていく。
ゴキッ。
「ぅああああぁぁぁーっ……!」
「起きたみたいだね。よかったよかった」
「うあああーっ、クソがぁーっ!! ぜってぇ許さねぇっ、お前だけはぜってぇに許さねぇからなあああっ……!!」
「それは僕のセリフだってば。さあ、次は薬指だ」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺ぐああぁぁぁぁぁっ……!!」
☆ ☆ ☆
僕は二時間かけてレオナルドの両手足の指の骨を合計十五本へし折った。
レオナルドは体中から体液をまき散らし涙もかれ果て、ボロ雑巾のように床に横たわっている。
時折りぴくぴくと動いているのでまだ死んではいない。
「レオナルド、起きてる?」
「……」
「ねぇ、レオナルド?」
「……こ、殺せ……」
絞り出すように声を出す。
「え? 何? よく聞こえなかった」
「……こ、殺してくれ……た、頼むっ……」
「駄目だね。まだきみから謝罪の言葉を聞いてないし」
「……そ、それなら謝る……あ、謝るから、もうだあああぁぁぁっ……!?」
僕はダガーナイフを取り出すとそれでレオナルドの右腕を斬り落とした。
「左足はもうないからあとは左腕と右足か」
「ぁぁぁぁっ……て、てめぇぇぇ……ク、クソがああああああぁぁぁぁぁっ……!」
☆ ☆ ☆
僕はレオナルドの手足を切断した。
さらにレオナルドの両目をダガーナイフの先端でえぐり出してやった。
気付くとレオナルドは死んでいた。
どのタイミングで死んだかは定かではない。
僕はレオナルドへの報復行為中の記憶は頭にもやがかかったようにあいまいだったのだ。
体についたレオナルドの体液をお風呂場で洗い流すと、僕はまるで自分の家のようにベッドに横になった。
そしてレオナルドの死体の横で一時間ほど仮眠をとった僕は、深夜のうちに別荘に火を放ちその場をあとにしたのだった。
レオナルドは町はずれにあるムーンバルト王の別荘にいるということだった。
僕はその足でムーンバルト王の別荘とやらに向かう。
ニ十分ほど歩くと町はずれに一軒の立派なログハウスが立っていた。
庭には大きなプールもある。
「ここかな……」
僕は玄関ドアの前に立ちドアをノックする。
すると中から「誰だっ?」と声が返ってきた。
僕はその声を聞いて胸が高鳴る。
返事をしないでいると少ししてから内側からドアが開いた。
そして顔を覗かせたのは他の誰でもないレオナルドだった。
「っ!? ク、クロノっ!?」
レオナルドは僕と目が合うと目を見開き驚きの声を発する。
「久しぶりだねレオナルド」
「お、お前、なんでここがっ……!」
「ムーンバルト王が死ぬ前に教えてくれたよ」
松葉杖をつきながらじりじりと部屋の中に後退していくレオナルドを追うように、僕も部屋の中へと入っていく。
「お、お前、親父を殺したのかっ! 何考えてやがるんだっ……!」
「それとアンジーも殺した。だからもうレオナルドを助けに来る人間は一人もいないよ」
「なっ……」
レオナルドは愕然とした顔を僕に見せた。
僕はレオナルドの姿を眺める。
レオナルドは右腕に包帯を巻いてそれを首からかけている。
さらに左足は義足になっていて松葉杖を使いなんとか立っているような状態だった。
「痛々しい姿だねレオナルド」
「お前がやったんだろうが、クソがっ!」
「もとはと言えばレオナルドが裏切ったのが悪いんだろ。それに僕の親友もひどい目に遭わせたし。そしてエレナを死に追いやった」
「裏切っただとっ、調子に乗るなっ! お前ははなっからオレらの仲間なんかじゃねぇっ! 誰がお前みたいな雑魚なんかと仲間になるかよっ! お前の親友とやらも知るかっ! 奴隷なんざ吐いて捨てるほどいるんだ、一人や二人死んだってオレには関係ねぇっ! あの死んだガキだって勝手に自殺しただけだろうがっ!」
レオナルドは唾を飛ばしながら吐き捨てるように言う。
「レオナルド、今の状況わかってる?」
「わかってらあっ! お前はオレを殺しに来たんだろ、だったらさっさとやりやがれっ! のろまの雑魚野郎がっ!」
部屋の中央まできたところでレオナルドは松葉杖を僕に投げつけてきた。
どうやら命乞いをする気はないようだ。
「もしかして僕を怒らせたいの? それで苦しまないように一瞬で殺してもらおうとか思ってない?」
僕はレオナルドに近付いていきレオナルドの目をじっと見る。
「無駄だよ。僕は至って冷静だからね」
「っ……」
「この別荘が町から離れていてよかったよ。おかげで何をしてもレオナルドの悲鳴は誰にも届かない」
それだけ言うと僕は手始めにレオナルドの骨折している右手を掴んだ。
「ぐあぁっ!」とレオナルドが声を上げる。
「ちょっとレオナルド、僕はまだ何もしてないよ」
「は、放せクソがっ……!」
「これからレオナルドの指を一本一本折っていくから。じゃあまずは小指から」
「や、やめろぉぉぅああがあぁぁっ……!!」
「次は薬指だよ」
「はぁっ、はぁっ、も、もうやめてくれぇぐぎぃぃぃっ……!!」
レオナルドは歯を食いしばって痛みに耐える。
「じゃあ中指行こうか」
☆ ☆ ☆
右手の指の骨をすべて折ったところでレオナルドは痛みのあまり気を失ってしまった。
床にはレオナルドの吐瀉物と排泄物で汚い水たまりが出来上がっていた。
「次は左手だ。気絶してても痛みで起きるだろ」
僕は倒れているレオナルドの左手を持ち上げるとまたも小指から折っていく。
ゴキッ。
「ぅああああぁぁぁーっ……!」
「起きたみたいだね。よかったよかった」
「うあああーっ、クソがぁーっ!! ぜってぇ許さねぇっ、お前だけはぜってぇに許さねぇからなあああっ……!!」
「それは僕のセリフだってば。さあ、次は薬指だ」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺ぐああぁぁぁぁぁっ……!!」
☆ ☆ ☆
僕は二時間かけてレオナルドの両手足の指の骨を合計十五本へし折った。
レオナルドは体中から体液をまき散らし涙もかれ果て、ボロ雑巾のように床に横たわっている。
時折りぴくぴくと動いているのでまだ死んではいない。
「レオナルド、起きてる?」
「……」
「ねぇ、レオナルド?」
「……こ、殺せ……」
絞り出すように声を出す。
「え? 何? よく聞こえなかった」
「……こ、殺してくれ……た、頼むっ……」
「駄目だね。まだきみから謝罪の言葉を聞いてないし」
「……そ、それなら謝る……あ、謝るから、もうだあああぁぁぁっ……!?」
僕はダガーナイフを取り出すとそれでレオナルドの右腕を斬り落とした。
「左足はもうないからあとは左腕と右足か」
「ぁぁぁぁっ……て、てめぇぇぇ……ク、クソがああああああぁぁぁぁぁっ……!」
☆ ☆ ☆
僕はレオナルドの手足を切断した。
さらにレオナルドの両目をダガーナイフの先端でえぐり出してやった。
気付くとレオナルドは死んでいた。
どのタイミングで死んだかは定かではない。
僕はレオナルドへの報復行為中の記憶は頭にもやがかかったようにあいまいだったのだ。
体についたレオナルドの体液をお風呂場で洗い流すと、僕はまるで自分の家のようにベッドに横になった。
そしてレオナルドの死体の横で一時間ほど仮眠をとった僕は、深夜のうちに別荘に火を放ちその場をあとにしたのだった。
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