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第214話 攻撃力2490
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地下二十階層のフロアボス、マスタードラゴンとの戦闘中――
「ククリっ、どうすればいいっ!」
頼みの綱のククリに助言を求めるも、
『ギャオオォォォー!!』
マスタードラゴンが俺を踏みつけてきた。
「ぐうっ……」
なんとか受け止めたがこのままでは潰されてしまう。
「ク、ククリっ……」
「マツイさんっ!」
ククリの叫び声は聞こえるがどうやらアドバイスはないようだ。
まいった、いよいよ万事休すか……?
『ギャオオォォォー!!』
『マツイさんっ、……っ!』
するとスラが大声を上げ俺に何か伝えようとしている。
『ギャオオォォォー!!』
マスタードラゴンの咆哮が部屋中に響き渡る中俺はスラの声にだけ集中し耳を傾けた。
『……マツイさんっ、カンフル剤カンフル剤っ!』
カンフル剤……?
そうか!
その手があったか!
一時的に攻撃力を十倍にするというアイテム、カンフル剤。
使った後は十分間まったく身動きが取れなくなるということなので今まで使ってこなかったがもうそれを使うしかない。
俺は、
「うおおおおおっ」
片腕だけでマスタードラゴンの踏みつけを押さえつつカンフル剤を口に入れた。
だが片腕だけではやはり耐え切れず潰されてしまう。
ドスン!!
「マツイさんっ!」
『マツイさんっ!』
『……ギャオォォ!?』
「ふ~、危なかった。カンフル剤の効果が即効性で助かったな」
俺は片腕でマスタードラゴンを軽々と持ち上げていた。
「よいしょっと……」
そしてマスタードラゴンを宙に放り投げると俺は跳び上がり、
「おらぁっ!」
マスタードラゴンの腹めがけ一発のパンチを繰り出した。
ドゴオオォォォーーン!!!
マスタードラゴンの腹に大きな風穴があき、血が大雨のように降る。
そしてマスタードラゴンの巨体は地面に落ちると同時に流血と一緒にきれいさっぱり消え去った。
俺が着地するとゴゴゴゴゴ……と部屋が開放され新たな階段が現れた。
宝箱も目の前に現れる。
「やりましたよ、マツイさ~ん!」
『マツイさん、めちゃすごいじゃん!』
俺のもとに駆けつけるククリとスラ。
「マツイさん、今のマスタードラゴンを倒したことでレベルが240に上がってますよっ」
ククリが俺の首の後ろを見ながら言うと、
『マジ? いいなー。あたしも上がってないか見て見てっ』
スラがククリに自分の背中を見せる。
「スラさんは上がってませんね~」
『なーんだ、がっかり』
ふたりの会話をよそに、
「……な、なんか変だ」
俺は体の異変を感じていた。
すると、
『つーかマツイさん何ぼーっとしてんのっ!』
スラがふざけてどんっと俺の背中に体当たりをしてくる。
「おわっとっと――」
俺は足の踏ん張りがきかず顔からどさっと地面に倒れてしまった。
『あれ? マツイさんどったの? あたしそんな強く当たってないよ』
「……い、いや違うんだよ。全身の力が抜けていく感じがして……も、もう手足も動かないんだ」
「マツイさん、カンフル剤の副作用が出てきちゃいましたね。今から十分間はマツイさんは身動きが出来なくなりますよ」
カンフル剤の副作用か……。
わかってはいたけど本当に体がまったく言うことをきかないんだな。
『十分すればもとに戻るんでしょ。なら休んでなよっ』
「で、でもその間にドラゴンが出てきたら、ど、どうすんだよ……」
『あたしがマツイさんを守るから安心していーよっ』
「バ、バカ言うな……お前の魔力は残り3しかないだろ。そ、それにドラゴンには灼熱の炎は効かないんだぞ」
『心配性だなマツイさんはー。だいじょぶだって言ってんじゃん。ねーククリちゃん』
「は、はい」
言うとスラは俺の前に居座った。
「ククリっ、どうすればいいっ!」
頼みの綱のククリに助言を求めるも、
『ギャオオォォォー!!』
マスタードラゴンが俺を踏みつけてきた。
「ぐうっ……」
なんとか受け止めたがこのままでは潰されてしまう。
「ク、ククリっ……」
「マツイさんっ!」
ククリの叫び声は聞こえるがどうやらアドバイスはないようだ。
まいった、いよいよ万事休すか……?
『ギャオオォォォー!!』
『マツイさんっ、……っ!』
するとスラが大声を上げ俺に何か伝えようとしている。
『ギャオオォォォー!!』
マスタードラゴンの咆哮が部屋中に響き渡る中俺はスラの声にだけ集中し耳を傾けた。
『……マツイさんっ、カンフル剤カンフル剤っ!』
カンフル剤……?
そうか!
その手があったか!
一時的に攻撃力を十倍にするというアイテム、カンフル剤。
使った後は十分間まったく身動きが取れなくなるということなので今まで使ってこなかったがもうそれを使うしかない。
俺は、
「うおおおおおっ」
片腕だけでマスタードラゴンの踏みつけを押さえつつカンフル剤を口に入れた。
だが片腕だけではやはり耐え切れず潰されてしまう。
ドスン!!
「マツイさんっ!」
『マツイさんっ!』
『……ギャオォォ!?』
「ふ~、危なかった。カンフル剤の効果が即効性で助かったな」
俺は片腕でマスタードラゴンを軽々と持ち上げていた。
「よいしょっと……」
そしてマスタードラゴンを宙に放り投げると俺は跳び上がり、
「おらぁっ!」
マスタードラゴンの腹めがけ一発のパンチを繰り出した。
ドゴオオォォォーーン!!!
マスタードラゴンの腹に大きな風穴があき、血が大雨のように降る。
そしてマスタードラゴンの巨体は地面に落ちると同時に流血と一緒にきれいさっぱり消え去った。
俺が着地するとゴゴゴゴゴ……と部屋が開放され新たな階段が現れた。
宝箱も目の前に現れる。
「やりましたよ、マツイさ~ん!」
『マツイさん、めちゃすごいじゃん!』
俺のもとに駆けつけるククリとスラ。
「マツイさん、今のマスタードラゴンを倒したことでレベルが240に上がってますよっ」
ククリが俺の首の後ろを見ながら言うと、
『マジ? いいなー。あたしも上がってないか見て見てっ』
スラがククリに自分の背中を見せる。
「スラさんは上がってませんね~」
『なーんだ、がっかり』
ふたりの会話をよそに、
「……な、なんか変だ」
俺は体の異変を感じていた。
すると、
『つーかマツイさん何ぼーっとしてんのっ!』
スラがふざけてどんっと俺の背中に体当たりをしてくる。
「おわっとっと――」
俺は足の踏ん張りがきかず顔からどさっと地面に倒れてしまった。
『あれ? マツイさんどったの? あたしそんな強く当たってないよ』
「……い、いや違うんだよ。全身の力が抜けていく感じがして……も、もう手足も動かないんだ」
「マツイさん、カンフル剤の副作用が出てきちゃいましたね。今から十分間はマツイさんは身動きが出来なくなりますよ」
カンフル剤の副作用か……。
わかってはいたけど本当に体がまったく言うことをきかないんだな。
『十分すればもとに戻るんでしょ。なら休んでなよっ』
「で、でもその間にドラゴンが出てきたら、ど、どうすんだよ……」
『あたしがマツイさんを守るから安心していーよっ』
「バ、バカ言うな……お前の魔力は残り3しかないだろ。そ、それにドラゴンには灼熱の炎は効かないんだぞ」
『心配性だなマツイさんはー。だいじょぶだって言ってんじゃん。ねーククリちゃん』
「は、はい」
言うとスラは俺の前に居座った。
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