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第204話 サイクロプス
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地下十八階層。
なんかやたら部屋と通路の天井が高い。
これまでは五メートルくらいだったがその倍近くありそうだ。
サイクロプスというモンスターがそれだけ大きいということだろうか。
なんにしてもとりあえずアイテムを集めてしまおう。
俺たちはフロアを歩き回って宝箱を探した。
運よくサイクロプスに一度も会うことなく一個目の宝箱を発見する。
中に入っていたのは攻撃力+15の聖銀のレイピア。
フェンシングの剣のような細長い刀身。
攻撃力もまあまあ高いが今の俺には妖刀みつごろしがあるので異次元袋の中にしまっておいた。
宝箱があった場所は通路の行き止まりだったので一旦もと来た道を戻っていると、
「出ましたよっ、サイクロプスです!」
ククリが前を指差した。
前にいたのは水色をした五メートルいや六メートルはあるだろうかという巨大なモンスターだった。
目が一つしかないがその分顔の半分以上を占めるとても大きな目でぎろりとこっちをにらんでいる。
「でかすぎだろあいつっ……」
『うわー、おっきー』
サイクロプスはどすん、どすんと地面を揺らしながら向かってきた。
「どうやって倒すんだよこんな――」
『ウガアァー!』
サイクロプスは自分の間合いに入ったのか腕を振り下ろしてきた。
ドゴッ!
サイクロプスの鉄拳で石畳が砕ける。
動きがそれほど早くなくて助かった。
俺は一瞬早く後ろに飛びのいていた。
くそ、こんなでかいやつ攻撃が顔まで届かないじゃないか。
フライで空を飛ぶしかないのか?
その時、
「マツイさん、ジャンプジャンプ!」
ククリの声が後頭部にぶつかる。
「ジャンプ?」
俺はククリに言われるがままその場でジャンプをしてみた。
すると軽く五メートルは跳び上がった。
「おわっと、と、なんだこれっ?」
「マツイさんはレベルとともにジャンプ力も上がっているんですよ。サイクロプスは攻撃さえ当たらなければ怖くはありませんよっ」
とククリ。
そういうことなら……。
「やあぁっ」
俺はさっきより少しだけ足に力を込めジャンプした。
石畳が砕ける。
『ウガアァー!?』
「くらえっ!」
俺はサイクロプスの大きな目玉に刀を突き刺した。
刀を引き抜き着地する。
『ウガアァァァー……!』
目を押さえ大声を上げたかと思うとサイクロプスは次の瞬間泡となって消滅した。
どうやら目が弱点だったようだ。
そこへ、
『ウガアァー!』
『ウガアァー!』
サイクロプスの最期の声を聞いてか二体のサイクロプスが新たに現れた。
『マツイさん、次はあたしの番だかんね。せーの……』
息をめいっぱい吸い込むとスラは、
ゴオォォォー!!!
灼熱の炎を二体のサイクロプスに向けて吐き出した。
『ウガアァァー……!』
『ウガアァァー……!』
叫び声を上げて消滅していくサイクロプスたち。
……ォォン。
『ふぅー、楽勝楽勝。体ばっかり大きいだけであたしの敵じゃないね』
スラも余裕で二体のサイクロプスを撃破した。
この後俺たちは向かってくるサイクロプスたちを返り討ちにしながらフロアを見て回った。
途中カギのかかった宝箱をみつけこれを持っていた万能キーで開ける。
すると中から金庫が出てきた。
金庫。
万能キーでしか開けられない金庫で中にはお金が入っている。
開ける階層で値段が変わり、深層階で開けるほどより多くのお金が手に入る。
「やりましたねマツイさん。お金が大好きなマツイさんにはぴったりじゃないですか」
「なんか気になる言い方だなぁ。前も言ったけどお金はみんな大好きだからな」
『あたしは食べ物の方が全然いいけどなー』
「人間になればお金の大切さがよくわかるよ」
俺は金庫はまだ開けずに行けるところまで行ってから開けることにした。
なので金庫を異次元袋の中にしまいこむ。
ちなみに近くでもう一つ宝箱をみつけたがそれは罠だったので放っておいた。
「スラ、魔力そろそろ切れるだろ。魔力草やるよ」
『ありがとねマツイさん。あーん』
俺は魔力草をスラの口に落とし入れた。
むしゃむしゃ……。
俺は首からぶら下げたにおい袋の封を開け、
「じゃあ準備も整ったしサイクロプスを呼ぶぞ」
サイクロプス狩りを開始したのだった。
なんかやたら部屋と通路の天井が高い。
これまでは五メートルくらいだったがその倍近くありそうだ。
サイクロプスというモンスターがそれだけ大きいということだろうか。
なんにしてもとりあえずアイテムを集めてしまおう。
俺たちはフロアを歩き回って宝箱を探した。
運よくサイクロプスに一度も会うことなく一個目の宝箱を発見する。
中に入っていたのは攻撃力+15の聖銀のレイピア。
フェンシングの剣のような細長い刀身。
攻撃力もまあまあ高いが今の俺には妖刀みつごろしがあるので異次元袋の中にしまっておいた。
宝箱があった場所は通路の行き止まりだったので一旦もと来た道を戻っていると、
「出ましたよっ、サイクロプスです!」
ククリが前を指差した。
前にいたのは水色をした五メートルいや六メートルはあるだろうかという巨大なモンスターだった。
目が一つしかないがその分顔の半分以上を占めるとても大きな目でぎろりとこっちをにらんでいる。
「でかすぎだろあいつっ……」
『うわー、おっきー』
サイクロプスはどすん、どすんと地面を揺らしながら向かってきた。
「どうやって倒すんだよこんな――」
『ウガアァー!』
サイクロプスは自分の間合いに入ったのか腕を振り下ろしてきた。
ドゴッ!
サイクロプスの鉄拳で石畳が砕ける。
動きがそれほど早くなくて助かった。
俺は一瞬早く後ろに飛びのいていた。
くそ、こんなでかいやつ攻撃が顔まで届かないじゃないか。
フライで空を飛ぶしかないのか?
その時、
「マツイさん、ジャンプジャンプ!」
ククリの声が後頭部にぶつかる。
「ジャンプ?」
俺はククリに言われるがままその場でジャンプをしてみた。
すると軽く五メートルは跳び上がった。
「おわっと、と、なんだこれっ?」
「マツイさんはレベルとともにジャンプ力も上がっているんですよ。サイクロプスは攻撃さえ当たらなければ怖くはありませんよっ」
とククリ。
そういうことなら……。
「やあぁっ」
俺はさっきより少しだけ足に力を込めジャンプした。
石畳が砕ける。
『ウガアァー!?』
「くらえっ!」
俺はサイクロプスの大きな目玉に刀を突き刺した。
刀を引き抜き着地する。
『ウガアァァァー……!』
目を押さえ大声を上げたかと思うとサイクロプスは次の瞬間泡となって消滅した。
どうやら目が弱点だったようだ。
そこへ、
『ウガアァー!』
『ウガアァー!』
サイクロプスの最期の声を聞いてか二体のサイクロプスが新たに現れた。
『マツイさん、次はあたしの番だかんね。せーの……』
息をめいっぱい吸い込むとスラは、
ゴオォォォー!!!
灼熱の炎を二体のサイクロプスに向けて吐き出した。
『ウガアァァー……!』
『ウガアァァー……!』
叫び声を上げて消滅していくサイクロプスたち。
……ォォン。
『ふぅー、楽勝楽勝。体ばっかり大きいだけであたしの敵じゃないね』
スラも余裕で二体のサイクロプスを撃破した。
この後俺たちは向かってくるサイクロプスたちを返り討ちにしながらフロアを見て回った。
途中カギのかかった宝箱をみつけこれを持っていた万能キーで開ける。
すると中から金庫が出てきた。
金庫。
万能キーでしか開けられない金庫で中にはお金が入っている。
開ける階層で値段が変わり、深層階で開けるほどより多くのお金が手に入る。
「やりましたねマツイさん。お金が大好きなマツイさんにはぴったりじゃないですか」
「なんか気になる言い方だなぁ。前も言ったけどお金はみんな大好きだからな」
『あたしは食べ物の方が全然いいけどなー』
「人間になればお金の大切さがよくわかるよ」
俺は金庫はまだ開けずに行けるところまで行ってから開けることにした。
なので金庫を異次元袋の中にしまいこむ。
ちなみに近くでもう一つ宝箱をみつけたがそれは罠だったので放っておいた。
「スラ、魔力そろそろ切れるだろ。魔力草やるよ」
『ありがとねマツイさん。あーん』
俺は魔力草をスラの口に落とし入れた。
むしゃむしゃ……。
俺は首からぶら下げたにおい袋の封を開け、
「じゃあ準備も整ったしサイクロプスを呼ぶぞ」
サイクロプス狩りを開始したのだった。
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