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第47話 チャーハンorオムライス
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「ひーくんおじちゃんまたねー」
紘介が車の窓から身を乗り出す。
「ああ、またな」
「こ~らこうちゃん危ないよ……じゃあ、ひーくん元気でね」
「うん。そっちも元気で」
俺は二人を見送るためポチと一緒に家の外に出ていた。
二人を乗せた車が車庫を出て道路に向かう。
「ひーくんおじちゃんまたねー!」
「またなー」
紘介は後部座席から俺を振り返りずっと手を振っていた。
俺も車が見えなくなるまで手を振り続けた。
「ふぅ……疲れた。さっ戻るかポチ」
「わんっ」
俺はポチの足の裏を軽くタオルで拭くと家に上がった。
ポチに晩ご飯をやってから自分の部屋に戻る。
「ククリ、家に招待しておきながらなんか悪かったな。もう早紀姉ちゃんたち帰ったから一階に下りても大丈夫だぞ」
「いえ、マツイさんの部屋、本がいっぱいあるので楽しいですよ」
漫画本を読みながらククリは笑顔で返してくれる。
どうやらセリフの少ないバスケ漫画が気に入ったようだ。
「晩ご飯どうする?」
「薬草なら沢山ありますよね」
「いや……せっかく家にいるんだからこういう時くらいは別のものを食べよう」
ダンジョンにいる時は仕方なく薬草で空腹をしのぐ時もあるが家でまで薬草は食べたくない。
精霊にとっては美味しいらしいが俺からすると魔力草と同じで不味いからな。
「俺が何か作るよ」
と言っても俺のレパートリーはチャーハンかオムライスくらいなのだが。
「じゃあマツイさんにお任せします」
「わかった。じゃあ一階に下りようか」
「はい」
ククリとポチがじゃれ合っている間俺はキッチンに立つと料理を開始する。
冷蔵庫からケチャップと卵を四つ取り出すとフライパンを温める。
今日の晩ご飯はオムライスだ。
◇ ◇ ◇
「マツイさん、美味しいです!」
具の入っていないケチャップライスに広げた卵焼きを乗せただけのオムライスだったがククリは満足そうに食べてくれたので俺はほっと胸をなでおろした。
晩ご飯の後は俺はお風呂に入った。
ククリは精霊だからお風呂には入る必要がないという。
よくわからないがククリ曰く精霊は聖なる光で常に身が清められているのだそうだ。
お風呂から出ると俺の部屋で二人で格闘ゲームをして楽しんだ。
ククリは初めてとは思えないほどのゲームセンスを見せ、小さな手を巧みに動かし俺に十連コンボを叩きこみまくった。
そうこうしている内にあっという間に時は過ぎ、気付けば時計の針は夜十二時を回っていた。
「そろそろ寝るか」
「え、もうそんな時間ですか?」
「あーそっか、ククリは寝ないんだったな」
ダンジョン内で俺が仮眠をとる時もククリはいつも見張りをしてくれている。
「はい。でも正確には眠る必要がないだけで寝ようと思えば寝られるんですけどね」
「そうなのか? だったら俺のベッド使っていいぞ。俺は床に寝るから」
「そんな気を遣わないでくださいよ。私は小さいですからあの上で寝ます」
そう言って大きめのクッションを指差すククリ。
「そうか? 俺は別に床でもいいんだけどな……」
「私がこっちの方が落ち着くんです」
ククリはひゅーんとクッションのもとまで飛んでいくとその上に横になった。
「ふかふかで気持ちいいです~」
気持ちよさそうに顔をうずめる。
「じゃあ部屋の電気消すぞ」
「はーい、お願いします」
ぱちっとスイッチを押すと俺の目が自動的に暗視モードになった。
俺はククリの寝姿を確認しながら横を通り過ぎるとベッドに横になる。
目を閉じて――
うーん……魔眼の暗視能力は便利なんだけど寝る時だけはちょっと邪魔なんだよなぁ。
――俺は心の中でつぶやくと言葉とは裏腹にすぐに眠りに落ちたのだった。
紘介が車の窓から身を乗り出す。
「ああ、またな」
「こ~らこうちゃん危ないよ……じゃあ、ひーくん元気でね」
「うん。そっちも元気で」
俺は二人を見送るためポチと一緒に家の外に出ていた。
二人を乗せた車が車庫を出て道路に向かう。
「ひーくんおじちゃんまたねー!」
「またなー」
紘介は後部座席から俺を振り返りずっと手を振っていた。
俺も車が見えなくなるまで手を振り続けた。
「ふぅ……疲れた。さっ戻るかポチ」
「わんっ」
俺はポチの足の裏を軽くタオルで拭くと家に上がった。
ポチに晩ご飯をやってから自分の部屋に戻る。
「ククリ、家に招待しておきながらなんか悪かったな。もう早紀姉ちゃんたち帰ったから一階に下りても大丈夫だぞ」
「いえ、マツイさんの部屋、本がいっぱいあるので楽しいですよ」
漫画本を読みながらククリは笑顔で返してくれる。
どうやらセリフの少ないバスケ漫画が気に入ったようだ。
「晩ご飯どうする?」
「薬草なら沢山ありますよね」
「いや……せっかく家にいるんだからこういう時くらいは別のものを食べよう」
ダンジョンにいる時は仕方なく薬草で空腹をしのぐ時もあるが家でまで薬草は食べたくない。
精霊にとっては美味しいらしいが俺からすると魔力草と同じで不味いからな。
「俺が何か作るよ」
と言っても俺のレパートリーはチャーハンかオムライスくらいなのだが。
「じゃあマツイさんにお任せします」
「わかった。じゃあ一階に下りようか」
「はい」
ククリとポチがじゃれ合っている間俺はキッチンに立つと料理を開始する。
冷蔵庫からケチャップと卵を四つ取り出すとフライパンを温める。
今日の晩ご飯はオムライスだ。
◇ ◇ ◇
「マツイさん、美味しいです!」
具の入っていないケチャップライスに広げた卵焼きを乗せただけのオムライスだったがククリは満足そうに食べてくれたので俺はほっと胸をなでおろした。
晩ご飯の後は俺はお風呂に入った。
ククリは精霊だからお風呂には入る必要がないという。
よくわからないがククリ曰く精霊は聖なる光で常に身が清められているのだそうだ。
お風呂から出ると俺の部屋で二人で格闘ゲームをして楽しんだ。
ククリは初めてとは思えないほどのゲームセンスを見せ、小さな手を巧みに動かし俺に十連コンボを叩きこみまくった。
そうこうしている内にあっという間に時は過ぎ、気付けば時計の針は夜十二時を回っていた。
「そろそろ寝るか」
「え、もうそんな時間ですか?」
「あーそっか、ククリは寝ないんだったな」
ダンジョン内で俺が仮眠をとる時もククリはいつも見張りをしてくれている。
「はい。でも正確には眠る必要がないだけで寝ようと思えば寝られるんですけどね」
「そうなのか? だったら俺のベッド使っていいぞ。俺は床に寝るから」
「そんな気を遣わないでくださいよ。私は小さいですからあの上で寝ます」
そう言って大きめのクッションを指差すククリ。
「そうか? 俺は別に床でもいいんだけどな……」
「私がこっちの方が落ち着くんです」
ククリはひゅーんとクッションのもとまで飛んでいくとその上に横になった。
「ふかふかで気持ちいいです~」
気持ちよさそうに顔をうずめる。
「じゃあ部屋の電気消すぞ」
「はーい、お願いします」
ぱちっとスイッチを押すと俺の目が自動的に暗視モードになった。
俺はククリの寝姿を確認しながら横を通り過ぎるとベッドに横になる。
目を閉じて――
うーん……魔眼の暗視能力は便利なんだけど寝る時だけはちょっと邪魔なんだよなぁ。
――俺は心の中でつぶやくと言葉とは裏腹にすぐに眠りに落ちたのだった。
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