39 / 233
第39話 今出来る最強装備
しおりを挟む
「ベアさん聞いてくださいよっ。せっかくみつけた帰還石をマツイさんが売ろうとしてるんですよっ」
ベアさんのいる部屋に着くとククリはベアさんに近寄っていった。
『何っ!? 帰還石!? 本当かマツイ! 帰還石をみつけたのかっ?』
「はあ、まあ……」
『そりゃあすげぇ。帰還石があれば多少の無茶も出来るからな』
ハニーベアのベアさんは鬼のような形相で俺を見てくる。
別に俺に対して怒っているというわけではなくただ単に素の顔が怖いだけだ。
『おれが言うのもなんだがよお、それは売らずにとっておいた方がいいと思うぜ』
とベアさんは言う。
「ほらマツイさん、売ってほしいはずのベアさんもこう言ってるんですからやっぱり売らない方がいいんですってば」
「そうだなぁ……」
お金とアイテムを持っていつでも好きな時にダンジョン外に出られる帰還石。その効力はかなり魅力的。
しかしベアさんに売れば十万円。それもまたニートの俺にとっては魅力的なのだ。
「一応どんなアイテムを売っているのかだけ見せてもらってもいいですか?」
『おう、好きなだけ見ていってくれ』
ベアさんに断ってからベアさんの足元に目を落とした。
そこには様々なアイテムが並んでいた。
木刀に銅の剣に鋼の剣、妖刀きりがくれに鋼鉄のムチ、皮の鎧に青銅の鎧、神秘のスカートにくさりかたびら。
その他薬草や魔力草、黒曜の玉や天使の靴などククリとベアさんに教えてもらいながら商品を一つ一つ手に取っていく。
そして商品を見ていく中で俺は決意を固めた。
「……ベアさん、この帰還石を買い取ってください」
俺は赤く光る帰還石を床に置く。
「え~! マツイさんっ!? 私たちの話聞いてましたかっ?」
『おっ、いいのかい?』
「忠告を無視して悪いなククリ、でも俺にとって十万円はやっぱりでかいんだよ。それにまだ地下二階層だろ、戻ろうと思えばいつでも戻れるからさ」
「むぅ……マツイさんがいいならいいんですけどね」
余り納得はしていない表情でククリは言う。
『おれとしてはありがたいぜ。じゃあマツイの気が変わらないうちに買い取るとするかな』
「あ、ついでにこれも売りたいんですけど……」
俺は身に着けていた皮のポンチョと運動靴と錆びた剣、さらに布の袋の中からひのきの棒と魔力草を一つ取り出すと床に置いた。
『いいぜ、ちょっと待ってなよ……えーっと錆びた剣と皮のポンチョが五百円だろ。それから運動靴が千円、あと十円と百円だから……十万と二千百十円だな。いいか?』
「はい」
俺はお金を受け取るとさらに続ける。
「買い物もいいですか?」
『おう、どんどん買っていってくれ』
「じゃあ鋼の剣とくさりかたびらと天使の靴をください」
『あいよ』
俺は攻撃力+10の鋼の剣と防御力+10のくさりかたびら、さらに防御力+2で少しだけ浮くことの出来る天使の靴を選んだ。
今出来る最強装備だ。
本当は妖刀きりがくれの方が特殊効果がついていてよかったのだが五万円という値段にさすがに手が出せなかった。
『鋼の剣とくさりかたびらが三千円で天使の靴が四千円だから占めて一万だな』
「はい、じゃあこれで」
俺は一万円札を差し出しそれらを買った。
ベアさんの目の前で装備する。
「ありがとうございましたベアさん。じゃあククリ、そろそろゴブリン狩りを始めるか。目標は千体だ」
「はーい。じゃあベアさんまたあとでお会いしましょうね」
『おう、またなククリ。死ぬなよマツイ!』
装備を整えた俺はスキル、ゴブリンコレクターを取得するためゴブリン狩りを開始した。
俺の所持金、九万二千七百六十円也。
ベアさんのいる部屋に着くとククリはベアさんに近寄っていった。
『何っ!? 帰還石!? 本当かマツイ! 帰還石をみつけたのかっ?』
「はあ、まあ……」
『そりゃあすげぇ。帰還石があれば多少の無茶も出来るからな』
ハニーベアのベアさんは鬼のような形相で俺を見てくる。
別に俺に対して怒っているというわけではなくただ単に素の顔が怖いだけだ。
『おれが言うのもなんだがよお、それは売らずにとっておいた方がいいと思うぜ』
とベアさんは言う。
「ほらマツイさん、売ってほしいはずのベアさんもこう言ってるんですからやっぱり売らない方がいいんですってば」
「そうだなぁ……」
お金とアイテムを持っていつでも好きな時にダンジョン外に出られる帰還石。その効力はかなり魅力的。
しかしベアさんに売れば十万円。それもまたニートの俺にとっては魅力的なのだ。
「一応どんなアイテムを売っているのかだけ見せてもらってもいいですか?」
『おう、好きなだけ見ていってくれ』
ベアさんに断ってからベアさんの足元に目を落とした。
そこには様々なアイテムが並んでいた。
木刀に銅の剣に鋼の剣、妖刀きりがくれに鋼鉄のムチ、皮の鎧に青銅の鎧、神秘のスカートにくさりかたびら。
その他薬草や魔力草、黒曜の玉や天使の靴などククリとベアさんに教えてもらいながら商品を一つ一つ手に取っていく。
そして商品を見ていく中で俺は決意を固めた。
「……ベアさん、この帰還石を買い取ってください」
俺は赤く光る帰還石を床に置く。
「え~! マツイさんっ!? 私たちの話聞いてましたかっ?」
『おっ、いいのかい?』
「忠告を無視して悪いなククリ、でも俺にとって十万円はやっぱりでかいんだよ。それにまだ地下二階層だろ、戻ろうと思えばいつでも戻れるからさ」
「むぅ……マツイさんがいいならいいんですけどね」
余り納得はしていない表情でククリは言う。
『おれとしてはありがたいぜ。じゃあマツイの気が変わらないうちに買い取るとするかな』
「あ、ついでにこれも売りたいんですけど……」
俺は身に着けていた皮のポンチョと運動靴と錆びた剣、さらに布の袋の中からひのきの棒と魔力草を一つ取り出すと床に置いた。
『いいぜ、ちょっと待ってなよ……えーっと錆びた剣と皮のポンチョが五百円だろ。それから運動靴が千円、あと十円と百円だから……十万と二千百十円だな。いいか?』
「はい」
俺はお金を受け取るとさらに続ける。
「買い物もいいですか?」
『おう、どんどん買っていってくれ』
「じゃあ鋼の剣とくさりかたびらと天使の靴をください」
『あいよ』
俺は攻撃力+10の鋼の剣と防御力+10のくさりかたびら、さらに防御力+2で少しだけ浮くことの出来る天使の靴を選んだ。
今出来る最強装備だ。
本当は妖刀きりがくれの方が特殊効果がついていてよかったのだが五万円という値段にさすがに手が出せなかった。
『鋼の剣とくさりかたびらが三千円で天使の靴が四千円だから占めて一万だな』
「はい、じゃあこれで」
俺は一万円札を差し出しそれらを買った。
ベアさんの目の前で装備する。
「ありがとうございましたベアさん。じゃあククリ、そろそろゴブリン狩りを始めるか。目標は千体だ」
「はーい。じゃあベアさんまたあとでお会いしましょうね」
『おう、またなククリ。死ぬなよマツイ!』
装備を整えた俺はスキル、ゴブリンコレクターを取得するためゴブリン狩りを開始した。
俺の所持金、九万二千七百六十円也。
0
お気に入りに追加
672
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる