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第32話 道中
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ノベールの町を出発して街道沿いをしばらく走っていると突然馬のいななきとともに馬車が止まった。
何事かと馬車の窓から外を見ると馬車の周りを剣を持った男たちが取り囲んでいた。
「おら、馬車の中の奴らさっさと出てこいっ!」
「出てこないとこのじいさん殺すぞっ!」
おそらく御者のおじいさんが外の男たちに捕まってしまったのだろう。
「なんだっ、何がどうなってるんだっ」
「おばあちゃん、怖いよ~」
馬車の中にいた中年男性や女の子は思いもよらない出来事にパニックになっている。
御者のおじいさんが人質に取られている以上仕方なく俺たちは馬車を降りて男たちの前に出た。
男たちは全部で四人。
みんな口ひげを生やしていて粗野な印象だ。
「お前ら、金目のもん出しやがれっ!」
「隠したりしたらただじゃおかねぇからなっ!」
「ほら、早くしろっ!」
俺たちに剣を向けながら命令する男たち。
解放された御者のおじいさんと女の子にしがみつかれたおばあさんと中年男性がそれぞれ金貨や銀貨、指輪やネックレスなどを差し出していく。
「おい、てめぇも早くしやがれっ!」
剣を持った男は怒鳴り声を上げ俺の喉元に剣先を向けた。
四人か……だったら余裕だな。
俺は自分に向けられた剣をおもむろに掴むとそれを折り曲げる。
「「「「なっ!?」」」」
男たちがそれを見てひるんだ。
その隙を逃さず俺は素早く四人の男たちの懐に潜り込むと連続でパンチを叩き込んだ。
「うがっ」
「ぐあっ」
「ごふっ」
「があぁっ」
あっという間に四人の男たちが地面に崩れ落ちる。
俺は足元に転がっている男たちに、
「盗んだものは返してもらうぞ」
言っておばあさんたちの指輪などを回収した。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとう、ございます……」
「お、おう……」
「あ、あんた一体……?」
驚きの表情を浮かべているおばあさんたちに回収したそれぞれの品を手渡していく。
その後で俺は御者のおじいさんに、
「それじゃあロレンスの町に向かいましょうか」
と呼びかけると気を取り直したおじいさんが、
「そ、そうじゃな。こやつらが起きんうちに早いとこロレンスに行くとしよう」
御者台に乗り「さ、さあ、みなさん乗ってくだされ」と指示を出した。
「お兄ちゃん強いんだねっ」
馬車に乗りこむと女の子が俺の顔を見て楽しそうに笑う。
「うん、まあね」
「お兄ちゃんが一緒なら強い魔物が襲ってきても盗賊が襲ってきてももう怖くないね、おばあちゃん」
「そうじゃのう」
孫娘だろう女の子におばあさんが微笑み返す。
「さあて、それでは出発しますぞーっ」
御者のおじいさんの声が聞こえるとゆっくりと馬車が動き出した。
俺たちの目的地であるロレンスの町まではあと少しだ。
何事かと馬車の窓から外を見ると馬車の周りを剣を持った男たちが取り囲んでいた。
「おら、馬車の中の奴らさっさと出てこいっ!」
「出てこないとこのじいさん殺すぞっ!」
おそらく御者のおじいさんが外の男たちに捕まってしまったのだろう。
「なんだっ、何がどうなってるんだっ」
「おばあちゃん、怖いよ~」
馬車の中にいた中年男性や女の子は思いもよらない出来事にパニックになっている。
御者のおじいさんが人質に取られている以上仕方なく俺たちは馬車を降りて男たちの前に出た。
男たちは全部で四人。
みんな口ひげを生やしていて粗野な印象だ。
「お前ら、金目のもん出しやがれっ!」
「隠したりしたらただじゃおかねぇからなっ!」
「ほら、早くしろっ!」
俺たちに剣を向けながら命令する男たち。
解放された御者のおじいさんと女の子にしがみつかれたおばあさんと中年男性がそれぞれ金貨や銀貨、指輪やネックレスなどを差し出していく。
「おい、てめぇも早くしやがれっ!」
剣を持った男は怒鳴り声を上げ俺の喉元に剣先を向けた。
四人か……だったら余裕だな。
俺は自分に向けられた剣をおもむろに掴むとそれを折り曲げる。
「「「「なっ!?」」」」
男たちがそれを見てひるんだ。
その隙を逃さず俺は素早く四人の男たちの懐に潜り込むと連続でパンチを叩き込んだ。
「うがっ」
「ぐあっ」
「ごふっ」
「があぁっ」
あっという間に四人の男たちが地面に崩れ落ちる。
俺は足元に転がっている男たちに、
「盗んだものは返してもらうぞ」
言っておばあさんたちの指輪などを回収した。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとう、ございます……」
「お、おう……」
「あ、あんた一体……?」
驚きの表情を浮かべているおばあさんたちに回収したそれぞれの品を手渡していく。
その後で俺は御者のおじいさんに、
「それじゃあロレンスの町に向かいましょうか」
と呼びかけると気を取り直したおじいさんが、
「そ、そうじゃな。こやつらが起きんうちに早いとこロレンスに行くとしよう」
御者台に乗り「さ、さあ、みなさん乗ってくだされ」と指示を出した。
「お兄ちゃん強いんだねっ」
馬車に乗りこむと女の子が俺の顔を見て楽しそうに笑う。
「うん、まあね」
「お兄ちゃんが一緒なら強い魔物が襲ってきても盗賊が襲ってきてももう怖くないね、おばあちゃん」
「そうじゃのう」
孫娘だろう女の子におばあさんが微笑み返す。
「さあて、それでは出発しますぞーっ」
御者のおじいさんの声が聞こえるとゆっくりと馬車が動き出した。
俺たちの目的地であるロレンスの町まではあと少しだ。
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