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 第27章 ソーロン帝国の秘密編

2701.ソーロン帝国とヘノイ王国の関係

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 カタリナを女王にするときに、第1皇子のルイに暗殺されそうになった。しかも、ルイが直接手を下すわけではなく、ソーロン帝国の王族からの攻撃を受けたのだ。それが、王族のゾーウだった。

 私は、王族のゾーウの攻撃をかわし、逆に、ルイを追い詰めることに成功した。そして、ソーロン帝国の王族ゾーウを手下にした。それによって、ソーロン帝国とヘノイ王国の関係がはっきりしてきた。

 ヘノイ王国は、昔から勇者を召喚する役割を果たしてきた。しかし、今から、約1000年前に賢者サビオを裏切り、その役割を果たさなかった。魔法軍の四天王にそそのかされて、密約を結んでしまった。

 その時に、手を貸したのが、ソーロン帝国の王族だった。ソーロン帝国には、秘密の遺跡が神殿の中にあり、そこに魔大陸に繋がるゲートがある。つまり、ソーロン帝国は、国内に魔法軍が進軍してくる出入り口を持っていることになる。つまり、真っ先に魔王軍と対峙しなくてはならない。そこで、ヘノイ王国の国王と同じように、魔王軍が見逃すように密約を結んだのだ。それ故、賢者サビオは、罠にかかり、特殊な細工をされて地下牢に閉じ込められて、死んでしまった。

 結果的には、魔火山の噴火が起こらずに、魔王が復活することもなかった。しかし、1000年たった現在、魔火山が噴火する恐れがある。どうも、勇者の召喚と魔火山の噴火は、密接に関係しているようだ。

 魔火山の噴火がなければ、魔王が完全復活することはできない。そして、魔王を倒すのには、聖剣が必要だ。また、互角に戦うために、聖盾と聖防具が役に立つ。それらは、各国に分散して保管されているようだ。しかし、聖剣と同様に、文献としては、残されていない。王族の伝承として受け継がれているだけだ。それ故、各国の王族から、情報を得る必要がある。

 今回、ソーロン帝国とヘノイ王国の王族から、情報を得た。同じように、他の国の王族から、情報を得る必要がある。いつ、魔王が復活するのか、分からないので、それは、急がなくてはならない。

 また、ソーロン帝国と隣接している大陸を私は魔大陸と呼んでいるが、実際には、竜人族の大陸だ。本当の魔大陸ではない。魔王軍と思っていたのは、魔物を操っていた赤の竜人ことルーブロマ・ドラコのソーロン帝国への反抗だった。

 私は、赤の竜人に会って、現状を確認しておくことにした。私は、ムーンになってから、転移魔法で、魔大陸の基地に移動した。

 「メルーロは、居るか?」

 私は、基地にいる兵士に尋ねた。

 「いえ、メルーロ将軍は、ヤガータ国の基地に戻っております」

 「そうか、この基地に攻撃をするような者はいるか?」

 「いえ、そのような者はおりません。魔物も、大人しくしています」

 「そうか、それでは、竜人族はどうか?」

 「竜人族に出会うことはありません。これまで、聞いたことがないです」

 「わかった。ご苦労」

 兵士は、元に監視場に戻った。念のため、私は、思念伝達で、メルーロに連絡を取った。

 「ムーンだけど、少し聞きたいことがあるのだが、いいか?」

 「はい、何でしょうか?」

 「以前、魔大陸で、魔物を討伐に行った時の事を覚えているか?」

 「もちろんです」

 「あの時に赤の竜人とその後、接触したことがあるか?」

 「いいえ、ありません」

 「いや、メルーロ地震では、無く、軍として、見かけたことはないか?」

 「はい、それも、ありません」

 「分かった。ありがとう」

 やはり、あの後、赤の竜人とのトラブルは起こっていないようだ。それなら、赤の竜人は、そっとしておこう。

 私は、ルナとなってから、ガーベラの居る城に転移魔法で、戻った。

 「ガーベラ、どう?」

 「だいぶ、元に戻ったわ」

 「そうか、それなら良かった」

 「ルナ、もう、大きくなったわよ」

 「本当だね。もう、離乳食になっているんだね」

 「そうよ。それに、この子、賢いよ」

 「どれどれ」

 私は、ルナjrを抱き上げて、その笑顔を見つめていた。

 「ガーベラによく似ているね。可愛いよ。それに、理知的な感じがする」

 「何言っているの。お父さんにそっくりよ」

 「そうかなぁ?」

 私は、ルナjrをガーベラに返した。ルナjrは、嬉しそうな声を上げて、笑っている。

 「ガーベラ、レンゲーとは、連絡を取っている?」

 「いいえ、もう、完全に任せているわ」

 「ルナは、どうなの?」

 「申し訳ない。私も、連絡を取っていないんだ。何かあれば、連絡をするようにって、言っているのだが、全く問題がないのかな?」

 「多分、遠慮しているのよ。待って居ないで、あなたから、連絡をしてあげてよ」

 「わかったよ。直ぐに、連絡をするよ」

 私は、思念伝達で、レンゲーと連絡を取った。

 「レンゲー、ルナだけど、今、いいかな?」

 「はい、大丈夫です。何でしょうか?」

 「暫く、連絡を取っていなかったが、何か、問題は、起こっていないか?」

 「特に、問題は、ありません」

 「何でも、遠慮せずに言ってくれ」

 「そうですか。それなら、大したことではないのですが、アストーリア大陸で作っているコンパスの量が確保できなくなっているらしいのです」

 「コンパスというと、磁石が取れなくなっているのか?」

 「量が減っているそうなのです。多分、これまでに大量に採取したので、それが、影響しているのかと思われます」

 「それなら、生産量を制限して、長く、生産できるようしないといけないな」

 「はい、私も、そう思って、生産量を8割ぐらいに抑えています。でも、本当の原因を知っておく必要があるので、できれば、調べて欲しいのです」

 「分かった。時期を見て、調べて見るよ。それほど、急ぎではないな」

 「はい、急ぎではありません」

 私は、レンゲーとの思念伝達を切った。

 「ガーベラ、今、レンゲーと連絡を取ったけど、特に、問題は、ないようだよ。遠慮しているわけではないみたいだな」

 「そう、それなら良かったわ」

 今日は、ガーベラとルナjrと家族水入らずで、のんびり過ごすことにした。
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