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 第15章 魔法学院(前期試験)編

1506.前期末考査終了

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 私は、1日目の火魔法の試験内容を食堂で披露したため、目立ってしまった。そして、レイカにも見られていた。その日の試験は、2科目だけで、2科目目の科目は、水魔法だった。

 また、先ほどと同じように、控室で、待機して、1人ずつ呼ばれて、隣の教室に入っていった。試験を終了した生徒は、食堂で待機し、全員が終わってから、自由行動になっていた。

 私の2科目も、1科目と同じように、他の生徒とは、かけ離れた試験になっていた。なぜ、そんなことになっているのか、分からないが、食堂に行っても、何も話さないようにしていた。私は、自重して、何を言われても、試験内容は話さなかった。もちろん、実演もやらなかった。

 暫くして、レイカが試験を終えて、食堂にやって来た。

 「テラ、今日は、終了ね」

 「そうだね。レイカ。疲れていない?」

 「私は、大丈夫よ」

 何故か、レイカは、私を見ないで、返事をしている。

 「ねえ、レイカ、変だよ」

 「えっ、何が、変なの」

 「僕のこと、見てくれないじゃない」 

 「そんなことないよ」 

 やはり、私を見ようとしない。何故か、わからないけれど、1科目の後から、レイカの態度は変わっていたと思う。

 全員の試験が終わったようだ、係の先生が自由にして良いと言っている。私は、レイカを探して、一緒に部屋に戻ろうと思っていたが、いつの間にか、レイカは、食堂から姿を消していた。

 仕方がないので、そのまま、自分の部屋に戻った。暫くして、レイカが部屋に入って来た。

 「テラ、正直に話してね」

 今度は、私の顔をしっかり見て、聞いている。食堂での態度とは、異なっていた。

 「うん。いいよ。なんだい」

 「あなた、本当に13才なの?」

 「あたりまえだろ。13才だよ。急にどうしたの?」

 「だって、あんな魔法を使えるなんて、もうすでに、上級レベルじゃないの」

 レイカは、怒ったように、私に言った。

 「もしかしたら、上級レベル以上かも」

 「どうしたの?」

 レイカが、何を考えているのか、よくわからない。

 私が食堂で行った魔法を見て、驚いたことは、わかる。そして、そのレベルが他の生徒とかけ離れていると感じている。ひょっとしたら、この魔法学院の教師よりもレベルが上だと思っているのかもしれない。

 「レイカ、何を考えているの?」

 「だって、昨日も一緒に魔法の練習をしたでしょ」

 「そうだよ。レイカに授業で行った魔法を教えて貰っていたよ」

 「でも、バカにしてたのじゃない。こんなレベルの魔法を教えようとしているって」

 「そんなことないよ。レイカの親切に感謝しているよ」

 今度は、レイカは下を向いている。泣き出しそうな感じだ。私は、レイカを抱きしめて、もう一度言った。

 「僕のことを心配してくれたレイカのことをバカにするわけがないよ。本当だよ」

 私は、両手で、レイカのほほを抑えて、軽くキスをした。

 「僕の言葉が信じられない?」

 「そんなことないよ。でも、自信がないの」

 私は、もう一度、軽くキスをした。

 「どうしたの?」

 「あんな魔法を簡単に放つテラに、私はついていけないわ」

 「なぜ、魔法の事ばかり言うの。ぼくを好きなのは、魔法ができるからかい」

 「違うわ。魔法ができると思っていなかったの。私の方が魔法が得意だと思っていたの」

 「魔法なんて、どちらでもいいじゃないの。どちらがうまくても、関係ないよ」

 「本当? 魔法がうまくなくてもいいの?」

 「レイカのいい所は、魔法なんかじゃないよ。いつも、僕のことを考えて、親切にしてくれる。それだけでいいよ。僕の事を考えてくれるだけでいいよ」

 「そうなの。魔法が下手でもいいの?」

 私は、もう一度しっかりとレイカを抱きしめた。そして、軽くキスをしてから囁いた。

 「好きだよ。レイカは、今のままでいいよ。そのままで、好きだよ」

 「私も、テラが好き。魔法はビックリしただけ。それで、自信がなくなったの」

 「何も変わりはないよ。今まで通りでいいからね」

 「はい」
 
 やっと、素直になった。顔にも微笑みが戻ってきている。私は、レイカを抱きしめて、ベッドの上に押し倒した。そして、レイカの長い髪の毛を掬いながら、もう一度軽くキスをした。

 レイカは、目を閉じて、じっとしている。私は、レイカの右目にキスをした。それから、右の耳たぶにキスをしてから、軽く歯で噛んだ。

 それから、レイカの頭を左手で撫でながら、心臓の音を確かめた。温かく、柔らかな胸の下にある心臓の音をしっかりと、聞き入った。

 私達は、一緒にベッドで一夜を過ごした。
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