131 / 270
第15章 魔法学院(前期試験)編
1506.前期末考査終了
しおりを挟む
私は、1日目の火魔法の試験内容を食堂で披露したため、目立ってしまった。そして、レイカにも見られていた。その日の試験は、2科目だけで、2科目目の科目は、水魔法だった。
また、先ほどと同じように、控室で、待機して、1人ずつ呼ばれて、隣の教室に入っていった。試験を終了した生徒は、食堂で待機し、全員が終わってから、自由行動になっていた。
私の2科目も、1科目と同じように、他の生徒とは、かけ離れた試験になっていた。なぜ、そんなことになっているのか、分からないが、食堂に行っても、何も話さないようにしていた。私は、自重して、何を言われても、試験内容は話さなかった。もちろん、実演もやらなかった。
暫くして、レイカが試験を終えて、食堂にやって来た。
「テラ、今日は、終了ね」
「そうだね。レイカ。疲れていない?」
「私は、大丈夫よ」
何故か、レイカは、私を見ないで、返事をしている。
「ねえ、レイカ、変だよ」
「えっ、何が、変なの」
「僕のこと、見てくれないじゃない」
「そんなことないよ」
やはり、私を見ようとしない。何故か、わからないけれど、1科目の後から、レイカの態度は変わっていたと思う。
全員の試験が終わったようだ、係の先生が自由にして良いと言っている。私は、レイカを探して、一緒に部屋に戻ろうと思っていたが、いつの間にか、レイカは、食堂から姿を消していた。
仕方がないので、そのまま、自分の部屋に戻った。暫くして、レイカが部屋に入って来た。
「テラ、正直に話してね」
今度は、私の顔をしっかり見て、聞いている。食堂での態度とは、異なっていた。
「うん。いいよ。なんだい」
「あなた、本当に13才なの?」
「あたりまえだろ。13才だよ。急にどうしたの?」
「だって、あんな魔法を使えるなんて、もうすでに、上級レベルじゃないの」
レイカは、怒ったように、私に言った。
「もしかしたら、上級レベル以上かも」
「どうしたの?」
レイカが、何を考えているのか、よくわからない。
私が食堂で行った魔法を見て、驚いたことは、わかる。そして、そのレベルが他の生徒とかけ離れていると感じている。ひょっとしたら、この魔法学院の教師よりもレベルが上だと思っているのかもしれない。
「レイカ、何を考えているの?」
「だって、昨日も一緒に魔法の練習をしたでしょ」
「そうだよ。レイカに授業で行った魔法を教えて貰っていたよ」
「でも、バカにしてたのじゃない。こんなレベルの魔法を教えようとしているって」
「そんなことないよ。レイカの親切に感謝しているよ」
今度は、レイカは下を向いている。泣き出しそうな感じだ。私は、レイカを抱きしめて、もう一度言った。
「僕のことを心配してくれたレイカのことをバカにするわけがないよ。本当だよ」
私は、両手で、レイカのほほを抑えて、軽くキスをした。
「僕の言葉が信じられない?」
「そんなことないよ。でも、自信がないの」
私は、もう一度、軽くキスをした。
「どうしたの?」
「あんな魔法を簡単に放つテラに、私はついていけないわ」
「なぜ、魔法の事ばかり言うの。ぼくを好きなのは、魔法ができるからかい」
「違うわ。魔法ができると思っていなかったの。私の方が魔法が得意だと思っていたの」
「魔法なんて、どちらでもいいじゃないの。どちらがうまくても、関係ないよ」
「本当? 魔法がうまくなくてもいいの?」
「レイカのいい所は、魔法なんかじゃないよ。いつも、僕のことを考えて、親切にしてくれる。それだけでいいよ。僕の事を考えてくれるだけでいいよ」
「そうなの。魔法が下手でもいいの?」
私は、もう一度しっかりとレイカを抱きしめた。そして、軽くキスをしてから囁いた。
「好きだよ。レイカは、今のままでいいよ。そのままで、好きだよ」
「私も、テラが好き。魔法はビックリしただけ。それで、自信がなくなったの」
「何も変わりはないよ。今まで通りでいいからね」
「はい」
やっと、素直になった。顔にも微笑みが戻ってきている。私は、レイカを抱きしめて、ベッドの上に押し倒した。そして、レイカの長い髪の毛を掬いながら、もう一度軽くキスをした。
レイカは、目を閉じて、じっとしている。私は、レイカの右目にキスをした。それから、右の耳たぶにキスをしてから、軽く歯で噛んだ。
それから、レイカの頭を左手で撫でながら、心臓の音を確かめた。温かく、柔らかな胸の下にある心臓の音をしっかりと、聞き入った。
私達は、一緒にベッドで一夜を過ごした。
また、先ほどと同じように、控室で、待機して、1人ずつ呼ばれて、隣の教室に入っていった。試験を終了した生徒は、食堂で待機し、全員が終わってから、自由行動になっていた。
私の2科目も、1科目と同じように、他の生徒とは、かけ離れた試験になっていた。なぜ、そんなことになっているのか、分からないが、食堂に行っても、何も話さないようにしていた。私は、自重して、何を言われても、試験内容は話さなかった。もちろん、実演もやらなかった。
暫くして、レイカが試験を終えて、食堂にやって来た。
「テラ、今日は、終了ね」
「そうだね。レイカ。疲れていない?」
「私は、大丈夫よ」
何故か、レイカは、私を見ないで、返事をしている。
「ねえ、レイカ、変だよ」
「えっ、何が、変なの」
「僕のこと、見てくれないじゃない」
「そんなことないよ」
やはり、私を見ようとしない。何故か、わからないけれど、1科目の後から、レイカの態度は変わっていたと思う。
全員の試験が終わったようだ、係の先生が自由にして良いと言っている。私は、レイカを探して、一緒に部屋に戻ろうと思っていたが、いつの間にか、レイカは、食堂から姿を消していた。
仕方がないので、そのまま、自分の部屋に戻った。暫くして、レイカが部屋に入って来た。
「テラ、正直に話してね」
今度は、私の顔をしっかり見て、聞いている。食堂での態度とは、異なっていた。
「うん。いいよ。なんだい」
「あなた、本当に13才なの?」
「あたりまえだろ。13才だよ。急にどうしたの?」
「だって、あんな魔法を使えるなんて、もうすでに、上級レベルじゃないの」
レイカは、怒ったように、私に言った。
「もしかしたら、上級レベル以上かも」
「どうしたの?」
レイカが、何を考えているのか、よくわからない。
私が食堂で行った魔法を見て、驚いたことは、わかる。そして、そのレベルが他の生徒とかけ離れていると感じている。ひょっとしたら、この魔法学院の教師よりもレベルが上だと思っているのかもしれない。
「レイカ、何を考えているの?」
「だって、昨日も一緒に魔法の練習をしたでしょ」
「そうだよ。レイカに授業で行った魔法を教えて貰っていたよ」
「でも、バカにしてたのじゃない。こんなレベルの魔法を教えようとしているって」
「そんなことないよ。レイカの親切に感謝しているよ」
今度は、レイカは下を向いている。泣き出しそうな感じだ。私は、レイカを抱きしめて、もう一度言った。
「僕のことを心配してくれたレイカのことをバカにするわけがないよ。本当だよ」
私は、両手で、レイカのほほを抑えて、軽くキスをした。
「僕の言葉が信じられない?」
「そんなことないよ。でも、自信がないの」
私は、もう一度、軽くキスをした。
「どうしたの?」
「あんな魔法を簡単に放つテラに、私はついていけないわ」
「なぜ、魔法の事ばかり言うの。ぼくを好きなのは、魔法ができるからかい」
「違うわ。魔法ができると思っていなかったの。私の方が魔法が得意だと思っていたの」
「魔法なんて、どちらでもいいじゃないの。どちらがうまくても、関係ないよ」
「本当? 魔法がうまくなくてもいいの?」
「レイカのいい所は、魔法なんかじゃないよ。いつも、僕のことを考えて、親切にしてくれる。それだけでいいよ。僕の事を考えてくれるだけでいいよ」
「そうなの。魔法が下手でもいいの?」
私は、もう一度しっかりとレイカを抱きしめた。そして、軽くキスをしてから囁いた。
「好きだよ。レイカは、今のままでいいよ。そのままで、好きだよ」
「私も、テラが好き。魔法はビックリしただけ。それで、自信がなくなったの」
「何も変わりはないよ。今まで通りでいいからね」
「はい」
やっと、素直になった。顔にも微笑みが戻ってきている。私は、レイカを抱きしめて、ベッドの上に押し倒した。そして、レイカの長い髪の毛を掬いながら、もう一度軽くキスをした。
レイカは、目を閉じて、じっとしている。私は、レイカの右目にキスをした。それから、右の耳たぶにキスをしてから、軽く歯で噛んだ。
それから、レイカの頭を左手で撫でながら、心臓の音を確かめた。温かく、柔らかな胸の下にある心臓の音をしっかりと、聞き入った。
私達は、一緒にベッドで一夜を過ごした。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
五年目の浮気、七年目の破局。その後のわたし。
あとさん♪
恋愛
大恋愛での結婚後、まるまる七年経った某日。
夫は愛人を連れて帰宅した。(その愛人は妊娠中)
笑顔で愛人をわたしに紹介する夫。
え。この人、こんな人だったの(愕然)
やだやだ、気持ち悪い。離婚一択!
※全15話。完結保証。
※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第四弾。
今回の夫婦は子無し。騎士爵(ほぼ平民)。
第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』
第二弾『そういうとこだぞ』
第三弾『妻の死で思い知らされました。』
それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。
※この話は小説家になろうにも投稿しています。
※2024.03.28 15話冒頭部分を加筆修正しました。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後
綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、
「真実の愛に目覚めた」
と衝撃の告白をされる。
王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。
婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。
一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。
文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。
そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。
周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?
(完結)私の夫を奪う姉
青空一夏
恋愛
私(ポージ)は爵位はないが、王宮に勤める文官(セオドア)の妻だ。姉(メイヴ)は老男爵に嫁ぎ最近、未亡人になったばかりだ。暇な姉は度々、私を呼び出すが、私の夫を一人で寄越すように言ったことから不倫が始まる。私は・・・・・・
すっきり?ざまぁあり。短いゆるふわ設定なお話のつもりです。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる