18 / 84
第1章
18話:最高の相棒と最高のダンスを
しおりを挟む
国王エルセリオスの挨拶によって舞踏会がスタートした。
エヴァレット公爵家以外の公爵家が王族へと挨拶をしている。
するとレグルトが一緒に挨拶に行くように言ってきた。
「俺もか? 平民なのに他の貴族より先に挨拶していいのか?」
レグルトは目を見開いて驚いており、リディアも同様に驚いていた。
どこに驚く要素があったのかと言いたい。
「まさかテオ殿がそのようなことを言うとは思っていなかった」
「お父様の言う通りですよ。テオ様がこのような場面で常識なことを言えば当然ですよ」
いつも非常識だと言いたのか?
「客人だとしてもこれくらいの常識は持ち合わせている」
「主らしくない」
「エイシアス。お前は黙ってろよ……」
呆れる俺を見てリディアたちは笑っていた。
程なくして順番が回ってきたので、レグルトが「行こうか」と言ってエルセリオスの下へと進む。
家臣の礼を取るエヴァレット公爵一家だが、俺はいつも通りにしている。
だって俺は家臣になった覚えはないからね。
王国民だが、捨てられた時点で関係ないと思っているし、命令にも従う気はない。
そんな家臣の礼を取らない俺とエイシアスを見て。周囲の貴族たちは「不敬だ」とヒソヒソと話し始めた。
しかし、エルセリオスは「構わない」と俺とエイシアスを許したのだ。
その光景に貴族が驚いていた。
「三人も楽にせよ。それに私とお前の仲だ。前置きなどいらんよ」
エルセリオスの言葉に顔を上げた。
そしてエルセリオスだけではなく、王妃、王子、王女が俺とエイシアスに視線が向く。
王子のレオルドなんて、エイシアスを見て頬を赤らめている。
もしかして惚れちゃった?
でもごめんね、もう俺のなんだ。
「こちらが我が娘を助けてくれたテオ殿とエイシアス殿です」
「テオだ。冒険者をしている」
「エイシアスだ。主と同じく冒険者だ」
「国王のエルセリオスだ。親友の娘を、リディア助けてくれて感謝する。リディアは私の娘のような存在だと思っているのだ。だから感謝してもしきれない」
「公爵にも言ったが、助けたのはたまたまだ。気にするな」
俺の敬う気がない言葉遣いに周囲の貴族がギョッとした。
護衛の騎士も武器に手をかけ、今にも襲い掛かってきそうだ。
「あ? やるのか?」
俺が騎士に向かって殺気を飛ばすと、「ひぃっ」と情けない声を漏らして尻もちを着いてしまう。
その光景に場が静まり返り、すぐに他の騎士が武器を引き抜こうとしてエルセリオスが手で制した。
「テオ殿、すまないな」
「気にしてない。相手が誰であれ、売られた喧嘩は買う主義だ」
「さすが冒険者というべきか。国王の私にそのように接してくれるのはテオ殿が初めてだ。家族ですら敬語で話されるのだ。昔は可愛かったのにな……」
「ちょっ、父上⁉ 昔の話はしないでくださいよ!」
「そうですよ! は、恥ずかしいです……」
王子のレオルドと王女のイスティリアが恥ずかしそうな表情で父であるエルセリオスに苦言を呈すが笑っていた。
「護衛が失礼いたしました。王妃のセリーナです」
「はじまして。王太子のレオルドです」
「王女のイスティリアです」
自己紹介をする三人に、俺とエイシアスも改めて自己紹介をした。
エルセリオスは後で話そうと言ったので頷いておく。
後がいるので俺たちは下がって、挨拶回りが終わるまで食事を楽しむことにした。
しばらくして国王へのあいさつ回りが終わった。
「んじゃあエイシアス、踊りにいこうか」
「エスコートを頼むよ、主殿」
エイシアスの手を取り会場に向かう。
夜の静けさに包まれた大広間は、煌びやかなシャンデリアの下、柔らかな光に満たされていた。高貴な人々が集う舞踏会の中、床にはまばゆいほどに磨かれた大理石が広がり、足音さえも美しく響く。
音楽が流れ、俺とエイシアスは踊り始める。
エイシアスはふんわりと広がるドレスを軽やかに揺らしながら、まるで風に乗るかのように優雅にステップを踏んでいた。足元に目を向けることなく、彼女の視線はパートナーである俺の瞳にしっかりと結びついている。
微笑みを交わし、指先が触れる度、まるで時が止まったかのような瞬間が訪れる。俺の手がそっとエイシアスの背を支え、音楽に合わせて二人の体が完璧な調和を保ちながら動き出す。
ワルツの旋律が甘く響き渡り、周囲の貴族たちは二人のダンスに息を呑んでいた。優雅な旋回、軽やかなステップ、まるで夢の中の情景のように、俺とエイシアスは舞い続けた。
音楽が終わり告げ、俺とエイシアスが見事に踊り切り優雅に一礼すると、周囲から万雷の喝采を浴びた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最近作家友達とずっと7days to dieをやっているけど時間が溶ける。
今日はそんな作家友達と一緒にオバロを見てきました。
最高でした^^b
ネタバレはご法度だから、これ以上の感想は言えないけど。
最後に、下にある【♡】をポチッと押すのと【ブクマ】をしていただけたら嬉しいです!
作者の励みになり、執筆の原動力になります!
少しでも応援したい、という方はよろしくお願いします!
エヴァレット公爵家以外の公爵家が王族へと挨拶をしている。
するとレグルトが一緒に挨拶に行くように言ってきた。
「俺もか? 平民なのに他の貴族より先に挨拶していいのか?」
レグルトは目を見開いて驚いており、リディアも同様に驚いていた。
どこに驚く要素があったのかと言いたい。
「まさかテオ殿がそのようなことを言うとは思っていなかった」
「お父様の言う通りですよ。テオ様がこのような場面で常識なことを言えば当然ですよ」
いつも非常識だと言いたのか?
「客人だとしてもこれくらいの常識は持ち合わせている」
「主らしくない」
「エイシアス。お前は黙ってろよ……」
呆れる俺を見てリディアたちは笑っていた。
程なくして順番が回ってきたので、レグルトが「行こうか」と言ってエルセリオスの下へと進む。
家臣の礼を取るエヴァレット公爵一家だが、俺はいつも通りにしている。
だって俺は家臣になった覚えはないからね。
王国民だが、捨てられた時点で関係ないと思っているし、命令にも従う気はない。
そんな家臣の礼を取らない俺とエイシアスを見て。周囲の貴族たちは「不敬だ」とヒソヒソと話し始めた。
しかし、エルセリオスは「構わない」と俺とエイシアスを許したのだ。
その光景に貴族が驚いていた。
「三人も楽にせよ。それに私とお前の仲だ。前置きなどいらんよ」
エルセリオスの言葉に顔を上げた。
そしてエルセリオスだけではなく、王妃、王子、王女が俺とエイシアスに視線が向く。
王子のレオルドなんて、エイシアスを見て頬を赤らめている。
もしかして惚れちゃった?
でもごめんね、もう俺のなんだ。
「こちらが我が娘を助けてくれたテオ殿とエイシアス殿です」
「テオだ。冒険者をしている」
「エイシアスだ。主と同じく冒険者だ」
「国王のエルセリオスだ。親友の娘を、リディア助けてくれて感謝する。リディアは私の娘のような存在だと思っているのだ。だから感謝してもしきれない」
「公爵にも言ったが、助けたのはたまたまだ。気にするな」
俺の敬う気がない言葉遣いに周囲の貴族がギョッとした。
護衛の騎士も武器に手をかけ、今にも襲い掛かってきそうだ。
「あ? やるのか?」
俺が騎士に向かって殺気を飛ばすと、「ひぃっ」と情けない声を漏らして尻もちを着いてしまう。
その光景に場が静まり返り、すぐに他の騎士が武器を引き抜こうとしてエルセリオスが手で制した。
「テオ殿、すまないな」
「気にしてない。相手が誰であれ、売られた喧嘩は買う主義だ」
「さすが冒険者というべきか。国王の私にそのように接してくれるのはテオ殿が初めてだ。家族ですら敬語で話されるのだ。昔は可愛かったのにな……」
「ちょっ、父上⁉ 昔の話はしないでくださいよ!」
「そうですよ! は、恥ずかしいです……」
王子のレオルドと王女のイスティリアが恥ずかしそうな表情で父であるエルセリオスに苦言を呈すが笑っていた。
「護衛が失礼いたしました。王妃のセリーナです」
「はじまして。王太子のレオルドです」
「王女のイスティリアです」
自己紹介をする三人に、俺とエイシアスも改めて自己紹介をした。
エルセリオスは後で話そうと言ったので頷いておく。
後がいるので俺たちは下がって、挨拶回りが終わるまで食事を楽しむことにした。
しばらくして国王へのあいさつ回りが終わった。
「んじゃあエイシアス、踊りにいこうか」
「エスコートを頼むよ、主殿」
エイシアスの手を取り会場に向かう。
夜の静けさに包まれた大広間は、煌びやかなシャンデリアの下、柔らかな光に満たされていた。高貴な人々が集う舞踏会の中、床にはまばゆいほどに磨かれた大理石が広がり、足音さえも美しく響く。
音楽が流れ、俺とエイシアスは踊り始める。
エイシアスはふんわりと広がるドレスを軽やかに揺らしながら、まるで風に乗るかのように優雅にステップを踏んでいた。足元に目を向けることなく、彼女の視線はパートナーである俺の瞳にしっかりと結びついている。
微笑みを交わし、指先が触れる度、まるで時が止まったかのような瞬間が訪れる。俺の手がそっとエイシアスの背を支え、音楽に合わせて二人の体が完璧な調和を保ちながら動き出す。
ワルツの旋律が甘く響き渡り、周囲の貴族たちは二人のダンスに息を呑んでいた。優雅な旋回、軽やかなステップ、まるで夢の中の情景のように、俺とエイシアスは舞い続けた。
音楽が終わり告げ、俺とエイシアスが見事に踊り切り優雅に一礼すると、周囲から万雷の喝采を浴びた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最近作家友達とずっと7days to dieをやっているけど時間が溶ける。
今日はそんな作家友達と一緒にオバロを見てきました。
最高でした^^b
ネタバレはご法度だから、これ以上の感想は言えないけど。
最後に、下にある【♡】をポチッと押すのと【ブクマ】をしていただけたら嬉しいです!
作者の励みになり、執筆の原動力になります!
少しでも応援したい、という方はよろしくお願いします!
927
お気に入りに追加
1,620
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる