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第1章
11話:赤丸も強いよ
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リディアはテオが言ったことが事実なのか判断ができないでいた。
元Aランク冒険者を簡単に制圧した手並みを見れば、それだけ実力があるのは確かだった。
それでも国を相手に戦うという発想自体、普通はすることが出来ない。
そして馬車の周囲にあった盗賊らしき死体の残骸。
普通に戦ってあのような殺しが出来るはずもない。頭部がない者が多くいた。
この方は魔法使いなのでしょうか?
「テオ様は魔法を使われるのですか?」
「ん? もしかしてあの死体を見てそう思ったのか?」
「はい。あのような現場を見ればそう考えるかと」
「俺は違うさ。こいつは魔法を使った戦闘が主体だけどな」
そう言ってテオはエイシアスの頭を撫でた。
「では……」
「俺は重力を使った近接戦がメインだな」
「主よ、アレはもう魔法だぞ?」
すると会話を聞いていたエイシアスは口を挟んだ。
起き上がったエイシアスは座り直してテオの戦い方を説明する。
「主は重力というスキルを使うが、あれはもう魔法だ。私の魔法すら消し去るんだ。それに加えて触れずとも相手の体内の魔力や血流を操作して簡単に殺せる」
「それは、本当なのでしょうか?」
「事実だとも。それに、どのような魔法でも主が常に展開いている重力で触れることすらできない」
「それは、盗賊との戦闘で私もみました。壁があるように弾かれていた」
「うむ。任意で触れていい者を選別しているようだからな」
「なるほど」
リディアはテオの重力というスキルの話に耳を傾ける。
「主の本気は私も見たことがない」
「アレから俺も成長しかたからな。俺の重力操作範囲は半径500メートル。直径で一キロメートルだ。王都にでも入れば数秒で滅ぼせるな」
テオがハッハッハと笑っているが、リディアにとってはそれどころではない。
黙って話を聞いていた二人も同様だった。
「あの、レベルを聞いても?」
スキルに関しては普通、他人に話してはいけないものだ。
それをこのように教えたからには絶対の自信があるから。
故にレベルを聞いてみたのだ。
「話していいものか……まあいいか。俺のレベルは――9999だ」
「――-へ? い、今、なんと?」
聞き間違い。そう思ってもう一度確認してみるが……
「9999だ。ほれ」
そう言ってテオは称号以外のステータスを開示した。
名前:テオ
レベル:9999
年齢:18
性別:男
種族:人間
スキル:重力
その内容にリディア、マナ、エレオラの三者は固まってしまった。
そしてテオはさらに告げる。
「エイシアスもレベル9999だ。これ以上頑張ってもレベル上がらなかったからな~」
呑気にそのようなことを言っているが、リディアはそれどころではなかった。
つまりは、テオが国を相手に恐れないのは力における絶対の自信を持っていたから。
このレベルが本当なのは事実であり、改ざんすることなど不可能。
リディアはテオが称号を見せなったのには秘密があるからだろうと推測する。
「あの、王国を滅ぼす気ですか?」
「いや? 俺は好き勝手に旅をしているだけ。世界を楽しもうとしているんだ。それを邪魔するなら滅ぼしてもいいかなって感じ」
「わかりました。暴れる前は知らせてくださいね。逃げたいので」
「ハッハ、そんな大量殺戮しないって。喧嘩売ってきた者達を滅ぼすくらいだって」
「そうですか……」
ふぅーと安堵するリディアだった。
その後はテオがどのような暮らしをしていたのかを話したり、その場所が『魔の森』と呼ばれる魔境ということを知り驚いたりと色々あったが、大分打ち解けていた。
リディア自身も敬語もなしに話してくるテオとエイシアスは新鮮であり、英雄さえも近づかない『魔の森』のことを聞けていた。
そして、ずっと気になっていたドラゴンの子供。
「では、このドラゴンが?」
「赤丸か。レベル的に6000くらいだな。まあまあ強いと思うよ」
レベル6000など人類の力を合わせても勝てない。
それをまあまあというテオを見て改めて敵に回してはいけないことを知るのだった。
元Aランク冒険者を簡単に制圧した手並みを見れば、それだけ実力があるのは確かだった。
それでも国を相手に戦うという発想自体、普通はすることが出来ない。
そして馬車の周囲にあった盗賊らしき死体の残骸。
普通に戦ってあのような殺しが出来るはずもない。頭部がない者が多くいた。
この方は魔法使いなのでしょうか?
「テオ様は魔法を使われるのですか?」
「ん? もしかしてあの死体を見てそう思ったのか?」
「はい。あのような現場を見ればそう考えるかと」
「俺は違うさ。こいつは魔法を使った戦闘が主体だけどな」
そう言ってテオはエイシアスの頭を撫でた。
「では……」
「俺は重力を使った近接戦がメインだな」
「主よ、アレはもう魔法だぞ?」
すると会話を聞いていたエイシアスは口を挟んだ。
起き上がったエイシアスは座り直してテオの戦い方を説明する。
「主は重力というスキルを使うが、あれはもう魔法だ。私の魔法すら消し去るんだ。それに加えて触れずとも相手の体内の魔力や血流を操作して簡単に殺せる」
「それは、本当なのでしょうか?」
「事実だとも。それに、どのような魔法でも主が常に展開いている重力で触れることすらできない」
「それは、盗賊との戦闘で私もみました。壁があるように弾かれていた」
「うむ。任意で触れていい者を選別しているようだからな」
「なるほど」
リディアはテオの重力というスキルの話に耳を傾ける。
「主の本気は私も見たことがない」
「アレから俺も成長しかたからな。俺の重力操作範囲は半径500メートル。直径で一キロメートルだ。王都にでも入れば数秒で滅ぼせるな」
テオがハッハッハと笑っているが、リディアにとってはそれどころではない。
黙って話を聞いていた二人も同様だった。
「あの、レベルを聞いても?」
スキルに関しては普通、他人に話してはいけないものだ。
それをこのように教えたからには絶対の自信があるから。
故にレベルを聞いてみたのだ。
「話していいものか……まあいいか。俺のレベルは――9999だ」
「――-へ? い、今、なんと?」
聞き間違い。そう思ってもう一度確認してみるが……
「9999だ。ほれ」
そう言ってテオは称号以外のステータスを開示した。
名前:テオ
レベル:9999
年齢:18
性別:男
種族:人間
スキル:重力
その内容にリディア、マナ、エレオラの三者は固まってしまった。
そしてテオはさらに告げる。
「エイシアスもレベル9999だ。これ以上頑張ってもレベル上がらなかったからな~」
呑気にそのようなことを言っているが、リディアはそれどころではなかった。
つまりは、テオが国を相手に恐れないのは力における絶対の自信を持っていたから。
このレベルが本当なのは事実であり、改ざんすることなど不可能。
リディアはテオが称号を見せなったのには秘密があるからだろうと推測する。
「あの、王国を滅ぼす気ですか?」
「いや? 俺は好き勝手に旅をしているだけ。世界を楽しもうとしているんだ。それを邪魔するなら滅ぼしてもいいかなって感じ」
「わかりました。暴れる前は知らせてくださいね。逃げたいので」
「ハッハ、そんな大量殺戮しないって。喧嘩売ってきた者達を滅ぼすくらいだって」
「そうですか……」
ふぅーと安堵するリディアだった。
その後はテオがどのような暮らしをしていたのかを話したり、その場所が『魔の森』と呼ばれる魔境ということを知り驚いたりと色々あったが、大分打ち解けていた。
リディア自身も敬語もなしに話してくるテオとエイシアスは新鮮であり、英雄さえも近づかない『魔の森』のことを聞けていた。
そして、ずっと気になっていたドラゴンの子供。
「では、このドラゴンが?」
「赤丸か。レベル的に6000くらいだな。まあまあ強いと思うよ」
レベル6000など人類の力を合わせても勝てない。
それをまあまあというテオを見て改めて敵に回してはいけないことを知るのだった。
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