森に捨てられた俺、転生特典【重力】で世界最強~森を出て自由に世界を旅しよう! 貴族とか王族とか絡んでくるけど暴力、脅しで解決です!~

WING/空埼 裕@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
11 / 84
第1章

11話:赤丸も強いよ

しおりを挟む
 リディアはテオが言ったことが事実なのか判断ができないでいた。
 元Aランク冒険者を簡単に制圧した手並みを見れば、それだけ実力があるのは確かだった。
 それでも国を相手に戦うという発想自体、普通はすることが出来ない。
 そして馬車の周囲にあった盗賊らしき死体の残骸。
 普通に戦ってあのような殺しが出来るはずもない。頭部がない者が多くいた。
 この方は魔法使いなのでしょうか?

「テオ様は魔法を使われるのですか?」
「ん? もしかしてあの死体を見てそう思ったのか?」
「はい。あのような現場を見ればそう考えるかと」
「俺は違うさ。こいつは魔法を使った戦闘が主体だけどな」

 そう言ってテオはエイシアスの頭を撫でた。

「では……」
「俺は重力を使った近接戦がメインだな」
「主よ、アレはもう魔法だぞ?」

 すると会話を聞いていたエイシアスは口を挟んだ。
 起き上がったエイシアスは座り直してテオの戦い方を説明する。

「主は重力というスキルを使うが、あれはもう魔法だ。私の魔法すら消し去るんだ。それに加えて触れずとも相手の体内の魔力や血流を操作して簡単に殺せる」
「それは、本当なのでしょうか?」
「事実だとも。それに、どのような魔法でも主が常に展開いている重力で触れることすらできない」
「それは、盗賊との戦闘で私もみました。壁があるように弾かれていた」
「うむ。任意で触れていい者を選別しているようだからな」
「なるほど」

 リディアはテオの重力というスキルの話に耳を傾ける。

「主の本気は私も見たことがない」
「アレから俺も成長しかたからな。俺の重力操作範囲は半径500メートル。直径で一キロメートルだ。王都にでも入れば数秒で滅ぼせるな」

 テオがハッハッハと笑っているが、リディアにとってはそれどころではない。
 黙って話を聞いていた二人も同様だった。

「あの、レベルを聞いても?」

 スキルに関しては普通、他人に話してはいけないものだ。
 それをこのように教えたからには絶対の自信があるから。
 故にレベルを聞いてみたのだ。

「話していいものか……まあいいか。俺のレベルは――9999だ」
「――-へ? い、今、なんと?」

 聞き間違い。そう思ってもう一度確認してみるが……

「9999だ。ほれ」

 そう言ってテオは称号以外のステータスを開示した。

 名前:テオ
 レベル:9999
 年齢:18
 性別:男
 種族:人間
 スキル:重力

 その内容にリディア、マナ、エレオラの三者は固まってしまった。
 そしてテオはさらに告げる。

「エイシアスもレベル9999だ。これ以上頑張ってもレベル上がらなかったからな~」

 呑気にそのようなことを言っているが、リディアはそれどころではなかった。
 つまりは、テオが国を相手に恐れないのは力における絶対の自信を持っていたから。
 このレベルが本当なのは事実であり、改ざんすることなど不可能。
 リディアはテオが称号を見せなったのには秘密があるからだろうと推測する。

「あの、王国を滅ぼす気ですか?」
「いや? 俺は好き勝手に旅をしているだけ。世界を楽しもうとしているんだ。それを邪魔するなら滅ぼしてもいいかなって感じ」
「わかりました。暴れる前は知らせてくださいね。逃げたいので」
「ハッハ、そんな大量殺戮しないって。喧嘩売ってきた者達を滅ぼすくらいだって」
「そうですか……」

 ふぅーと安堵するリディアだった。
 その後はテオがどのような暮らしをしていたのかを話したり、その場所が『魔の森』と呼ばれる魔境ということを知り驚いたりと色々あったが、大分打ち解けていた。
 リディア自身も敬語もなしに話してくるテオとエイシアスは新鮮であり、英雄さえも近づかない『魔の森』のことを聞けていた。
 そして、ずっと気になっていたドラゴンの子供。

「では、このドラゴンが?」
「赤丸か。レベル的に6000くらいだな。まあまあ強いと思うよ」

 レベル6000など人類の力を合わせても勝てない。
 それをまあまあというテオを見て改めて敵に回してはいけないことを知るのだった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました

夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」  命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。  本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。  元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。  その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。  しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。 といった序盤ストーリーとなっております。 追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。 5月30日までは毎日2回更新を予定しています。 それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...