上 下
36 / 50
駆の章

アルゼンチン戦

しおりを挟む
《レオン.メッシー》
試合前の最終調整をスタジアムで行っていた。
隣でデメル.アスエラがアップしている。
とても、動きが軽快で調子が良さそうだ。
「メッシーさん、今日はソラヤマをギタギタにして、単独得点王になるんで」
「出来るかな」
「出来ますよ、今日の僕はとても調子が良い」
「そのようだな」
「メッシーさんも、ですよね」
「だな。楽しみにしてるんだよ。ソラヤマとの対戦がね」
超満員のスタンドを見上げる。
世界が楽しみにしてるんだな。

《空山隆之介》
控室にいる。
これから三十分後にキックオフされるアルゼンチン戦のスタメンを聞く為だ。
「キーパーは川島、センターバックは昌司、左サイドバックは空山、右が畠中翔・・・」
初めての先発だ。
西島秀人が最後に言う。
「俺達は予選突破を決めたが、目標は違う。無敗で優勝する事だ。だから、今日も本気で勝ちに行くぞ」
全員が拳を握り突き上げた。
俺もテンションが上がってきた。
最初からフィールドにいるのは始めてだ。
隣に大海信吾が来る。
「よし、今日はやったるでー。明日の見出しはな、浪花の黒豹が大暴れや」
「そうだな。デメルに負けるなよ」
「当然や。さあ、グランドへ行くで。サポーターが待っとる」
俺達は控室を出て、グランドへ向かった。

《宇垣悠里》
グランドの脇で日本のスタジオと繋いで放送をしていた。
その時、目の前を日本代表が通り過ぎてグランドへ出て行った。
「大居さん、今、日本代表がグランドへ出てきました」
(悠里ちゃん、皆の様子はどう?)
「気合いが満ちている表情です。はっきり言うとアルゼンチンは格上です。世界は日本がどこまでやれるのか。そこに焦点が集まっていると思います」
(そうだよね。でも、日本は勝つ?)
「勝ちます。実力ではアルゼンチンには劣っていますが、チームとしては勢いに乗っています」
(日本は予選突破を確定してるけど、一位突破と二位突破では今後で大きく変わるの?)
「変わります。一突破であれば、恐らくAグループの二位通過となるメキシコと対戦、二位通過だとフランスと対戦する事になるので今後の戦いに影響します。トーナメントを進む為には一位通過が断然有利となります」
(なるほど。じゃあ、お互い真剣勝負だね)
「そうです。この後は国歌斉唱してキックオフとなります。スタジオへ一旦、お返しします」

宇垣悠里は胸の前で手を合わせてグランドを見た。
空山隆之介がセンターバックの昌司と何やら話している。

頑張らんね!隆ちゃん。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

真夜中の白魔術師

福澤賢二郎
ライト文芸
元医大生の赤城拓哉は一人のチンピラに追われていた。 横浜のある交差点で揉めている際にチンピラは銃で胸を撃たれ、撃った男はニヤリと笑い去っていた。 拓哉は直ぐに救急車を呼び、付き添いで病院に行く。 だが、そこには当てに出来ない研修医しかいなかった。 このままではチンピラが死んでしまう。 拓哉は医者を名乗り手術する事を決意する。

俺がカノジョに寝取られた理由

下城米雪
ライト文芸
その夜、知らない男の上に半裸で跨る幼馴染の姿を見た俺は…… ※完結。予約投稿済。最終話は6月27日公開

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ

俊也
ライト文芸
実際の歴史では日本本土空襲・原爆投下・沖縄戦・特攻隊などと様々な悲劇と犠牲者を生んだ太平洋戦争(大東亜戦争) しかし、タイムスリップとかチート新兵器とか、そういう要素なしでもう少しその悲劇を防ぐか薄めるかして、尚且つある程度自主的に戦後の日本が変わっていく道はないか…アメリカ等連合国に対し「勝ちすぎず、程よく負けて和平する」ルートはあったのでは? そういう思いで書きました。 歴史時代小説大賞に参戦。 ご支援ありがとうございましたm(_ _)m また同時に「新訳 零戦戦記」も参戦しております。 こちらも宜しければお願い致します。 他の作品も お手隙の時にお気に入り登録、時々の閲覧いただければ幸いです。m(_ _)m

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...