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駆の章

二勝目

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《空山隆之介》
城戸が騒いで駆け寄ってくる。
「お前、よくやった。もう、呆れるぐらい楽しいやんけ」
「たま、たまです」
そこに大海信吾が飛び込んできて、頭をぐちゃぐちゃにする。
「俺が世界をびびらそうとしてんたんやで、それをお前は」
今度は背中から乱暴に抱きつかれた。昌司だ。
「隆之介、凄いとしか言い様がない」
キャプテンの柴咲が皆と握手して廻っていた。
「空山、よくやった」
「ありがとございます」
少し照れ臭そうにする柴咲だった。
「皆、いくぞ!サポーターに感謝しよう」
俺もそれに続こうとしたが、目の前にオニエ.チェクツグがやって来た。
オニエは笑顔で手を差し出した。
その手を握り、握手した。
「ワシ達の予選敗退は決まった。そして、お前達は予選突破を決めた。次の強敵、アルゼンチンも破って一位通過しろ。そうすれば、面白いワールドカップになる。期待している」
「俺もそのつもりです。一試合でも多く、凄い選手と闘いたいです」
「なあ、一つ聞く」
「なんでしょう?」
「ワシらは強かったか?」
「間違いなく強かったです」
「そうか。ありがとう」
「いえ」
「行くところまで行け」
遠くで城戸と大海が呼んでいるのが、見えた。
「はい!行きます。それでは」
「ああ」
俺は仲間の所へ走った。

あれ?俺に仲間?
駆、俺に仲間が出来た。
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