四人の勇者

福澤賢二郎

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修行の勇者

23.修行のお願い

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《天野翼》
目覚めた部屋から出てるとリビングになっていた。
そこには誰もいない。
そのまま、外に出た。
空は青く澄み渡り、地はどこまでも続く雪原だった。
そこにさっきの男が一人立っている。
隣にファンが舞い降りてきた。
(おはよう)
「おはよう。彼は?」
(あの人が私の知る最強の人だよ)
「助けてくれたのは?」
(彼だよ)
男が僕に気づき近づいて来る。
「助けてくれてありがとうございます」
「なんて無謀な奴なんや。ファンもしっかり見とけや」
(そうだね)
「あなたはファンが見えるんですか?」
(もちろんや。友達さかいな)
「なんか変わった方言ですね」
「ほっとけや」
男はそう言って笑った。
なんだかそれで緊張が解けた。
「僕の名前はツバサ.アマノ。あなたの名前は?」
「わいはシヴァや」
「シヴァさん、お願いがあります」
「なんや?」
「僕と戦ってもらえませんか?」
「なんでや?」
「あなたが最強の人だと聞いたからです」
「最強の人ねぇ~。ええで。かかって来いや」
「えっ、あっ、はい」
聖剣を抜く。
「シヴァさんの武器は?」
「いらん」
「そうですか。いきますよ」
「いつでもええよ」
腰を下げて構える。
一気に詰めて終わらせてやる。
地を蹴って距離を詰めて剣を横に走らせようとした。
次の瞬間、消えた?
脇腹に衝撃を食らって地面を転がっていた。
あれ?
なんで?
「お前さぁ、弱いな。こんなんじゃ直ぐに魔物達に喰われるで」
「僕は強くなりたいんです。いや、強くならないといけない。弟子にして下さい」
「断る」
「お願いします」
「ファン、これがお前の狙いやな」
(正解)
「飯はお前が作るんやで」
「はい」
「洗濯、掃除もや」
「覚悟しています」
「わかった。教えてやる」
「ありがとうございます」
「その前に飯や。家に帰るで」
「は、はい」
山小屋に向かって一緒に歩き始めた。
「お前さ、自分の能力を使えてないんや。それを引き出す事が強くなる事や」
「は、はい」

空はどこまでも広がっていた。
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