水道実　異世界で悩み行動する

斉藤　太郎

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3章

おっかない山姥

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おっかない山姥

あるところに英雄がいました

ところが敵国に入り込んで山奥に来てしまいました

少し昔に戻ります、今は英雄ですが昔は普通の学生でした

卒業したブルーノ・ジュニア・ベランダはある作戦に
戦闘機で参加しました

何でも特別な作戦だそうで事前情報は全くありませんでした

なんとそれは絨毯爆撃をすることだったのです

しかし、それをしないと家族や親族に迷惑がかかるため
已む無く参加しました

そしてやるなら徹底的にと思ってやったら意外にも
誰よりも最高の戦果を上げることができ沢山の
勲章をもらえました

お陰で家族や妻にも豊かな生活をさせることが出来ます

現在です
ふとした手違いで位置を特定する軍用機器を
紛失してしまいました

何処に向かっているのかわかりません

敵国の人が、何か言っています

「ここから奥には山姥が出てくるから行ってはいけない」と諭されました

これ以上奥に行くと危ないから行ってはいけない
と言っていますが命令ですから行かないわけにも行かないことを
説明しました

すると3枚のお札を差し出しこれを使って万一のときは
私を頼りなさいと和尚さんは言いました
「牧師のような人と考えています」

軍では危険を避けられるなら宗教や信条の違いに目を瞑り
何でも利用するように言われているので、わからなくても
受け取りました

そして山奥を放浪すること数日やっと目的のものを
発見して、帰るばかりですが、暗くなってきました

歩いて暗くなってから5時間、かなりくたびれてきました

そんな時、人家があります、光がともっています

拙い言葉で言葉が通じるか心配しながら
声を掛けてみました

「すいません、誰かいますか」

「すいません、泊めてくれますかー」

と声を掛けました

「ああ旅人かね、いい良いよ」

と快く泊めてくれるようです
さらに食事まで振舞ってくれました

朝方ガタガタと音がします

「料理を作るぞ」と言いながら

気がつくと何時の間にか、起き上がって
武器を構えていました

訓練の成果だろうか、お札のお陰か

もしお札のお陰なら、もう二枚しかないことになる

「如何したんだ、そんなものを私に向けて」
どすを聞かせたつもりの声をだした

「お前さんを殺して朝食にしようと思ってね」

そんな怖ろしいことを言い出しました

言ってる間にも何度もナイフが振り出されます

ここは多分山姥の家、地の利は山姥にあります

転げ出たブルーノは逃げ出しました

しかし捕まってしまいました

その時持ち物を全て取り上げられてしまいました

もちろん愛用のサバイバルナイフも
背嚢も命令で持ち帰ったものも

糞なんでこんなに簡単に捕まってしまうんだ

毒づくも捕まってしまっては軍人と言えども

かなり分が悪いようです

お札が言いました、私が持ち物を逃げ出したら
届けると言いました、思わず

「頼む、上官から頼まれたものが入っているんだ、
あれが無いと困るんだ」

と言いました、あんたの持ち物は山姥の家に着いた
ときにあった物は全部届けるから心配するなと言いました

山姥は思考力まで奪っているようです

縛られています、もう一度「お札に聞きました」

如何したらいいと

トイレに行きたいと言え

お札は答えました

「婆さんトイレに行きたいんだ、頼む行かせてくれ」

「駄目だここでしろ」

「部屋の中ではしたくないんだ」

部屋の中では逃げられません

どうしても部屋の中ではしたくないと
駄々を捏ね

やっと外のトイレに行かせてもらいました
しかし縄をつなげられたままです

山姥めこんなにきつく縛りやがって
時間が掛かる、ばれるかも知れない

そう思って急いで何とか抜け出しましたが
縄を山姥が持っているので、直ぐにばれます

お札が言いました

俺をこの垂木に一緒に括りつけて逃げろ
と言うのでその通りして逃げ出しました

その時、約束どおりの荷物が不思議にも戻ってきていました
背嚢を担ぎ、装備を点検するまも有らばこそ

一通り身につけると一心不乱に逃げ出しました

するとしばらくしてわかった山姥が追いかけてきました
二人に増えています

よく見ると初めに山姥と思ったのは、遥か遠くで
走っているが、山姥を大きくしたようなものが
グングンと近づいて来ます

二枚目のお札は大水「ビッグウォーター」と書いてあります

それを投げつけました

川になりました、それでも山姥は追いかけてきました

勢いをつけて板状のものにのり川を乗り切ってしまいました

必死に走ってきて息も切れ、もう声しか出せません

火の紋章が書いてあります

三枚目

投げつけました大きな火が火災を起こし
山姥を包みましたが、しばらく経つと
消火に成功したようですが、その頃には
和尚さんのお寺に近づいていました

「和尚さん助けてください」

大声で呼ばわりました

「早く入りなさい」和尚さんはそういって
扉を開けてくれました

隠れられそうな所へ隠れました

「ここへ敵がやってきたはずだ、出せ」
と山姥が言いました

「ここには誰も来なかった、あんたの気のせいじゃないのか」

「いいや此処しかないはずだ、早く出せ」

「大きくなれー、大きくなれー」というと
どんどん大きくなりました

これはかなわんと思った和尚様は

今度は「小さくなれー、小さくなれー」

と言うとどんどん小さくなり、豆粒のように小さくなった
山姥を焼いていたお餅にくるんで食べてしまいました

ブルーノは和尚様に大変な感謝をして、こんな物騒なものしか
愛着のあるものは無かったんだと

和尚様にサバイバルナイフを贈り物にして去っていきました

敵なのに助けてくれた和尚さんに子々孫々まで言い残すように
伝えようと堅く決心しましたとさ

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