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さらに奥さまはモンバス姉さん編
85 良太と幼馴染 その1
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僕は帰宅部なので、みんなより先に帰ることにした。
下校途中、望海ちゃんからメールが届く。
「なになに、洋菓子店『マジック』でラムレーズンアイス入りシュークリームを二〇個ほど買ってほしい…ですか。『了解です。』で返信…と。」
スマホに望海ちゃんへの返信メールを入れて送る。
財布に巧さんから入れてもらったお小遣いがあるので、今回分は立て替えておいて、あとで瀬利亜さんからもらうようにしよう。
ちなみに金額は……なんで一〇万円も入っているの?!!
あ、メモ用紙も入っている。
『今月分の生活費込みですので、無駄遣いなさらないよう計画的に使ってください。』
いえいえ!!家賃、食費、その他諸々払う必要ないですから!!
一〇万円のお小遣いは生前の僕の父よりずっと多いですから!!!
みなさん、どれだけ気前がいいんですか!!
ここで改めて感じるのが、石川邸の皆さんは僕を『家族扱い』してくれているありがたさだ。
早川良太としての生前も両親も姉もすごく優しかったし、友人達とも仲良くやっていたけど、石川邸の人たちは縁もゆかりもないはずの僕をとても大切に扱ってくれている。
だから、逆に家族や友人たちが元気でやってくれているかどうかが気になってくる。
そして、今の僕が『学業以外の点』で元気に幸せな生活を送っていることを伝えてあげたい。
そんなことを思っているうちに僕の足元に魔方陣が現れて…なにこれ?!
僕は魔方陣に引き込まれて意識を失っていった。
「おい、大丈夫か?」
どこかで聞いたことのあるような声が聞こえてくる。
「外人さんみたいだけど、俺たちの召喚に巻き込まれたんだろうか?」
男性、いや聞いたことのある青年の声で僕はだんだん意識がはっきりしてきた。
「お、気付いたようだな。」
僕が目を覚ますと、石造りの部屋の中で学生服を着た見たことのある二人が僕を安心したように見下ろしていた。
「賢一!真悟!!どうしてこんなところに?!!」
僕の目の前には前世で幼馴染で高校でも同級生だった宮原賢一と加藤真悟が立っていた。
宮原賢一は僕と同じくゲームオタクで、一見とっつきにくいが、実は世話好きのひょろっとした『隠れイケメン』だ。眼鏡を外すとすごいイケメンでしかも成績が学年でトップクラスなのがお約束かもしれない。
僕らがはまっていた美少女ゲーム・『わくわくモンスターバスター』はあっという間にコンプリートしたと言っていた。
加藤真悟は明るく、優しく熱血なイケメン剣道部主将だ。
成績は中の上くらいだが、スポーツ万能で、男女ともにすごく人気があり、クラスの人望を委員長と二分していた。
『わくわくモンスターバスター』は始めたばかりだと言っていた。
「待ってくれ!俺たちはお前さんと会うのは初めてなんだが…。」
「どうして、俺たちの名前を知っているんだ?!!」
真悟と賢一がぎょっとした顔で叫ぶ。
そうだ、僕は自分の元いた日本とは異世界のアトランティスの古代人、マイトに転生したんだった!!見た目は西洋人みたいだから、真悟と賢一にわかるわけがない。
「この体に転生したからわからないかもしれないけど、僕は良太だ!早川良太だ!」
僕が叫ぶと二人ともさらに驚いた顔になる。
「待ってくれ!良太は少し前にトラックに轢かれて死んだんだ。それを全く違う顔のやつから転生したとか言われても…。」
真悟が困ったような顔をしている。
「まあ、仕方ないですよ…。いきなり見知らぬ外人さんが、『実は僕は死んだはずの友人の良太です。』とか言ってきてもにわかには信じがたいですよね。」
…ええと、いつの間にか風流院高校のブレザーを着た望海ちゃんが僕の後ろにいて、困った顔をしているのですが…。
「き、君は一体何者なんだ?!!」
普段冷静な賢一が思い切り動揺している。
「初めまして。良太さんの同級生の望海です。北川望海と言います。」
淡々とした口調で望海ちゃんが語るのを真悟と賢一が呆然と見つめている。
「そして、私は同級生にして、良太君の下宿先の家主の瀬利亜です。石川瀬利亜と言います。」
「いやいや!なんで瀬利亜さんまでいるの?!しかも全然取り乱していないんですけど?!!」
「ここに召喚される途中で、女神様…ぽい人のところに寄り道してきてね。いろいろ事情を聞いたのよ。予め何が起こるかわかっていれば慌てないものなのよ。」
「…それはもしかして召喚した女神様とかですか?」
「いいえ。召喚される途中の私たちを見つけた女神様…ぽい人が私たちを自分のところに引き寄せてくれてね。
そこでその人に色々な話を聞くことができたの。
ここの王国が良太君の友達をクラスごと異世界召喚したこと。
そして、その友達の召喚に巻き込まれて、良太君がここに召喚されたこと。
さらに良太君の召喚に近くにいた私と望海ちゃんが巻き込まれてここに来たわけ。」
「なるほど。それですごく落ち着いておられたんですね。」
「まあ、正確には私と瀬利亜さんと女神様…ぽい人とコタツで話し込むうちに、三人ともお腹が空いてきましてね。
三人で蟹鍋をつつきながらずっとだべっていたんですよ。
蟹雑炊にしたり、デザートまで頂いていたら、いつの間にか五時間も経ってましたから、慌てて、召喚先に行くよう手配してもらいましたけど♪」
なに、二人とも突っ込みどころしかないことをされてるんですか?!!
「…そちらのお二人のことはとりあえず置いておいて…お前、本当に良太なのか?」
ようやく我を取り戻したらしい賢一が口を開く。
「ああ、もちろんだ!早川良太だ!ええと、どうしたら信じてもらえるか?」
僕は一生懸命賢一の方を見やる。
「それなら、お二人にしかわからない良太さんの秘密をお話すればいいのですよ。
例えば、良太さんの好みの女性のタイプとか♪」
「望海ちゃん!!何を言いだすの?!!」
「え、美人系もお好きなようですが、それ以上にかわいい系がお好きですよね♪
あと、かなりおっぱい星人の気が…。」
「望海ちゃん、良太君は必ずしもおっぱい星人とは限らないと思うわ。
ほら、アリス姫とか、サーヤさんにものすごく見とれていたじゃない。」
「え?でも、アルテアさんの『ウルトラ巨乳』にたじたじになっておられましたけど…。」
「それは、普通の男性なら仕方ないわ。あれは『女性でもたじたじになる』くらいの究極兵器だからね。」
ねえ!!二人して何を言ってくれてるんですか?!!!
「わかった。お前は良太だ。間違いない。」
「信じるよ。その究極の『いじられぶり』は良太としか考えられない。」
ええええ?!!!!そんなんで二人とも納得しちゃうの?!!
それから、望海ちゃん、サムズアップするのはやめて!!!!
「あなたたちが良太と友達というのはわかりました。
しかし、どういう経緯で良太が転生したということがわかったのでしょうか?」
真悟が瀬利亜さんに向き直って問う。
相変わらず熱血系のイケメンだ。
「学校行事で古代アトランティスの遺跡の発掘体験を行ってね。
その際に良太君が入ったコールドスリープカプセルが見つかったの。」
…うん、突っ込みどころ満載の説明ですね…。
真悟と賢一が目を点にしながら話を聞いてるよ。
「良太君を蘇生させて、様子を見たら、なんと『日本語を話す』から、これは『わけあり』だといろいろ調べたら、良太君があなたたちの世界から転生してきたということを聞きだせたので、納得したわけなのよ。」
「…あの、瀬利亜さん?ずい分すんなりととんでもない話を納得されてますよね?
それから、こちらに召喚された際も非常事態だというのにあまりにも落ち着かれてるように思うんですが…。」
『元祖ツッコミ王』賢一が瀬利亜さんに問いかけている。
三人でつるんでいるとき、ずい分賢一がいろんなことに突っこんできたんだよね。
「ええ、私と望海ちゃんは高校生なのだけれど、同時に『超常事件を解決するプロ・モンスターバスター』でもありますから♪」
おっと。瀬利亜さん、あっさりご自身たちの正体をばらしちゃったよ。まあ、異世界に召喚されたんだから、いろいろ動くのに正体を隠したままだと都合が悪いよね。
「ええええ?!!モンスターバスター…て、あの『美少女ゲーム・わくわくモンスターバスター』の主題にもなっているモンスターバスターですか?!」
真悟がびっくりして叫んでいる。
そうだ!!言われてみれば僕もあのゲームを遊んだから…ということは、同じゲームを遊んだ真悟と賢一もゲーム上のキャラとしての望海ちゃんと瀬利亜さんのことを知っているということか?!!
…うん、そのことに気付いたらしい望海ちゃんと瀬利亜さんが顔色を変えたよ。
「ええと、こちらのお二人は…。」
「そうか、良太もゲームのヒロインたちとは違うけど、美人のモンスターバスターさん達と知り合いになったのだね。なんか、うらやましいな。」
あれ?真悟の反応がおかしいぞ。なんでそんな反応なんだ?
それに気づいたらしい望海ちゃんと瀬利亜さんが顔を見合わせている。
「真悟さん?参考までにそのゲームの登場人物や設定について教えていただけますか?」
望海ちゃんが真剣な顔で真悟に問いかけている。
「ええと、記憶喪失で目覚めた主人公がモンスターバスターであるヒロインの夏凛ちゃん、テレジアさん…。」
登場人物も設定も僕が遊んだゲーム、そして、瀬利亜さんたちの状況と大きく違う。
真悟と賢一が遊んだゲーム上では主人公は記憶を失った『世間から完全に隠れていた若手陰陽師のホープ』であり、ヒロインたちも優秀なモンスターバスターではあるものの、瀬利亜さんたちほど規格外という感じはしない。
「瀬利亜さん、おかしいです。どうして良太君の遊んだバージョンだけ、設定などが全然ちがうんでしょうね?」
「はっはっは、それは、良太さんがこちらの世界に転生してくることが予想されたので、私が『良太さんバージョン』を作って差し替えておいたのですよ♪」
後ろから男性の声が聞こえてきたので僕は慌てて振り向いて…言葉を失った。
そこには黒いタキシードを着た長身の男性が、顔にコミカルな黒猫のお面を被って立ってていたのだ。
「良太さんとお会いするのは初めてですね。ちょっと通りすがったので挨拶させていただきます。 私は『這いよる黒猫・ニャントロホテップ』と申します。
何の変哲もない邪神です♪」
突っこみどころ満載過ぎるこの人はなに?!!!
下校途中、望海ちゃんからメールが届く。
「なになに、洋菓子店『マジック』でラムレーズンアイス入りシュークリームを二〇個ほど買ってほしい…ですか。『了解です。』で返信…と。」
スマホに望海ちゃんへの返信メールを入れて送る。
財布に巧さんから入れてもらったお小遣いがあるので、今回分は立て替えておいて、あとで瀬利亜さんからもらうようにしよう。
ちなみに金額は……なんで一〇万円も入っているの?!!
あ、メモ用紙も入っている。
『今月分の生活費込みですので、無駄遣いなさらないよう計画的に使ってください。』
いえいえ!!家賃、食費、その他諸々払う必要ないですから!!
一〇万円のお小遣いは生前の僕の父よりずっと多いですから!!!
みなさん、どれだけ気前がいいんですか!!
ここで改めて感じるのが、石川邸の皆さんは僕を『家族扱い』してくれているありがたさだ。
早川良太としての生前も両親も姉もすごく優しかったし、友人達とも仲良くやっていたけど、石川邸の人たちは縁もゆかりもないはずの僕をとても大切に扱ってくれている。
だから、逆に家族や友人たちが元気でやってくれているかどうかが気になってくる。
そして、今の僕が『学業以外の点』で元気に幸せな生活を送っていることを伝えてあげたい。
そんなことを思っているうちに僕の足元に魔方陣が現れて…なにこれ?!
僕は魔方陣に引き込まれて意識を失っていった。
「おい、大丈夫か?」
どこかで聞いたことのあるような声が聞こえてくる。
「外人さんみたいだけど、俺たちの召喚に巻き込まれたんだろうか?」
男性、いや聞いたことのある青年の声で僕はだんだん意識がはっきりしてきた。
「お、気付いたようだな。」
僕が目を覚ますと、石造りの部屋の中で学生服を着た見たことのある二人が僕を安心したように見下ろしていた。
「賢一!真悟!!どうしてこんなところに?!!」
僕の目の前には前世で幼馴染で高校でも同級生だった宮原賢一と加藤真悟が立っていた。
宮原賢一は僕と同じくゲームオタクで、一見とっつきにくいが、実は世話好きのひょろっとした『隠れイケメン』だ。眼鏡を外すとすごいイケメンでしかも成績が学年でトップクラスなのがお約束かもしれない。
僕らがはまっていた美少女ゲーム・『わくわくモンスターバスター』はあっという間にコンプリートしたと言っていた。
加藤真悟は明るく、優しく熱血なイケメン剣道部主将だ。
成績は中の上くらいだが、スポーツ万能で、男女ともにすごく人気があり、クラスの人望を委員長と二分していた。
『わくわくモンスターバスター』は始めたばかりだと言っていた。
「待ってくれ!俺たちはお前さんと会うのは初めてなんだが…。」
「どうして、俺たちの名前を知っているんだ?!!」
真悟と賢一がぎょっとした顔で叫ぶ。
そうだ、僕は自分の元いた日本とは異世界のアトランティスの古代人、マイトに転生したんだった!!見た目は西洋人みたいだから、真悟と賢一にわかるわけがない。
「この体に転生したからわからないかもしれないけど、僕は良太だ!早川良太だ!」
僕が叫ぶと二人ともさらに驚いた顔になる。
「待ってくれ!良太は少し前にトラックに轢かれて死んだんだ。それを全く違う顔のやつから転生したとか言われても…。」
真悟が困ったような顔をしている。
「まあ、仕方ないですよ…。いきなり見知らぬ外人さんが、『実は僕は死んだはずの友人の良太です。』とか言ってきてもにわかには信じがたいですよね。」
…ええと、いつの間にか風流院高校のブレザーを着た望海ちゃんが僕の後ろにいて、困った顔をしているのですが…。
「き、君は一体何者なんだ?!!」
普段冷静な賢一が思い切り動揺している。
「初めまして。良太さんの同級生の望海です。北川望海と言います。」
淡々とした口調で望海ちゃんが語るのを真悟と賢一が呆然と見つめている。
「そして、私は同級生にして、良太君の下宿先の家主の瀬利亜です。石川瀬利亜と言います。」
「いやいや!なんで瀬利亜さんまでいるの?!しかも全然取り乱していないんですけど?!!」
「ここに召喚される途中で、女神様…ぽい人のところに寄り道してきてね。いろいろ事情を聞いたのよ。予め何が起こるかわかっていれば慌てないものなのよ。」
「…それはもしかして召喚した女神様とかですか?」
「いいえ。召喚される途中の私たちを見つけた女神様…ぽい人が私たちを自分のところに引き寄せてくれてね。
そこでその人に色々な話を聞くことができたの。
ここの王国が良太君の友達をクラスごと異世界召喚したこと。
そして、その友達の召喚に巻き込まれて、良太君がここに召喚されたこと。
さらに良太君の召喚に近くにいた私と望海ちゃんが巻き込まれてここに来たわけ。」
「なるほど。それですごく落ち着いておられたんですね。」
「まあ、正確には私と瀬利亜さんと女神様…ぽい人とコタツで話し込むうちに、三人ともお腹が空いてきましてね。
三人で蟹鍋をつつきながらずっとだべっていたんですよ。
蟹雑炊にしたり、デザートまで頂いていたら、いつの間にか五時間も経ってましたから、慌てて、召喚先に行くよう手配してもらいましたけど♪」
なに、二人とも突っ込みどころしかないことをされてるんですか?!!
「…そちらのお二人のことはとりあえず置いておいて…お前、本当に良太なのか?」
ようやく我を取り戻したらしい賢一が口を開く。
「ああ、もちろんだ!早川良太だ!ええと、どうしたら信じてもらえるか?」
僕は一生懸命賢一の方を見やる。
「それなら、お二人にしかわからない良太さんの秘密をお話すればいいのですよ。
例えば、良太さんの好みの女性のタイプとか♪」
「望海ちゃん!!何を言いだすの?!!」
「え、美人系もお好きなようですが、それ以上にかわいい系がお好きですよね♪
あと、かなりおっぱい星人の気が…。」
「望海ちゃん、良太君は必ずしもおっぱい星人とは限らないと思うわ。
ほら、アリス姫とか、サーヤさんにものすごく見とれていたじゃない。」
「え?でも、アルテアさんの『ウルトラ巨乳』にたじたじになっておられましたけど…。」
「それは、普通の男性なら仕方ないわ。あれは『女性でもたじたじになる』くらいの究極兵器だからね。」
ねえ!!二人して何を言ってくれてるんですか?!!!
「わかった。お前は良太だ。間違いない。」
「信じるよ。その究極の『いじられぶり』は良太としか考えられない。」
ええええ?!!!!そんなんで二人とも納得しちゃうの?!!
それから、望海ちゃん、サムズアップするのはやめて!!!!
「あなたたちが良太と友達というのはわかりました。
しかし、どういう経緯で良太が転生したということがわかったのでしょうか?」
真悟が瀬利亜さんに向き直って問う。
相変わらず熱血系のイケメンだ。
「学校行事で古代アトランティスの遺跡の発掘体験を行ってね。
その際に良太君が入ったコールドスリープカプセルが見つかったの。」
…うん、突っ込みどころ満載の説明ですね…。
真悟と賢一が目を点にしながら話を聞いてるよ。
「良太君を蘇生させて、様子を見たら、なんと『日本語を話す』から、これは『わけあり』だといろいろ調べたら、良太君があなたたちの世界から転生してきたということを聞きだせたので、納得したわけなのよ。」
「…あの、瀬利亜さん?ずい分すんなりととんでもない話を納得されてますよね?
それから、こちらに召喚された際も非常事態だというのにあまりにも落ち着かれてるように思うんですが…。」
『元祖ツッコミ王』賢一が瀬利亜さんに問いかけている。
三人でつるんでいるとき、ずい分賢一がいろんなことに突っこんできたんだよね。
「ええ、私と望海ちゃんは高校生なのだけれど、同時に『超常事件を解決するプロ・モンスターバスター』でもありますから♪」
おっと。瀬利亜さん、あっさりご自身たちの正体をばらしちゃったよ。まあ、異世界に召喚されたんだから、いろいろ動くのに正体を隠したままだと都合が悪いよね。
「ええええ?!!モンスターバスター…て、あの『美少女ゲーム・わくわくモンスターバスター』の主題にもなっているモンスターバスターですか?!」
真悟がびっくりして叫んでいる。
そうだ!!言われてみれば僕もあのゲームを遊んだから…ということは、同じゲームを遊んだ真悟と賢一もゲーム上のキャラとしての望海ちゃんと瀬利亜さんのことを知っているということか?!!
…うん、そのことに気付いたらしい望海ちゃんと瀬利亜さんが顔色を変えたよ。
「ええと、こちらのお二人は…。」
「そうか、良太もゲームのヒロインたちとは違うけど、美人のモンスターバスターさん達と知り合いになったのだね。なんか、うらやましいな。」
あれ?真悟の反応がおかしいぞ。なんでそんな反応なんだ?
それに気づいたらしい望海ちゃんと瀬利亜さんが顔を見合わせている。
「真悟さん?参考までにそのゲームの登場人物や設定について教えていただけますか?」
望海ちゃんが真剣な顔で真悟に問いかけている。
「ええと、記憶喪失で目覚めた主人公がモンスターバスターであるヒロインの夏凛ちゃん、テレジアさん…。」
登場人物も設定も僕が遊んだゲーム、そして、瀬利亜さんたちの状況と大きく違う。
真悟と賢一が遊んだゲーム上では主人公は記憶を失った『世間から完全に隠れていた若手陰陽師のホープ』であり、ヒロインたちも優秀なモンスターバスターではあるものの、瀬利亜さんたちほど規格外という感じはしない。
「瀬利亜さん、おかしいです。どうして良太君の遊んだバージョンだけ、設定などが全然ちがうんでしょうね?」
「はっはっは、それは、良太さんがこちらの世界に転生してくることが予想されたので、私が『良太さんバージョン』を作って差し替えておいたのですよ♪」
後ろから男性の声が聞こえてきたので僕は慌てて振り向いて…言葉を失った。
そこには黒いタキシードを着た長身の男性が、顔にコミカルな黒猫のお面を被って立ってていたのだ。
「良太さんとお会いするのは初めてですね。ちょっと通りすがったので挨拶させていただきます。 私は『這いよる黒猫・ニャントロホテップ』と申します。
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