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十二歳編
リルルリア編――森の羊亭①
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アリスたちがポータルに乗れたのは、その日の夕方だった。
「最終ですよ~」と、係の人の大きな声に、アリスはワクワクと胸を高鳴らせ乗り込んだ。
「では、お送りします。ようこそ、リルルリアへ」
丁寧にお辞儀をしてくれたコボルトは、身長一四〇センチぐらいでふわふわの毛を持つ、可愛らしいチワワのような人だった。
獣人の見た目は人族に耳や尻尾を付けた者、まんま動物が二足歩行している者の二種類だ。
魔法陣が淡い黄緑色の光を発したかと思えば、身体が浮くような感覚をアリスは覚える。
まるでエレベーターみたいだと、アリスが思った次の瞬間には入口の枝に着いていた。
枝と言っても太すぎて、まったく揺れることは無い。
それどころか、アリスは大地に居るような気分になった。
「さぁ、今日は宿でゆっくりして、観光は明日よ!」
「うん! 宿楽しみ~♪」
アンジェシカの手を握ったアリスは、逸る気持ちを抑えスキップしながら宿屋を目指す。
アリスたちがポータルで移動した入口の枝は、一の幹と呼ばれている。
宿屋のある五の幹までは、約三十分ほど歩く。
アリスの足では、四五分かかる距離だ。
大きすぎる枝の上に建つこの街のは、ほとんどが木造りの家だ。
高さはまちまちながら景観を壊さないため塗装などはしておらず、ログハウスのような見た目の作りをしていた。
移動中アリスが退屈しないようにアンジェシカは、リルルリアの幹について語って聞かせてくれた。
二の幹は、衛士の詰め所や彼らの居住地。
三の幹は、裕福ではない一般市民の居住地。
四の幹は、神殿、役所、公園や美術館、学校なんかの施設。
五の幹は、冒険者ギルドや商人ギルドがあり、宿屋街になっていて、多くの食べ物の店や宿があると言う。
六の幹は、裕福な商人の家が多く立ち並び、服や宝飾、小物などの買い物はここでするらしい。
六の幹までは出入りが自由で、七と八の幹には許可がないと出入りができない。
ちなみに七の幹は、貴族街。八の幹は、領主館がある。
「じゃぁ、明日は、六の幹にいくの?」
「そうよ。洗礼式のためのお洋服とか、アリスが欲しい物を買いましょうね」
「わぁぁ! 楽しみ」
のんびりと話すアンジェシカの話を聞いている間に、アリスたちは五の幹についていた。
あっという間の到着にアリスは、もっと周りを見ておけば良かったと後悔する。
だが、明日の買い物が楽しみで、その気持ちも直ぐに消えた。
先を歩いていたジェイクが、宿の前で立ち止まる。
ジェイクが選んだ宿は【 森の羊亭 】。
入口には、木と羊の看板がある。
丸太を組み合わせた三階建てのログハウスは、横に幅広い。
家族たちについて森の羊亭の扉をくぐる。
真っ先に目が行くのは、壁の白さ。
そして、フローリングになった床は、木目をいかす焦げ茶色。
落ち着く雰囲気を醸し出した色合いにアリスは、ほぅと息を吐いた。
一階は受付のカウンターと食事処だけらしく、奥からワイワイと楽しげな声がする。
「ようこそ、森の羊亭へ……って、お前!! ジェイクか? 久しぶりだな」
キョロキョロとあたりを見回していたアリスは、厳つそうな声に顔を向ける。
黒い髪は、羊かと思うようなアフロ。少し堀の深いしかめっ面の顔は、右目に刀傷があり怖い印象を受ける。
年齢は四十代後半ぐらいで、がっちりとした体形と日に焼けた肌が良く似合う男性だ。
こんな怖そうな人が宿の受付にいちゃいけない! と言う感想を抱きながらアリスは、男性の頭を興味津々見上げた。
「久しぶりだなグレイス。元気だったか?」
「おう。お前こそ元気そうだな」
「あぁ、相変わらずさ」
「そうか。お前が森を出てくるなんて珍しいな? 何か問題でもあったのか?」
「珍しいってほどじゃないさ。孫娘が一二歳になるんでな、洗礼を受けに来たんだ。アリス、おいで」
ジェイクに呼ばれたアリスは、恐る恐るアフロへ近づく。
「グレイス、この子がうちの可愛い孫娘のアリスだ。アリス、私の友人のグレイスだ」
「こ、こんばんわ。アリス・インシェスです。おじいちゃんがお世話になっています?」
「ほぉ! しっかりした子だな!」
ペコっと頭を下げたアリスに、アフロ——グレイスが感心したように言う。
それに満足したジェイクは、アリスと手をつないだままグレイスと話し込んだ。
「部屋は二人部屋が、三つでいいか?」
「あぁ、それでいい」
「一人夕食付きで大銅貨一枚だ。アリス嬢の分はまけといてやる。部屋は、二階の右奥。三番目の部屋から三つだ」
「助かるよ」
ジェイクが代表して部屋の鍵を受け取り、階段を登る。
それに続くアリスは、厳つい割にグレイスがいい人だと思った。
部屋割りは、階段側からジェイクとアンジェシカ、フィンとクレイ、ゼスとフェルティナとアリスで別れることになった。
ゼスが鍵を開け、扉を開くと同時にアリスは部屋へ入る。
室内は、落ち着いた雰囲気だ。
壁には、黄緑と緑の糸で葉が刺しゅうされたタペストリーが飾られている。
床にはこの街の元になった大木と羊が、丁寧に織られた絨毯が敷かれていた。
家具は、しっかりとした木枠のベットが二つと二人掛け用のテーブルとイス。
それから荷物用なのか、カゴが一個。
「さぁ、アリス着替えましょうね」
「はぁい」
フェルティナにローブを脱がして貰ったアリスは、汚れの目立ちにくい色合いの旅用の服を脱ぐ。
そうして、フェルティナが用意してくれた水色のワンピースに着替えた。
フェルティナに髪を結い直して貰ったアリスはパタパタと走り、椅子に座るゼスの前でくるんと一回転した。
「パパー。似合う?」
「アリス、僕のお姫様。すごく似合ってるし、可愛いよ」
「えへへ」
お姫様と言われたアリスは、照れ笑いを浮かべる。
そんなアリスをゼスが、抱き上げ、膝の上に座らせた。
転生を機に家族に溺愛されているアリスは、精神年齢が子供になっている自覚がある。
正直、未だに照れるし、恥ずかしい。
けれど、甘えることが当然だと言わんばかりに、家族たちはアリスを甘やかす。
だからだろう。アリスは家族にだけは、素直に甘えることが出来るようになっていた。
「パパ、大好き」
「僕もアリスを愛してるよ」
ゼスがアリスのおでこにキスを落とす。
そんな二人を微笑ましそうに見たフェルティナに、アリスは「ママも大好きよ」と両手を伸ばす。
フェルティナの腕が、アリスを抱きしめた。
楽しい時間は終わり、日が暮れると夕食の時間になる。
夕食は一階の食堂で食べるそうでジェイクに頼まれたフィンとクレイが呼びにきた。
廊下に出るとアリスたち以外が揃っており、皆で一階へ移動する。
酒場兼食堂に入ると冒険者や泊り客が、それぞれのテーブルを囲みジョッキを片手に楽しそうに笑い合っていた。
「ジェイク! こっちだ」
奥の方の席から、片手をあげたグレイスが声をあげる。
それに「おう!」と答えたジェイクは、アリスたちを連れ席についた。
提供された食事は、木の器にたっぷりと注がれたシチュー、ナンのようなひらっぺったいパン、生野菜だ。
メインとなるシチューと生野菜のお代わりは有料で、パンは食べ放題。
お代わりは、頼めばすぐに持ってきてもらえた。
素朴なシチューは、大きめに切ったゴロゴロ野菜と豚肉? を使ったミルク味、
ただし、味付けが薄め……。
パンは、モッチリとしつつ小麦の香りがとてもいい。
けれど、シチューには合わない。
そして、生野菜はそのまま食べるのが主流なのか、何もかかっていなかった。
一つ一つをゆっくりと食べていたアリスは、悲し気にため息を吐いた。
「もっと煮込んで、チーズ入れたらもっとおいしいのに……」
「アリスの嬢ちゃん、何か言ったか?」
ぽつりと感想をこぼしたアリスの呟きを、グレイスが拾う。
それに「何でもないです」と、返したアリスはグレイスから視線を逸らすとフォークを置いた。
「最終ですよ~」と、係の人の大きな声に、アリスはワクワクと胸を高鳴らせ乗り込んだ。
「では、お送りします。ようこそ、リルルリアへ」
丁寧にお辞儀をしてくれたコボルトは、身長一四〇センチぐらいでふわふわの毛を持つ、可愛らしいチワワのような人だった。
獣人の見た目は人族に耳や尻尾を付けた者、まんま動物が二足歩行している者の二種類だ。
魔法陣が淡い黄緑色の光を発したかと思えば、身体が浮くような感覚をアリスは覚える。
まるでエレベーターみたいだと、アリスが思った次の瞬間には入口の枝に着いていた。
枝と言っても太すぎて、まったく揺れることは無い。
それどころか、アリスは大地に居るような気分になった。
「さぁ、今日は宿でゆっくりして、観光は明日よ!」
「うん! 宿楽しみ~♪」
アンジェシカの手を握ったアリスは、逸る気持ちを抑えスキップしながら宿屋を目指す。
アリスたちがポータルで移動した入口の枝は、一の幹と呼ばれている。
宿屋のある五の幹までは、約三十分ほど歩く。
アリスの足では、四五分かかる距離だ。
大きすぎる枝の上に建つこの街のは、ほとんどが木造りの家だ。
高さはまちまちながら景観を壊さないため塗装などはしておらず、ログハウスのような見た目の作りをしていた。
移動中アリスが退屈しないようにアンジェシカは、リルルリアの幹について語って聞かせてくれた。
二の幹は、衛士の詰め所や彼らの居住地。
三の幹は、裕福ではない一般市民の居住地。
四の幹は、神殿、役所、公園や美術館、学校なんかの施設。
五の幹は、冒険者ギルドや商人ギルドがあり、宿屋街になっていて、多くの食べ物の店や宿があると言う。
六の幹は、裕福な商人の家が多く立ち並び、服や宝飾、小物などの買い物はここでするらしい。
六の幹までは出入りが自由で、七と八の幹には許可がないと出入りができない。
ちなみに七の幹は、貴族街。八の幹は、領主館がある。
「じゃぁ、明日は、六の幹にいくの?」
「そうよ。洗礼式のためのお洋服とか、アリスが欲しい物を買いましょうね」
「わぁぁ! 楽しみ」
のんびりと話すアンジェシカの話を聞いている間に、アリスたちは五の幹についていた。
あっという間の到着にアリスは、もっと周りを見ておけば良かったと後悔する。
だが、明日の買い物が楽しみで、その気持ちも直ぐに消えた。
先を歩いていたジェイクが、宿の前で立ち止まる。
ジェイクが選んだ宿は【 森の羊亭 】。
入口には、木と羊の看板がある。
丸太を組み合わせた三階建てのログハウスは、横に幅広い。
家族たちについて森の羊亭の扉をくぐる。
真っ先に目が行くのは、壁の白さ。
そして、フローリングになった床は、木目をいかす焦げ茶色。
落ち着く雰囲気を醸し出した色合いにアリスは、ほぅと息を吐いた。
一階は受付のカウンターと食事処だけらしく、奥からワイワイと楽しげな声がする。
「ようこそ、森の羊亭へ……って、お前!! ジェイクか? 久しぶりだな」
キョロキョロとあたりを見回していたアリスは、厳つそうな声に顔を向ける。
黒い髪は、羊かと思うようなアフロ。少し堀の深いしかめっ面の顔は、右目に刀傷があり怖い印象を受ける。
年齢は四十代後半ぐらいで、がっちりとした体形と日に焼けた肌が良く似合う男性だ。
こんな怖そうな人が宿の受付にいちゃいけない! と言う感想を抱きながらアリスは、男性の頭を興味津々見上げた。
「久しぶりだなグレイス。元気だったか?」
「おう。お前こそ元気そうだな」
「あぁ、相変わらずさ」
「そうか。お前が森を出てくるなんて珍しいな? 何か問題でもあったのか?」
「珍しいってほどじゃないさ。孫娘が一二歳になるんでな、洗礼を受けに来たんだ。アリス、おいで」
ジェイクに呼ばれたアリスは、恐る恐るアフロへ近づく。
「グレイス、この子がうちの可愛い孫娘のアリスだ。アリス、私の友人のグレイスだ」
「こ、こんばんわ。アリス・インシェスです。おじいちゃんがお世話になっています?」
「ほぉ! しっかりした子だな!」
ペコっと頭を下げたアリスに、アフロ——グレイスが感心したように言う。
それに満足したジェイクは、アリスと手をつないだままグレイスと話し込んだ。
「部屋は二人部屋が、三つでいいか?」
「あぁ、それでいい」
「一人夕食付きで大銅貨一枚だ。アリス嬢の分はまけといてやる。部屋は、二階の右奥。三番目の部屋から三つだ」
「助かるよ」
ジェイクが代表して部屋の鍵を受け取り、階段を登る。
それに続くアリスは、厳つい割にグレイスがいい人だと思った。
部屋割りは、階段側からジェイクとアンジェシカ、フィンとクレイ、ゼスとフェルティナとアリスで別れることになった。
ゼスが鍵を開け、扉を開くと同時にアリスは部屋へ入る。
室内は、落ち着いた雰囲気だ。
壁には、黄緑と緑の糸で葉が刺しゅうされたタペストリーが飾られている。
床にはこの街の元になった大木と羊が、丁寧に織られた絨毯が敷かれていた。
家具は、しっかりとした木枠のベットが二つと二人掛け用のテーブルとイス。
それから荷物用なのか、カゴが一個。
「さぁ、アリス着替えましょうね」
「はぁい」
フェルティナにローブを脱がして貰ったアリスは、汚れの目立ちにくい色合いの旅用の服を脱ぐ。
そうして、フェルティナが用意してくれた水色のワンピースに着替えた。
フェルティナに髪を結い直して貰ったアリスはパタパタと走り、椅子に座るゼスの前でくるんと一回転した。
「パパー。似合う?」
「アリス、僕のお姫様。すごく似合ってるし、可愛いよ」
「えへへ」
お姫様と言われたアリスは、照れ笑いを浮かべる。
そんなアリスをゼスが、抱き上げ、膝の上に座らせた。
転生を機に家族に溺愛されているアリスは、精神年齢が子供になっている自覚がある。
正直、未だに照れるし、恥ずかしい。
けれど、甘えることが当然だと言わんばかりに、家族たちはアリスを甘やかす。
だからだろう。アリスは家族にだけは、素直に甘えることが出来るようになっていた。
「パパ、大好き」
「僕もアリスを愛してるよ」
ゼスがアリスのおでこにキスを落とす。
そんな二人を微笑ましそうに見たフェルティナに、アリスは「ママも大好きよ」と両手を伸ばす。
フェルティナの腕が、アリスを抱きしめた。
楽しい時間は終わり、日が暮れると夕食の時間になる。
夕食は一階の食堂で食べるそうでジェイクに頼まれたフィンとクレイが呼びにきた。
廊下に出るとアリスたち以外が揃っており、皆で一階へ移動する。
酒場兼食堂に入ると冒険者や泊り客が、それぞれのテーブルを囲みジョッキを片手に楽しそうに笑い合っていた。
「ジェイク! こっちだ」
奥の方の席から、片手をあげたグレイスが声をあげる。
それに「おう!」と答えたジェイクは、アリスたちを連れ席についた。
提供された食事は、木の器にたっぷりと注がれたシチュー、ナンのようなひらっぺったいパン、生野菜だ。
メインとなるシチューと生野菜のお代わりは有料で、パンは食べ放題。
お代わりは、頼めばすぐに持ってきてもらえた。
素朴なシチューは、大きめに切ったゴロゴロ野菜と豚肉? を使ったミルク味、
ただし、味付けが薄め……。
パンは、モッチリとしつつ小麦の香りがとてもいい。
けれど、シチューには合わない。
そして、生野菜はそのまま食べるのが主流なのか、何もかかっていなかった。
一つ一つをゆっくりと食べていたアリスは、悲し気にため息を吐いた。
「もっと煮込んで、チーズ入れたらもっとおいしいのに……」
「アリスの嬢ちゃん、何か言ったか?」
ぽつりと感想をこぼしたアリスの呟きを、グレイスが拾う。
それに「何でもないです」と、返したアリスはグレイスから視線を逸らすとフォークを置いた。
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