4 / 34
ダンジョンの入り口から帰宅する幽鬼
崖道突破
しおりを挟む
ガラガラガラ……。
道が崩れ落ち、音もなく崖下へと吸い込まれていった。
上から俺の手を掴むショコラの顔が、炸裂寸前の爆弾みたいに真っ赤っか。
「――は、はやぐぅぅぅ……でぃぃぃぜるざああああああん‼」
前回死んだ崖道の崩落トラップをなんとか越した俺達だったが、問題は、先に横穴へと飛び込んだショコラが、俺の重量を持ち上げられないというところにあった。
まぁ、ちょっと普通でない金属製の全身甲冑で、おまけに背中に馬鹿みたいにでかい斧を背負ってるからな。この細腕で持ち上げろという方が酷か。
だが――。
ちょっと煽ってみるか……。
「……ふぁいとぉぉぉぉお~~?」
俺の機転を効かせたエールに、ショコラがハッと猫目を輝かせた。こいつ、こういう遊び好きなんだよ。
「――いっっっっぱあぁぁぁぁぁつ‼」
彼女の気合に合わせ、グイッと腕を引っ張って、“自分で”身体を持ち上げる。
「――っ、うえぇぇ⁉」
すると俺の巨重に引っ張られて、穴の外に引きずり出されたショコラ。
その入れ違いの一瞬で、穴の縁をガシッと掴んだ俺。
もう片方の手で、崖下へと放り出されたショコラをキープする。
「ひ、ひぃぃぃ……」
ぷらぷらと俺に吊られて風に揺れるショコラが、眼下の吸い込まれるような光景を見下ろして小さな悲鳴を上げた。
そのまま片腕の力で身体を引き上げ、横穴に乗り上げる。
ようやく進路への侵入を果たした。長かった……。
立ち上がってショコラを片腕で吊り上げる。ちょうど、この手を離せばお前は落ちて死ぬぞ、と脅しをかけているような格好だ。
「……今のは乱暴だったと思います」
ショコラが俺に吊られたまま、猫目を細めて抗議の視線を送ってくる。
「そうか?」
「ディーゼルさんは、パーティーメンバーである私を、もうちょっと優しく扱うべきだと思います。時々本気で殺しに来ているのかと感じることがあります」
「俺は幽鬼だからな。侵入者を殺すのが仕事だ」
「私が真なる死を迎えたら、ディーゼルさんも消滅するんですよ? それでもいいんですか?」
「そうなんだよなぁ……」
天を仰いでシュコーッと嘆息をついた。
美しい山景が俺の毒気を抜いてくれた。
この女、俺とパーティーメンバーであることを逆手にとって、ことあるごとに「だったら、あなたを巻き添えにして一緒に死んでやる!」的な脅しをかけてくるのだ。たちが悪すぎる。
俺はダンジョン側に属するモンスターなので、本来どうあってもダンジョンに食われる事はないのだが、しかし今の状況は前代未聞だ。
つまり、モンスターと冒険者がパーティーを組んでダンジョンを攻略しているという、この、とんちんかんな状況。
油断はできない。
ダンマスが作るシステムは、その緩い頭の中身とは裏腹に、締めるべきところはカチッと厳密。統べる幽鬼である俺にさえも、例外なく真なる死を与えてくる可能性がある。
――いや、間違いなくそうなる。長年の経験から分かる。
侵入者は絶対殺すマンであるダンマスの性根は、ダンジョン黎明期からずっと一緒にいるこの俺が一番よく分かっている。
一切の例外もなく、一片の慈悲もなく、今まさに侵入者の立場となっている俺にも真なる死を与えてくるはずだ。
ショコラに死なれるわけにはいかない。
俺が消滅するということは、ダンマスを護る最後の砦が消えて無くなるということなのだから。
ダンマスを独りにはできない――。
「……早く中に入れてくださいよー」
仕方なく、ショコラを横穴の奥に放り込む。
空中で身体をひねり、シュタッと綺麗に着地したショコラ。
こういう身のこなしだけは一流なんだがなぁ……。
ショコラは弱い。
身体も、頭も。
能力のほとんどを敏捷と技巧に突っ込んでいるような、妙な育ち方をしている。パワーで圧殺一辺倒の俺と、打ち消し合ってちょうど良いかと思ったんだが、とんだ見立て違いだった。
そしてドジだ。
これが、この絆の深淵では致命的だった――。
俺がタバコを吸おうと腰の袋に手を伸ばそうとすると、ふと、ショコラが体育座りになり、膝に頭を埋めて動かなくなっていることに気が付いた。
これは不貞腐れの意思表示だ。
今までも何回かやられているので、特に驚きもしない。
「おい、ショコラ――」
「――結局、私の髪飾りも取り逃しちゃうしぃ……」
うずくまった彼女の膝の隙間から、涙声が漏れてきた。
俺の同情を誘うつもりだ。こうなると俺が慰めるまでは頑なに動かない。どういうわけか、こうなると俺の腕力をもってしても動かないのだ。特殊能力の類いだろうか。
無言でショコラの眼前に手を差し出す。
開いた俺の手甲の上には赤い髪飾りが乗っていた。なんだかよく分からないが、バトン状の洒落たやつだ。
「――? はっ、これは⁉」
「崖道に引っかかっていた。走る途中で見かけたから拾っておいた」
「あ、ありがどうございますディーゼルざぁああん‼」
泣きべそになって俺の手から髪飾りを受け取るショコラ。
そこで俺が膝を突いて彼女の肩に手をかけ、努めて優しく声をかける。
「良かったな、これでまた一回死ねるぞ」
「うう……嬉しくない……」
がっくりと首を垂れたショコラを残して立ち上がり、一歩前に踏み出した。
洞窟の奥に溜まった闇の澱から、飛びかかってくる影があった。
〈狂人〉。この絆の深淵で一般的な敵だ。ダンジョンで真なる死を迎えた、下っ端冒険者をベースに生み出される雑魚。
俺の漆黒の手甲がその狂人の頭をガッシリと掴んだ。そのまま握力任せにミシミシと締め上げる。
狂人も手に持っていた剣を振り回して抵抗し、錆びた刃が甲高い音を立てて俺の甲冑を何度も引っ掻いたが、鎧には傷ひとつ付かない。俺にそんなものが通用するわけがない。
手の中にトマトを潰すのに近い水っぽい感覚があった。
ブシャッと砕け散った頭部。
ビチャビチャと滴り落ちる血と脳漿を、ピッピと手を振って飛ばした。
「え、エグぅ……」
ショコラが、おえぇと舌を吐き出していた。
「転がってきた岩にお前が押し潰された時は、もっと酷い有様だったがな。穴という穴から、あらゆるものが絞り出されていたぞ」
「……ディーゼルさんにはデリカシーが足りません」
昏い眼で俺を見たショコラに、肩をすくめて見せた。
「――さぁ、いくぞ。この先に次のアンカーポイントがあるはずだ。確か近くにお助け用の宝箱があって、そこにセット装備があるはずだ」
「え、本当ですか⁉ 早く! 早く行きましょうよっ!」
ぱぁぁっと表情を明るくしたショコラ。現金なやつだ。
彼女を引き連れて洞窟の奥へと足を運んだ。
「――ああ、そうだった」
「? どうしたんですか?」
ふと立ち止まった俺の後ろから、ショコラがひょっこり覗き込んできた。
「この先、洞窟を抜けた直後、アンカーポイントの前に〈ファイアドレイク〉という大きな燃え盛る火トカゲが待ち構えている。結構でかい奴だ。俺が相手をするが、何も装備していない上に脆弱なお前は掠っただけで死ぬから、絶対に洞窟から顔を出すなよ?」
「絶対に顔を出しません」
ショコラの即答。
ここまでも一応そうして来たが、俺たちは基本的に役割分担をしている。
直接戦闘や強引なトラップ突破は俺。細かな探索や、ギミック解除とルート開拓はショコラ。
統べる幽鬼は最上位のモンスターだ。
こんな浅い層にいるようなモンスターは圧倒して当然なのだが、時々ステージのギミックを絡めて攻めてくる敵もいる。そういう輩は油断できない。何をどう頑張っても即死するトラップに引っかかれば、如何に統べる幽鬼であっても、なすすべなく死ぬのだから。
「洞窟の中からディーゼルさんの格好いい雄姿を観戦していますね! がんばっ! ディーゼル! いけ、いけ、ディーゼル‼ レッツゴー、ディーゼル‼」
どこからともなく取り出したボンボンを振っていたショコラを見ていたら、ふと脳裏に閃く記憶があった。
「あ……いや、だめだ」
「え」
首を横に振った俺に、ショコラはボンボンをぽとりと落して表情を消した。
「今思い出したが、この洞窟はしばらくすると崩れる。中にいたら生き埋めになるから、やっぱり外に出ろ」
「で、でも顔を出すなって……」
「そうだな……作戦変更だ。俺が戦っている間、お前は逃げ回っていろ。お前、身軽だからなんとかなるだろ」
「えっ、ええ……なんとかって……」
「今からファイアドレイクの特徴を全部教える。全部記憶して完全回避しろ。ああ、あとな……あいつ、追い詰められると地面を焼いて火の海にしてくるから、そうなったらあとは運を天に任せて、どこかの木の上に登って縮こまっていろ」
「そんなぁ……」
「まぁ、ここまで来ればショコラが火だるまになっても、俺一人で次のアンカーポイントまでは到達できるから、そうしたら復活させてやる。たとえ炭になっていても、死体さえあれば装備も落とさないから、あまり気構えずにとっとと死んでしまえ」
「い、嫌ッ! 嫌ですッ‼ ディーゼルさんは平気なのかもですけど……死ぬ時って、やっぱり死ぬほど苦しいんですからねッ⁉ 焼死ってこの世で最も苦しい死に方のひとつじゃないですか! 絶対死にませんッ‼」
「好きにしろ」
ショコラの抗議の声を背負って、洞窟を進んだ。
道が崩れ落ち、音もなく崖下へと吸い込まれていった。
上から俺の手を掴むショコラの顔が、炸裂寸前の爆弾みたいに真っ赤っか。
「――は、はやぐぅぅぅ……でぃぃぃぜるざああああああん‼」
前回死んだ崖道の崩落トラップをなんとか越した俺達だったが、問題は、先に横穴へと飛び込んだショコラが、俺の重量を持ち上げられないというところにあった。
まぁ、ちょっと普通でない金属製の全身甲冑で、おまけに背中に馬鹿みたいにでかい斧を背負ってるからな。この細腕で持ち上げろという方が酷か。
だが――。
ちょっと煽ってみるか……。
「……ふぁいとぉぉぉぉお~~?」
俺の機転を効かせたエールに、ショコラがハッと猫目を輝かせた。こいつ、こういう遊び好きなんだよ。
「――いっっっっぱあぁぁぁぁぁつ‼」
彼女の気合に合わせ、グイッと腕を引っ張って、“自分で”身体を持ち上げる。
「――っ、うえぇぇ⁉」
すると俺の巨重に引っ張られて、穴の外に引きずり出されたショコラ。
その入れ違いの一瞬で、穴の縁をガシッと掴んだ俺。
もう片方の手で、崖下へと放り出されたショコラをキープする。
「ひ、ひぃぃぃ……」
ぷらぷらと俺に吊られて風に揺れるショコラが、眼下の吸い込まれるような光景を見下ろして小さな悲鳴を上げた。
そのまま片腕の力で身体を引き上げ、横穴に乗り上げる。
ようやく進路への侵入を果たした。長かった……。
立ち上がってショコラを片腕で吊り上げる。ちょうど、この手を離せばお前は落ちて死ぬぞ、と脅しをかけているような格好だ。
「……今のは乱暴だったと思います」
ショコラが俺に吊られたまま、猫目を細めて抗議の視線を送ってくる。
「そうか?」
「ディーゼルさんは、パーティーメンバーである私を、もうちょっと優しく扱うべきだと思います。時々本気で殺しに来ているのかと感じることがあります」
「俺は幽鬼だからな。侵入者を殺すのが仕事だ」
「私が真なる死を迎えたら、ディーゼルさんも消滅するんですよ? それでもいいんですか?」
「そうなんだよなぁ……」
天を仰いでシュコーッと嘆息をついた。
美しい山景が俺の毒気を抜いてくれた。
この女、俺とパーティーメンバーであることを逆手にとって、ことあるごとに「だったら、あなたを巻き添えにして一緒に死んでやる!」的な脅しをかけてくるのだ。たちが悪すぎる。
俺はダンジョン側に属するモンスターなので、本来どうあってもダンジョンに食われる事はないのだが、しかし今の状況は前代未聞だ。
つまり、モンスターと冒険者がパーティーを組んでダンジョンを攻略しているという、この、とんちんかんな状況。
油断はできない。
ダンマスが作るシステムは、その緩い頭の中身とは裏腹に、締めるべきところはカチッと厳密。統べる幽鬼である俺にさえも、例外なく真なる死を与えてくる可能性がある。
――いや、間違いなくそうなる。長年の経験から分かる。
侵入者は絶対殺すマンであるダンマスの性根は、ダンジョン黎明期からずっと一緒にいるこの俺が一番よく分かっている。
一切の例外もなく、一片の慈悲もなく、今まさに侵入者の立場となっている俺にも真なる死を与えてくるはずだ。
ショコラに死なれるわけにはいかない。
俺が消滅するということは、ダンマスを護る最後の砦が消えて無くなるということなのだから。
ダンマスを独りにはできない――。
「……早く中に入れてくださいよー」
仕方なく、ショコラを横穴の奥に放り込む。
空中で身体をひねり、シュタッと綺麗に着地したショコラ。
こういう身のこなしだけは一流なんだがなぁ……。
ショコラは弱い。
身体も、頭も。
能力のほとんどを敏捷と技巧に突っ込んでいるような、妙な育ち方をしている。パワーで圧殺一辺倒の俺と、打ち消し合ってちょうど良いかと思ったんだが、とんだ見立て違いだった。
そしてドジだ。
これが、この絆の深淵では致命的だった――。
俺がタバコを吸おうと腰の袋に手を伸ばそうとすると、ふと、ショコラが体育座りになり、膝に頭を埋めて動かなくなっていることに気が付いた。
これは不貞腐れの意思表示だ。
今までも何回かやられているので、特に驚きもしない。
「おい、ショコラ――」
「――結局、私の髪飾りも取り逃しちゃうしぃ……」
うずくまった彼女の膝の隙間から、涙声が漏れてきた。
俺の同情を誘うつもりだ。こうなると俺が慰めるまでは頑なに動かない。どういうわけか、こうなると俺の腕力をもってしても動かないのだ。特殊能力の類いだろうか。
無言でショコラの眼前に手を差し出す。
開いた俺の手甲の上には赤い髪飾りが乗っていた。なんだかよく分からないが、バトン状の洒落たやつだ。
「――? はっ、これは⁉」
「崖道に引っかかっていた。走る途中で見かけたから拾っておいた」
「あ、ありがどうございますディーゼルざぁああん‼」
泣きべそになって俺の手から髪飾りを受け取るショコラ。
そこで俺が膝を突いて彼女の肩に手をかけ、努めて優しく声をかける。
「良かったな、これでまた一回死ねるぞ」
「うう……嬉しくない……」
がっくりと首を垂れたショコラを残して立ち上がり、一歩前に踏み出した。
洞窟の奥に溜まった闇の澱から、飛びかかってくる影があった。
〈狂人〉。この絆の深淵で一般的な敵だ。ダンジョンで真なる死を迎えた、下っ端冒険者をベースに生み出される雑魚。
俺の漆黒の手甲がその狂人の頭をガッシリと掴んだ。そのまま握力任せにミシミシと締め上げる。
狂人も手に持っていた剣を振り回して抵抗し、錆びた刃が甲高い音を立てて俺の甲冑を何度も引っ掻いたが、鎧には傷ひとつ付かない。俺にそんなものが通用するわけがない。
手の中にトマトを潰すのに近い水っぽい感覚があった。
ブシャッと砕け散った頭部。
ビチャビチャと滴り落ちる血と脳漿を、ピッピと手を振って飛ばした。
「え、エグぅ……」
ショコラが、おえぇと舌を吐き出していた。
「転がってきた岩にお前が押し潰された時は、もっと酷い有様だったがな。穴という穴から、あらゆるものが絞り出されていたぞ」
「……ディーゼルさんにはデリカシーが足りません」
昏い眼で俺を見たショコラに、肩をすくめて見せた。
「――さぁ、いくぞ。この先に次のアンカーポイントがあるはずだ。確か近くにお助け用の宝箱があって、そこにセット装備があるはずだ」
「え、本当ですか⁉ 早く! 早く行きましょうよっ!」
ぱぁぁっと表情を明るくしたショコラ。現金なやつだ。
彼女を引き連れて洞窟の奥へと足を運んだ。
「――ああ、そうだった」
「? どうしたんですか?」
ふと立ち止まった俺の後ろから、ショコラがひょっこり覗き込んできた。
「この先、洞窟を抜けた直後、アンカーポイントの前に〈ファイアドレイク〉という大きな燃え盛る火トカゲが待ち構えている。結構でかい奴だ。俺が相手をするが、何も装備していない上に脆弱なお前は掠っただけで死ぬから、絶対に洞窟から顔を出すなよ?」
「絶対に顔を出しません」
ショコラの即答。
ここまでも一応そうして来たが、俺たちは基本的に役割分担をしている。
直接戦闘や強引なトラップ突破は俺。細かな探索や、ギミック解除とルート開拓はショコラ。
統べる幽鬼は最上位のモンスターだ。
こんな浅い層にいるようなモンスターは圧倒して当然なのだが、時々ステージのギミックを絡めて攻めてくる敵もいる。そういう輩は油断できない。何をどう頑張っても即死するトラップに引っかかれば、如何に統べる幽鬼であっても、なすすべなく死ぬのだから。
「洞窟の中からディーゼルさんの格好いい雄姿を観戦していますね! がんばっ! ディーゼル! いけ、いけ、ディーゼル‼ レッツゴー、ディーゼル‼」
どこからともなく取り出したボンボンを振っていたショコラを見ていたら、ふと脳裏に閃く記憶があった。
「あ……いや、だめだ」
「え」
首を横に振った俺に、ショコラはボンボンをぽとりと落して表情を消した。
「今思い出したが、この洞窟はしばらくすると崩れる。中にいたら生き埋めになるから、やっぱり外に出ろ」
「で、でも顔を出すなって……」
「そうだな……作戦変更だ。俺が戦っている間、お前は逃げ回っていろ。お前、身軽だからなんとかなるだろ」
「えっ、ええ……なんとかって……」
「今からファイアドレイクの特徴を全部教える。全部記憶して完全回避しろ。ああ、あとな……あいつ、追い詰められると地面を焼いて火の海にしてくるから、そうなったらあとは運を天に任せて、どこかの木の上に登って縮こまっていろ」
「そんなぁ……」
「まぁ、ここまで来ればショコラが火だるまになっても、俺一人で次のアンカーポイントまでは到達できるから、そうしたら復活させてやる。たとえ炭になっていても、死体さえあれば装備も落とさないから、あまり気構えずにとっとと死んでしまえ」
「い、嫌ッ! 嫌ですッ‼ ディーゼルさんは平気なのかもですけど……死ぬ時って、やっぱり死ぬほど苦しいんですからねッ⁉ 焼死ってこの世で最も苦しい死に方のひとつじゃないですか! 絶対死にませんッ‼」
「好きにしろ」
ショコラの抗議の声を背負って、洞窟を進んだ。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
ダンマス(異端者)
AN@RCHY
ファンタジー
幼女女神に召喚で呼び出されたシュウ。
元の世界に戻れないことを知って自由気ままに過ごすことを決めた。
人の作ったレールなんかのってやらねえぞ!
地球での痕跡をすべて消されて、幼女女神に召喚された風間修。そこで突然、ダンジョンマスターになって他のダンジョンマスターたちと競えと言われた。
戻りたくても戻る事の出来ない現実を受け入れ、異世界へ旅立つ。
始めこそ異世界だとワクワクしていたが、すぐに碇石からズレおかしなことを始めた。
小説になろうで『AN@CHY』名義で投稿している、同タイトルをアルファポリスにも投稿させていただきます。
向こうの小説を多少修正して投稿しています。
修正をかけながらなので更新ペースは不明です。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる