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第二部 第三章 首都レグナエラ
6 神々の道徳
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家庭の神ドミナエは用事があるとかで帰ってしまったので、愛の神の住まいでは、以前の通り三柱の神が円形卓に集って人界の様子を眺めていた。
「まあ、一時しのぎにネオリアと手を組むのは仕方ないね」
ソラリアスが黄金の髪を手櫛で撫でつけ撫でつけ、残りの二柱の神を窺いながら発言した。
浴場で湿った髪の毛は、ほとんど乾いていた。乱れた衣服もさりげなく直してある。
ドクトリスは元通りの爽やかさを取り戻した太陽の神を、多少残念そうに眺めた。イウィディアはそんな学問の神の目付きを見て、以前ドミナエが指摘した話を再認識していた。
「どうせ元々手を組んでいた筈よ」
「そう言えば、そうだね」
ソラリアスは、イウィディアに反応してもらったことが嬉しく、言葉の内容には頓着していないようであった。ドクトリスの目付きが、呆れたようないとおしいような、複雑なものに変わった。
「レグナエラが開門する様子のないのが気にかかる。冬になれば雨量が増えて、病の神が暗躍する余地も増えてしまう。イウィディア殿、貴公の手の内で、役に立ちそうな恋人同士の組合せはあるだろうか」
「そうねえ」
指名されて、愛の神は考えるふりをした。二柱の男神は答えを待っていたが、いつまでたっても女神は答えない。小さく欠伸までしている。考えているかどうかも怪しくなってきた。学問の神が付け加えた。
「例えば、首都の壁の内側にいる人間と、外側にいる人間が恋人同士ならば、その関係を利用して門を開けさせることができるかもしれない」
「ああ、そういうことか」
愛の神の代りに、ソラリアスが手を打って応じた。助言に返事こそしなかったが、愛の神はたちまち答えを出した。
「メロスメリヌとソルペデスがいるわ」
「あの蜂蜜みたいな人は、ソルピラスの妻だろう?」
ソラリアスが小首を傾げる。
「でも、恋人同士よ」
イウィディアは、あくまでも譲らなかった。ドクトリスが辺りを見回した。
「ドミナエ殿が席を外しているのは、幸いだ。家庭の神は、そういう関係には厳しいからな。しかし、どのように利用したものか」
「私が材料を提供したのだから、今度はあなた方が考える番よ。私、髪を整えて参りますわ」
ドミナエがいたので直せなかった髪型を、イウィディアはずっと気にしていたらしい。確かに解けっ放しである。引き留める言葉もないまま、愛の神は室内を出て行った。残された男神たちは、何となしに顔を見合わせた。
「よい考えはあるかい、ドクトリス?」
「門を開けてからどうするかも考えておくべきだな。数に勝るネオリア軍に先駆けて、メリディオンが日の御子の王冠を手に入れねばならぬ」
ドクトリスは言葉を切って、改めてソラリアスを見直した。太陽の神は無邪気に学問の神を見つめている。
「イウィディア殿が勝利したとして、貴公にどのような利があるのだ?」
途端にソラリアスの瞳が曇った。つい、とドクトリスから目を逸らし、背を向ける。ドクトリスは思わず手を伸ばしかけて、止めた。
「そこまで考えていないよ。イウィディア殿の喜ぶ顔が見たいだけだ」
そこでくるりと反転し、学問の神に向き直った。
「貴公も、だから私に尽くしてくれるのだろう?」
輝くような笑顔を見せられて、学問の神はうっとりと頷いた。太陽の神は相手の瞳に映る己の姿を惚れ惚れと眺める。二柱の神は、暫く見つめあっていた。
「デリムさま、ステラのお願いを聴いてくださいまし」
「あたくしたち、本当にレグナエラのことを心配しているのですわ。ねえ、アステリス」
「そうよ、姉さま。武芸の神であるデリムさまにお力添えしていただければ、こんな有り難いことはございません。あたしもそう思いますわ。ねえ、ステラ」
「ええ、もちろんですわ。デリムさまもレグナエラの行く末には関心をお持ちでしょう。ステラもソルペデスが気に入りですのよ。ねえ、アストルミ姉さま」
「ステラの言うことは本当ですわ。どうかレグナエラを助けてくださいまし」
「あの、お三方」
前触れもなしに押しかけてきて、腹を空かせた雛の如く口々にレグナエラへの助力を訴える星の神々を、デリムは漸く黙らせることができた。
若い女神たちは、デリムから色よい返事が貰えるものと期待に目を輝かせている。いつまた口を開くかわからない。一旦三姉妹が口を開けば、今し方体験したように、口を差し挟むことはデリムにとって困難な仕事であった。
「ルヌーラ殿にも申し上げましたが、私は中立を保ちたいのです」
やっとこれだけ言った途端、女神たちの口が猛然と動き出した。
「まあ、ルヌーラさまのお願いが聞けないなんて、冷たい方ね。ねえ、アステリス」
「あたしもそう思いますわ。ルヌーラさまはともかく、メミニさまのような方のお願いまで断るのは、どうでしょう」
「そう言えば、メミニさまはどちらにおられるのでしょう。ステラ、心配ですわ」
「メミニ殿がこちらへ向かわれたのですか」
デリムの声は返事を期待せず、全く威圧的ではなかったにも関わらず、ぴたりと星の神々のお喋りが止まった。星の姉妹は互いに顔を見合わせ、代表して長姉のアストルミが訊く。
「デリムさまにお目にかかられたのではないのでしょうか」
「いいえ。他の神々と間違われておられませんか」
デリムは誠実に、丁寧に答えた。三姉妹は困惑するばかりであった。
「ステラ、思い出しましたわ。確か、メミニさまは、他にもお味方にしたい神がおられる、と言い残されましたわ」
「そう言えば、とても自信がおありのようでしたわ。そちらを先に訪ねられたのかしら、ねえ、アステリス」
「姉さまの言う通りですわ。でも、どなたのことかしら」
さすがの星の神々も、これ以上お喋りを続けることは難しいらしかった。
デリムは姉妹が大人しくなったのを見計らい、適当なことを言って体よく若い女神たちを帰してしまった。
独り室内に戻ると、武芸の神は小さな卓を熱心に観察した。卓には人界の様子が映し出されていて、その中心はエウドクシスであった。エウドクシスはソルペデスと共に、レグナエラのために戦っていた。
「可哀想に」
デリムは呟いた。戦況はレグナエラにとって、絶望的なまでに不利であった。武芸の神には、それがよくわかっていた。
星の神々はなかなか戻ってこなかった。アエグロートは落ち着かない様子で、飛び出た胸毛をひねくり回している。ルヌーラは病の神の働きを見物していた。人界では、レグナエラのソルマヌス王が倒れて大騒ぎである。
「何をしたの?」
「体の中にある細い管を、一時的に詰まらせただけだ。高齢だから、管が硬化して物が詰まりやすくなる。人間は大変だな、死ばかりか、病気の心配までせねばならぬ」
「死なないの?」
ルヌーラの冷淡な物言いにも、アエグロートはもう表情を変えなかった。月の神に負けず劣らず、淡々と説明する。
「いずれは死ぬ。だが、暫くは生きている。権力の座にある者が急死すると、ややこしいことになるからな。その方が、貴公も都合がよかろう」
「そうね。次は、ソルペデスを殺して欲しいのだけれど」
病の神より、月の神の方がよほど冷淡だった。折角身に付けた冷静な仮面も、たちまち山盛りの肉の中に溶け崩れた。
アエグロートは、すぐには言葉が出てこない。二、三度頭をつるつると撫で、髭を一本引っ張ってから、質問で返した。
「勝負を捨てて、レグナエラを滅ぼすつもりか」
「門を開けさせたいだけよ」
あっけらかんとして、ルヌーラは答えた。
「門を開ければ、ネオリアもメリディオンも、血眼で獲物を探すでしょう。レグナエラの人々は、逃げ出そうとする。当然、大混乱が起こる」
「その混乱に乗じて、レグナエラ王家の人間に、日の御子の王冠を持たせて逃がすの。普通に戦いを続けていたら、降伏してそのまま全てを奪われるだけだわ」
「ネオリアとメリディオンはそれでも構わないでしょうが、私が勝つにはその方法しか残されていないのよ」
「なるほど。なるほどなあ」
アエグロートは呆れたのか感心したのか、肉の乗った瞼を懸命に持ち上げ、月の神の横顔を眺めていた。少年を思わせるすっきりとした美しい顔立ちに、躊躇いは微塵も表れていなかった。
それから病の神は、人界の様子をしげしげと観察した後、ぬるりと頭を上げた。
「ソルペデスを死なせるのは無理だなあ」
たちまちルヌーラの表情が険しくなる。
「何故?」
「若いからだ。文句のつけようもない健康体だよ。まあ、いずれネオリアかメリディオンに殺されるから、安心おし」
ルヌーラはむくれた。すっきりした頬が膨れて丸みを帯び、思いがけず愛らしさが現れた。
アエグロートは目をみはって月の神の新しい美しさを堪能したが、言葉に出して褒めるのは差し控えた。
「まあ、一時しのぎにネオリアと手を組むのは仕方ないね」
ソラリアスが黄金の髪を手櫛で撫でつけ撫でつけ、残りの二柱の神を窺いながら発言した。
浴場で湿った髪の毛は、ほとんど乾いていた。乱れた衣服もさりげなく直してある。
ドクトリスは元通りの爽やかさを取り戻した太陽の神を、多少残念そうに眺めた。イウィディアはそんな学問の神の目付きを見て、以前ドミナエが指摘した話を再認識していた。
「どうせ元々手を組んでいた筈よ」
「そう言えば、そうだね」
ソラリアスは、イウィディアに反応してもらったことが嬉しく、言葉の内容には頓着していないようであった。ドクトリスの目付きが、呆れたようないとおしいような、複雑なものに変わった。
「レグナエラが開門する様子のないのが気にかかる。冬になれば雨量が増えて、病の神が暗躍する余地も増えてしまう。イウィディア殿、貴公の手の内で、役に立ちそうな恋人同士の組合せはあるだろうか」
「そうねえ」
指名されて、愛の神は考えるふりをした。二柱の男神は答えを待っていたが、いつまでたっても女神は答えない。小さく欠伸までしている。考えているかどうかも怪しくなってきた。学問の神が付け加えた。
「例えば、首都の壁の内側にいる人間と、外側にいる人間が恋人同士ならば、その関係を利用して門を開けさせることができるかもしれない」
「ああ、そういうことか」
愛の神の代りに、ソラリアスが手を打って応じた。助言に返事こそしなかったが、愛の神はたちまち答えを出した。
「メロスメリヌとソルペデスがいるわ」
「あの蜂蜜みたいな人は、ソルピラスの妻だろう?」
ソラリアスが小首を傾げる。
「でも、恋人同士よ」
イウィディアは、あくまでも譲らなかった。ドクトリスが辺りを見回した。
「ドミナエ殿が席を外しているのは、幸いだ。家庭の神は、そういう関係には厳しいからな。しかし、どのように利用したものか」
「私が材料を提供したのだから、今度はあなた方が考える番よ。私、髪を整えて参りますわ」
ドミナエがいたので直せなかった髪型を、イウィディアはずっと気にしていたらしい。確かに解けっ放しである。引き留める言葉もないまま、愛の神は室内を出て行った。残された男神たちは、何となしに顔を見合わせた。
「よい考えはあるかい、ドクトリス?」
「門を開けてからどうするかも考えておくべきだな。数に勝るネオリア軍に先駆けて、メリディオンが日の御子の王冠を手に入れねばならぬ」
ドクトリスは言葉を切って、改めてソラリアスを見直した。太陽の神は無邪気に学問の神を見つめている。
「イウィディア殿が勝利したとして、貴公にどのような利があるのだ?」
途端にソラリアスの瞳が曇った。つい、とドクトリスから目を逸らし、背を向ける。ドクトリスは思わず手を伸ばしかけて、止めた。
「そこまで考えていないよ。イウィディア殿の喜ぶ顔が見たいだけだ」
そこでくるりと反転し、学問の神に向き直った。
「貴公も、だから私に尽くしてくれるのだろう?」
輝くような笑顔を見せられて、学問の神はうっとりと頷いた。太陽の神は相手の瞳に映る己の姿を惚れ惚れと眺める。二柱の神は、暫く見つめあっていた。
「デリムさま、ステラのお願いを聴いてくださいまし」
「あたくしたち、本当にレグナエラのことを心配しているのですわ。ねえ、アステリス」
「そうよ、姉さま。武芸の神であるデリムさまにお力添えしていただければ、こんな有り難いことはございません。あたしもそう思いますわ。ねえ、ステラ」
「ええ、もちろんですわ。デリムさまもレグナエラの行く末には関心をお持ちでしょう。ステラもソルペデスが気に入りですのよ。ねえ、アストルミ姉さま」
「ステラの言うことは本当ですわ。どうかレグナエラを助けてくださいまし」
「あの、お三方」
前触れもなしに押しかけてきて、腹を空かせた雛の如く口々にレグナエラへの助力を訴える星の神々を、デリムは漸く黙らせることができた。
若い女神たちは、デリムから色よい返事が貰えるものと期待に目を輝かせている。いつまた口を開くかわからない。一旦三姉妹が口を開けば、今し方体験したように、口を差し挟むことはデリムにとって困難な仕事であった。
「ルヌーラ殿にも申し上げましたが、私は中立を保ちたいのです」
やっとこれだけ言った途端、女神たちの口が猛然と動き出した。
「まあ、ルヌーラさまのお願いが聞けないなんて、冷たい方ね。ねえ、アステリス」
「あたしもそう思いますわ。ルヌーラさまはともかく、メミニさまのような方のお願いまで断るのは、どうでしょう」
「そう言えば、メミニさまはどちらにおられるのでしょう。ステラ、心配ですわ」
「メミニ殿がこちらへ向かわれたのですか」
デリムの声は返事を期待せず、全く威圧的ではなかったにも関わらず、ぴたりと星の神々のお喋りが止まった。星の姉妹は互いに顔を見合わせ、代表して長姉のアストルミが訊く。
「デリムさまにお目にかかられたのではないのでしょうか」
「いいえ。他の神々と間違われておられませんか」
デリムは誠実に、丁寧に答えた。三姉妹は困惑するばかりであった。
「ステラ、思い出しましたわ。確か、メミニさまは、他にもお味方にしたい神がおられる、と言い残されましたわ」
「そう言えば、とても自信がおありのようでしたわ。そちらを先に訪ねられたのかしら、ねえ、アステリス」
「姉さまの言う通りですわ。でも、どなたのことかしら」
さすがの星の神々も、これ以上お喋りを続けることは難しいらしかった。
デリムは姉妹が大人しくなったのを見計らい、適当なことを言って体よく若い女神たちを帰してしまった。
独り室内に戻ると、武芸の神は小さな卓を熱心に観察した。卓には人界の様子が映し出されていて、その中心はエウドクシスであった。エウドクシスはソルペデスと共に、レグナエラのために戦っていた。
「可哀想に」
デリムは呟いた。戦況はレグナエラにとって、絶望的なまでに不利であった。武芸の神には、それがよくわかっていた。
星の神々はなかなか戻ってこなかった。アエグロートは落ち着かない様子で、飛び出た胸毛をひねくり回している。ルヌーラは病の神の働きを見物していた。人界では、レグナエラのソルマヌス王が倒れて大騒ぎである。
「何をしたの?」
「体の中にある細い管を、一時的に詰まらせただけだ。高齢だから、管が硬化して物が詰まりやすくなる。人間は大変だな、死ばかりか、病気の心配までせねばならぬ」
「死なないの?」
ルヌーラの冷淡な物言いにも、アエグロートはもう表情を変えなかった。月の神に負けず劣らず、淡々と説明する。
「いずれは死ぬ。だが、暫くは生きている。権力の座にある者が急死すると、ややこしいことになるからな。その方が、貴公も都合がよかろう」
「そうね。次は、ソルペデスを殺して欲しいのだけれど」
病の神より、月の神の方がよほど冷淡だった。折角身に付けた冷静な仮面も、たちまち山盛りの肉の中に溶け崩れた。
アエグロートは、すぐには言葉が出てこない。二、三度頭をつるつると撫で、髭を一本引っ張ってから、質問で返した。
「勝負を捨てて、レグナエラを滅ぼすつもりか」
「門を開けさせたいだけよ」
あっけらかんとして、ルヌーラは答えた。
「門を開ければ、ネオリアもメリディオンも、血眼で獲物を探すでしょう。レグナエラの人々は、逃げ出そうとする。当然、大混乱が起こる」
「その混乱に乗じて、レグナエラ王家の人間に、日の御子の王冠を持たせて逃がすの。普通に戦いを続けていたら、降伏してそのまま全てを奪われるだけだわ」
「ネオリアとメリディオンはそれでも構わないでしょうが、私が勝つにはその方法しか残されていないのよ」
「なるほど。なるほどなあ」
アエグロートは呆れたのか感心したのか、肉の乗った瞼を懸命に持ち上げ、月の神の横顔を眺めていた。少年を思わせるすっきりとした美しい顔立ちに、躊躇いは微塵も表れていなかった。
それから病の神は、人界の様子をしげしげと観察した後、ぬるりと頭を上げた。
「ソルペデスを死なせるのは無理だなあ」
たちまちルヌーラの表情が険しくなる。
「何故?」
「若いからだ。文句のつけようもない健康体だよ。まあ、いずれネオリアかメリディオンに殺されるから、安心おし」
ルヌーラはむくれた。すっきりした頬が膨れて丸みを帯び、思いがけず愛らしさが現れた。
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作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
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