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16 熊

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「おはよう」
兄がポッキリ1万モルまで値切った宿で兄に抱きしめられて起きる。

ことの経緯は昨日、どっちが床で寝るか論争になった故に二人で一人用のベッドで寝ることになった。
兄弟だから別にいっかってことで。そして一晩中ガッチリホールドされて身動きが取れなかった。まぁ寝れたんだがな!

「ん」
やっと兄に離してもらえる。

「剣取りに行って、熊退治と」
兄に早くしろ!と言われないためにすぐに準備をした。

「ん。行くか」
逆に兄を待った。







「はいよ。これ、大事に使うんだぞ」
昨日買った剣と防具を受け取り、早速身につける。

いい感じだ。
あくまでもサポート系の魔法使いというキャラを壊さずに、有事の際は剣も振りますよ。ぐらいになっている。
本気のデバフをかけて、相手が動けない。みたいな状況ができたら多分僕でも剣を使ってトドメをさせるだろう。














「熊って美味しいのかな?」
熊退治のために街を出て、森に入った。

「しらね。美味しくなさそう」
兄は素っ気ない。

「お前の魔法に魔物を呼び寄せるようなやつあるか?」
結構深くまで入ったのに、まだ目的の熊に出会っていない。

「あるにはあるけど「なら使え」」
場所に呼び寄せる、というより人に呼び寄せる魔法なんだよなぁ。

「兄さんに呼び寄せられるようなやつだし、熊以外もくるかもしれ「かまわねぇ。かけろ」」
はいはい。幸い特段魔力を喰うような魔法でもない。

効果は短め、軽めにかける。

「甘たりぃ」
魔物を寄せ付ける臭いだ。








!?
少しかけただけのはずなのに突然森の雰囲気が変わった。
索敵スキルはないが、多方面からそこそこの大きさの魔物が近づいているきがする。
現に鳥とかの小型生物が逃げ出している。

「おもしれぇ」
目標は十体だっけ?
すぐに達成できるな。メインは原因の調査になりそうだ。

「『目眩』」
強めにかける。
当たり前だが、魔力の消費量は魔法によって違う。何でもかんでもポンポン撃てるものでもない。

いち早く僕らのところに到達した三体はバタバタと倒れる。それを見た後ろの熊も目眩の効果にはかかっているようだ。
そして何体かがレジストした。

「奥にいるレジストしたやつは兄さんお願い!」
剣を抜く。

意外にもしっくりくるものだ。
殺したくない!可哀想!みたいな見た目じゃなくてよかった。
魔物化しているせいか元の熊とは違い醜い。
目眩で伸びている熊の脳天を一思いに突いていく。
死体は残らず魔石だけが残る。
不思議だ。

肉食べたいと思っても食べれないじゃん。
まぁ多分上手いことなってて死体を消さない方法とかあるんだろうけど、僕は知らない。
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