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1章スローライフ準備編

38 迷宮B

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「うぎー」
情けない言葉が口から出てしまったのだが仕方がない。

後ろから抱きしめてくるアセナの力は骨が軋むほどである。
意識が有れば労ってくれるのだが、これは多分寝てる、、、ん?寝ててこの力はやばくね?

これに耐えるにはもっと鍛えて強くならねばな。













「これがラストだな」

「だね」

第七階層。原点に戻って洞窟のようになっている。

「出迎えてくれるモンスターも元に戻ったか?」



そこはまるで第一階層第二階層を思わせるような雰囲気だった。





「いやっ、コイツら、、強い!!」


第一階層にいるようなモンスターは急所を刺さなくても、ちょっと傷付けるだけで死んだ。強いて言うなら僕らの前では奴らは全身急所となりうるのだろう。だが、この階層のモンスターは見た目は同じでもただ剣が触れるぐらいでは死なない。むしろ反撃してくる。
袖に防具を隠して、この小さなウサギの蹴りを受けてみた。というか跳ね返して殺すつもりだったのだが、



「重い!?」
どこからそんな力が!?と思うほど重たい蹴りを受けた。




舐めてはいなかったため衝撃には耐えれたが、吹っ飛ばすなんてことは出来なかった。

「侮るな!コイツらは強い。しっかりと急所を狙え!」
アセナからの指示はしっかり行動に落とす。





「キュー」

本当にバタンキューだな。崩壊が始まり、魔石が落ちる。

第一階層の魔物の魔石とは違う感じだ。変な色だし、濃いし、重い。

まぁ剣の精度も上がっていい練習にはなるか。





「うわー」
先へ進むと、一階層では見なかった骨、スケルトンのようなモンスターが大量に湧いてきた。

細い道で襲撃とは、、、何か意図すらも感じる。迷宮自身がじがをもっている可能性や、モンスター達の知性、、どちらにせよ今は関係ないか。


前後で囲まれる。


「いつものお家芸、任せられっか?」
もうこの迷宮で何度目かの火の海か。

酸素がなくなる。みたいなことにはならないのだろうか?魔法にそういう法則を求めるのが間違っているのかもしれないが。

「骨をも燃やす聖火ね」
イメージして出す。まぁ聖火なんて言っているが単に温度を上げているだけだ。

「バックドラフト!」
単なるイメージに過ぎないよ?
でも言いたくなるじゃん。詠唱的な。
でもアセナの目が心なしか痛い子を見る視線に変わって少し恥ずかしくなった。


爆発的な火がモンスターたちを完全に包む。

アセナのブーツにチャージした魔法も展開されたようだ。

「「消えろ!」」

骨に表情はないが、苦しんで倒れていくように見える。

火が収まり様子を伺う。

「魔石すら残ってねぇーじゃん」

お互いに火力を上げ過ぎたようだ。

「先に進もうか」

「ああ」

もうすぐまた最後の階層主、いや迷宮の主人というべきか。

どんな奴が、どんなふうに戦闘を仕掛けてくるのか。出来るだけ万全な状態で戦いたいので先を急いだ。
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