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1章スローライフ準備編
33 迷宮⑥
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「はっ、雑魚が何匹集まろうと雑魚だっつーの、、、なぁお前あとどれだけ魔剣を持ってる?」
アセナらしい建前である。
「本数だと4本。ただ、使用回数はかなり限られてる」
既に何回か使ってしまったやつも含めての4本だ。
魔剣は剣と言いながらナイフぐらいの大きさだ。剣ぐらいの大きさのやつもあるが驚きの値段だ。
「お前水が少し使えたか?」
「はい、、、」
火に比べて魔力の消費も激しいしできることも少ない。
「余力は置いておいけ、出来るだけ水を出せ。そして風の魔剣が有れば貸せ」
アセナに風の魔剣を渡して、僕はただただ水を作ることに専念する。初期魔法の水玉だ。
「そ、ろそろ、か、も」
人が一人中に入れるぐらいの水玉ができた。
リットル換算にしたら500Lぐらいありそうだ。よくぞ、ここまで出せたと自分でも思う。
これで火の海2回は作れただろう。
「行くぞ!」
アセナが風を足に纏う。
「おっりゃーー!」
その足で水玉をスプラッシュさせた。
あれだけの水がまるで急流滑りの最後のように飛沫となって虫たちとトレントにかかる。
「次はこれだ!」
アセナがポケットから黄色の刀身を露わにさせた。あの典型的な柄は霹靂の一閃を弾けされることができる。
「なに!?」
いつも通りブーツに吸い込ませて放つのかと思ったら剣ごと敵へ投げた。
予想外は立て続けに起きた。
「はぁ、付与されしぃ、閃光よ。かいほーせよ。オレの一存にてその力を望まん。ライトニングロッド」
詠唱、、なのか?すごく面倒そうに言ってたし、絶対台本通りではないが発動した。
なるほど。水に電気か。
ならもう一度火で!
「ファイア」
炙る程度に火を放った。
電気分解された水素と酸素に着火して、、、
っていうのはあまり効果がなかったようだ。
でも殆どのモンスターは絶命してくれた。これでまたあの木に攻撃ができる。
「ア☆♪%#%」
ぐっ。脳に直接響くようなその音は焦りを掻き立ててくる。
「クソッ」
今ならあの根をかわして本体に攻撃を、、
「落ち着け!音に惑わされるな!」
踏み込みかけた足がそこに止まる。
狙いを定めて狭くなった視界が再びトレント全体を捉えようと広くなる。
「なに!?」
走って行こうとしたその道中で、何もないところから根が突然地中から突き出た。
「おい!避けろ!」
アセナに押されて右によろめく。
アセナは左へ飛ぶ。
かなり強く押されたせいで、地面に手をつくほどよろけたが、危機一髪の回避を遂げた。
元いた場所には根が針のように突き出ていた。
「相当お怒りのようだなぁ、おい」
アセナも相当焦って避けたのか片膝をついていたが、無事なようだ。
「ココからは俺'ら'のターンだな」
「うん」
先程同様、アセナの後ろを追いかけるように駆け出した。
アセナらしい建前である。
「本数だと4本。ただ、使用回数はかなり限られてる」
既に何回か使ってしまったやつも含めての4本だ。
魔剣は剣と言いながらナイフぐらいの大きさだ。剣ぐらいの大きさのやつもあるが驚きの値段だ。
「お前水が少し使えたか?」
「はい、、、」
火に比べて魔力の消費も激しいしできることも少ない。
「余力は置いておいけ、出来るだけ水を出せ。そして風の魔剣が有れば貸せ」
アセナに風の魔剣を渡して、僕はただただ水を作ることに専念する。初期魔法の水玉だ。
「そ、ろそろ、か、も」
人が一人中に入れるぐらいの水玉ができた。
リットル換算にしたら500Lぐらいありそうだ。よくぞ、ここまで出せたと自分でも思う。
これで火の海2回は作れただろう。
「行くぞ!」
アセナが風を足に纏う。
「おっりゃーー!」
その足で水玉をスプラッシュさせた。
あれだけの水がまるで急流滑りの最後のように飛沫となって虫たちとトレントにかかる。
「次はこれだ!」
アセナがポケットから黄色の刀身を露わにさせた。あの典型的な柄は霹靂の一閃を弾けされることができる。
「なに!?」
いつも通りブーツに吸い込ませて放つのかと思ったら剣ごと敵へ投げた。
予想外は立て続けに起きた。
「はぁ、付与されしぃ、閃光よ。かいほーせよ。オレの一存にてその力を望まん。ライトニングロッド」
詠唱、、なのか?すごく面倒そうに言ってたし、絶対台本通りではないが発動した。
なるほど。水に電気か。
ならもう一度火で!
「ファイア」
炙る程度に火を放った。
電気分解された水素と酸素に着火して、、、
っていうのはあまり効果がなかったようだ。
でも殆どのモンスターは絶命してくれた。これでまたあの木に攻撃ができる。
「ア☆♪%#%」
ぐっ。脳に直接響くようなその音は焦りを掻き立ててくる。
「クソッ」
今ならあの根をかわして本体に攻撃を、、
「落ち着け!音に惑わされるな!」
踏み込みかけた足がそこに止まる。
狙いを定めて狭くなった視界が再びトレント全体を捉えようと広くなる。
「なに!?」
走って行こうとしたその道中で、何もないところから根が突然地中から突き出た。
「おい!避けろ!」
アセナに押されて右によろめく。
アセナは左へ飛ぶ。
かなり強く押されたせいで、地面に手をつくほどよろけたが、危機一髪の回避を遂げた。
元いた場所には根が針のように突き出ていた。
「相当お怒りのようだなぁ、おい」
アセナも相当焦って避けたのか片膝をついていたが、無事なようだ。
「ココからは俺'ら'のターンだな」
「うん」
先程同様、アセナの後ろを追いかけるように駆け出した。
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