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後編
しおりを挟む翌日の午後。
運よく自宅にいたスチュード伯爵夫妻と、息子のアレンが、王妃陛下の呼び出しにより、登城しました。
お部屋は……国王陛下の執務室のあるフロアにある、応接室です。
王族の皆様は、この部屋の床から、椅子の座面ほどの高さにあるフロアの王族専用のカフェテーブルについて、お茶を飲まれています。そこから見下ろされる側の低い方の床には応接セットがあります。3人掛けの大きなソファーが2台。1つにはランバン次期伯爵夫妻に挟まれる形で私が座り、ローテーブルを挟んだ、向かい側のソファーでも同じく、スチュード伯爵夫妻に挟まれる形でアレンが座ります。
スチュード伯爵御一家は、王族の皆様にご挨拶した後、不安げな顔をしながら、ソファーに座りました。
「それであの、ランバン宰相補佐殿。我が家に関係する緊急事態ということで、家族で登城しましたが、一体何があったのでしょうか?そして、あの何故陛下たちが……」
「スチュード伯爵、当家の後継であるアリアンがアレン君と結んだ婚約から2年経ちましたね」
「はい?ああ、そうですね。我が家にとっても、アレンにとっても有難いお話で、来年の結婚を楽しみにしております」
「父上!有難いわけないじゃないですか!それに、どうしてそんなに謙る必要があるのですか!」
「ん?アレン、何を言っているのだ?」
そうですよね、何言ってんだ、コイツ!ですよね?
「スチュード伯爵、どうやら、アレン君は、我が娘アリアンや、親である私達夫婦のことが気に入らないらしいですぞ」
「ま、まさか、そんなそんな訳が!なあ、お前」
「そうですわ。アリアン嬢は素敵な方ですし、ランバン次期伯爵夫妻は非常に立派な尊敬できる方達ですもの」
「素敵?尊敬?何を馬鹿なことを、もしかして父上達は誰かに騙され!」
「こら、何を言い出すのだ!も、申し訳ござ」
「謝るのは向こうだろ!」
「ま、まあ、アレン、貴方何を……」
「何をって!」
婚約者は、おバカさんなので、ちゃんと自爆してくれます。えらいね!褒めてあげるよ!
「まず、アレン君は、私のことをランバン伯爵になれない、おじさんの癖に、貴族の家から独立していない脛齧りであると、見下しているそうで」
「は?ランバン伯爵になれない?見下す?」
「ランバン宰相補佐殿を?」
「事実だろ!」
「そして、婚約者であるアリアンのことは、脛齧りの娘だと」
「そうだ!」
「寄生虫親子だとか、スチュード伯爵ご夫妻を騙して、アレン君との婚約を結ばせた、詐欺師だとか」
「そんな馬鹿な……」
「……」
「そうです!父上達はこの寄生虫共に騙されているのです!」
「あ、アレン!」
「……」
「こいつらの悪行を、今日こそ裁いてやりましょう!」
「お前何をっ!」
「……」
顔色を悪くしたスチュード伯爵夫人は、既に言葉がでなくなっているご様子。伯爵も息も絶え絶えな感じですね。
「自分がランバン伯爵になってやるのは良いが、この無能な寄生虫を押し付けるのが条件なんて我慢できない!形だけでも結婚というのも冗談ではない。交流のお茶会など、時間の無駄。低能の病気がうつる。もしも結婚までに寄生虫を排除できなかった場合は、アリアンを地下室に監禁しても良いが、家で死なれると面倒なので、売り飛ばす予定だ。寄生虫のおじさんおばさんは、家に入れないことにすれば、そのうちのたれ死ぬだろう。こんなことを、アレンくんはこの2年、王都学園で吹聴しているそうで」
「……」
「ああ、アリアン伯爵令嬢じゃなく、伯爵の孫だから、平民みたいなもの!というのもありましたな。伯爵子息の自分が何故平民とあってやらねばならないのか!と、頻繁に愚痴っているそうですし。まあ内容がアホすぎて、外部に噂として流れたりはしていません。アリアンの幼少時の学友達も学園にはおりますから、アリアンには報告の手紙が何通か来たそうですが、大事にしたくないので、外部や家のものへの報告は待ってほしいとアリアンが(何故か必死に)頼んでいたそうです」
「それと、婚約者同士の最初の交流茶会では、庭に用意したガーデンテーブルまで案内していたアリアンを突き飛ばして転ばせ、何で俺が!お前なんかいらねぇ!消えてくれよ!という暴言を吐いたとか。自分勝手な、気分次第で変わるような茶会開催のルールを押し付け、両手に満たない回数しか来なかった茶会では一言も喋らず10分で帰る。喋らないくせに、罵詈雑言を殴り書きし丸めた紙を投げ捨てて行く。アレンくんの学園での発言と、茶会のルールや罵詈雑言を書いたメモのような手紙はこちらにあります。どうぞご覧になってください。別に、学園での発言と合わせて記録としてまとめたものがありますので、その冊子の方はお持ち帰りいただいて構いません」
震える手で殴り書きのメモを手に取り、読んでいくスチュード伯爵。ほんの数枚なので、すぐに読み終える。
夫人の方は、お茶会のルールを読みながら、ブルブルと震えている。
夫婦で読んでいたものを交換した後、スチュード伯爵夫妻は頭を抱えた。
まあ、抱えちゃうよね?
「アレン……頭があまり良くないとは思っていたが、まさかここまでのバカ……勘違いで暴走した挙句、婚約者とそのご両親のことを悪様に吹聴して回る様な、愚か者だとは思わなかった」
「なっ!父上!まだ目を覚まされていないのですか!?」
「目を覚まさないといけないのは、お前だ。いや、もう永遠に寝ていれば良い。お前はもうスチュード伯爵家という名前を使って、就職や結婚できる様な人間ではない」
「え?俺、すぐにランバン伯爵になるのですか?」
「そこからか……親として責任を持って、お前が理解できるように説明せねばならぬのだろうが……最早私にはその自信がない」
「私にもありません」
クソガキの教育は難しいですよね!わかります!
仕方がないので、アリアンちゃん、頑張ります!
「まあそれでは、最後になるでしょうから、私から説明させて頂きますわ」
そう宣言すれば、観覧中の王族席から拍手が起こる。
はい、お任せください!
「まず、勘違いのスタート地点から。ランバン伯爵家の当主が何故まだ、祖父なのか。それは、ランバン伯爵家の領地が、王都から馬車で2日の距離にあるため、現在王城で重職についている我が父が当代ランバン伯爵を継いでしまうと、様々な問題が発生するからです。
領地での仕事を当主代理として祖父母にある程度任せたとしても、当主自ら判断する必要があることはありますし、用意せねばならぬ書類もたくさんあります。王城に提出するものだけでなく、当主の持つ印章が必要な書類が多数あります。そうなると、頻繁に領地に赴く必要が出てきます。それは、ここ十数年自宅にすら帰宅できない王城での激務を抱えている父には不可能です。
祖父母としても、いちいち現伯爵の息子にお伺いを立てる必要があるのに、激務の息子となかなか連絡が取れず、対応してもらう時間ができるまで更に待つことになります。
そうなるとわかっているのに、息子に伯爵位を譲る理由があると思いますか?幸いにも現ランバン伯爵はまだ50代前半です。数十年前は成人結婚年齢が14歳とまだ若かった為、成人後に直ぐ結婚し子供に恵まれた場合、孫が成人する年代になっても、まだ十年以上は当主の仕事ができます。我が父が、ランバン伯爵となるのは、10年後か15年後か、王城の仕事を引退してからのこととなる予定です。ここまでお分かりになりました?」
「ランバン伯爵家の仕事がこなせないから、当主を任せられないってことだろう!俺が言ってたこととあまり変わらないじゃないか!」
わからなかったみたいですね。まあ、そうでしょうね。
「次に、父は、ランバン伯爵家子息であり、ランバン次期伯爵です。父が貴族でないなら、スチュード伯爵子息の貴方も、貴族ではないことになります」
「俺は、おじさんじゃないから!子供は良いんだ!」
子供なの?貴方、来年には結婚できる年なのですけど。義理父になる予定だった貴族に向かって、おじさん呼ばわり。貴方の脳年齢は、5歳児、いや、3歳児以下なの?そうなのでちゅね。おしゃべりできてえらいでちゅね!
この後の説明が、3歳児以下にわかるはずがないですが、まあ、良いでしょう。中身はともかく、成人直前な年齢ですからね。
「私は伯爵令嬢じゃなく、伯爵の孫だから、平民みたいなもの……との発言ですが、後継以外の孫に関しては、婚姻相手が平民であれば、平民となることもあります。ただ、現当主から、当主を引き継ぐ者の子供に関しては、成人までは全員法律で貴族に含まれることになっています。嫡男は成人後も貴族です。私の場合も、父の次の当主ですから、成人後も貴族子女のままです。アラン様は、来年貴族と結婚するか、騎士になれなければ、あなたがバカにしていた平民になりますねぇ」
「お、俺は、ランバン家の後継だから、貴族だ!お前が継げるわけがない!俺が認めない!」
いつの間にランバン家の子供になったのでしょう?不思議ですね?3歳以下にしてもおかしいですね?思考能力が迷子でしょうか?人間やめたとか?こわいでちゅね?
「婚約者や婚約者の家に対する暴言、暴力、悪評のばら撒き。婿入りした先で、将来の貴族家当主を地下室に監禁の上殺害、もしくは、人身売買、その両親の次期伯爵夫妻を屋敷から締め出し、財産を強奪。貴方は寄生虫ではありませんね」
「そうだ!俺はお前達寄生虫とは違う!」
「ですね。立派な凶悪犯です。慰謝料やらの賠償額がすごいことになるので、まずは労働刑からでしょうか。直ぐに死刑や漕役刑にはなりませんけど、とりあえず、学園にはもう通えないので、慰謝料の増額は無しになりそうでよかったですね!」
この異世界じゃないあっちの世界でも、暴行や窃盗はほぼ死罪の時代がありました。暴言や悪評のばら撒きも、大昔は大罪として厳しく罰せられたとか。日本でも悪口の咎で流罪とかありましたしね。まあ、ここでは悪口だけで死罪にはなりませんが、幾つもの罪を重ねている場合はどうなるのか。
アリアンの売り飛ばし方法を調べたり、買ってくれる業者を探したりと、口だけじゃなく実際に動いていたので、本気ではなかったという言い訳は最早通らないのですよ。
賠償請求で済ますものもありますので、死刑まではいかないでしょうけど、結構重い刑になるのは確実です。ばかでちゅね。
「し、死刑?そうえきけい?な!なにを言ってる!意味がわからん!」
意味を理解できる脳みそを持っていない婚約者は放置で、私は私の第一の目的を遂行する。
「私、アリアン・ランバンは、アレン・スチュードとの婚約を破棄すると共に、暴力暴言不名誉な悪評に対しての損害賠償を請求します。そして、ランバン伯爵家の乗っ取り計画と貴族子女の監禁殺害と人身売買計画未遂について、告訴します!」
婚約破棄するのは俺のほうからだ!とギャアギャアと騒ぐアレンは、陛下の前で手足を振り回して暴れたせいか、護衛騎士に拘束されて、部屋から連れ出されていった。この王城に牢屋などはないので、スチュード家に連れて帰られた後、処罰が決まるまで屋敷に軟禁となるだろう。
私は、王族の皆様が座っておられる方を向いて宣言した後、カーテシーをしてみせた。
「わかった。ランバン家からスチュード家とその子息アレンに対する婚約破棄と賠償請求を認める。貴族審議官に必要書類を提出するように。犯罪未遂に対しても、国の担当官を使うことを許す。アリアン嬢、もう書類は用意しているのだろう?それを後で提出しておくが良い」
鷹揚に頷き、許しと指示を与えた陛下に、再度カーテシーをしてみせた。アリアンの両側にいる両親も立ち上がって同じく礼をとっている。
「ありがとう存じます」
「スチュード伯爵、今後の話し合いについては、王城で、貴族審議官同席の上、執り行うことになる。縁がなくなった上に、この様なことになり残念ではあるが、我が家の婿としてアレンを迎える前に、相応しくない人間だとわかったのはまだしもの救いがあるというものだ。私もよく調べもせずに婚約させたことを反省している」
「……ランバン宰相補佐、この度は我が家の愚息が申し訳なかった。婚約の破棄は勿論だが、賠償金に関してもできる限りのことはさせていただく。……愚息に関しては、実は卒業にはまだ1年あるというのに、既に採用試験を受けられる人物にあらず、騎士科での学園卒業はできないので、他の科への編入試験を受けて、1年からやり直すか、退学しかないとの連絡が来た。此度のことがなくとも、アレンには、貴族家との縁組は無理だったようだ。剣で身を立てることもできず、家業の盛り立てや自領を治める手伝いすらできない上に、当主となる妻やその両親を害する気でいたなど……犯罪未遂に関しても、貴族家の名誉を傷つけたことも刑に含まれるだろうから、軽い刑罰にはならぬだろう。減刑など求めず、本人に償いをさせるつもりだ。アリアン嬢……」
最後に言葉を絞り出すかのようにして、父親同士の会話を終えたスチュード伯爵は、静かにアリアンに向けて黙礼をした。伯爵夫人は、もはや抜け殻の様で、声もない。夫婦は、そのまま侍従の案内で応接室を後にした。
「うむ。これで解決したかな?アリちゃん、大変だったねぇ」
王族の皆様と、ランバン家の者だけになったところで、国王陛下の口調がガラッと崩れる。ちっこい頃から遊びに来てたからね!親戚のおじさんみたいな感じです。6歳の頃は、王女殿下と一緒に、背中によじ登って遊んだものです。大きいから登り甲斐があって。
「いいえ!まだです!」
私の第二の目的を遂行しなくちゃなのだ。
「まず、お父様、お母様。あの様な、誰にも尊敬されていない、成績も態度も性格も悪いと王都学園入学数ヶ月後には既に有名だった大馬鹿者を、何故、私の婚約者に選ばれたのです?他に幾らでもいたでしょ?あれより上が!学園のほぼ全員があれより上ですよ!?」
「スチュード伯爵のところのアランが優秀だと聞いていたところに、息子の婿入り先を探していると聞いたのだ……」
アランとアレンは、似ているけれど、別人に決まってる。
~のところ、~の方はまるで詐欺師の引っ掛けみたいですね。お父様は自分で勝手に引っ掛かっていますけど。
「スチュード伯爵のところで働いているアラン・ジールド殿は優秀らしいですけれど、息子のアレンは、無能のクズですよね」
誰なの、ランバン宰相補佐が切れ者、有能だと言ってたのは。情報、大事ですよね?
仕事から家に帰ると、役所に出す書類も学校に出す書類も読めない書けない、炊飯器も洗濯機も動かせない、脳が思考停止するポンコツ亭主関白か!冷蔵庫を開けて、丁度目の前にある目的の物を眺めながら、「ないぞー!」と叫ぶ男!何故見えぬ!と、九条家のラスボスがいつも怒っていました。
アラン・ジールドさんのことは、彼がスチュード家で働く前に名前を聞いたことがあります。友人の友人の友人が街で見かけて一目惚れし、ラブレターを出したとか。既婚者だったので撃沈したそうです。
「それと。私、アリアンが、2年もあのバカに大人しく従っていた理由がわかりました!あのバカに突き飛ばされた際に幼い頃、屋敷に放置されていた頃のトラウマが蘇り、自尊心が限りなく低くなっていたのです。数日前に目が覚めましたので、対処に動き出せましたが、あのまま結婚していたらと思うとゾッとします」
「そういえば、この2年、アリーの様子がおかしかったものね。呼んでもなかなか遊びに来てくれないし。私も帝王学の勉強で忙しくてあまり時間がとれなかったし。ごめんなさいね。本当に、目が覚めてよかったわ」
幼馴染の王女殿下が頷いております。まあそうだね。すまん。そして、ありがとう。
そこから、幼い頃の私の様子を話せば、王族3名号泣。
うちの父母も号泣。
王城勤めでも、家庭を「捨てた」かのような働き方は許されないと、しっかり責め立てておきました。
ゴメンナサイ、ゴメンナサイと念仏のように唱えられてもね?そんなに簡単に許すわけがないでしょ?慰謝料?お金でいただいてもねぇ?
財産等の被害が実はない我がランバン伯爵家に、スチュード伯爵家から支払われる賠償金。ある程度はこの私がいただきますので、お金には困らない予定なのです。え?当然でしょ?一番の被害者ですよ、私。皆様、よ~く、ご存知ですよね?
ええ、ですので、私がお金では買えないものを、キッチリとね?請求させていただきますよ。後ほど。ニヤリ。
黒い笑顔が冴えわたる、アリアンちゃんです。
ざまあ!
反省しろ!
多分、近いうちに、王城での勤務体制は改善されるでしょう。
え?私がするの?侍女の役目じゃなくない?
まあ、間抜けな父には任せられないし、ヨボヨボおじいちゃんな宰相にも無理言えないけど。
侍女勤務は来年からだから、今は暇な筈?
確かに。
あ、でも婿がいなくなったのですけど。
「侍女の仕事場より、良い男との出会いがあるかもよ?」
親友が何故か自信満々である。
良い男がいるの?マジで?
親は信用できないので、自分で見つけちゃうよ?
でもね。仕事の話はまた今度。とりあえず、今日は家族で家に帰りましょう。
王城からのお土産品、超高級ぶどうタルト6ホールを山分けよ。
宝石のようにキラキラ輝くぶどうが堪りません!
そして、明日は、小さな頃の気弱なアリアンがよく“挟まっていた植え込みの間”に3人で座りましょう。
はみ出してもいいの。
3人で座れるぐらいに隙間を広げたっていいの。
なんなら、座り心地の良いベンチでも置いちゃいましょうか。
ありのおかあしゃま きょうかえりゅ?
おとしゃまは?かえりゅ?
帰るよ。
お母様も、お父様も。
アリアンのところに。
アリアン、ここにいたのね?と抱きしめてキスをしてもらえたら嬉しい。
アリアン、ここにいたのか!と、抱き上げて、ぎゅっとしてもらえると嬉しい。
抱き上げてもらうのは流石に無理だけど。
ぎゅっとして。
ほっぺにキスぐらいはできるかも?
あ、だめ。きもいです。
キスは、ノーセンキューよ。
家族でのキスの文化はありません!いや、あるか。
もうちっちゃくない、乙女へのキスは未来の婚約者にとっておくよ!
夢の中で、小さく丸まっていたアリアンが、キャハハと笑って、手を伸ばす。
そっと抱き上げて、ぎゅっとして。
アリアン見ぃつけた!とキスをした。
fin
6/21続編公開(ほのぼのではなく、アレンの罪についてのお話です)
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