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未知の世界

百五十四話 分かり合えない対決

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~前回の話~

先に狂人ギルドの本拠地に到着したメンバーはミラエルとエレナ、着いた瞬間、何者かが降ってきた、その者はミラエルとエレナが一番知っている。狂人ギルドのNo1であり、シャル・エクサルシスの妹、シャル・アンリデットが登場した

そしてシャル・アンリデットvsミラエル&エレナの対決が始まる

「貴方達、本当に殺すだけが目的なんですか?何故貴方達は私達を殺そうとするんですか?」

「分からなぁ~い~、ただ血がぁ~欲しいだけぇ~」

「復讐相手では無いのですわね、そっちから喧嘩を売らなければ、私達は貴方達と手を組んでいたのに」

「そうだねぇ~じゃ~ぁ~分かり合えるまでぇ~戦おうよぉ~」

英雄ギルドと狂人ギルドが分かり合えるのはもう無いと思っていたエレナとミラエルだが、シャル・アンリデットの口から分かり合えるまで戦うと言われるとは思わなかった。両者分かり合えるまで戦えばきっと理解してくれるはずと思った2人は

武器を構える

「なら分かり合えるまで戦いますわよ、シャル・アンリデット!今度こそは逃げませんわよね?」

「うん~逃げないよぉ~だからぁ~正々堂々と戦おぉ~!!」

「全力で行かせていただきます」

スキル ジガンテ・グラースバル

巨大な氷の球を放つ

「わぁ~大きい球だねぇ~!!そーーーれぇっ!!」

たった一振で巨大な氷の球を切り裂いた、狂人は狂人であっても只者ではない。だがこれはシャル・アンリデットにとってただの挨拶に過ぎない 、挨拶代わりの魔法のため、ミラエルは全く驚いていない。挨拶代わりに放った魔法は真っ二つに切られた訳だが、後ろで大爆発する、ミラエルが放った魔法はかなりの魔力が込められた物であるため、代償はデカイ

切り裂いた瞬間、エレナはシャル・アンリデットに斬りかかる

キンッと鳴り響く

「貴方、中々のやり手ですわね。あの時は私達に斬り掛から無かったから分からなかったのだけれど、結構、貴方強い方ですわ」

「あれぇ~!ありがとぉ~!そんなに褒められるとぉ~!興奮しちゃうよぉ~!ねぇ~!もっと褒めてぇ~エレナちゃぁ~ん!」

「狂人はおかしいですわ!ギルド名通りの狂人なのだけれど、貴方達は狂いすぎていますわ!」

「そぉ~おぉ~?」

狂人ギルドは狂いすぎている、彼女達は元人間だというのに攻撃しても興奮をし続けて耐え、興奮をし、耐え、興奮がMAXになれば、攻撃が通らなくなる。元人間だとは思えない、頭のおかしい狂人である。なのに彼女達は何故英雄ギルドを狙うのだろうか、ただ血が欲しいという理由だけなのだろうか

それを確かめるため、戦っている

「これに付いて来れましたら、貴方は立派なプレイヤーですわ」

「良い物が見れるのぉ~!見せて見せてぇ~!」

(もしかしてあれ以上に早いスピードが出せるんですか………何処まで進化するんですか、エレナは)

スキル ラピッド・ヴァンデルンアネモス

風のように早く、シャル・アンリデットの周りを移動する

シャル・アンリデットはエレナの動きを観察する、彼女には見えているのだろうかと思うくらい、動きを一瞬で見切った、動きを見切ったシャル・アンリデットはエレナの手を掴む

「見えていますわね、貴方。それか目が良いのか、シャル・アンリデット、貴方、みんなから目が良いって良く言われてますわね?」

「あたぁり~、目が良いってぇ~仲間からもぉ~お姉様からもぉ~言われてるんだぁ~」

「目が良いって、あんなに早かったのに良く見えましたね………私は良く分かりませんでした」

「当たり前よ、これはお父様から教わった超人級だもの」

エレナが使った魔法、ラピッド・ヴァンデルンアネモスはエレナのお父さんから教わった超人級の魔法。誰にも使えない、エレナのお父さんにも使えなかった魔法をエレナが簡単に使いこなし、この為に大事に持っていた魔法である。だがシャル・アンリデットに簡単に見切られてしまう、けどこれはまだ本気の速さではない、打ったのはおはようございますみたいな感覚である

というか、普通に雑談してしまっている

「ふっ!」

「よっとぉ~エレナちゃぁ~ん~弱いよぉ~」

「うるさいですわ!」

(おかしいですわ、当てているつもりなのだけれど。外れるというか外されますわ)

さっきから当たらないエレナの攻撃、当たらないというか外れるというか外されている。上手く避けられているのだろうか、狂人と言っても只者では無い、かなりの実力を持っている。エレナがお父さんに習った全ての剣術はこのシャル・アンリデットに攻略されている、攻略されている為、二度と効かないだろう。教わった全ての剣術はこんなにも早く見切られるとは彼女も中々の剣術を持っている

そんな効かない中

スキル マルチプル・オルムグラディウス

複数の氷剣を放つ

凄まじい身体能力で複数の氷剣を避ける

「おっとぉ~忘れてたぁ~まだミラエルちゃぁ~んが居たんだったぁ~ねぇ~」

「忘れないでください、私のことを。効かないなら不意打ちです」
 
「不意打ちなら行けそうね、3秒で行くわよ。ミラエル」

「はい」

3

2

1

合図と共に、ミラエルは直進攻撃、エレナは背後に回り、背後攻撃をする。だがそれも見破られているのか、シャル・アンリデットはミラエルとエレナを見ていなかった、それを気付かなかったミラエルとエレナはシャル・アンリデットに斬り掛かる。斬られる寸前の所で創り出した氷剣とエレナの剣が掴まれてしまう
   これは見えていると言っていいだろう、それしかない。ここまでやられると流石に理解する2人、ここ数ヶ月でシャル・アンリデットは進化している。数ヶ月も経てば進化は当たり前なのだろうか

「貴方、先が見えていますわね?ここ数ヶ月数ヶ月で手に入れましたわね」

「あれぇ~気付かれちゃった~?そうなの~!エレナちゃぁ~んとミラエルちゃぁ~んに会わないうちにぃ~進化しちゃったぁ~」

「この数ヶ月で進化………本当に有り得るんですね、という事は貴方のその能力は未来予知………」

「これで三つ目ですわね、ここまで来ると化け物ですわ」

シャル・アンリデット・・・縛り、失神、未来予知

未来予知とは

攻撃の先の未来が見えること

これを数ヶ月で習得出来るほど、この能力を習得するのは難しい。シャル・アンリデットに才能があるというのだろうか、才能があれば、こんなにも早く習得出来るのだろうか

「未来予知が出来ようと実力は私の方が上ですわ!」

斬り掛かる

「ここで貴方に躓いてられませんわ!」

「私にぃ~止められたくらいでぇ~そんなに焦らないでよぉ~無闇に斬り掛かってもぉ~隙を見せるだけだよぉ~っ!!」

押し返す

押し返して首元に剣を向ける、完全敗北、もう何もかもがシャル・アンリデットには効かなくなってしまった、まだ興奮MAX状態でもなんでもないシャル・アンリデットに手足も出せない。圧倒されて出す暇もない、出したら未来予知で防がれてしまう。お父さんから習った剣術も全て防がれてしまう、完全攻略されてしまった
     防がれ、攻略されてしまったエレナは為す術がない。だが一人だけ攻略出来ていない者がいた、シャル・アンリデットが唯一予測出来ない人物が後ろに居た

「ッ!」

スキル アイスキャノン 

氷の砲

杖に変えたミラエルはシャル・アンリデットの背後に回って放った、そのアイスキャノンはシャル・アンリデットに直撃する

「唯一攻略してない私を倒せますか?シャル・アンリデットさん」

「唯一嫌いなタイプだよぉ~ミラエルちゃぁ~ん!!私はぁ~君みたいなぁ~子は嫌いだよぉ~!!」

分かり合えたつもりの戦いが、ミラエルの挑発により、逆になってしまった。挑発に乗ったシャル・アンリデットは狂人ギルドとしての本気を出し始める

シャル・アンリデットvsミラエル

一生分かり合えなくなった、挑発対決は誰が制するのか
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