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未知の世界

百三十一話 微笑ましい会話

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~前回の話~

真夜中にブリッジタワー港へ向けて出発したレンとリノアとフェアリと新しく旅仲間になったイザン。真夜中なので周りが暗く、モンスター達が寝ている時間である。だが暗すぎて何も見えないので光魔法で照らし始めた、これなら見えないことは無い。光魔法を使いながら歩いているとペチャッ、ペチャッと音が聞こえる。下を照らして見ると血を踏んでいた、イザンとリノアが気配がすると言い出す。前を照らすとモンスターの生肉を食っている人が居た、だがそいつの名前は驚きだった。そのモンスターの生肉をムシャムシャと食べている人物は狂人ギルドNo.4のカール・ア・シャルテであった

名乗られてから何故か生肉に目が向く、操られていたのかレンは生肉を求めて動き出してしまった。仲間の声は聞こえず、無視して生肉の元へ向かってしまった。それを止めるためにリノアとイザンは動き出す、だがそれをカール・ア・シャルテに止められてしまう。カール・ア・シャルテはイザンが邪魔して、リノアはレンを止める。抑えても押されて止められず色々考えた結果、抱き着いて押し倒した。尻餅を着いた衝撃で頭にきて目が覚めた。それに対して怒り出して次はリノアとイザンが操られ出した

それを無効化して止めた、止めたあとはレンがカール・ア・シャルテを煽って去って行った。やっと戦いは終わった、戦い終わったら朝日になっていた。そして2日間何も無く、ブリッジタワー港に着く

「やっと着いたな、着くまでに3日間かかっちまったな」

「ダンジョンに行く前に宿取りに行こ、流石に疲れたかも」

「そうだな、宿取りに行くのが先だな」

「寝て疲れは取ったでござるが、流石にいきなり挑戦する訳にはいかないでござるな」

「ああ」

レン達はブリッジタワー港にあるダンジョンより先に宿を取りに行こうとする、まだ門前なのに3人は疲れていた。2日前にあんな激突があれば疲れもするだろう。レン達は宿屋にチェックインして部屋に泊まった、みんな、一人部屋を取った。今日は一人で寝たくて仕方がないらしい、レンは自分の部屋で2日前に起きたことについて仲間に電話をした。みんなはレンから電話がきたからなのか、直ぐに出てきた

この電話機能、便利だ

『お兄ちゃん!連絡が無かったから心配したよ!』

「悪い、2日前にヤバいやつに遭遇してさ………2日間、疲れが取れなくて中々電話することが出来なかったんだ、すまん」

『ヤバいやつ……?もしかして狂人ギルドか!?レン!』

「くぁっ………耳痛いよ、武翠」

『あぁ………すまない』

ヤバいやつを察してつい大声出してしまう武翠、電話だとキーーンッと鳴ってかなり耳が痛くなる。けど今はそれは関係ない話である、レンは2日前に何が起きたか、何をやられたか、どれだけ厄介だったか、名前、No、性別、全てを仲間に情報を与えた。みんなは顔を青ざめ、嘔吐しそうになる人も居た。あの自然はなんであれだけ静かだったのか、なんでモンスターしか居なかった、なんでモンスターが真夜中だけ行動をしないのか、人が全然居ない理由、人が全然通らなかった理由が今明かされる

エレナは言った

『それ、自然に居た人全員、そのカール・ア・シャルテって人に殺られていますわね』

『そう……なんですか……!?』

「真夜中になった瞬間におかしいと思ったんだ」

最初におかしいと思った理由は人が通らないじゃなく、人がカール・ア・シャルテによって殺られていたことが判明した。モンスターは何故真夜中に動かなかったのか、それはカール・ア・シャルテに怯えていたから、と食されていたからという恐ろしい理由であの綺麗な自然は静かであった。狂人ギルドは予想もしないことをしてくる、人が吐きそうな事をしてくる、徹底的に誰かの血を狙ってくる

そして一番の厄介、能力を持ち合わせている

『なんなんですのー!?ブラックナイトに続き、狂人ギルドとか有り得ませんわーーっっ!!』

「だーーっ!エレナ!エレナ!キンキン言ってるから!」

『お兄ちゃんもうるさいよ!!』

『みんなうるさいぞ………』

と騒がしい英雄ギルドであった、これは微笑ましいという。仲間ではあるが家族みたいな会話にみんなは必ずしもクスッと笑ってしまう、レンは思っていなかった家族、友達というものはここにある。家族や友達と思っていないのはレンだけであった、この会話にレンはあのグロさを忘れ、心が和らぐ。見るだけでも精神がやられそうなくらいのあれは思い出したくなかったレンはそれを忘れさせてくれたかのような、微笑ましい会話だった。

求めていたものを自分自身で無くしてしまった家族、友達が戻って気がする。まだ全員が揃ってないけど、今はこの幸せな時間を噛み締めたい、噛み締める時間をください、神様

そして幸せな時間は過ぎていき、気付けば夜になっている。夜まで会話する訳にはいかないので

「いつか再会しような、みんなで、必ず」

『どうしたの?お兄ちゃん』

『当たり前ですよ、レンさん。必ず再会します』

『レンさんと必ず再会したいです!』

みんなはレンに再会したいと言い、少し安心する。みんなに何か言われないかと何故か心配していたレン。心配はしなくてもみんなは離れていかないという安心感、みんなは必ずしも心の中でずっと一緒に居る。レンは電話越しにそう言われている気がしていた、レンはみんなにおやすみと言って電話を切った。電話を切ったレンはずっと嬉しそうな顔をしていた、久しぶりに電話出来て、心配されて、話せて嬉しかったのだろう

宿の窓を開けた

「すぅーーーはぁーー、綺麗な夜空だな………みんな、早く会いたい………」

と甘えん坊な一面を見せる

みんなと早く会いたい、みんなと早く話したい、電話越しじゃなく、会って話したい、莉乃香とも早く会いたいよ。クレアもリンジェもキャシーもカグルもみんな会いたい………

そんな思いを寄せながら今夜は眠った

翌日

2日前に狂人ギルドと出会い、2日後にはブリッジタワー港に着き、2日後の夜には英雄ギルドのみんなと話し、朝は早起きして昼はブリッジタワーに行ってダンジョンに挑む

起床する

「ふぁ………ぁっ………」

ガチャッ

「あ、丁度起きたの?おはよう、レン」

「おはよぉ………ふぁ………ぁっ………」

久しぶり早起きをして欠伸をする

いつもは莉乃香に起こされていたが、もうそうはいかない。莉乃香に頼らず頑張って起きることにした。だがリノアの方が起床が早かった、まだまだ眠いレンはリノアから提案をされる。外を走ろうと提案され、目を覚ますために外を走ることにした。リノアとレンは宿の外に出て走り出す

「ん~風が気持ちいいな」

「まだ早朝だからね、良い風が来る」

「だなぁ、昨日は良く寝たか?」

「寝れたよ、レンは昨日騒いでたけど、なにかあった?」

「あ~あれは………」

英雄ギルドと話していた事を話す

それを話したらリノアはクスッと笑った、ローズ王国では見れなかった笑顔が今見れた、リノアから笑っている姿は珍しい事である。リノアが笑っていた理由は英雄ギルドらしいとの事。英雄ギルドはやはり笑っていないと、ヒーローらしくないと英雄ギルドではない、家族みたいな関係をみんな微笑ましい、羨ましいと思っている人が多かったと、だいぶ旅をしてきた英雄ギルドはもう家族みたいな関係であった

リノアside

「莉乃香と会えると良いね、私はずっとレンの事応援してるし、ずっと傍に居ることにしたから」

「はは、そりゃ有難いな。皆と再会した時は皆でご飯食べような」

「うん、その時は話したい事があるからね」

「え?話したい事?」

「うん、だけど今はまだ内緒っ」

前へ少し進んで後ろを向いてウィンクをしながらこちらに言ってきた、決めたことは必ずやり遂げたいリノア

大切な人との約束は破りたくない

大好きな彼との約束は

必ず

その思いを胸に

次のブリッジタワーにある、ダンジョンへ向かい出す
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