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マグマ帝国

五十一話 日本人

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次のマグマ帝国に行くため、コールド帝国を去った。ゼウスとアテナについてたが、ゲートが開くまで英雄ギルドを離れる事になった。現実に出れるのは2つ、ゲームクリアかゲートを開くかだ、2人は熱心にそれを行おうと頑張っている、俺達はクリアの為に頑張る

今居るメンバーはクレア、エレナ、キャシー、ミラエル

マグマ帝国は名前の通り暑いな、地面と風が暑い………

「暑い!帰りたい!」

「手持ち扇風機はまだ持ってるの~?」

「持ってるが…………ぶっ壊れた」

「私のも壊れた、相当な暑さだよ」

「お兄様の魔法でなんとかなりませんの?」

「俺?あれはやめた方がいい、死ぬぞ」

「やめた方が良さそうですね………」

「だね~」

マグマ帝国まで歩いていたが、特になにもなかった………コールド帝国みたいにゴーレムは出て来なかった、出て来て欲しかったな。なんかこう言っちゃうと俺がまたあの経験をしたいみたいだな………受けたくは無いな、だからやめておこう。

そしてなんとか門前まで来たのはいいが入れない

「なあ、これいじめか?」

「いじめよ………門を開けようとすると絶対火傷するわね」

そう、柵が物凄い暑そう………誰か柵にマグマ塗り付けただろ、ちょっと怒らないから素直にこの場に出てきなさい。てか早く消してくれ、入れないから………ていうか、門番すら居ないのか?誰1人気配が感じないんだが、ホラー要素があんのか?いきなり脅かしてくるとかさ、だとしたらやめてね?怖いの嫌いだから

「本当に誰も居ないね」

「門番すら居ないみたいですね」

「ん~これじゃ、入れもしない」

「壊すか?」

「壊す………ってダメダメダメ!」

「だって入れないじゃんか」

「確かに入れないけど…………」

すると誰かが門前に来た

「ははは、すまんすまん、柵のせいで入れなかったな」

暑そうなコート、マグマみてぇ………あんなん着てんのか?

マグマコートと呼ぼう………マグマコートを着た男は柵を持ち、門を開けた、てか普通に開けやがった

「マジかよ、ここの住民だからか?暑がらないの」

「確かにそれしかないですわね」

「ここの住民の方達って普通に開けられるんですか?」

「ん?ああ、それがマグマ帝国の住民だからな」

「本当にコールド帝国を敵対してるんだな………」

「ん?なんだって?」

口を手で抑えられる

「あは、あははは、なんでもないよ~」

そして小声で説教される俺

「禁句だった?」

「禁句に決まってるでしょ!マグマ帝国はコールド帝国を敵対してる国なんだから」

「あ、そっか」

「もう、気をつけてね」

「おう」

「あ、自己紹介忘れとったわ………俺はサリュー・ケヴァンや、よろしゅうな」

((か、関西弁!)

この関西弁の懐かしさ、ゲームにも実在するとは感動!こういうのが欲しかった訳よ。今回のマグマ帝国は楽しめそうだな、めちゃくちゃ暑いけどな、めちゃくちゃ暑いけど…………でも悪くない

「俺はレンだ、こっちは」

「英雄ギルドのクレアだよ」

「アイシャ・エレナよ」

「精霊のキャシーだよ~」

「ノア・ミラエルです、よろしくお願いします」

「英雄ギルドやったんか、噂は聞いとるで」

「もう広まってたのか?」

「せや、噂が広まるのは1日や」

こっわ、そんなに噂がひろまるの早かったら…………逆に怖い、なんか狙われそう、でも有名ってとても気持ちがいいな。こうやって英雄ギルドが知られて行くの、ファンが居て欲しいくらいだ………居ないかな?居たらいいな、居てくれぇ!

「良かったら、マグマ帝国の案内したろか?」

「おお、それは助かるな」

「まだマグマ帝国のこと分からないから助かる」

「そんじゃ、俺に着いてきてくれへんか、案内する」

「おう」

マグマ帝国に入る

「暑すぎないか?」

「この暑さはマグマ帝国の印みたいなもんや、いずれ慣れると思うで」

「この暑さは慣れないだろ………」

「我慢してこそ男やで!!」

「あっつ………」

「そこは繰り返してくれや!」

「言わねぇよ………暑いし、ツッコミを入れる気力もない」

暑い男すぎだろ………俺なんかツッコミ入れる気力ないんだぞ、やめてくれ。無駄にこの帝国暑い………コールド帝国に戻っていい?戻りたい、いや………寒いから、第三王国に帰るか。なんか家みたいで居心地良かったしな、よし、そうしよう

「第三王国に帰りたい………」

「来ちゃったからには我慢してね、レン」

「ういす」

どうやら帰れないらしい、どんどん気力無くなってくんだけど………マジで帰っていいかな。癒されたい、誰かに、うん

「マグマ帝国は武器屋も食事屋もあるんやで」

「暑い食べ物とかあるのかしら?」

「ちな、冷たい食べ物もあるんやで?」

(やばい、頭おかしくなる………暑いのに冷たい食べ物があるのか?絶対冷めるだろ)

冷たい食べ物があるのだが、冷たい食べ物や飲み物は温くならないらしいんだ………今のゲームの世界ってこんな感じなんだろうか、それとも俺が知らなかっただけか?やだなぁ、歳取っちゃったかしらん………時代を感じる、言うてもまだ大学生なんだけどね。いや今はもう大学生じゃないかもしれない………ゲームが始まって結構経ってるからさ、30歳とかいってるかもしれないな

ていう独り言は置いといて

「とりあえず、ご飯食いたいな………暑すぎて腹減った」

「お、ええで、案内したる」

「ダーリンって割と大食い~?」

「大食いだぞ、めっちゃ食う」

「それは気持ちええな、今日は俺が奢ったるから沢山食え!」

「マジか!ご馳走!」

「レンさんは無邪気で可愛いですね」

「そうだね」

食事屋

メニューを見る

「待て待て待て、このメニューって」

「やっぱりそうだよね」

「どうかしたんですの?」

「ほら、日本って所から来たって言ったろ?そのメニューがここにあるんだよ」

「これニホン?のメニューなんだ~」

「この店の店長はそこから来たらしいで、呼ぶか?」

「呼べるなら呼んで欲しいかも」

「任せとき」

日本人である店長を呼んでくれた

驚きだ、ちゃんと日本人だ………服装も雰囲気も日本にある服だ、やばいめっちゃ感動する

「レンとクレアは日本だったのか!ははは!仲間だな!」

「店長さんはなんでニホンジン?なのにここに居るんですか?」

「あ~それはな、ここに転生したんだ」

「「転生!?」」

アニメみたいな事があるんだな………ゲーム内に転生なんて誰がやるんだろうか?転生ってことは生まれ変わったってことだよな?いつから転生してきたんだろう、もしかして結構前からかな

「転生はな、50年前だ」

「て事はかなり長く居るみたいね」

「ああ、俺ももうジジイだ………だからモンスターを倒すのは若者達に託すよ」

「店長さんはリアルの世界好きか?」

「う~ん、そうだな………リアルでは店長でも無かったからな、この世界に入って………親にまた育てられたり、褒められたり、この帝国では住民と仲良くなったり…………店長になったりで色々楽しいことはあった、だからまだ帰りたくないな」

「そうか…………」

(まだ300年あるし、このゲームを楽しんでくれ………どうか、俺みたいに苦しい思いはしませんように)

そう心の中で言った、不幸だけは無くて、幸せだけを体験して欲しい………幸せだけを体験するには俺が守らなきゃならない、いや俺達か。頼らないとまた怒られちまうからな、せっかく仲間が居るんだし…………その仲間を頼ろう、何のためにギルド作ったんだってな。でも今回は平和で終わりそうな気がするけど…………こう言うとフラグが立っちゃうからやめておこうかな

「良かったやんか店長、友達みたいな会話やったで」

「そうか?友達なのか?」

「まぁ、そうだな」

「そうか………おじさんに友達が出来るなんてな、リアルじゃ有り得なかった」

「友達って偉大ですわね」

「そうだね~」

日本食をゆっくり味わい、仲間と楽しい時間を過ごした

そして俺達は宿に案内してもらい、そこに泊まることにした………泊まるのはいいが、男部屋俺1人…………泣いていいかな

ノック音

「入っていいぞ」

『失礼するね』

ガチャッ

「クレアか、どうした?」

「レンが寂しそうにしてないかな~って」

「めっちゃ寂しいわ、今はゼウス居ないし…………莉乃香も居ない」

「寂しがり屋だね、レンって」

「仕方ないだろ…………男仲間増やせばよかった」

男仲間を増やさなかったのはマジで後悔………ただ戦闘仲間じゃなく、友達として相談役や愚痴を言いたかった。今思うと、なんで男仲間増やさなかったんだぁぁぁぁぁ!これから増やすか?いや、英雄ギルドの人数がやばくなるからダメか…………クレインとかスカウトすれば良かったのかもしれないな、忙しすぎて入ってくれないか

「今日は一緒に寝る?」

「・・・・ん?は、はあ!?」

「そんな大声出して驚かなくても良くない?」

「いやいや、彼女持ちの俺になんてこと言ってんだ………」

「彼女持ちでも私はレンの事好きだもん………」

「…………ん?今なんと………」

「聞こえなかった?私はレンの事好きなの!」

「ま、マジで……?」

「マジだよ」

俺ってば、ずっと気づかなかったのか?やばいな、この事話したら、また莉乃香に怒られるやつだ。マジで鈍感すぎたのかもしれない………ずっと気づいてやれなかった、申し訳ないな。彼女と復縁した後に気づくなんて最低すぎる、どこの鈍感主人公だよ………俺ってばいつも分からない分からないとか言ってたな、馬鹿すぎる

「でも彼女居るから………私は何も出来ないし、告白しても絶対断られちゃうし………」

「そう言われちまうとなんも反論出来ないんだが…………」

「…………ずっと好きでいてもいい?」

「そりゃ、構わないが…………」

「莉乃香には申し訳ないけど、私、負ける気ないから」

「それは莉乃香に言ってくれ…………」

「うん、レンも覚悟してね?」

「お、お手柔らかに…………」

「やーーだっ」

「そんなぁ」

そんな他愛のない会話をしながら、夜を過ごした
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