上 下
43 / 185
コールド帝国

四十三話 剣と心

しおりを挟む
俺達はアテナを救出して……ブラックナイトを一人倒す事が出来た、だがアテナはまだ目を覚ましていない、まぁ、結構な時間が経てば……いきなり起きるのも無理はないだろう

「どう?アテナの調子は」

「ああ、段々と顔色が良くなってきてる」

「良かった」

「にしても本当に似てるな、クレアと」

「うん……この子が本当に300年前の私だとしたら、ゲームから来た私は何者?」

「分からないな、まぁ……前世と言っていいだろう、そう気にする事はない……アテナはアテナ、クレアはクレアだ」

「うん、レンはさ、どっちが好き?」

「・・・・ん?友達でって事か?」

「………ばかあほ、そっちじゃないもん……」

「ごめん、最後の方聞こえなかった、なんて?」

「ばーーか!って言ったの!」

「えぇ!?急に!?」

「はぁ………昔の俺とやってる事変わんねぇ……」

「今のって俺のせい?」

「100%、レンのせいだな」

「まじかよ………本当に最後の方聞こえなかったんだよ」

「なら聞こえるように努力しないとな」

「え?何を?」

「なんでもないよ」

お喋りをしている中、リンジェ達の方は

エレナside

「貴方中々やるわね」

「えぇ~そうかな?」

「まだまだ余裕って訳ね……馬鹿にされたわ」

「してないよ~?ただ余裕ってだけ」

「ふ~ん、そう?なら本気で行かせてもらうわね」

「え~まだ本気っ」

頬っぺたを掠る

「っ!は、はやい……」

「これでも余裕って言えるの?」

「中々やるね、ちょっとお姉さん……本気出しちゃうね」

今使ってる武器を捨て

2本目の武器に変える、2本目の武器は闇に包まれた剣

「な、なによ……その武器」

「私の専用武器だね~」

斬りかかってくる

キンッとぶつかり合う

「っ!」

「あまり耐えると燃え移っちゃうよ~?」

後ろへ下がった

「危ないわね、火傷したら、この美しい腕が汚れるじゃない」

「なんか言葉遣いがいいな~って思ったら、お嬢様だったんだ~」

「そうよ、悪い?」

「ん~ん、可愛い~」

「褒めても金貨は出さないわよ」

「要らないよ~その代わり~、君の命頂戴よ!」

斬りかかってきた

「っ!貴方、だいぶ戦闘狂ね」

「も~褒めないでよ~」

「褒めてないわよ………」

「でも、本気で貰うから、君の命」

「ええ、私もそのつもりよ」

スキル 黒龍

スキル ラピッドライトニング

速さで差をつける

「…………」

(なにを観察してるのかしら、来ないならこちらから一気に攻撃仕掛けるわね)

私の速さをずっと食らいながら目で追っていた

「クッ………」

「死ぬわよ、貴方」

「クッ、ククッ………」

(なんか不気味ね、雰囲気もさっきと違うわ)

少し油断した、その時だった

腕を掴まれ、吹き飛ばされる

「キャッ!」

立ち上がろうとしたら、目の前に彼女が居た

「っ!」

「ごめんねぇ~、私~君より強いの」

剣を振りかぶる

スキル 黒炎

「ッ!」

ギリギリ避けるが掠ってしまう

傷口から黒い炎が燃え上がる

「あ゛あ゛ぁぁぁッ!!」

「痛いね~痛いよね~もっと痛くしてあげる~」

「やめ………やめ……て……」

(終わった………もう無理よ……彼女に勝てっこないわ……)

すると急に昔のことが頭によぎる

(お父様………私はまだまだ未熟者でしたわ………剣術も技も………私には………)

回想

あれはまだ私が幼い頃だった

「コラ!エレナ!剣の持ち方が違うぞ!エレナよ、剣の心も考えたらどうだ!」

「剣に心なんて無いですわよ」

「あるんだ!剣と心が通じ合う事でより軽く、より早く剣を振ることが出来る、それを忘れるでない、エレナ」

「お父様………全く分かりませんわ………」

「今は分からなくてもいい、だがいつかわかる時が来る………」

頭を撫でながらこう言われた

「まぁ、エレナなら、どんな敵であろうと勝てるだろうな」

「どうしてそう思うのですか?」

「成長速度は早いし、エレナは俺似だしな………それに一番に信頼してるからだ、エレナのこと」

「私を……ですか?」

「ああ、だからこの剣はお前に託す」

渡されたのはお父様の剣だった

「私にこれを?」

「剣と心が通じ合ったら、これを使え………いいな?」

「はい!」

そしてその後も散々教えてもらった

だけど、悲劇は翌日に起きた………お父様が病気で急死……今まで私に隠していた……私はお父様のこと嫌っていたけれど………お父様は私のことをずっと愛してくれたわ、それなのに私は感謝も出来ずに、お父様に………ありがとうと伝えたかった………残ったのは私に託してくれた、お父様の剣………私がいつも使ってる剣とは違う、私はこの剣で勝たないといけない……どんな強敵でも、剣と心が通じ合っていれば、勝てる!

その更に翌日

私は執事から手紙が渡された

「執事、これって誰からの手紙ですの?」

「お父様からのお手紙です」

「お父……様……」

「お辛いと思いますが、読んでいただけたら、幸いです」

「ええ………ありがとう、執事」

「いえ、では」

ガチャン

手紙を開く

そこには一行だけ書いていた

自分を信じて勝ち進め



「………お父様らしいわね……今だから言えるわ………お父様、ありがとうって」

この言葉を頭の中にインプットする

お父様ありがとう、自分を信じて勝ち進みますわ………剣と心も通じ合って………誰よりも最強の剣士になりますわ

回想終了

剣を押し返す

「な、なにッ!」

「だから今度こそ、諦めないわ………貴方に勝ちますわ、絶対に」

(傷口が治った?これはパーフェクトヒール………この子使えたの?隠し持ってたの………へぇ)

「全力で行くね、エレナちゃん」

「ちゃん付けはやめて欲しいわ」

スキル 黒龍・地獄

「終わりだよ~エレナちゃ~ん、ほら~地獄行き~」

「迫力は凄いけれど、武器の持ち方が駄目ね」

簡単に崩せる

受け流した

「は?」

「言ったわよね?持ち方が雑だって」

「馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!」

「止められたからって急に壊れないでくれるかしら、せっかく貴方、可愛いのに台無しよ」

「止められるはずがない!簡単に受け流せるはずが………」

確かに今のは危なかったわね、食らってたら………重症……いや、死んでいたわね、けれど、持ち方が雑………剣の太刀筋がまだまだね、私より剣を振っていない証拠よ、だから受け流せたのかもしれないわね………これもお父様のお陰よ

「次は私の番よね?」

「クッ…………」

(剣と心を通じ合わせる、それがこの剣の本当の力ね)

攻める

「フッ!」

剣と剣がぶつかり合う

「ッ!さっきより力がッ!」

透かさず、連続攻撃

「クッ!なんなの、この子!さっきよりっ!」

「フッ!」

押す

「ッ!」

(剣と心が通じ合うってこういう事だったのね)

スキル 黒炎

連続攻撃

「無駄よ、今の貴方じゃ無理」

「君~うるさいよ~!」

(焦ってるわね、そのせいか………全部受け流せるわ)

全ての攻撃を受け流した

「な、なんでッ、なんでよ!なんで効かない!!!」

「少しは考えてみたら、どうかしら?」

(もう終わらせるしかないわね、精神が狂う前に彼女を楽にしてあげないといけないわ)

「終わりよ、ヒス・マーガレット」

「嫌………嫌嫌嫌嫌嫌ぁぁぁぁ!」

「楽になりなさい」

鞘に収めて構える

スキル ラピッドウォーター

優しく切り裂いた

「安からに眠って」

「ッ……………」

彼女を支えた

「こんな………優し……く……される………のは初め……て………」

「女性には優しくしないといけないもの」

「ふふ………君っ……て………良い人……なん……だね……」

「お母様の遺伝かしら」

「………それ………でも………ありが………とう………私……に……優しく………し………て………」

最後を言う前に天へと行った

「…………安らかによ、マーガレット」

(後は任せたわ、リンジェ、キャシー、ミラエル)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!

SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、 帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。 性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、 お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。 (こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...