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ローズ王国

二十七話 さよなら、親友

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まだまだ続く、僕達の戦い……両者共に隙が無い、だけど僕の方がアレクより断然上だ

キンッとぶつかり合う

「剣の方が格上なのに杖で対抗してどうする!クレイン!」

「杖だからって出来ないことは無いよ、君は分かってないね」

押し返す

スキル ニードルスノー

針のように雪が細長く伸びて放つ

「甘い!」

スキル クリムゾンフレイム

焼き切る

「本命はそれじゃないよ」

先程溜めていた魔力で

スキル アクアスピア

水で槍の形状を創り出す

「なっ!殺す気か!」

「僕は本気で戦うよ、例え親友でも仲間の信頼を踏みにじった貴方を許さない」

「仲間仲間、うるっさいんだよ!お前が黙って着いてきてれば、こんな事にはならなかった!」

「あの方の手に堕ちた貴方に僕は着いていかない、アレク……貴方は選択を間違えた」

「俺が……俺が間違えてる訳ねぇだろ!」

「間違えてる、僕は昔のアレクの方が良かった……あんな輝いてる姿に僕は惹かれて貴方の親友として同じ道を進もうと思ったんだ」

「なんだよ、今の俺は……クレインの親友じゃないってことか?なあ、クレイン!」

「違うよ、今でも親友さ」

「ならなんでだよ!なんで着いてこないんだ!お前も王の手下についたら、強くなれるんだぞ?」

「王の手下になって騎士団を名乗るのは嫌だ、そんなのただの恥晒しだよ……だったら、リーダーの元で戦い続けた方が強くなれる」

僕は選択肢を間違えたくない、仲間やリーダーに信頼されてる、僕はその信頼に応えたい、だから王の手下にはならない!絶対に!

「はは……あっはははは!ならお前をここでぶっ飛ばしてやる!無理矢理連れて手下にしてやるよ、覚悟しろ!クレイン!」

「もし貴方が僕に勝てるならね」

今のアレクは完全精神がおかしくなってる……あの方の手下になってからだろうか……だからアレクを倒して王も倒す、それが僕の最終目標だ

「クレイン!よそ見してんじゃねぇ!」

「よそ見してないよ、対策を練ってただけ」

スキル フローズンウォール

氷で出来た鉄壁の壁

スキル クリムゾンフレイム

「こんなの簡単に!ふっ!」

壊せなかった、なぜなら

「僕はアレクより上ってこと、知ってるでしょ?」

「くっ!こんなの!ぶっ壊してお前を倒してやるよ!」

何度も何度も攻撃を続けた

「アレク、貴方は焦ってるから壊せない……少し考えれば分かるものの……無闇に攻撃を続けてただただ体力を消耗するだけ」

「黙れ!俺は焦っなんかないからな!クソ!なんで壊れないんだよ!」

なんで無闇に攻撃を続けるのかな……攻略法はあるのに、それでもゴリ押しで壊そうとしてる……昔のアレクに戻ってよ……なんで戦わないといけないんだ

スキル アクアスピア

キンッと跳ね返した

「冷静さはあるんだね」

「くっ!お前なんかに負けるか、負けるか、負けるか、負けるかァァァァ!!」

「あぁ……無かったみたい……」

鉄壁の壁をぶっ壊してなんとアレクが変わり始めた……なんとモンスターに、モンスターに変わり果てた

顔は3個、手は6つ

しかも鬼のような顔……これは阿修羅……!なんでアレクが阿修羅に……王はアレクに一体何を仕込んだ……!どこまでアレクを苦しめるんだ……

「アッハハハハ!これで俺は最強……最強なんダ!俺は強い、お前より強イ!今なら倒セル!」

「それは強いとは言えない、モンスターの力を借りて最強なんか名乗れない!」

「勝ってみロヨ、クレイン!」

6本の剣で斬りかかってくる

「ぐっ!」

重い……重い……一振だけで負けそうなくらい重い……なんで変わってしまった……アレク

「もう楽になってくれ、苦しむ親友を見るのは嫌だ」

「くっ………ぐぁぁぁっ!」

急に苦しみ出した、多分拒否反応が出てるんだと思ってる……頼む、やめてくれ……それ以上やったら……倒すしか無くなってしまう……

スキル クリムゾンフレイム

6発はまずい!

スキル フローズンウォール

「オラッ!ぶっ壊れロ!」

なんと1発目で壊される

(もうダメだ、敵わない……信頼されてたのに僕は何も出来なかった……)

「終わりダ!クレイン!」

5連撃を貰う

「かハッ!」

(やばい!隙が出来た……!)

宙に浮いた瞬間、腹パンされる

「グハッ!」

木にぶつかって瀕死状態

「終わりダナ、クレイン、お前の負けダ」

(あぁ……僕は負けたんだ……強すぎる、阿修羅に変化したアレクが……今から態勢を立て直しても多分勝てない……だから負けだ……僕の……ごめん、リーダー)

「クレイン!諦めるな!」

「ぇ………ルリ……シア……」

戦いが終わった後にすぐ駆けつけてくれたみたいだ

なんで来たの……ルリシア……今の騎士団じゃ、アレクには勝てないって言うのに……なんで、なんでそんなに仲間思いなんだよ

「アレク………その姿は阿修羅……!」

「はな……れて……ルリシア……!」

「無理だ、離れてと言われても私は離れないぞ」

「ルリ……シア……」

「獲物ガ2人………倒ス」

「エレナお嬢様はクレインの回復を頼む、私はその間に時間稼ぎだ」

「ルリシアダメだっ……!ッ!ゴホッゴホッ!」

ダメだ……思うように立ち上がらない……足に入れる力もない……あぁ……完全に負けたんだ……アレクに……僕……ダメだなぁ……

「回復しますわよ」

「…………くっ」

「悔やむな、クレイン……私は時間稼ぎをするとだけ言った、後は言わなくても分かるな?」

「っ………ルリシア………」

「勝負だ、アレク!」

「来イ、潰ス!潰ス!」

ルリシアside

「はっ!」

「ふッ!」

剣と剣がぶつかり合う

「自分の親友を傷つけてなんも思わないのか!」

「思ウ?ナカマ?しんユウ?」

「目を覚ませ!アレク!」

「俺は覚マしてルゼ、ハハハッ!ルリシア!聞いてクレヨ!俺、クレインに勝ったんダゼ!あいつも弱くなったナァ、アッハハハハ!」

「アレク!!!」

スキル ライトニングフォース

「ふっ!」

6本の剣で抑える

「アレクに何があったかは知らない!でもクレインを……仲間を笑うことだけは許さないぞ!」

「お前如ガ、俺に勝てルト思ウナァァァァ!」

「くっ……強い……!」

「ルリシア……!」

「でも……負けない!アレク、君には負けないよ」

押し返した

「ンなッ!バカナ!押し返シただト!」

「君は強くないよ、ただただ弱くて王の手下に堕ちた……」

「黙レ黙レ黙レェェェェ!」

もう完全に意識もおかしくなっている……まるでもうアレクじゃ無くなっているみたいに

スキル クリムゾンフレイム

「くっ!流石にこれ以上はっ!」

流石にこれ以上受けたら、身が持たない……!でもクレインが完全回復するまで耐えないといけない!そうだ、耐えられる方法が一つある……けど、身を削ることになる……

憑依スキル シャイニングソード

(あれはシャイニングソード………あれ使ってる時のルリシアはあのアレクより何倍も強い……)

「な、なんだそレハ!」

「見た事ないだろう?重要な時に使う為に隠していたんだ」

「クッ!仲間ノ俺を殺す気カ!」

「殺す?違うよ、歴とした教育だよ、アレク」

「教育だトッ!この殺人魔ガ!」

「私の仲間を傷つけた者が何を言ってるんだ」

「ルリシア………」

「さて、立てるか?クレイン、アレクを一緒に叩くぞ」

「でも僕は………」

「大丈夫だ、前には私が居る、回復役のお嬢様も居る」

「回復は任せてちょうだい」

「俺に負けたヤツガ勝てるカヨ」

「勝てるよ、負けたからこそ経験を得られる……行くよ、ルリシア」

「ああ」

クレインside

「フザケルナ!フザケルナ!フザケルナ!お前エラ……コロス」

あれはもうアレクじゃない……アレクじゃないんだ……親友をやるしかない、僕の手で

「ふっ!」

「はっ!」

キンッとぶつかり合う

「お前えラ!やらレロ!お前えラ!しネ!」

「もう感情無いんだね、アレク」

「ぐァァァァッ!」

「………倒すぞ、クレイン!」

「今楽にしてあげるから、アレク」

アレク……貴方には昔救われた恩がある、だから今度は僕が貴方を救う番だ

スキル クリムゾンフレイム

「大技来るわよ!」

「怯むな、クレイン」

「怯んでなんかないよ」

スキル フローズンスピア

スキル シャイニングバースト

氷で出来た槍と共に斬り掛かる

キンッと抑えられる

「終わリダ、ヒトリメ」

「本命は私じゃないさ」

後ろからやってくる氷で出来た槍は物凄く巨大化していた

スキル ビッグフローズンスピア

「君はもう終わりだ」

「俺ハ負けなイ!」

「貴方の負けだよ、アレク」

ルリシアは避けて、アレク(阿修羅)にぶっ刺さる

「グァァァァァ!!」

「っ!」

アレクが苦しむ姿を見ていると、やっぱり心が痛む……ごめんね……アレク……安らかに眠って

「アレク………王に従ってなかったら、貴方もみんなと楽しく生きられたかもしれないね……」

「クレ……イン……らい……せ……で……みまも……ってる……から……な……」

「っ!」

正気に戻ったアレクはもう亡くなる直前だ、アレク……アレクに最後一言言いたい……アレク……本当に感謝してる、だから

「ありがとう……アレク、そしてさよなら」

「………あァ……また……な……」

そのまま倒れた

もう息は無い……あの熱血のアレクはもう居ないんだ……あの王のせいで……クソ……!

「あ゛あ゛ぁぁぁぁっ!!!」

あまりの悔しさに僕は叫ぶ

「クレイン………」

「今はそっとしてあげましょう」

「ああ」

(後は託した、レン……最後は君にかかっている)
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