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中学生

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かなりの時間歩き回って気づけばもう三時を過ぎようとしていた

「あーちゃん、もうそろそろいい時間だけどまだどこか見たいとことかな~い?」

「うーん、、、結構回ったからなー俺はもう、、、」




大丈夫、って言おうとした時に目に入ったポスター

『全国中学生ヴァイオリニストコンクール』

ヴァイオリンかー、、、
神宮くんと前話していたからか、少し興味が湧く

日時を見るとちょうど今日の五時まで行われてるらしい

ちょっと見てみたいな、、、



「美華、、、このコンクール見に行ってみたいんだけど、、、」

「えーなになに?ヴァイオリン?私は全然いーよ!
五時までみたいだし、ちょうど最終選考に残った人たちとかの演奏が聞けるんじゃないかな?
あーちゃんいつの間にヴァイオリン好きになったの?」

「ありがと。いや、好きっていうか、神宮くんのお母さんがヴァイオリニストらしくて、動画とかも少しみてみたんだけど、、、
やっぱり現場で聴く音とは違うんだろうなって思って。ちょっとだけ気になった」

「あー神宮さんね」



美華の顔が険しくなる
どうした!せっかくの可愛い顔なんだからやめなさい!



「ごめん!嫌なら別に無理しなくていいんだ!」

「ううん!いやじゃないよ!ただあーちゃんとのデートで嫌な人思い出したくなかっただけ」






、、、?!?!まさか、神宮くんと美華は仲が悪いのだろうか?!?!

2人は俺と神宮くんが連絡を取れるように一度連絡先を交換しているからメッセージの送り間で、何か仲がこじれてしまった?

うーむ、、、?
美華はしっかりしてるとはいえまだ中学一年生だから同年代の男子とは反りが合わなかったのかもしれん
(※愛瑠も同年代の男子ですが、そもそも仲が拗れるなんてお互い考えたことがないため論外です)


「開催場所のホールこの近くだし、早く行こ!」

「う、うん。ありがと。」









二人の仲に疑問を抱きつつ、美華に誘導されるままホールにたどり着いた





パーク内の建物とはいえ、かなり大きなホールだ
パーク全体の敷地の広さが気になってくる
どれだけお金をかけたのだろうか、、、



スタンドマン的な人が会場のドアを静かに開く


俺はクラシックこそ聞いたことはないが、何度か家族で会社の取引先やご贔屓にしてもらっているところからオペラや演劇のチケットをいただいて観に行ったことがあるのでその場のルール的なものは大体わかっている


今回のコンクールは一般客も歓迎みたいなスタンスで会場の後半の席には自由に座っていいみたいだ


前方には指導者や参加者の家族や報道記者が陣取っている


記者がいるくらいだからかなり大きなコンクールみたいだ







美華が言っていた通り、コンクールは最終選考の最中だった

参加者は課題曲と自由曲を披露している

動画ので聴く音と現場で聴く音はやっぱり全然違ったが
俺はクラシック初心者中の初心者なので誰が上手いとか、優劣が全くわからん

というか、全員上手いんだが、、、それじゃダメなんだろうな

でも俺は全員に優秀賞を贈りたい




また一人の演奏が終わった
途端に拍手で溢れる

参加者からしたらこの拍手がどれだけ嬉しいのだろうか
俺には知り得ないことだが、今までの努力が報われた気持ちになるかもしれない

めちゃくちゃ全力で拍手をした
得意なことも誇れることも少ない俺からしたら、今日ステージに立っている人たちがすごく眩しかった

参加者の中にはオメガの人もいた

守られる性とか言われているけれど中には死ぬほど努力して大舞台に立つオメガもいるのだ


、、、本来ならばなにもない俺なんかよりそんな強くて美しいオメガが神宮くんに相応しいんだろうな




、、、はっ!またネガティブ思考に走っていた!
ダメだダメだ
せっかく美華にも付き合ってもらってるんだから最後までしっかり見届けなくては

最近はよく考え込んでしまうな、、、
今までは親戚の人たちになに言われても気にせず流してたのに



神宮くんと出会ってから俺は悩んでばか、、、『エントリーNo.58 神宮 レオンさん』









ファッッッ?!?!?!?!?!


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