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Ⅲ.倉知編
妬いてんの?
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狭い風呂場で体をぶつからせながら、シャワーをした。
ついでに髪まで洗って、頭のてっぺんから足の先までさっぱりした。脱衣所に出て、バスタオルで体を拭きながら加賀さんが思い出したように言った。
「そういやお前、パンツどうしよ。俺のサイズMだけど」
「加賀さんのパンツ……」
「にやけるな。わかったもうノーパンで帰れ」
「パンツ貸してください、Mでも穿けます。いや、穿けなくても貸してください」
「何それ、え、何に使うの?」
馬鹿な会話をしていると、チャイムが鳴った。二人の動きが止まる。
「今、チャイムが」
「しっ」
どうやら居留守を使うつもりらしい。無言で俺の体をバスタオルで拭う。自分で拭けるのに、拭いてくれる。世話を焼かれるのが嬉しくて、甘えることにした。
再びチャイムが鳴る。
三回、四回、と鳴り止まない。
「加賀さん、もしかしてストーキングされてます?」
「ないと思いたい」
「主任、しゅにーん!」
大声で呼ぶ声と、ドンドン、とドアを連打する音が風呂場まで聞こえてきた。
「いや、ストーカーだわ」
加賀さんがうんざりした顔で小さくため息をつく。黙々と服を着ると、俺の頭にバスタオルを被せて、「ここから出るなよ」と言った。
脱衣所のドアを閉め、玄関に向かう足音。ドアにへばりついて耳を澄ました。
「主任、開けてくださいよー。いるのはわかってるんですからねー」
「うるさい、お前、また酔ってんな?」
玄関のドアを開ける音。
「聞いてくださいよー、今日合コンだったんですけど、女の子たちが僕のこと女々しいとか情けないとかー、ひどいこと言うんです」
「合ってんじゃねえか。ていうか近所迷惑だから入れ」
「主任が一緒にいてくれたら、そしたら僕のことフォローしてくれるのに。今度一緒に合コンしましょうよー」
「ああはいはい、わかったから靴脱げ」
ガタガタと物音が聞こえる。
「実家住みだって言ったら、マザコンだって決めつけるんですよ。理不尽です!」
「お前マザコンじゃなかった?」
「お母さんが好きなだけですよ?」
二人分の足音が部屋の奥に移動している。
加賀さんを主任と呼ぶから会社の人間だろうと見当がついた。声だけだが、随分若い印象だ。
「明日仕事なんだし、送ってってやるからちゃんと帰れよ」
「いやですー、僕マザコンじゃないからうちに帰りません! また泊めてくださいよ、主任」
なんという厚かましさだ。本当に社会人だろうか。
「私服で出社する気か?」
「えー、じゃあ主任のスーツ貸してください」
「やだよ、気持ちわりい」
「あれぇ、主任、もしかしてお風呂上がり? なんかいい匂い……」
しん、と静まり返った。何も聞こえない。俺は無言で服を着た。図らずもノーパンになったが、どうでもよかった。出るなという言いつけを破ってドアを開ける。
リビングに行くと、男がソファで眠っていた。
「てめえ、こら、寝るな馬鹿」
加賀さんが男を揺さぶっているが、起きる気配はない。
「加賀さん」
小声で呼ぶと、加賀さんが振り向いた。
「おわ、びびった」
「すいません、心配で……」
何が心配なのかわからないらしい。加賀さんは首をかしげた。
「会社の人ですか」
わかりきった俺の質問に「うん」と答えて、立ち上がった。
「ドライヤー貸してやるから、乾かしたら帰れよ」
「その人、泊めるんですか?」
「泊めないよ。あとで叩き起こして送ってく」
「泊めたことあるんですか?」
さっき、「また泊めてください」と言っていた。加賀さんが柔らかく笑って、俺の顔を見上げてくる。
「妬いてんの?」
「そうです」
「あのな、こいつはそんなんじゃねえぞ。勘違いされるだけで鳥肌立つわ」
「そんなんじゃなくても妬けるんです」
加賀さんは笑いを消さない。男を一度確認してから、俺の体を押す。押されるまま、後ろ向きで脱衣所に戻ると、ドアを閉め、洗面台からドライヤーを出した。
スイッチを入れて俺の髪を乾かしてくる。ドライヤーの音で起きないだろうか。乾かさなくてもいいのに、と思ったが、加賀さんは気にしてない。起きたところで問題がないと思っていそうだ。
「でかいから難しいな」
頭の後ろで加賀さんがそう言ったのが聞こえた。
「自分でやります」
ドライヤーを持つ加賀さんの手をつかんだ。指が重なる。体のどこかに触れているだけで、切なくなる。離したくない。手に、力をこめた。加賀さんの唇が動いた。何か言ったらしいがドライヤーの音で聞き取れない。ドライヤーを止めて、加賀さんが言った。
「なんだよ。どうしたいんだよ」
「ただ、離したくなかったんです」
「なんだそれ」
俺の胸にドライヤーを押しつけてくる。受け取って、鏡に向かう。
髪を乾かしている間、加賀さんはタオルで自分の頭を拭いていた。俺の髪なんてどうでもいいから、乾かしてあげたい、と思った。
ドライヤーを切ると、目が合う。
「次の土日、休みですか?」
唐突に切り出した。加賀さんは「おう」と答えてから、「今んとこ」と付け加える。
「迷惑を承知で言いますけど、土曜日、泊めてください」
加賀さんは答えない。少し驚いたような顔をして、俺から目を逸らす。
「やっぱり迷惑ですか?」
「ん、いや。違う」
俺の手からドライヤーを奪って、自分の髪を乾かし始めた。
嫌がられたとしか思えない。加賀さんがうつむいて髪を乾かす間、しょんぼりしてその姿を見つめていた。昨日は泊まっていけと言ってくれたのに。俺がでかくて邪魔だから、嫌になったのかもしれない。
「おい、違うからな」
ドライヤーの音が消えて、目の前に加賀さんの顔が現れた。俺の頬を両手で引っ張ると、「またネガティブ?」と困った顔をする。
「嬉しかったんだよ」
俺の頬を両手でこねくりまわして言った。
「昨日ふられたから、泊めてくれってお前から言われて、すげえ嬉しかった。わかった?」
「……はい」
「じゃあ笑顔」
無理矢理口の端を持ち上げられ、思わず笑顔になる。
「もう九時近いんだけど。なんか食べてく?」
俺の顔を解放して、加賀さんが訊いた。
「作ってあると思うんで、帰らないと」
「だよな」
「でも加賀さんの手料理食べたいです」
昼に作ってくれたチャーハンがプロの味だった。一人暮らしをしていると、誰でもあんなふうに料理が上手くなるのだろうか。
「次の土曜な」
脱衣所から出ていこうとする加賀さんの背中を抱きしめた。
「加賀さん」
「ん」
「もっと一緒にいたいです」
これから一週間、朝に数分だけ、しかも電車の中でしか会えない。高校生同士ならともかく、加賀さんは大人で仕事をしている。平日に会える時間はない。無理を言えないのはわかっているが、とにかくなんでもいいからそばにいたかった。
「寂しかったら電話しろ。あと、日中でもメールならいいから」
そんなことをしたら、なおさら寂しくなる。黙っていると、加賀さんが「よし」と言った。
「水曜、ノー残業デーだから、夜時間あるよ」
「会えるんですか?」
「会えるよ。よかったな」
嬉しくて抱きしめていた腕に力が入った。加賀さんが「いてえ、潰れる」と笑う。
「あと、お願いが」
「なんだよ」
「合コン、して欲しくないです」
「は?」
加賀さんがこっちを向く。唇がぶつかりそうになって、慌てて身を引いた。
「加賀さんモテそうだし、心配なんです」
「合コンなんて行くかよ」
「でもさっき、あの人に合コンしましょうって言われてわかったって」
「酔っぱらいだから覚えてねえよ」
こともなげに言って、「腹減ったな」と呟いた。
「すいません、もう……、帰ります」
「死にそうな声出すなって」
加賀さんは笑いながら、俺を背中に担いだ状態で脱衣所から出た。玄関に向かっている。踏ん張りたい欲求を堪える。これ以上迷惑はかけられない。
「はい、到着。靴履いて」
仕方なく離れて、靴を履く。
俺の脇の下から手を伸ばし、加賀さんが鍵を開けた。そして、優しく微笑む。
「また明日な」
「……おやすみなさい」
「おやすみ」
ドアノブをつかむと、後ろで「倉知君」と呼ばれた。振り向くと、加賀さんの顔が間近にあった。唇に、感触。そして目が合う。
「目ぇ閉じろっての」
「加賀さん、もう一回」
抱きつこうとする俺の体を本気で押して、「おしまい!」と突き放す。俺は離れたくないのに、加賀さんはそうでもないらしい。
「帰ります」
「うん、バイバイ。また明日」
ドアを開けて外に出ると、姿勢を正して礼をした。
「失礼します。今日はありがとうございました」
加賀さんは面白そうな顔で笑って、手を振っている。
ドアを閉めると、すぐに寂しくなった。
もっと触れていたい。もっと話していたい。もっと顔が見たい。
離れがたくて、たまらなかった。
ついでに髪まで洗って、頭のてっぺんから足の先までさっぱりした。脱衣所に出て、バスタオルで体を拭きながら加賀さんが思い出したように言った。
「そういやお前、パンツどうしよ。俺のサイズMだけど」
「加賀さんのパンツ……」
「にやけるな。わかったもうノーパンで帰れ」
「パンツ貸してください、Mでも穿けます。いや、穿けなくても貸してください」
「何それ、え、何に使うの?」
馬鹿な会話をしていると、チャイムが鳴った。二人の動きが止まる。
「今、チャイムが」
「しっ」
どうやら居留守を使うつもりらしい。無言で俺の体をバスタオルで拭う。自分で拭けるのに、拭いてくれる。世話を焼かれるのが嬉しくて、甘えることにした。
再びチャイムが鳴る。
三回、四回、と鳴り止まない。
「加賀さん、もしかしてストーキングされてます?」
「ないと思いたい」
「主任、しゅにーん!」
大声で呼ぶ声と、ドンドン、とドアを連打する音が風呂場まで聞こえてきた。
「いや、ストーカーだわ」
加賀さんがうんざりした顔で小さくため息をつく。黙々と服を着ると、俺の頭にバスタオルを被せて、「ここから出るなよ」と言った。
脱衣所のドアを閉め、玄関に向かう足音。ドアにへばりついて耳を澄ました。
「主任、開けてくださいよー。いるのはわかってるんですからねー」
「うるさい、お前、また酔ってんな?」
玄関のドアを開ける音。
「聞いてくださいよー、今日合コンだったんですけど、女の子たちが僕のこと女々しいとか情けないとかー、ひどいこと言うんです」
「合ってんじゃねえか。ていうか近所迷惑だから入れ」
「主任が一緒にいてくれたら、そしたら僕のことフォローしてくれるのに。今度一緒に合コンしましょうよー」
「ああはいはい、わかったから靴脱げ」
ガタガタと物音が聞こえる。
「実家住みだって言ったら、マザコンだって決めつけるんですよ。理不尽です!」
「お前マザコンじゃなかった?」
「お母さんが好きなだけですよ?」
二人分の足音が部屋の奥に移動している。
加賀さんを主任と呼ぶから会社の人間だろうと見当がついた。声だけだが、随分若い印象だ。
「明日仕事なんだし、送ってってやるからちゃんと帰れよ」
「いやですー、僕マザコンじゃないからうちに帰りません! また泊めてくださいよ、主任」
なんという厚かましさだ。本当に社会人だろうか。
「私服で出社する気か?」
「えー、じゃあ主任のスーツ貸してください」
「やだよ、気持ちわりい」
「あれぇ、主任、もしかしてお風呂上がり? なんかいい匂い……」
しん、と静まり返った。何も聞こえない。俺は無言で服を着た。図らずもノーパンになったが、どうでもよかった。出るなという言いつけを破ってドアを開ける。
リビングに行くと、男がソファで眠っていた。
「てめえ、こら、寝るな馬鹿」
加賀さんが男を揺さぶっているが、起きる気配はない。
「加賀さん」
小声で呼ぶと、加賀さんが振り向いた。
「おわ、びびった」
「すいません、心配で……」
何が心配なのかわからないらしい。加賀さんは首をかしげた。
「会社の人ですか」
わかりきった俺の質問に「うん」と答えて、立ち上がった。
「ドライヤー貸してやるから、乾かしたら帰れよ」
「その人、泊めるんですか?」
「泊めないよ。あとで叩き起こして送ってく」
「泊めたことあるんですか?」
さっき、「また泊めてください」と言っていた。加賀さんが柔らかく笑って、俺の顔を見上げてくる。
「妬いてんの?」
「そうです」
「あのな、こいつはそんなんじゃねえぞ。勘違いされるだけで鳥肌立つわ」
「そんなんじゃなくても妬けるんです」
加賀さんは笑いを消さない。男を一度確認してから、俺の体を押す。押されるまま、後ろ向きで脱衣所に戻ると、ドアを閉め、洗面台からドライヤーを出した。
スイッチを入れて俺の髪を乾かしてくる。ドライヤーの音で起きないだろうか。乾かさなくてもいいのに、と思ったが、加賀さんは気にしてない。起きたところで問題がないと思っていそうだ。
「でかいから難しいな」
頭の後ろで加賀さんがそう言ったのが聞こえた。
「自分でやります」
ドライヤーを持つ加賀さんの手をつかんだ。指が重なる。体のどこかに触れているだけで、切なくなる。離したくない。手に、力をこめた。加賀さんの唇が動いた。何か言ったらしいがドライヤーの音で聞き取れない。ドライヤーを止めて、加賀さんが言った。
「なんだよ。どうしたいんだよ」
「ただ、離したくなかったんです」
「なんだそれ」
俺の胸にドライヤーを押しつけてくる。受け取って、鏡に向かう。
髪を乾かしている間、加賀さんはタオルで自分の頭を拭いていた。俺の髪なんてどうでもいいから、乾かしてあげたい、と思った。
ドライヤーを切ると、目が合う。
「次の土日、休みですか?」
唐突に切り出した。加賀さんは「おう」と答えてから、「今んとこ」と付け加える。
「迷惑を承知で言いますけど、土曜日、泊めてください」
加賀さんは答えない。少し驚いたような顔をして、俺から目を逸らす。
「やっぱり迷惑ですか?」
「ん、いや。違う」
俺の手からドライヤーを奪って、自分の髪を乾かし始めた。
嫌がられたとしか思えない。加賀さんがうつむいて髪を乾かす間、しょんぼりしてその姿を見つめていた。昨日は泊まっていけと言ってくれたのに。俺がでかくて邪魔だから、嫌になったのかもしれない。
「おい、違うからな」
ドライヤーの音が消えて、目の前に加賀さんの顔が現れた。俺の頬を両手で引っ張ると、「またネガティブ?」と困った顔をする。
「嬉しかったんだよ」
俺の頬を両手でこねくりまわして言った。
「昨日ふられたから、泊めてくれってお前から言われて、すげえ嬉しかった。わかった?」
「……はい」
「じゃあ笑顔」
無理矢理口の端を持ち上げられ、思わず笑顔になる。
「もう九時近いんだけど。なんか食べてく?」
俺の顔を解放して、加賀さんが訊いた。
「作ってあると思うんで、帰らないと」
「だよな」
「でも加賀さんの手料理食べたいです」
昼に作ってくれたチャーハンがプロの味だった。一人暮らしをしていると、誰でもあんなふうに料理が上手くなるのだろうか。
「次の土曜な」
脱衣所から出ていこうとする加賀さんの背中を抱きしめた。
「加賀さん」
「ん」
「もっと一緒にいたいです」
これから一週間、朝に数分だけ、しかも電車の中でしか会えない。高校生同士ならともかく、加賀さんは大人で仕事をしている。平日に会える時間はない。無理を言えないのはわかっているが、とにかくなんでもいいからそばにいたかった。
「寂しかったら電話しろ。あと、日中でもメールならいいから」
そんなことをしたら、なおさら寂しくなる。黙っていると、加賀さんが「よし」と言った。
「水曜、ノー残業デーだから、夜時間あるよ」
「会えるんですか?」
「会えるよ。よかったな」
嬉しくて抱きしめていた腕に力が入った。加賀さんが「いてえ、潰れる」と笑う。
「あと、お願いが」
「なんだよ」
「合コン、して欲しくないです」
「は?」
加賀さんがこっちを向く。唇がぶつかりそうになって、慌てて身を引いた。
「加賀さんモテそうだし、心配なんです」
「合コンなんて行くかよ」
「でもさっき、あの人に合コンしましょうって言われてわかったって」
「酔っぱらいだから覚えてねえよ」
こともなげに言って、「腹減ったな」と呟いた。
「すいません、もう……、帰ります」
「死にそうな声出すなって」
加賀さんは笑いながら、俺を背中に担いだ状態で脱衣所から出た。玄関に向かっている。踏ん張りたい欲求を堪える。これ以上迷惑はかけられない。
「はい、到着。靴履いて」
仕方なく離れて、靴を履く。
俺の脇の下から手を伸ばし、加賀さんが鍵を開けた。そして、優しく微笑む。
「また明日な」
「……おやすみなさい」
「おやすみ」
ドアノブをつかむと、後ろで「倉知君」と呼ばれた。振り向くと、加賀さんの顔が間近にあった。唇に、感触。そして目が合う。
「目ぇ閉じろっての」
「加賀さん、もう一回」
抱きつこうとする俺の体を本気で押して、「おしまい!」と突き放す。俺は離れたくないのに、加賀さんはそうでもないらしい。
「帰ります」
「うん、バイバイ。また明日」
ドアを開けて外に出ると、姿勢を正して礼をした。
「失礼します。今日はありがとうございました」
加賀さんは面白そうな顔で笑って、手を振っている。
ドアを閉めると、すぐに寂しくなった。
もっと触れていたい。もっと話していたい。もっと顔が見たい。
離れがたくて、たまらなかった。
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