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第四章 イタリア少女の闇
27話「二人の処遇」
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「遅くなってすまない。状況はどうなっている?」
木本が電話をすると言い残して保健室を出て行き、暫くすると外からは七瀬の声が聞こえてくる。
「はい、電話で伝えた通り谷中先生が二年と三年の生徒を治療しています。ナタリアと望六については今のところ中で大人しくしています」
「了解した。では早速二人から事情を訊くとするか……」
木本から一通りの事情を受けたあと七瀬の声で重々しい言葉が聞こえてくると、保健室の扉がゆっくりと開けられて望六とナタリアは彼女と対面した。
「まったく……大人しいお前がこんな問題事を起こすとは思わなかったぞ。一体何があった?」
前髪をかきあげながら七瀬は望六の元へと近づくように歩みを進めてくるが、視線はナタリアを捉えているようで質問の先も恐らく彼女であろう。
「…………」
そしてナタリアは依然として暗い顔のまま下を向いて、なにも喋ろうとせず唯その場に立ち尽くしている。
「……はぁ。とても答えられる状態ではないということか。ならば望六、お前が何があったか話せ。お前なら何か知っているんだろう? 現にこうやって一緒に居るのだからな」
左手を額に当てながら溜息を吐くと次に七瀬は顔を彼の方へと向けて、彼女と共にいることから原因の答えを知り得ていると予想したのか全てを話すように要求してきた。
「え、ええまあ……。ですがこれを話すにはナタリアの許可が……」
「話せッ! 今すぐに全てをッ! でないとお前達は上級生を手に掛けた事で退学を迫られることになるんだぞ!」
突如として彼女は声を荒らげて右手で拳を作り上げると、そのまま壁に向けて殴り込み早急に原因となった事を話すように促してくる。しかも心なしか七瀬の拳周りには微量の雷が放出されているように望六には見えた。
「は、話していいかナタリア?」
彼女の本気具合が垣間見えると彼としても退学は避けたい所で視線を横に向けて尋ねる。
「……うん」
すると彼の問いかけに彼女は反応を示すと顔は依然として下を向いたままであるが、なんとか話すことの許可を得ることが出来て望六は今までのことを正直に嘘を入れずに伝え始めた。
――それから二、三分が経過して七瀬や木本にナタリアが上級生達から虐められていたことを伝え終えると……
「なるほど、大体の事情は把握した。では次にナタリアに問う。お前はイタリア政府の命に従わない道を選び、上級生から指導というなの暴力を受けていたと。そういう事だな?」
手を顎に当てながら七瀬は頷くと視線を彼女へと向けて事実確認を取ろうとしている様子であった。
「……はい」
相変わらず覇気のない声だがナタリアは返事をする。
「そうか……ならば何の問題もないな。安心しろ二人とも、退学という線はたった今無くなった」
「「えっ?」」
望六達は七瀬から発せられた言葉に意図せずに同じ反応をすると、ナタリアには余程衝撃的な言葉であったのか下を向いていた顔が即座に上がると彼女と視線を合わせていた。
「ふっ、漸く顔を上げたなナタリア。だが理由は至極簡単なことだ。イタリア政府は自身の国の者を使い、この学園で情報収集をしようとしていたからだ。それは立派な違反行為であり、イタリア政府は理事長から怒りの電話を受けることになるだろうな」
僅かに笑みを見せる七瀬ではあるが矢継ぎ早に理由を説明すると、イタリア政府は学園の内部事項に抵触したということで違反行為となり抗議の電話がいくことになるらしい。
だがそれを聞いていた望六には一つ疑問が浮かぶと、
「ちょ、ちょっとまって下さい! 情報収集なら他の国の人達もやっていますよ……?」
右手を中途半端に上げつつ他の国の生徒も同じ事をしていると伝えて同時に質問をした。
これまでも自身の周りには不審な動きをする海外勢の女子が多く居たのだが、その者たちは違反の対象にならないのかと。
「ああ、そうだな。しかし問題は情報収集を政府が公的に命じていたというとこにある。まあ端的に言えば教員達に見つからないようにしていれば何の問題もないという訳だが」
あっさりと七瀬は他の生徒も情報収集を行っている事実を認めると両腕を組みながら面倒そうに説明を始めたが、そこには明確に線引きがあるらしくとどのつまり学園の職員に見つからなければ問題ないとうことであった。ある意味そこには暗黙の了解がある事に望六は気づかされる。
「それに今回の件ではナタリアが情報収集を断ろうとして結果的にこうなった訳だ。ならばその辺りを考慮してもらえれば充分に退学は免れるだろう。……あと危ないと言えば一年魔導対決の出場ぐらいか?」
自身の腰に両手を当てながら木本は今回の件は彼女の意思が尊重されることを見越しているようで退学はないと言い切るが、同時に一年魔導対決という一学年にとって大事な試合の出場については危ぶまれるらしい。
「そうだな木本よ。私は今からその話をしに理事長に会いに行く。あとのことは頼むが……いいか二人とも? こういう場合は直ぐに我々教師に報告するんだ。決して自分達だけで抱え込もうとするな。わかったな?」
彼女の言葉を聞いて七瀬も同じ意見なのか理解を示すとそのまま彼女は学園の最高責任者に会いに行くとして保健室を出ていこうとするが、数歩進んだ先で足を止めて振り返ると望六とナタリアに念を押していた。
「「は、はいっ! すみませんでした!」」
「うむ、わかればよろしい」
二人の言葉を聞いて七瀬は再び笑みを見せると保健室を後にする。そして望六は取り敢えずその場で退学を言い渡されるという最悪の展開を回避した事に安堵すると肩の力が一気に抜けた。
「さて……あとは何か聞きたいことでもあるか?」
二人に視線を交互に向けながら木本が尋ねてくると、望六はすかさず手を真っ直ぐに上げた。
「あ、はい! あります! なぜ木本先生はあの場所が分かったんですか!?」
彼女の返答も待たずに彼はずっと思っていた事を単刀直入に訊くと、隣ではナタリアが少しだけ肩を跳ねさせて反応を見せていた。
「ああ、それなら簡単だ。朝のHRの時点で七瀬先輩がナタリアを常にマークしておけと私に言ってきたからな。だから工学科から索敵ドローンを幾つか借りて常に上空から監視して、あの場所が直ぐに判明したという感じだ」
肩を竦めながら話す木本は何処か面倒事から開放されたように表情が軽いものであった。しかし話を聞くと朝の時点で既に七瀬がナタリアの異変に気がついていたという部分に望六は静かに驚くと、恐らく出世簿に何かを書いていた辺りから察していたのだろうと今更ながらに思う。
「そ、そうだったんですか……。まったく気づかなかった……」
「だろうな。この学園は魔術士のみならず、工学科の生徒達も優秀だからな」
何故か誇らしげに表情を緩ませて木本は工学科の生徒達を褒めると、ナタリアはドローンで監視されていたという事実に何とも青ざめた表情をしていたが先程までの意気消沈した様子よりかは遥かに良い表情であった。
「んじゃ、今度こそ話はもうないな?」
ドローンの件を話し終えて改めて木本は尋ねてくる。けれど望六は聞きたい事は既になにもなく、仮にあったとしても現状で思いつくことではないとして黙った。
ナタリアも同様なのか特に口を開く様子はなく、黙ったまま彼女と視線を合わせている。
「じゃあ、さっさと自分達の寮に戻れ。詳しい処遇は追って連絡する」
二人が何も喋らない事から無言の間が暫し訪れると木本は数回手を叩いてから部屋に戻るように言い放つと、その中には処遇という望六が一番聞きたくない単語も混ざっていた。
「わ、分かりました」
「本当に……この度はごめんなさい……」
だが上級生と揉め事を起こした事実に変わりはなく結果的に武力で解決しようとしたことは悪いことであり、二人は返事をするとナタリアだけは深々と頭を下げていた。
「まったくだな。七瀬先輩も言っていたが、これからは逸早く私達を頼るように」
「「はいっ!」」
彼女の言葉に気合の篭った声で二人は返すと、木本は微笑むように口角を上げてから顎を少し動かして保健室の出入り口を差した。
そして望六とナタリアは互いに顔を見合わせたあと保健室を出て行くと、彼女の表情は最早暗いものではなく光を取り戻しつつあるように明るいものへと変わっていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
それから二人が部屋へと戻って三時間ほどが経過して今は午後九時頃。
処遇が決定したとして七瀬から報告が入ると、望六とナタリアは生徒指導室へと呼ばれて今回の事態の対応を聞かされた。
まず結果から言えばナタリアと望六の退学は無しという判断であった。そして望六には一年魔導対決の準備と後片付けの奉仕活動を罰として与えられた。
更に一番危ぶまれていたナタリアの試合出場については特に何もなく、しかも今回に限りお咎めは一切無しとして理事長が判断を下したとのこと。
詳しい理由としては自らの意思で自国の命令に背き、仲間の情報を売らなかったという誰にでもできることではないとして勇気ある行動に対してのものらしい。
しかし望六に限っては彼女を止められる位置に居たにも関わらず、ただ傍観と見ていた事が駄目らしく奉仕活動が妥当だとして理事長が判断を下した。
そして肝心のイタリア政府にはドローンで撮影したナタリアと上級生達が話している音声込みの動画をオンラインで送りつけて言い逃れのできない状態を作りあげてから、追い討ちをかけるように理事長と担任の七瀬がイタリア大統領に電話をして釘を刺したらしい。
七瀬曰くこれで暫くの間は大丈夫だとのことだが、また何か動きがあれば直ぐに報告するようにと望六達も再度釘を刺された。
あとはナタリアが保健室送りにした上級生達の処遇についてだが二ヶ月間の謹慎処分らしく、彼女達も政府の命令に従わざる追えない状況だったとして処分が軽減したのこと。
実際それが本当かどうか望六にはわからないが、どこか学園側の黒い部分を感じるのであった。
木本が電話をすると言い残して保健室を出て行き、暫くすると外からは七瀬の声が聞こえてくる。
「はい、電話で伝えた通り谷中先生が二年と三年の生徒を治療しています。ナタリアと望六については今のところ中で大人しくしています」
「了解した。では早速二人から事情を訊くとするか……」
木本から一通りの事情を受けたあと七瀬の声で重々しい言葉が聞こえてくると、保健室の扉がゆっくりと開けられて望六とナタリアは彼女と対面した。
「まったく……大人しいお前がこんな問題事を起こすとは思わなかったぞ。一体何があった?」
前髪をかきあげながら七瀬は望六の元へと近づくように歩みを進めてくるが、視線はナタリアを捉えているようで質問の先も恐らく彼女であろう。
「…………」
そしてナタリアは依然として暗い顔のまま下を向いて、なにも喋ろうとせず唯その場に立ち尽くしている。
「……はぁ。とても答えられる状態ではないということか。ならば望六、お前が何があったか話せ。お前なら何か知っているんだろう? 現にこうやって一緒に居るのだからな」
左手を額に当てながら溜息を吐くと次に七瀬は顔を彼の方へと向けて、彼女と共にいることから原因の答えを知り得ていると予想したのか全てを話すように要求してきた。
「え、ええまあ……。ですがこれを話すにはナタリアの許可が……」
「話せッ! 今すぐに全てをッ! でないとお前達は上級生を手に掛けた事で退学を迫られることになるんだぞ!」
突如として彼女は声を荒らげて右手で拳を作り上げると、そのまま壁に向けて殴り込み早急に原因となった事を話すように促してくる。しかも心なしか七瀬の拳周りには微量の雷が放出されているように望六には見えた。
「は、話していいかナタリア?」
彼女の本気具合が垣間見えると彼としても退学は避けたい所で視線を横に向けて尋ねる。
「……うん」
すると彼の問いかけに彼女は反応を示すと顔は依然として下を向いたままであるが、なんとか話すことの許可を得ることが出来て望六は今までのことを正直に嘘を入れずに伝え始めた。
――それから二、三分が経過して七瀬や木本にナタリアが上級生達から虐められていたことを伝え終えると……
「なるほど、大体の事情は把握した。では次にナタリアに問う。お前はイタリア政府の命に従わない道を選び、上級生から指導というなの暴力を受けていたと。そういう事だな?」
手を顎に当てながら七瀬は頷くと視線を彼女へと向けて事実確認を取ろうとしている様子であった。
「……はい」
相変わらず覇気のない声だがナタリアは返事をする。
「そうか……ならば何の問題もないな。安心しろ二人とも、退学という線はたった今無くなった」
「「えっ?」」
望六達は七瀬から発せられた言葉に意図せずに同じ反応をすると、ナタリアには余程衝撃的な言葉であったのか下を向いていた顔が即座に上がると彼女と視線を合わせていた。
「ふっ、漸く顔を上げたなナタリア。だが理由は至極簡単なことだ。イタリア政府は自身の国の者を使い、この学園で情報収集をしようとしていたからだ。それは立派な違反行為であり、イタリア政府は理事長から怒りの電話を受けることになるだろうな」
僅かに笑みを見せる七瀬ではあるが矢継ぎ早に理由を説明すると、イタリア政府は学園の内部事項に抵触したということで違反行為となり抗議の電話がいくことになるらしい。
だがそれを聞いていた望六には一つ疑問が浮かぶと、
「ちょ、ちょっとまって下さい! 情報収集なら他の国の人達もやっていますよ……?」
右手を中途半端に上げつつ他の国の生徒も同じ事をしていると伝えて同時に質問をした。
これまでも自身の周りには不審な動きをする海外勢の女子が多く居たのだが、その者たちは違反の対象にならないのかと。
「ああ、そうだな。しかし問題は情報収集を政府が公的に命じていたというとこにある。まあ端的に言えば教員達に見つからないようにしていれば何の問題もないという訳だが」
あっさりと七瀬は他の生徒も情報収集を行っている事実を認めると両腕を組みながら面倒そうに説明を始めたが、そこには明確に線引きがあるらしくとどのつまり学園の職員に見つからなければ問題ないとうことであった。ある意味そこには暗黙の了解がある事に望六は気づかされる。
「それに今回の件ではナタリアが情報収集を断ろうとして結果的にこうなった訳だ。ならばその辺りを考慮してもらえれば充分に退学は免れるだろう。……あと危ないと言えば一年魔導対決の出場ぐらいか?」
自身の腰に両手を当てながら木本は今回の件は彼女の意思が尊重されることを見越しているようで退学はないと言い切るが、同時に一年魔導対決という一学年にとって大事な試合の出場については危ぶまれるらしい。
「そうだな木本よ。私は今からその話をしに理事長に会いに行く。あとのことは頼むが……いいか二人とも? こういう場合は直ぐに我々教師に報告するんだ。決して自分達だけで抱え込もうとするな。わかったな?」
彼女の言葉を聞いて七瀬も同じ意見なのか理解を示すとそのまま彼女は学園の最高責任者に会いに行くとして保健室を出ていこうとするが、数歩進んだ先で足を止めて振り返ると望六とナタリアに念を押していた。
「「は、はいっ! すみませんでした!」」
「うむ、わかればよろしい」
二人の言葉を聞いて七瀬は再び笑みを見せると保健室を後にする。そして望六は取り敢えずその場で退学を言い渡されるという最悪の展開を回避した事に安堵すると肩の力が一気に抜けた。
「さて……あとは何か聞きたいことでもあるか?」
二人に視線を交互に向けながら木本が尋ねてくると、望六はすかさず手を真っ直ぐに上げた。
「あ、はい! あります! なぜ木本先生はあの場所が分かったんですか!?」
彼女の返答も待たずに彼はずっと思っていた事を単刀直入に訊くと、隣ではナタリアが少しだけ肩を跳ねさせて反応を見せていた。
「ああ、それなら簡単だ。朝のHRの時点で七瀬先輩がナタリアを常にマークしておけと私に言ってきたからな。だから工学科から索敵ドローンを幾つか借りて常に上空から監視して、あの場所が直ぐに判明したという感じだ」
肩を竦めながら話す木本は何処か面倒事から開放されたように表情が軽いものであった。しかし話を聞くと朝の時点で既に七瀬がナタリアの異変に気がついていたという部分に望六は静かに驚くと、恐らく出世簿に何かを書いていた辺りから察していたのだろうと今更ながらに思う。
「そ、そうだったんですか……。まったく気づかなかった……」
「だろうな。この学園は魔術士のみならず、工学科の生徒達も優秀だからな」
何故か誇らしげに表情を緩ませて木本は工学科の生徒達を褒めると、ナタリアはドローンで監視されていたという事実に何とも青ざめた表情をしていたが先程までの意気消沈した様子よりかは遥かに良い表情であった。
「んじゃ、今度こそ話はもうないな?」
ドローンの件を話し終えて改めて木本は尋ねてくる。けれど望六は聞きたい事は既になにもなく、仮にあったとしても現状で思いつくことではないとして黙った。
ナタリアも同様なのか特に口を開く様子はなく、黙ったまま彼女と視線を合わせている。
「じゃあ、さっさと自分達の寮に戻れ。詳しい処遇は追って連絡する」
二人が何も喋らない事から無言の間が暫し訪れると木本は数回手を叩いてから部屋に戻るように言い放つと、その中には処遇という望六が一番聞きたくない単語も混ざっていた。
「わ、分かりました」
「本当に……この度はごめんなさい……」
だが上級生と揉め事を起こした事実に変わりはなく結果的に武力で解決しようとしたことは悪いことであり、二人は返事をするとナタリアだけは深々と頭を下げていた。
「まったくだな。七瀬先輩も言っていたが、これからは逸早く私達を頼るように」
「「はいっ!」」
彼女の言葉に気合の篭った声で二人は返すと、木本は微笑むように口角を上げてから顎を少し動かして保健室の出入り口を差した。
そして望六とナタリアは互いに顔を見合わせたあと保健室を出て行くと、彼女の表情は最早暗いものではなく光を取り戻しつつあるように明るいものへと変わっていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
それから二人が部屋へと戻って三時間ほどが経過して今は午後九時頃。
処遇が決定したとして七瀬から報告が入ると、望六とナタリアは生徒指導室へと呼ばれて今回の事態の対応を聞かされた。
まず結果から言えばナタリアと望六の退学は無しという判断であった。そして望六には一年魔導対決の準備と後片付けの奉仕活動を罰として与えられた。
更に一番危ぶまれていたナタリアの試合出場については特に何もなく、しかも今回に限りお咎めは一切無しとして理事長が判断を下したとのこと。
詳しい理由としては自らの意思で自国の命令に背き、仲間の情報を売らなかったという誰にでもできることではないとして勇気ある行動に対してのものらしい。
しかし望六に限っては彼女を止められる位置に居たにも関わらず、ただ傍観と見ていた事が駄目らしく奉仕活動が妥当だとして理事長が判断を下した。
そして肝心のイタリア政府にはドローンで撮影したナタリアと上級生達が話している音声込みの動画をオンラインで送りつけて言い逃れのできない状態を作りあげてから、追い討ちをかけるように理事長と担任の七瀬がイタリア大統領に電話をして釘を刺したらしい。
七瀬曰くこれで暫くの間は大丈夫だとのことだが、また何か動きがあれば直ぐに報告するようにと望六達も再度釘を刺された。
あとはナタリアが保健室送りにした上級生達の処遇についてだが二ヶ月間の謹慎処分らしく、彼女達も政府の命令に従わざる追えない状況だったとして処分が軽減したのこと。
実際それが本当かどうか望六にはわからないが、どこか学園側の黒い部分を感じるのであった。
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