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第三章 皿科転覆編
悪路王降臨・一
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しばらくしたら、離れていた鈴鹿と利仁は戻ってきた。
鈴鹿も利仁もどこかすっきりとした顔をしていたから、ふたりとも思うことはきちんと話せたようだ。
田村丸が心配そうに鈴鹿に寄る。
「鈴鹿、大丈夫か?」
「田村丸……うん、私はもう大丈夫。……朱雀、最後の契約を」
「ふむ」
まだしてなかったんだ……いや、まだできなかったんだ。
ちらりと結界を張っている黒虎のほうを見ると、どんどん顔が険しくなっているのがわかる……本当に、近付いてきているんだ、諸悪の根源が。
田村丸は大剣に、維茂は太刀に、頼光は弓矢に手を添えている。
保昌は厳しい顔で結界の向こうを見つめ、私はただ手を組んだ。
……今までは契約を交わしたところでひと区切りだったけれど、今回はそうじゃない。もう来るってわかっている以上は、受けて立たなければならない。
鈴鹿は鬼ごろしの剣を鞘ごと引き渡すと、利仁はそれを額に押し当てた。
鞘に最後の四神……金色の朱雀の紋章が、刻まれる。
青龍、白虎、朱雀、黒虎。これで四神契約の旅も満了した。
その途端に──大気が大きく震えた。火山口からコポコポとマグマが噴き出て、間欠泉がいつにも増して湯気が噴き込める。
「……来たぞ」
黒虎の声に、全員が得物を構えた。
結界にピシ、ピシ。とひびが入り、それが割れた途端に、大気がプレッシャーで塗りつぶされる。
……今まで、私たちは酒呑童子に茨木童子、彼らの配下と、何度も鬼と対峙していたというのに。この気配はいったいなんなの。
これが、最古の鬼ということなの。
そこから現れたのは、あまりにも整い過ぎて、かえって記憶に残すことすら困難な、鋼色の瞳に長い銀髪を伸ばしっぱなしにした……鬼が現れた。着ているのは直垂だけれど、袖はビリビリに破れてしまっているし、袴だけ穿いているほうがまだいやらしくない雰囲気だ。これだけ大気を震わせるプレッシャーを与えている割には、筋肉は思っているより薄く、侍よりも前世の陸上選手のように、細くて無駄な肉がひとつもないように見える。
「ようやく揃ったか──巫女よ」
囁く声だけで、肌が粟立つ。
……これが、悪路王。どう考えても今まで伏せカードになっていた最後の攻略対象は、この人でしょう。
彼はすぐに鈴鹿の腕を取ろうとしたものの、それより早く、田村丸と維茂が動いた。
「鈴鹿に手を触れるな」
「……貴様をここから逃がす気はない」
大剣が悪路王の首を、太刀が悪路王の脇腹を狙い打つものの、それに当の本人はクツリと笑ったのだ。
「──小童共が、ちょこまかと」
彼はどちらも素手で受け止めたかと思ったら、どちらの刃もへし折ろうと力を込めようとしたのだ。
侍の得物になんつうことを。そう思ったものの、ふたりとも全く動じていない。悪路王が刃に力を込めた途端に、矢が彼目掛けて跳んできたのだ。
なんてこと。侍ふたりを囮にして、頼光と利仁が同時に弓矢を打ったのだ。
「悪いね、これ以上見過ごす訳にはいかない」
「……そう何度も何度も、巫女を連れさらわれる訳はなかろう」
悪路王はそれにニヤリと笑って弓矢を受ける。
首に、胸に、脚に、脇腹に。ドスンドスンという重い音を立てて突き刺さるけれど、それでもびくともせずに、悪路王はただその場にそびえ立っていた。
だが彼は苦しむことも呻き声を上げることもなく、ただこちらを嘲笑っているのだ。
「なんだ、守護者と名乗っているからどんなものかと思いきや。これで満足したか? 巫女の所有者は、貴様らではない。我ぞ」
……なんなの。あれ。今まで、鬼とは何度も何度も戦ってきたとは思ったけれど。
酒呑童子も茨木童子も、どうにか神通力さえ封じ込めてしまえばなんとか戦えたけれど。悪路王はシンプルに、ただ強くて頑丈。
特に頑丈なんてもんは、どうしたらいいの。
「紅葉様、まだです」
私が焦りつつある中、保昌は冷静に札を何枚も何枚も書き連ねて、それをペタン、ペタンと貼り続けていた。そしてなんと、黒虎がそれを貼るのを手伝っている。
「あの、これは……?」
「……結界の補強です。悪路王は、ここで仕留めます。僕たちもここから勝つまで出られなくなりますが……悪路王を逃がしません。まだ、終わってはいないんです。さあ、紅葉様も詠唱を」
そうか、黒虎は人の体の利仁と違って、直接悪路王と対峙することができないから、せめてもの足止めを手伝ってくれていたのか。
……まだ、誰も怪我ひとつ折っていない。刃だって折れちゃいない……誰ひとり、心だって折れていない。
私だって。
悪路王を倒す術はまだ見つかっていないけれど、皆の補助詠唱だったら使える。
……ここまで来て、よくもまあ攻撃詠唱も回復詠唱もなしで来られたものだって思うけれど。それでも。なにもしないよりはいい。
「日の上に人はなく、人の下には日は落ちず、弧を描き落ちた車の先よ──三方荒神《さんぼうこうじん》!!」
私はそれを悪路王にぶつける。
目くらましなんて、目を一瞬でも閉じられてしまったらおしまいだけれど、それでも、一瞬でも気を逸らせたらいい。
案の定悪路王は一瞬目を閉じて私の詠唱を無視してしまったけれど、その隙を突いて田村丸と維茂はそれぞれの得物を取り戻すと、彼を叩っ斬るべく腕を振るった。それでも悪路王はそれぞれの刃を斬れないわずかな部分を手で握って勢いを殺してしまうんだから、驚くほどに質が悪い。
彼らのサポートへと、保昌が札を何枚も何枚も飛ばす。回復詠唱に結界詠唱。これで幾分か有利に戦えるはずなんだけれど。
その間、鈴鹿はずっと鬼ごろしの剣を引き抜いて、なにかをずっとしていた。
「あのう、鈴鹿はいったいなにを……?」
せめて私ができることは、悪路王の攻撃力を半減させるくらいかなと考えている中、彼女の動きが不審に見えた。
今まで、皆と一緒に積極的に戦っていた彼女が、なにかを行っている。
それに黒虎は答えた。
「ああ、あれは気を練っているんだ。四神と契約を交わした以上、四神の力を同時に使うことも可能だからな」
「ああ、今までの……!」
今までの四神から借りた力を思い返す。でも。反動で彼女もしもやけや火傷を負っていたんだから、それが四倍になるとしたら、その反動だって桁違いになるはずだ。
私は思わず保昌に振り返った。
「保昌、鈴鹿の援護をお願いできますか?」
「もちろん、そのつもりですが……紅葉様はどうなさるおつもりですか?」
「……本当なら、鈴鹿に全ての負担はかけたくありません。私は、皆の援護を行います」
彼女のボロボロになった手を思い返した……あんなの何度も何度もやったら、鈴鹿が死んじゃう。鈴鹿は、田村丸と一緒に好きに生きるの。
私は維茂に頼み込んで、この場にいるんだ……この場できちんとした働きをしなかったら、ここまでついてきた意味がない。
鈴鹿も利仁もどこかすっきりとした顔をしていたから、ふたりとも思うことはきちんと話せたようだ。
田村丸が心配そうに鈴鹿に寄る。
「鈴鹿、大丈夫か?」
「田村丸……うん、私はもう大丈夫。……朱雀、最後の契約を」
「ふむ」
まだしてなかったんだ……いや、まだできなかったんだ。
ちらりと結界を張っている黒虎のほうを見ると、どんどん顔が険しくなっているのがわかる……本当に、近付いてきているんだ、諸悪の根源が。
田村丸は大剣に、維茂は太刀に、頼光は弓矢に手を添えている。
保昌は厳しい顔で結界の向こうを見つめ、私はただ手を組んだ。
……今までは契約を交わしたところでひと区切りだったけれど、今回はそうじゃない。もう来るってわかっている以上は、受けて立たなければならない。
鈴鹿は鬼ごろしの剣を鞘ごと引き渡すと、利仁はそれを額に押し当てた。
鞘に最後の四神……金色の朱雀の紋章が、刻まれる。
青龍、白虎、朱雀、黒虎。これで四神契約の旅も満了した。
その途端に──大気が大きく震えた。火山口からコポコポとマグマが噴き出て、間欠泉がいつにも増して湯気が噴き込める。
「……来たぞ」
黒虎の声に、全員が得物を構えた。
結界にピシ、ピシ。とひびが入り、それが割れた途端に、大気がプレッシャーで塗りつぶされる。
……今まで、私たちは酒呑童子に茨木童子、彼らの配下と、何度も鬼と対峙していたというのに。この気配はいったいなんなの。
これが、最古の鬼ということなの。
そこから現れたのは、あまりにも整い過ぎて、かえって記憶に残すことすら困難な、鋼色の瞳に長い銀髪を伸ばしっぱなしにした……鬼が現れた。着ているのは直垂だけれど、袖はビリビリに破れてしまっているし、袴だけ穿いているほうがまだいやらしくない雰囲気だ。これだけ大気を震わせるプレッシャーを与えている割には、筋肉は思っているより薄く、侍よりも前世の陸上選手のように、細くて無駄な肉がひとつもないように見える。
「ようやく揃ったか──巫女よ」
囁く声だけで、肌が粟立つ。
……これが、悪路王。どう考えても今まで伏せカードになっていた最後の攻略対象は、この人でしょう。
彼はすぐに鈴鹿の腕を取ろうとしたものの、それより早く、田村丸と維茂が動いた。
「鈴鹿に手を触れるな」
「……貴様をここから逃がす気はない」
大剣が悪路王の首を、太刀が悪路王の脇腹を狙い打つものの、それに当の本人はクツリと笑ったのだ。
「──小童共が、ちょこまかと」
彼はどちらも素手で受け止めたかと思ったら、どちらの刃もへし折ろうと力を込めようとしたのだ。
侍の得物になんつうことを。そう思ったものの、ふたりとも全く動じていない。悪路王が刃に力を込めた途端に、矢が彼目掛けて跳んできたのだ。
なんてこと。侍ふたりを囮にして、頼光と利仁が同時に弓矢を打ったのだ。
「悪いね、これ以上見過ごす訳にはいかない」
「……そう何度も何度も、巫女を連れさらわれる訳はなかろう」
悪路王はそれにニヤリと笑って弓矢を受ける。
首に、胸に、脚に、脇腹に。ドスンドスンという重い音を立てて突き刺さるけれど、それでもびくともせずに、悪路王はただその場にそびえ立っていた。
だが彼は苦しむことも呻き声を上げることもなく、ただこちらを嘲笑っているのだ。
「なんだ、守護者と名乗っているからどんなものかと思いきや。これで満足したか? 巫女の所有者は、貴様らではない。我ぞ」
……なんなの。あれ。今まで、鬼とは何度も何度も戦ってきたとは思ったけれど。
酒呑童子も茨木童子も、どうにか神通力さえ封じ込めてしまえばなんとか戦えたけれど。悪路王はシンプルに、ただ強くて頑丈。
特に頑丈なんてもんは、どうしたらいいの。
「紅葉様、まだです」
私が焦りつつある中、保昌は冷静に札を何枚も何枚も書き連ねて、それをペタン、ペタンと貼り続けていた。そしてなんと、黒虎がそれを貼るのを手伝っている。
「あの、これは……?」
「……結界の補強です。悪路王は、ここで仕留めます。僕たちもここから勝つまで出られなくなりますが……悪路王を逃がしません。まだ、終わってはいないんです。さあ、紅葉様も詠唱を」
そうか、黒虎は人の体の利仁と違って、直接悪路王と対峙することができないから、せめてもの足止めを手伝ってくれていたのか。
……まだ、誰も怪我ひとつ折っていない。刃だって折れちゃいない……誰ひとり、心だって折れていない。
私だって。
悪路王を倒す術はまだ見つかっていないけれど、皆の補助詠唱だったら使える。
……ここまで来て、よくもまあ攻撃詠唱も回復詠唱もなしで来られたものだって思うけれど。それでも。なにもしないよりはいい。
「日の上に人はなく、人の下には日は落ちず、弧を描き落ちた車の先よ──三方荒神《さんぼうこうじん》!!」
私はそれを悪路王にぶつける。
目くらましなんて、目を一瞬でも閉じられてしまったらおしまいだけれど、それでも、一瞬でも気を逸らせたらいい。
案の定悪路王は一瞬目を閉じて私の詠唱を無視してしまったけれど、その隙を突いて田村丸と維茂はそれぞれの得物を取り戻すと、彼を叩っ斬るべく腕を振るった。それでも悪路王はそれぞれの刃を斬れないわずかな部分を手で握って勢いを殺してしまうんだから、驚くほどに質が悪い。
彼らのサポートへと、保昌が札を何枚も何枚も飛ばす。回復詠唱に結界詠唱。これで幾分か有利に戦えるはずなんだけれど。
その間、鈴鹿はずっと鬼ごろしの剣を引き抜いて、なにかをずっとしていた。
「あのう、鈴鹿はいったいなにを……?」
せめて私ができることは、悪路王の攻撃力を半減させるくらいかなと考えている中、彼女の動きが不審に見えた。
今まで、皆と一緒に積極的に戦っていた彼女が、なにかを行っている。
それに黒虎は答えた。
「ああ、あれは気を練っているんだ。四神と契約を交わした以上、四神の力を同時に使うことも可能だからな」
「ああ、今までの……!」
今までの四神から借りた力を思い返す。でも。反動で彼女もしもやけや火傷を負っていたんだから、それが四倍になるとしたら、その反動だって桁違いになるはずだ。
私は思わず保昌に振り返った。
「保昌、鈴鹿の援護をお願いできますか?」
「もちろん、そのつもりですが……紅葉様はどうなさるおつもりですか?」
「……本当なら、鈴鹿に全ての負担はかけたくありません。私は、皆の援護を行います」
彼女のボロボロになった手を思い返した……あんなの何度も何度もやったら、鈴鹿が死んじゃう。鈴鹿は、田村丸と一緒に好きに生きるの。
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