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第三章 皿科転覆編
そろそろ終盤も見えてきたので恋愛のほうも決着つけたいのですが、フラグ立てできてないので回収も難しいことでしょう
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「まあちょっと長い話になるから、座ったほうがいいよ」
そう白虎に言われたものの、砂でべちゃっとならないのかなと思って座りにくくしていたものの、鈴鹿は意を決して座る。彼女の緋袴も砂まみれになることはない。
これはあれか。四神の結界のせいでこの区画一帯が切り離された関係で、この辺りは皿科の物理法則を無視しているのか。そう思ったらさっさと座ることができた。本当だ、砂の感触だけはたしかにあるのに、砂のぱらぱらくっつく感じがしないから、小袿も綺麗なまんまだ。
これだけの力があるのになあ……。私が首を捻っている間に、最初に切り出したのは保昌だった。
「……質問です。元々、鬼……最初の人類を倒すために、新たに人をつくったとお伺いしましたけれど……四神たち自らが力を使うということはできなかったのですか?」
「うん、したいのは山々なんだけれどね、できないんだよ。私たちは皿科をつくることはできても、皿科の理では生きていないから」
「ええと……?」
いきなり哲学的なことを言い出したぞ。私たちが全員わからないと首を傾げていたところで、頼光は腕を組んでから、白虎の回答に口を挟む。
「それは我々が本を読むことができても、本の内容に対して干渉することができないことと同意と取ればいいのかな?」
「ああ、そうだね。人のたとえだと、それだったらわかるかな」
「つまりは巫女に力を貸すという手段を取らねば、鬼に関与することもできぬということであろう……例外はあれどもな」
だから大江山でも、黒虎は直接鬼を倒すことができず、わざわざ巫女と守護者ご一行を派遣することでしか対処することができなかったと。抜け道として人を結界張って助けることはできるみたいだけれど、やはり鬼自体を攻撃することはできなかったみたいね。
一応この手の話は納得できたけれど。
今度は田村丸が口を開いた。
「……元々、鈴鹿に呪いがかけられるはずが、俺がそれを引き受けた……らしいが。そもそもあの呪いはなんだ? 最初の巫女もかけられたみたいだが。あとこれをかけようとしたのは、悪路王で間違いないか?」
「うん、そうだね。この呪いは間違いなく悪路王がかけたものだろうさ。悪路王はあの頃の人の首領だったからねえ」
「つまりは……巫女と四神の契約を忘れさせるのと同じように、鈴鹿と守護者の記憶を忘れさせようとしていたと?」
なんつうことだ。
悪路王が皿科においてそんな重要なポジションを占める鬼だったなんて、本家本元ですら語られてなかった設定だぞ。
そして巫女に対する執着が凄まじい……いや、茨木童子もものすっごく私に対して変な執着を見せていたから、鬼がなにかに対する執着は並大抵のものではないのかも。
……でも、あれ? たしか太古の鬼は、霊山だって言っていたような……?
私が頭が悪いなりに必死に考えようとしていたところで、保昌が眉間の皺を指で揉み込みながら言葉を重ねた。
「ええっと……酒呑童子は、霊山を復活させて悪路王と戦をかまえようとしていましたけど、四方の鬼はそれぞれ主張が違うということでよろしいでしょうか? 霊山は太古の鬼……つまりは最初の人と伺いましたが」
「そうだね。鬼たちは皆、人にとってかわって再び鬼の天下に皿科をならすことが目的だけれど、それぞれの手段が違う。西の酒呑童子は鬼がとって変わるつもりだが、人を滅ぼす気自体はない。気に入ったものは眷属として手元に置く気だが、それ以外は放置していく方針だからね。東の大獄丸は鬼の天下の上で、人を隷属させる気だから、あれが主張をしても困る。南の八瀬童子は鬼と人の共存を目指しているが、まあまず間違いなく都は滅ぼされるだろうから、皿科は混沌に陥るから人は誰も喜ばないだろうね。そして、肝心の悪路王だけれど」
悪路王の目的が、女性全員の鬼化だったら、そんなのイコール人は死ねと言っているようなものだ。
そもそも私も鈴鹿も、鬼になんてなりたくないし、なにを言い出すんだと思っている。
白虎は私の考えを肯定するように口にする。
「間違いなくあれの目指す世は、人の生きる場所は奪われるし、滅びるだろうね。四神としてはあまり許容できない。魑魅魍魎の跋扈する皿科では、弱い者は生き残れないのだから」
「……最後に南の朱雀と契約する前に、悪路王を倒す算段を整えないといけないのか」
ぼそりと維茂が言う。
これが難しいんだよね。今までさんざん細かい戦闘を繰り返したおかげで、私たちの練度自体は高まっている。でも、同時に鈴鹿への負担も上がっている。鈴鹿を守るための守護者だっていうのに、彼女ひとりに戦わせないといけないっていうのが、一番厳しい。
利仁は「ふん」と鼻で笑う。
「先のことを言えば鬼が笑うだろうよ。我らはやることなど変わらぬよ」
「……うん、利仁の言う通りだ。ありがとう白虎。わざわざ結界を張ってまで説明をしてくれて」
鈴鹿は白虎にお礼を言う。
彼女の態度に、マイペースな白虎も「ほっほ」と笑う。
「なに、かまわぬよ。四神に愛されし巫女とこうやって話ができたのだから。ほら、最後の封印で契約をして、魑魅魍魎を平定しておいで」
そう言って、白虎は手をパチンと叩いた。
途端に砂の感触が戻る……結界が解けたんだ。私たちは立ち上がった。
残りは南の封印、朱雀との契約……そして、悪路王との連戦だ。
****
西の封印の付近もすっかりと平和になり、もう魑魅魍魎が出てこない。
あとは南の封印なんだけれど……私たちは南の区画に入る前に宿を取る。私は鈴鹿に声をかけた。
「ちょっと維茂と話をしてきますわね」
「ああ……そっかあ」
鈴鹿の言葉に、私は「あれ?」と思う。鈴鹿はにこやかにこちらに笑いかけてきた。
「維茂と逢引でしょう? 行ってらっしゃい」
「逢引……違いますわよ!」
なんでや。私、維茂となんのフラグも立ててへんやろ。
それはさておいて、田村丸のほうはどうなんだろう。聞いてみることにした。
「あのう……今回は田村丸、呪いのほうの影響はありませんでしたわね?」
「うん。田村丸もだいたい前の通りの田村丸になってくれたから……」
「そうですか、それはよかったです」
「うん。だから、私は紅葉にも幸せになってほしいんだ」
それはどういう意味? 私は目をパチパチとさせていると、鈴鹿は申し訳なさそうに目尻を下げた。
「だって、紅葉は維茂が守護者に選ばれるだろうってことで、追いかけるために必死で星詠みの修行をしてここまで来たのに……紅葉は私のお守りばっかりで、維茂となかなか情を育む暇がないと思っていたから……本当に、ごめん」
そう言われてしまい、私は鈴鹿を凝視してしまった。
いや、本当に全くもってその通りなんだけれど……まさか鈴鹿に全部見透かされているとは思ってもいなかった。
でも、私だって鈴鹿が田村丸と上手く行って欲しいんだ。
「あなたが悩む必要はございませんわ。私が維茂を好きなように、あなただって田村丸が大事じゃありませんか。全部終わったら、皆でゆっくりと花見をしましょう。全部終わった頃は、梅が見頃でしょうからね。鬼無里の梅を見に、皆で帰りましょう。まずは、生き残りましょうね」
「……うん、ありがとう紅葉」
私はとりあえず鈴鹿に頭を下げてから、外へと出て行った。
維茂とようやく話ができるけど……いったいなんだろう。正直、旅に出てからというもの、びっくりするくらいになにもなかった。
こっちだって恋愛イベント起こしたいよー、鈴鹿の恋愛イベントだって鑑賞したいよー、でも目の前のことでいっぱいいっぱいで、本当になにもできなかった。
だから維茂になにを言われるのか、全くもって予想ができないから、正直無茶苦茶怖いんだ。
「お待たせしました、紅葉様」
こっちがひとりでグルグル考えている間に、維茂が出てきた。私は彼に会釈をする。
「あのう、いったいどうしたんですか? 明日から南の封印に行く中」
「ええ……次の戦いで、四神契約の旅も終わります……そのあとに、すぐに悪路王との戦いが待っていますから」
「ええ……」
彼はすっと私と目を合わせた。
このところ、ずっと彼とまともにしゃべれなかったし、私はそのことに少しだけ胸が高鳴る。
維茂は口を開いた。
「……今の内に、鬼無里にお戻りください」
「……え?」
だからこそ、彼からこんな言葉、聞きたくはなかった。
そう白虎に言われたものの、砂でべちゃっとならないのかなと思って座りにくくしていたものの、鈴鹿は意を決して座る。彼女の緋袴も砂まみれになることはない。
これはあれか。四神の結界のせいでこの区画一帯が切り離された関係で、この辺りは皿科の物理法則を無視しているのか。そう思ったらさっさと座ることができた。本当だ、砂の感触だけはたしかにあるのに、砂のぱらぱらくっつく感じがしないから、小袿も綺麗なまんまだ。
これだけの力があるのになあ……。私が首を捻っている間に、最初に切り出したのは保昌だった。
「……質問です。元々、鬼……最初の人類を倒すために、新たに人をつくったとお伺いしましたけれど……四神たち自らが力を使うということはできなかったのですか?」
「うん、したいのは山々なんだけれどね、できないんだよ。私たちは皿科をつくることはできても、皿科の理では生きていないから」
「ええと……?」
いきなり哲学的なことを言い出したぞ。私たちが全員わからないと首を傾げていたところで、頼光は腕を組んでから、白虎の回答に口を挟む。
「それは我々が本を読むことができても、本の内容に対して干渉することができないことと同意と取ればいいのかな?」
「ああ、そうだね。人のたとえだと、それだったらわかるかな」
「つまりは巫女に力を貸すという手段を取らねば、鬼に関与することもできぬということであろう……例外はあれどもな」
だから大江山でも、黒虎は直接鬼を倒すことができず、わざわざ巫女と守護者ご一行を派遣することでしか対処することができなかったと。抜け道として人を結界張って助けることはできるみたいだけれど、やはり鬼自体を攻撃することはできなかったみたいね。
一応この手の話は納得できたけれど。
今度は田村丸が口を開いた。
「……元々、鈴鹿に呪いがかけられるはずが、俺がそれを引き受けた……らしいが。そもそもあの呪いはなんだ? 最初の巫女もかけられたみたいだが。あとこれをかけようとしたのは、悪路王で間違いないか?」
「うん、そうだね。この呪いは間違いなく悪路王がかけたものだろうさ。悪路王はあの頃の人の首領だったからねえ」
「つまりは……巫女と四神の契約を忘れさせるのと同じように、鈴鹿と守護者の記憶を忘れさせようとしていたと?」
なんつうことだ。
悪路王が皿科においてそんな重要なポジションを占める鬼だったなんて、本家本元ですら語られてなかった設定だぞ。
そして巫女に対する執着が凄まじい……いや、茨木童子もものすっごく私に対して変な執着を見せていたから、鬼がなにかに対する執着は並大抵のものではないのかも。
……でも、あれ? たしか太古の鬼は、霊山だって言っていたような……?
私が頭が悪いなりに必死に考えようとしていたところで、保昌が眉間の皺を指で揉み込みながら言葉を重ねた。
「ええっと……酒呑童子は、霊山を復活させて悪路王と戦をかまえようとしていましたけど、四方の鬼はそれぞれ主張が違うということでよろしいでしょうか? 霊山は太古の鬼……つまりは最初の人と伺いましたが」
「そうだね。鬼たちは皆、人にとってかわって再び鬼の天下に皿科をならすことが目的だけれど、それぞれの手段が違う。西の酒呑童子は鬼がとって変わるつもりだが、人を滅ぼす気自体はない。気に入ったものは眷属として手元に置く気だが、それ以外は放置していく方針だからね。東の大獄丸は鬼の天下の上で、人を隷属させる気だから、あれが主張をしても困る。南の八瀬童子は鬼と人の共存を目指しているが、まあまず間違いなく都は滅ぼされるだろうから、皿科は混沌に陥るから人は誰も喜ばないだろうね。そして、肝心の悪路王だけれど」
悪路王の目的が、女性全員の鬼化だったら、そんなのイコール人は死ねと言っているようなものだ。
そもそも私も鈴鹿も、鬼になんてなりたくないし、なにを言い出すんだと思っている。
白虎は私の考えを肯定するように口にする。
「間違いなくあれの目指す世は、人の生きる場所は奪われるし、滅びるだろうね。四神としてはあまり許容できない。魑魅魍魎の跋扈する皿科では、弱い者は生き残れないのだから」
「……最後に南の朱雀と契約する前に、悪路王を倒す算段を整えないといけないのか」
ぼそりと維茂が言う。
これが難しいんだよね。今までさんざん細かい戦闘を繰り返したおかげで、私たちの練度自体は高まっている。でも、同時に鈴鹿への負担も上がっている。鈴鹿を守るための守護者だっていうのに、彼女ひとりに戦わせないといけないっていうのが、一番厳しい。
利仁は「ふん」と鼻で笑う。
「先のことを言えば鬼が笑うだろうよ。我らはやることなど変わらぬよ」
「……うん、利仁の言う通りだ。ありがとう白虎。わざわざ結界を張ってまで説明をしてくれて」
鈴鹿は白虎にお礼を言う。
彼女の態度に、マイペースな白虎も「ほっほ」と笑う。
「なに、かまわぬよ。四神に愛されし巫女とこうやって話ができたのだから。ほら、最後の封印で契約をして、魑魅魍魎を平定しておいで」
そう言って、白虎は手をパチンと叩いた。
途端に砂の感触が戻る……結界が解けたんだ。私たちは立ち上がった。
残りは南の封印、朱雀との契約……そして、悪路王との連戦だ。
****
西の封印の付近もすっかりと平和になり、もう魑魅魍魎が出てこない。
あとは南の封印なんだけれど……私たちは南の区画に入る前に宿を取る。私は鈴鹿に声をかけた。
「ちょっと維茂と話をしてきますわね」
「ああ……そっかあ」
鈴鹿の言葉に、私は「あれ?」と思う。鈴鹿はにこやかにこちらに笑いかけてきた。
「維茂と逢引でしょう? 行ってらっしゃい」
「逢引……違いますわよ!」
なんでや。私、維茂となんのフラグも立ててへんやろ。
それはさておいて、田村丸のほうはどうなんだろう。聞いてみることにした。
「あのう……今回は田村丸、呪いのほうの影響はありませんでしたわね?」
「うん。田村丸もだいたい前の通りの田村丸になってくれたから……」
「そうですか、それはよかったです」
「うん。だから、私は紅葉にも幸せになってほしいんだ」
それはどういう意味? 私は目をパチパチとさせていると、鈴鹿は申し訳なさそうに目尻を下げた。
「だって、紅葉は維茂が守護者に選ばれるだろうってことで、追いかけるために必死で星詠みの修行をしてここまで来たのに……紅葉は私のお守りばっかりで、維茂となかなか情を育む暇がないと思っていたから……本当に、ごめん」
そう言われてしまい、私は鈴鹿を凝視してしまった。
いや、本当に全くもってその通りなんだけれど……まさか鈴鹿に全部見透かされているとは思ってもいなかった。
でも、私だって鈴鹿が田村丸と上手く行って欲しいんだ。
「あなたが悩む必要はございませんわ。私が維茂を好きなように、あなただって田村丸が大事じゃありませんか。全部終わったら、皆でゆっくりと花見をしましょう。全部終わった頃は、梅が見頃でしょうからね。鬼無里の梅を見に、皆で帰りましょう。まずは、生き残りましょうね」
「……うん、ありがとう紅葉」
私はとりあえず鈴鹿に頭を下げてから、外へと出て行った。
維茂とようやく話ができるけど……いったいなんだろう。正直、旅に出てからというもの、びっくりするくらいになにもなかった。
こっちだって恋愛イベント起こしたいよー、鈴鹿の恋愛イベントだって鑑賞したいよー、でも目の前のことでいっぱいいっぱいで、本当になにもできなかった。
だから維茂になにを言われるのか、全くもって予想ができないから、正直無茶苦茶怖いんだ。
「お待たせしました、紅葉様」
こっちがひとりでグルグル考えている間に、維茂が出てきた。私は彼に会釈をする。
「あのう、いったいどうしたんですか? 明日から南の封印に行く中」
「ええ……次の戦いで、四神契約の旅も終わります……そのあとに、すぐに悪路王との戦いが待っていますから」
「ええ……」
彼はすっと私と目を合わせた。
このところ、ずっと彼とまともにしゃべれなかったし、私はそのことに少しだけ胸が高鳴る。
維茂は口を開いた。
「……今の内に、鬼無里にお戻りください」
「……え?」
だからこそ、彼からこんな言葉、聞きたくはなかった。
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