34 / 69
第二章 四神契約の旅編
闇オチはファンの間で行うから面白いのであり、公式がそれに乗っかると萎えるんですよね
しおりを挟む
私たちが庄屋さんの屋敷に戻った途端に、ザシュン……と太刀がなにかを切り裂いた音が響いた。
「……庄屋がいるところで、戦闘が行われているのか!?」
「おやおや、穏やかではないね。紅葉、背後にどうぞ」
「いえ、私は大丈夫なんですけど……いったいなにが?」
おい……おい。
サブシナリオで庄屋さんの屋敷の戦闘が起こったことなんて、一度もないぞ。
いったいクソプロデューサーは、どんなシナリオ改変を行ったっていうんだよ。維茂が「紅葉様は俺の後ろから出ないでください」と言われ、私の背後を頼光が挟む形で、慎重に庄屋屋敷を進んでいく。
でも。そこで視界がやけに曇ることに気付いた。私は懐から塩を取りだし、それを振りかけてみると、ぱっと視界がクリアになる。
おい……なんで屋敷内に黒いもやがあるの。こんなもんを大量に吸ったら、ここで働いている人たちが……!
「屋敷内に、瘴気? こんなもの放っておいたら、魑魅魍魎が!」
「すみません。こちら頑張って祓いますから! おふたりは先に保昌の元に!」
「いやねえ、これはいくらなんでも紅葉を置いていったらまずいだろうね。君が襲われたら、この屋敷でもう魑魅魍魎を祓える者はいなくなる。鈴鹿はまだ、瘴気を斬るだけの力は手に入れていないんだから」
そうでした。そうでした。
本来、巫女である鈴鹿は、レベルアップを続けたら星詠みの力抜きで瘴気を祓えるようになるんだけど……彼女の鬼殺しの太刀が解放されたらそうなるんだ……まだ四神と一柱しか契約していない彼女だったら、無理なんだよ。
保昌がまだ回復してないとなったら、私が全部祓うしかないんだけど……これ、屋敷内全部祓って大丈夫なんでしょうね!?
そう思っていたところで「失礼します」と維茂が私を俵抱きした。それに私は「きゃっ」と「ギャッ」の間の声を出す。
「な、なんですか!?」
「屋敷内を一周します。それで清め終え次第、戦闘に合流しましょう。鈴鹿や田村丸、利仁がいるんでしたら、こちらがいなくとも問題ないとは思いますが」
「うんうん。もし使用人がいたら、保護もできるだろうしね」
「私……保昌のように結界を張ることなんてできませんけど……」
保昌が全快してたら、結界を張ってその中に使用人さんたちを避難させられただろうけれど、そんなことできないだろうしなあ。
頼光はおっとりと笑いながら、扇子を取り出す……さすがに屋敷内で弓矢なんてつがえない以上、得物はこれという訳か。
維茂はそのまま私を担いで走りはじめ、私は塩を撒いて回る。途中で蔵を見つけ、お清めを済ませてから使用人さんたちに避難してもらった。
途中でおろおろした庄屋さんを発見し、頼光が声をかける。
「いったいなにがあったんだい? 屋敷内にこんなに瘴気が湧くなんてただ事ではないと思うのだけど」
「あ、ああ……守護者様たち……ただいま、巫女様と守護者様たちで、交戦がはじまって」
「誰と?」
「それが……うちの使用人のひとりが、鬼だったのです」
「鬼?」
維茂と頼光は顔を見合わせる。
おい、おい……。私は頭を抱える。
まさかまさかとは思っていたけれど、やっぱり和泉の設定にメスが入った挙げ句に、勝手に改悪されていたのか。
闇オチとかは、後出しじゃんけんでするもんじゃないんだよ。リメイク版だからって、鈴鹿の恋愛ムーブにてこ入れするからって、他の女子キャラを改悪させる必要がどこにあるっていうんだよ。
そもそも『黄昏の刻』の下敷きにしている鬼狩り伝説を勝手に無茶苦茶にするんじゃない。クソプロデューサーをクビにして、本家本元のシナリオライターさんを呼び戻すことはできんかったんかい!?
私が勝手に頭を抱えている中、維茂はいつもの調子で話を聞く。
「使用人とは?」
「はい……星詠みの守護者様の世話を仰せつかっていた和泉が……」
「ふむ。それで、和泉が世話をしていた保昌……守護者は無事か?」
「今、巫女様たちとの交戦に加勢しております」
だから! クソプロデューサーをクビにしろ!
どうしてこのふたりが殺し合わないといけないんだよ!? 私はだんだんと泣きそうになってきた。
よかれと思って、ふたりで話をさせようと思っていたのに。どうしてこんなサブシナリオ改悪を掘り当ててしまったんだろう。このままふたりの会話を抜きにして、さっさと北の封印を目指せばよかったのかな。
私が、ふたりを……。
だんだん目尻から涙が溢れそうになった中、ふいに私を抱えていた維茂の腕の力が強くなった。
「……維茂?」
「町を見回ろうとおっしゃった紅葉様の提案に、なにも間違いはございませんでした。鬼がこちらの使用人と偽装していたことに気付かなかった、我々全員の過ちです。幸い、この場にいる庄屋も使用人たちも全員、魑魅魍魎と化したものはいらっしゃいません」
私は不安げに周りを見回す。
……たしかに私たちを歓迎してくれた人たちが全員、蔵で不安げに顔を見合わせているものの、誰も欠けてはいない……和泉以外は。
頼光は緩やかに言う。
「おそらくは紅葉と同じく、巫女も落ち込んでいるだろうさ。巫女の元へと急ごうか。全てが終わったら慰めさせておくれ」
あからさまに維茂がいやそーうな態度を取ったものの、私は「……わかりました」と
声を絞り出した。
鈴鹿だって、私と同じだ。きっと鬼を見逃したことを後悔している。
全部終わったら反省会だ。
私は維茂に背負われ、頼光はその後ろをついて、走りはじめた。
目指すは戦場だ。
****
鬼は神通力という力を使う。
前にやり合った鬼たちもまた、同じような力を使っていたと思う。
和泉もまた、神通力で私たちの体力をガリガリと削っていっていた。和泉のもつ神通力は……瘴気の発生。本来、保昌が全快だったらすぐに祓った挙げ句に結界を張って無効化できるものだけれど、今の保昌にはそんな体力はない。
そして私たちもまた、瘴気を祓えない。
……こんなとき、紅葉がいてくれたら。
友達に頼りっきりなところが、我ながら情けない。私が選ばれた巫女のはずなのに。
私たちは瘴気を避けながら、どうにかして和泉とやり合っているものの、剣を振ろうとすれば瘴気を出される、弓矢をつがおうとすれば瘴気を出されるで、戦いたくっても戦えず、防戦一方になってしまっている。
田村丸は唸り声を上げる。
「どうする? いっそこの屋敷を更地にでもして、屋敷ごと屠るか?」
「やめてよ! 庄屋さんの屋敷がなくなったら、庄屋さんもここで働いている人たちも困るでしょう!?」
たしかに田村丸の怪力だったら、屋敷ごと彼女を倒すことはできるだろうけど、皿科の安寧のために旅しているのに、ここを危険地帯にしてどうするの。
一方、防戦に徹している中でも利仁は相変わらず冷静だ。
「鈴鹿。そちは青龍と契約したのではなかったのかえ?」
「したけれど……でも青龍の力で瘴気を祓うなんてことは」
「あれの使うのは神通力であろう。瘴気を撒き散らすばかりで鬱陶しいことこの上ないが、戦えなければ同じことよ」
「本当にまどろっこしい言い方しかしないな、あんたは」
田村丸の呆れ返った声にも、利仁が臆することがない。
でも……そっか、神通力が使えなくなったら、これ以上は瘴気が出ない。瘴気は紅葉が来てくれたら祓ってもらうとしても、戦う手段がないのだとしたら。
「やってみる」
私は太刀を力を込めて握ると、和泉は怪訝な顔をしてみせた。
「いったいなにを? なにをやっても無駄で」
「それを決めるのは、あなたではないよね?」
私たちが四神契約の旅に出たのだって、四神の力を借りるためなのだから。その借りた力を使えばいいだけの話だ。
「……庄屋がいるところで、戦闘が行われているのか!?」
「おやおや、穏やかではないね。紅葉、背後にどうぞ」
「いえ、私は大丈夫なんですけど……いったいなにが?」
おい……おい。
サブシナリオで庄屋さんの屋敷の戦闘が起こったことなんて、一度もないぞ。
いったいクソプロデューサーは、どんなシナリオ改変を行ったっていうんだよ。維茂が「紅葉様は俺の後ろから出ないでください」と言われ、私の背後を頼光が挟む形で、慎重に庄屋屋敷を進んでいく。
でも。そこで視界がやけに曇ることに気付いた。私は懐から塩を取りだし、それを振りかけてみると、ぱっと視界がクリアになる。
おい……なんで屋敷内に黒いもやがあるの。こんなもんを大量に吸ったら、ここで働いている人たちが……!
「屋敷内に、瘴気? こんなもの放っておいたら、魑魅魍魎が!」
「すみません。こちら頑張って祓いますから! おふたりは先に保昌の元に!」
「いやねえ、これはいくらなんでも紅葉を置いていったらまずいだろうね。君が襲われたら、この屋敷でもう魑魅魍魎を祓える者はいなくなる。鈴鹿はまだ、瘴気を斬るだけの力は手に入れていないんだから」
そうでした。そうでした。
本来、巫女である鈴鹿は、レベルアップを続けたら星詠みの力抜きで瘴気を祓えるようになるんだけど……彼女の鬼殺しの太刀が解放されたらそうなるんだ……まだ四神と一柱しか契約していない彼女だったら、無理なんだよ。
保昌がまだ回復してないとなったら、私が全部祓うしかないんだけど……これ、屋敷内全部祓って大丈夫なんでしょうね!?
そう思っていたところで「失礼します」と維茂が私を俵抱きした。それに私は「きゃっ」と「ギャッ」の間の声を出す。
「な、なんですか!?」
「屋敷内を一周します。それで清め終え次第、戦闘に合流しましょう。鈴鹿や田村丸、利仁がいるんでしたら、こちらがいなくとも問題ないとは思いますが」
「うんうん。もし使用人がいたら、保護もできるだろうしね」
「私……保昌のように結界を張ることなんてできませんけど……」
保昌が全快してたら、結界を張ってその中に使用人さんたちを避難させられただろうけれど、そんなことできないだろうしなあ。
頼光はおっとりと笑いながら、扇子を取り出す……さすがに屋敷内で弓矢なんてつがえない以上、得物はこれという訳か。
維茂はそのまま私を担いで走りはじめ、私は塩を撒いて回る。途中で蔵を見つけ、お清めを済ませてから使用人さんたちに避難してもらった。
途中でおろおろした庄屋さんを発見し、頼光が声をかける。
「いったいなにがあったんだい? 屋敷内にこんなに瘴気が湧くなんてただ事ではないと思うのだけど」
「あ、ああ……守護者様たち……ただいま、巫女様と守護者様たちで、交戦がはじまって」
「誰と?」
「それが……うちの使用人のひとりが、鬼だったのです」
「鬼?」
維茂と頼光は顔を見合わせる。
おい、おい……。私は頭を抱える。
まさかまさかとは思っていたけれど、やっぱり和泉の設定にメスが入った挙げ句に、勝手に改悪されていたのか。
闇オチとかは、後出しじゃんけんでするもんじゃないんだよ。リメイク版だからって、鈴鹿の恋愛ムーブにてこ入れするからって、他の女子キャラを改悪させる必要がどこにあるっていうんだよ。
そもそも『黄昏の刻』の下敷きにしている鬼狩り伝説を勝手に無茶苦茶にするんじゃない。クソプロデューサーをクビにして、本家本元のシナリオライターさんを呼び戻すことはできんかったんかい!?
私が勝手に頭を抱えている中、維茂はいつもの調子で話を聞く。
「使用人とは?」
「はい……星詠みの守護者様の世話を仰せつかっていた和泉が……」
「ふむ。それで、和泉が世話をしていた保昌……守護者は無事か?」
「今、巫女様たちとの交戦に加勢しております」
だから! クソプロデューサーをクビにしろ!
どうしてこのふたりが殺し合わないといけないんだよ!? 私はだんだんと泣きそうになってきた。
よかれと思って、ふたりで話をさせようと思っていたのに。どうしてこんなサブシナリオ改悪を掘り当ててしまったんだろう。このままふたりの会話を抜きにして、さっさと北の封印を目指せばよかったのかな。
私が、ふたりを……。
だんだん目尻から涙が溢れそうになった中、ふいに私を抱えていた維茂の腕の力が強くなった。
「……維茂?」
「町を見回ろうとおっしゃった紅葉様の提案に、なにも間違いはございませんでした。鬼がこちらの使用人と偽装していたことに気付かなかった、我々全員の過ちです。幸い、この場にいる庄屋も使用人たちも全員、魑魅魍魎と化したものはいらっしゃいません」
私は不安げに周りを見回す。
……たしかに私たちを歓迎してくれた人たちが全員、蔵で不安げに顔を見合わせているものの、誰も欠けてはいない……和泉以外は。
頼光は緩やかに言う。
「おそらくは紅葉と同じく、巫女も落ち込んでいるだろうさ。巫女の元へと急ごうか。全てが終わったら慰めさせておくれ」
あからさまに維茂がいやそーうな態度を取ったものの、私は「……わかりました」と
声を絞り出した。
鈴鹿だって、私と同じだ。きっと鬼を見逃したことを後悔している。
全部終わったら反省会だ。
私は維茂に背負われ、頼光はその後ろをついて、走りはじめた。
目指すは戦場だ。
****
鬼は神通力という力を使う。
前にやり合った鬼たちもまた、同じような力を使っていたと思う。
和泉もまた、神通力で私たちの体力をガリガリと削っていっていた。和泉のもつ神通力は……瘴気の発生。本来、保昌が全快だったらすぐに祓った挙げ句に結界を張って無効化できるものだけれど、今の保昌にはそんな体力はない。
そして私たちもまた、瘴気を祓えない。
……こんなとき、紅葉がいてくれたら。
友達に頼りっきりなところが、我ながら情けない。私が選ばれた巫女のはずなのに。
私たちは瘴気を避けながら、どうにかして和泉とやり合っているものの、剣を振ろうとすれば瘴気を出される、弓矢をつがおうとすれば瘴気を出されるで、戦いたくっても戦えず、防戦一方になってしまっている。
田村丸は唸り声を上げる。
「どうする? いっそこの屋敷を更地にでもして、屋敷ごと屠るか?」
「やめてよ! 庄屋さんの屋敷がなくなったら、庄屋さんもここで働いている人たちも困るでしょう!?」
たしかに田村丸の怪力だったら、屋敷ごと彼女を倒すことはできるだろうけど、皿科の安寧のために旅しているのに、ここを危険地帯にしてどうするの。
一方、防戦に徹している中でも利仁は相変わらず冷静だ。
「鈴鹿。そちは青龍と契約したのではなかったのかえ?」
「したけれど……でも青龍の力で瘴気を祓うなんてことは」
「あれの使うのは神通力であろう。瘴気を撒き散らすばかりで鬱陶しいことこの上ないが、戦えなければ同じことよ」
「本当にまどろっこしい言い方しかしないな、あんたは」
田村丸の呆れ返った声にも、利仁が臆することがない。
でも……そっか、神通力が使えなくなったら、これ以上は瘴気が出ない。瘴気は紅葉が来てくれたら祓ってもらうとしても、戦う手段がないのだとしたら。
「やってみる」
私は太刀を力を込めて握ると、和泉は怪訝な顔をしてみせた。
「いったいなにを? なにをやっても無駄で」
「それを決めるのは、あなたではないよね?」
私たちが四神契約の旅に出たのだって、四神の力を借りるためなのだから。その借りた力を使えばいいだけの話だ。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
私の婚約者は6人目の攻略対象者でした
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
王立学園の入学式。主人公のクラウディアは婚約者と共に講堂に向かっていた。
すると「きゃあ!」と、私達の行く手を阻むように、髪色がピンクの女生徒が転けた。『バターン』って効果音が聞こえてきそうな見事な転け方で。
そういえば前世、異世界を舞台にした物語のヒロインはピンク色が定番だった。
確か…入学式の日に学園で迷って攻略対象者に助けられたり、攻略対象者とぶつかって転けてしまったところを手を貸してもらったり…っていうのが定番の出会いイベントよね。
って……えっ!? ここってもしかして乙女ゲームの世界なの!?
ヒロイン登場に驚きつつも、婚約者と共に無意識に攻略対象者のフラグを折っていたクラウディア。
そんなクラウディアが幸せになる話。
※本編完結済※番外編更新中
(完結)親友の未亡人がそれほど大事ですか?
青空一夏
恋愛
「お願いだよ。リーズ。わたしはあなただけを愛すると誓う。これほど君を愛しているのはわたしだけだ」
婚約者がいる私に何度も言い寄ってきたジャンはルース伯爵家の4男だ。
私には家族ぐるみでお付き合いしている婚約者エルガー・バロワ様がいる。彼はバロワ侯爵家の三男だ。私の両親はエルガー様をとても気に入っていた。優秀で冷静沈着、理想的なお婿さんになってくれるはずだった。
けれどエルガー様が女性と抱き合っているところを目撃して以来、私はジャンと仲良くなっていき婚約解消を両親にお願いしたのだった。その後、ジャンと結婚したが彼は・・・・・・
※この世界では女性は爵位が継げない。跡継ぎ娘と結婚しても婿となっただけでは当主にはなれない。婿養子になって始めて当主の立場と爵位継承権や財産相続権が与えられる。西洋の史実には全く基づいておりません。独自の異世界のお話しです。
※現代的言葉遣いあり。現代的機器や商品など出てくる可能性あり。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる