2 / 69
第一章 鬼無里編
リメイク版は本家本元からシステム周りまで変更してきて困ります
しおりを挟む
一応本家本元の『黄昏の刻』のあらすじはこうだった。
辺境の里、鬼無里《きなさ》は巫女を携え、侍たちが日々修行に明け暮れ、世界の危機になったら巫女と彼女の護衛の守護者たちが里を出て、皿科《さらしな》を守る四神と契約するために各地を旅する、という内容だ。
オーソドックスな和風ファンタジーなんだよね。RPGで言うところの、剣士、神官、魔法使いの代わりに、侍、巫女、星詠みが据えられているところがオリジナリティーなんだと思う。
でも私が死ぬ前に読んだクソプロデューサーの記事によると、巫女に選ばれた鈴鹿周りの恋愛パートを大幅に改修したみたいだから、この辺りのRPGパートもそのまんまでいいのかがわからない。
そもそも本来だったら、鈴鹿の親友ポジションの紅葉は、巫女と守護者の旅のサポートとして、旅で立ち寄る先々に物資を送って援助し、道中快適に旅ができるようにしているはずなんだけれど。その途中途中で紅葉と維茂が婚約者同士として、文通しているっていうのが本家だったのが、この辺りどうなってしまっているんだろう。
あのクソプロデューサーがなに考えているのかさっぱりわからない。だってプレイする前に死んじゃったんだもの。
私はしばらく考えてから、帳《とばり》越しに維茂に声をかけてみた。
「ねえ、先程の子たちに私は大丈夫と挨拶に行きたいのだけれど、外に出てよろしい?」
そもそも、現状の攻略対象たちの様子も見てみたいし、肝心の主役の鈴鹿が今どうなっているのか見てみたい。
……正直、鈴鹿が維茂のことを好きなら諦めが付くものの、本家だったら彼女には明らかに本命攻略対象がいたはずだから、どうにか維茂との関係に食い込めないかなあと思うんだけれど。
なによりも私の記憶とリメイク版とどれだけ差異があるのか、自分で見てみないことにはどうにもならないんだもの。
私の言葉に、維茂は少しだけ声を強ばらせた。
「お止めください。頭領の娘がすぐに脱走して……先程小童たちから石をぶつけられたのをもうお忘れですか?」
「だから大丈夫ですってば。そこまで心配ならば、あなたもいらっしゃいな」
そうからかい混じりに言ってみると、押し黙られる。
あれ、私早速変なことを言ったか。焦って帳越しに維茂の様子を見てみる。彼の生真面目そうな顔が思案中という装いのあと、やがて溜息をついた。
「……わかりました。お供しましょう」
「ありがとうございます」
私は頷いて、早速外へと出ることになった。
しかし、まあ。和風ファンタジーではあったけれど、外を見てみたら本当に本でしか見たことないような光景が広がっていて、本当に懐かしいような珍しいような不思議な雰囲気だ。
段々畑が広がっていて、そこをせっせと畑仕事をしている。
ときどき牛が「モー」と鳴きながら車を引いているのが目に見え、ゲームではわからなかった部分はこうなっていたんだなあと感心していたら、着物を着た子供たちがこちらに走ってきた。
「もみじさま! ごめんなさい!」
「こら小童共! 紅葉様は病み上がりだ、そんな大声で……」
「維茂止めてください。もう大丈夫ですから、心配かけて申し訳ありません」
「はあい」
子供たちは気を遣ってこちらを伺ってきたけれど、維茂がしっしと追い払ってしまった。
維茂、子供は壊れ物だと思っている節があるから、侍以外の子供は自分から遠ざけてしまうんだけれど、その言動が誤解を招きやすいんだよね……。
私は思わず呆れたように苦言を呈す。
「言い方というものがあるでしょう? 子供たちを怖がらせて」
「……申し訳ありません。ただ、私も頭に血が昇っておりましたから」
「あら、珍しいんですね。あなたがそんなに怒るなんて」
「……当たり前でしょう、紅葉様に石をぶつけられて倒れられた身にもなってください」
ああー、護衛なのに護衛失格だから、余計に語気が荒くなっていたという訳かあ。
この人本当に不器用だなあ。どうしても生前の推しの言動を贔屓目に見てしまうなあと反省しつつ、そういえばと思う。
巫女の鈴鹿がいるのは神社のはずだけれど、神社はどこなんだろう。
「鈴鹿に会いに行こうと思うんですけれど、よろしいでしょうか?」
「巫女にですか? 巫女はおそらくは修行中だとは思いますが、どうして?」
「あら、お友達に会いに行くのに、理由なんてありますの?」
そう聞いて小首を傾げてみた。維茂はそれ以上追求することもなく「こちらへ」と言って案内してくれているところからして、リメイク版でも親友同士なのは変わらないんだろう。
しかし、困ったなあ。私は維茂に案内されながら考え込む。
元々紅葉は鬼無里から一歩も出ずに、鈴鹿や守護者たちの旅路の無事を祈る後方支援担当なんだけれど。フィクションならいざ知らず、現実では遠距離恋愛ってほぼ破局する。この世界にスマホもアプリもないし、鳥による文通しかないんだから、より致命的なんだよな。
そして近距離にいたら、たとえ特に興味のない相手でも、なんらかの情が沸く。鈴鹿が誰を選ぶのかはこの時点ではなんにもわからないけれど、維茂が鈴鹿を好きになる可能性っていうのは、全く捨て切れないんだよな……クソプロデューサーのせいで、紅葉と維茂の距離感が遠ざかっているから、余計に危惧している。
なんとか一緒に旅に着いていく方法ってないのかな。でもゲーム内では、紅葉がそもそも戦えるのか知らないんだよな。
……そもそも、都からの使いが来ることによって、鈴鹿と守護者は旅に出るはずなんだけれど、星詠みの預言でどこまでわかるんだろうな。
そう考え込んでいたところで、だんだんと木目色の鳥居が見えてきた。
階段を昇り、境内を覗くと、白衣に緋袴で、刀を振るっている女の子の姿が見えた。ゲームではドットでしか見られなかった場面だ。彼女が刀を一閃させれば、それはまるで演舞のように煌びやかで、花弁が舞っているようにも見える。
鈴鹿。『黄昏の刻』の主人公にして、皿科が滅亡の危機に瀕したときに、四神と契約の旅に出ないといけない巫女だ。
彼女はこちらに気付くこともなく、真剣に刀を振るっていたら。
パチパチパチと乾いた音が響き、私と維茂は音のほうに振り返った。
大柄で長い髪をひとつにまとめ、狩衣の胸元を着崩している。そして背中には長刀を佩いている。
田村丸《たむらまる》。メイン攻略対象のひとりで、私や維茂、鈴鹿の幼馴染の侍だ。維茂は基本的に鬼無里の当主の侍なのに対して、田村丸は孤児で、神社の宮司さんに育ててもらって以来、同じく孤児で巫女として育てられた鈴鹿と一緒に育った。
「観客がたくさんいる中、見事なものじゃないか。なあ?」
そう言って私たちに話を振ってきた。
私たちはびっくりしつつも、思わず頷いた。
「ええ、剣舞。素晴らしいものでしたわ」
「相変わらずだな、鈴鹿」
途端に、ようやく刀を降ろした鈴鹿は、驚いて境内を見回し、私たちを見つけると赤面した。
切り揃えられた御髪が揺れる。彼女は本当に戦うときは凜々しいけれど、普段は素朴な女の子なんだ。
……おのれ、クソプロデューサー。そんな彼女をわざわざ恋愛脳にする必要がどこにあるというのか。忖度か。維茂と鈴鹿のカプが好きな人が大金支払って維茂と紅葉の婚約者設定消すよう迫ったのか。
また沸々と怒りが湧き出そうになったところで、鈴鹿ははにかんで笑った。
「もうすぐ預言が出ると聞いたから、いよいよわたしもお役目を果たさないといけないのかもしれないと思ったら、いてもたってもいられなくって」
ふむ。と私は考え込んだ。
都からの使いが来る前にこの台詞が来るんだから、もしかしてもうすぐ……。
辺境の里、鬼無里《きなさ》は巫女を携え、侍たちが日々修行に明け暮れ、世界の危機になったら巫女と彼女の護衛の守護者たちが里を出て、皿科《さらしな》を守る四神と契約するために各地を旅する、という内容だ。
オーソドックスな和風ファンタジーなんだよね。RPGで言うところの、剣士、神官、魔法使いの代わりに、侍、巫女、星詠みが据えられているところがオリジナリティーなんだと思う。
でも私が死ぬ前に読んだクソプロデューサーの記事によると、巫女に選ばれた鈴鹿周りの恋愛パートを大幅に改修したみたいだから、この辺りのRPGパートもそのまんまでいいのかがわからない。
そもそも本来だったら、鈴鹿の親友ポジションの紅葉は、巫女と守護者の旅のサポートとして、旅で立ち寄る先々に物資を送って援助し、道中快適に旅ができるようにしているはずなんだけれど。その途中途中で紅葉と維茂が婚約者同士として、文通しているっていうのが本家だったのが、この辺りどうなってしまっているんだろう。
あのクソプロデューサーがなに考えているのかさっぱりわからない。だってプレイする前に死んじゃったんだもの。
私はしばらく考えてから、帳《とばり》越しに維茂に声をかけてみた。
「ねえ、先程の子たちに私は大丈夫と挨拶に行きたいのだけれど、外に出てよろしい?」
そもそも、現状の攻略対象たちの様子も見てみたいし、肝心の主役の鈴鹿が今どうなっているのか見てみたい。
……正直、鈴鹿が維茂のことを好きなら諦めが付くものの、本家だったら彼女には明らかに本命攻略対象がいたはずだから、どうにか維茂との関係に食い込めないかなあと思うんだけれど。
なによりも私の記憶とリメイク版とどれだけ差異があるのか、自分で見てみないことにはどうにもならないんだもの。
私の言葉に、維茂は少しだけ声を強ばらせた。
「お止めください。頭領の娘がすぐに脱走して……先程小童たちから石をぶつけられたのをもうお忘れですか?」
「だから大丈夫ですってば。そこまで心配ならば、あなたもいらっしゃいな」
そうからかい混じりに言ってみると、押し黙られる。
あれ、私早速変なことを言ったか。焦って帳越しに維茂の様子を見てみる。彼の生真面目そうな顔が思案中という装いのあと、やがて溜息をついた。
「……わかりました。お供しましょう」
「ありがとうございます」
私は頷いて、早速外へと出ることになった。
しかし、まあ。和風ファンタジーではあったけれど、外を見てみたら本当に本でしか見たことないような光景が広がっていて、本当に懐かしいような珍しいような不思議な雰囲気だ。
段々畑が広がっていて、そこをせっせと畑仕事をしている。
ときどき牛が「モー」と鳴きながら車を引いているのが目に見え、ゲームではわからなかった部分はこうなっていたんだなあと感心していたら、着物を着た子供たちがこちらに走ってきた。
「もみじさま! ごめんなさい!」
「こら小童共! 紅葉様は病み上がりだ、そんな大声で……」
「維茂止めてください。もう大丈夫ですから、心配かけて申し訳ありません」
「はあい」
子供たちは気を遣ってこちらを伺ってきたけれど、維茂がしっしと追い払ってしまった。
維茂、子供は壊れ物だと思っている節があるから、侍以外の子供は自分から遠ざけてしまうんだけれど、その言動が誤解を招きやすいんだよね……。
私は思わず呆れたように苦言を呈す。
「言い方というものがあるでしょう? 子供たちを怖がらせて」
「……申し訳ありません。ただ、私も頭に血が昇っておりましたから」
「あら、珍しいんですね。あなたがそんなに怒るなんて」
「……当たり前でしょう、紅葉様に石をぶつけられて倒れられた身にもなってください」
ああー、護衛なのに護衛失格だから、余計に語気が荒くなっていたという訳かあ。
この人本当に不器用だなあ。どうしても生前の推しの言動を贔屓目に見てしまうなあと反省しつつ、そういえばと思う。
巫女の鈴鹿がいるのは神社のはずだけれど、神社はどこなんだろう。
「鈴鹿に会いに行こうと思うんですけれど、よろしいでしょうか?」
「巫女にですか? 巫女はおそらくは修行中だとは思いますが、どうして?」
「あら、お友達に会いに行くのに、理由なんてありますの?」
そう聞いて小首を傾げてみた。維茂はそれ以上追求することもなく「こちらへ」と言って案内してくれているところからして、リメイク版でも親友同士なのは変わらないんだろう。
しかし、困ったなあ。私は維茂に案内されながら考え込む。
元々紅葉は鬼無里から一歩も出ずに、鈴鹿や守護者たちの旅路の無事を祈る後方支援担当なんだけれど。フィクションならいざ知らず、現実では遠距離恋愛ってほぼ破局する。この世界にスマホもアプリもないし、鳥による文通しかないんだから、より致命的なんだよな。
そして近距離にいたら、たとえ特に興味のない相手でも、なんらかの情が沸く。鈴鹿が誰を選ぶのかはこの時点ではなんにもわからないけれど、維茂が鈴鹿を好きになる可能性っていうのは、全く捨て切れないんだよな……クソプロデューサーのせいで、紅葉と維茂の距離感が遠ざかっているから、余計に危惧している。
なんとか一緒に旅に着いていく方法ってないのかな。でもゲーム内では、紅葉がそもそも戦えるのか知らないんだよな。
……そもそも、都からの使いが来ることによって、鈴鹿と守護者は旅に出るはずなんだけれど、星詠みの預言でどこまでわかるんだろうな。
そう考え込んでいたところで、だんだんと木目色の鳥居が見えてきた。
階段を昇り、境内を覗くと、白衣に緋袴で、刀を振るっている女の子の姿が見えた。ゲームではドットでしか見られなかった場面だ。彼女が刀を一閃させれば、それはまるで演舞のように煌びやかで、花弁が舞っているようにも見える。
鈴鹿。『黄昏の刻』の主人公にして、皿科が滅亡の危機に瀕したときに、四神と契約の旅に出ないといけない巫女だ。
彼女はこちらに気付くこともなく、真剣に刀を振るっていたら。
パチパチパチと乾いた音が響き、私と維茂は音のほうに振り返った。
大柄で長い髪をひとつにまとめ、狩衣の胸元を着崩している。そして背中には長刀を佩いている。
田村丸《たむらまる》。メイン攻略対象のひとりで、私や維茂、鈴鹿の幼馴染の侍だ。維茂は基本的に鬼無里の当主の侍なのに対して、田村丸は孤児で、神社の宮司さんに育ててもらって以来、同じく孤児で巫女として育てられた鈴鹿と一緒に育った。
「観客がたくさんいる中、見事なものじゃないか。なあ?」
そう言って私たちに話を振ってきた。
私たちはびっくりしつつも、思わず頷いた。
「ええ、剣舞。素晴らしいものでしたわ」
「相変わらずだな、鈴鹿」
途端に、ようやく刀を降ろした鈴鹿は、驚いて境内を見回し、私たちを見つけると赤面した。
切り揃えられた御髪が揺れる。彼女は本当に戦うときは凜々しいけれど、普段は素朴な女の子なんだ。
……おのれ、クソプロデューサー。そんな彼女をわざわざ恋愛脳にする必要がどこにあるというのか。忖度か。維茂と鈴鹿のカプが好きな人が大金支払って維茂と紅葉の婚約者設定消すよう迫ったのか。
また沸々と怒りが湧き出そうになったところで、鈴鹿ははにかんで笑った。
「もうすぐ預言が出ると聞いたから、いよいよわたしもお役目を果たさないといけないのかもしれないと思ったら、いてもたってもいられなくって」
ふむ。と私は考え込んだ。
都からの使いが来る前にこの台詞が来るんだから、もしかしてもうすぐ……。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
悪役令嬢が死んだ後
ぐう
恋愛
王立学園で殺人事件が起きた。
被害者は公爵令嬢 加害者は男爵令嬢
男爵令嬢は王立学園で多くの高位貴族令息を侍らせていたと言う。
公爵令嬢は婚約者の第二王子に常に邪険にされていた。
殺害理由はなんなのか?
視察に訪れていた第一王子の目の前で事件は起きた。第一王子が事件を調査する目的は?
*一話に流血・残虐な表現が有ります。話はわかる様になっていますのでお嫌いな方は二話からお読み下さい。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
私の婚約者は6人目の攻略対象者でした
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
王立学園の入学式。主人公のクラウディアは婚約者と共に講堂に向かっていた。
すると「きゃあ!」と、私達の行く手を阻むように、髪色がピンクの女生徒が転けた。『バターン』って効果音が聞こえてきそうな見事な転け方で。
そういえば前世、異世界を舞台にした物語のヒロインはピンク色が定番だった。
確か…入学式の日に学園で迷って攻略対象者に助けられたり、攻略対象者とぶつかって転けてしまったところを手を貸してもらったり…っていうのが定番の出会いイベントよね。
って……えっ!? ここってもしかして乙女ゲームの世界なの!?
ヒロイン登場に驚きつつも、婚約者と共に無意識に攻略対象者のフラグを折っていたクラウディア。
そんなクラウディアが幸せになる話。
※本編完結済※番外編更新中
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる