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第二章 ノアは絶対死なせない!

第四十六話

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 2人は側に来て跪き、優しい表情で労ってくれる。お互いの手を払い除けたり、口喧嘩したりして少々‥‥‥ではあるが、お水を持って来てくれたり、何かすることはないかと側で待機してくれている姿をみると、心が温かくなってくる。と同時に、それでなくても忙しい2人の時間を割いていることに申し訳なさがのし掛かってくる。

 「殿下、ありがとうございます。ノアもありがとう。私はもう大丈夫ですのでお戻り下さい。お忙しいのに申し訳ございません‥。」

 殿下は私の手を握り、

 「いいんだよ、マリアンヌ。」と優しく微笑む。

 そこへノアが分入り、

 「殿下、そろそろお戻り下さい。殿下がいると傘高い従者が3人もいて医務室が狭くなります。圧迫感がありますよ。」と殿下に笑いかける。

 「いやいや、マリアンヌを置いてなどいけないよ。しかも君のような危険人物を置いてなんて言語道断だ。」

 2人は見つめ合い笑い合っているが、

 ‥‥2人とも目が笑っていない。

 2人に挟まれていると、また目眩が生じて来た。下を向き、頭を両手で抑える。

 「「マリアンヌ!」」

 「お嬢様!!」

 そこでジェム先生が両手を叩き、「さあさあ、2人は戻りなさいっ!マリアンヌ様にはアリア様と私がついているから大丈夫ですよ!」と2人に帰るよう促した。

 2人は先生に睨まれ、いつでも迎えに来るからと何度も振り返りながら帰って行った。

 「‥‥何で私なんだろ‥‥?」

 誰もが羨む美少年二人の後ろ姿を見つめながらポツリと呟いた。

 痩せて、健康に気遣うようになってから、一般的な美少女の部類には入ったと思う。だけど、カーラー様やマクゴガナル様はクールビューティーで、セリア様は可愛らしい美少女風。他にも綺麗な令嬢は沢山いるのに、何で私に固執するんだろ‥‥?これじゃあ、魅了の魔術を噂されても仕方がないかも。でも先生の言う通り、味方になって下さる方もいるんだから大丈夫よね‥‥?

 それに、明日はいよいよ入学記念パーティー。ノアが毒殺されるかもしれないんだから、こんなことで悩んでる場合ではない!

 その後、夕方まで医務室で過ごし、アリアと共に寮まで帰った。寮の入り口にはノアからの手紙が挟まっており、明日迎えにいくから、今晩はゆっくり休んでと書いてあった。  

 明日はノアがエスコートしてくれるのよね。‥‥大丈夫かしら!?うまくいくかしら!?もう一回、復習しておこう!

 その夜遅くまで解毒魔法の書を読み、緊張した私はなかなか寝付けなかった。

 ‥‥そして、殆ど眠れないまま、当日を迎えたのだった‥‥。




 
 

 






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