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第二章 ノアは絶対死なせない!
第一話 12歳になりました
しおりを挟むあれから3年が経った。
私達は優しく大らかすぎる家族の元、規格外に強く、聡明に成長している…と思う。
ノアは13歳になり、高身長で金髪碧眼、容姿端麗、幼さも抜けて、噂の美男子となっている。学力もさらに上がり、悔しいが、私はもう引き離されてしまっている…。そして、前から私に優しかったのだが、それに拍車がかかり、監視されてる?と勘違いしてしまう程、過保護にされている気がする。
ルーカスは9歳となり、私と同じ位の身長となった。今まで見下ろして頭を撫でていたのに‥‥何だか寂しい。そして黒髪、黒瞳の神秘的な美男子へと成長しつつある。魔力は桁外れに強く、以前の家庭教師では対応しきれず、さらに強い魔導士様がお見えになっている。見目は大きくなったが、中身はまだまだ子供のようで、私によく甘えてくる。私に甘えてくると必ずノア(時々ショーン)が割り込み、ややこしくなるのだが…ルーカスの甘えようが異常に思えることもあり、少し助かっている…。それからルーカスは最近、お義姉ちゃんからマリアンヌと呼び名を変えたようだ。
ショーンは10歳となり、何とノアよりも高身長になってしまった。…どこまで伸びるの!?ツンデレ気質はそのままで、普段はそっけないが、いざという時に助けてくれたり、優しくしてくれる。何かと付き纏う2人より、1番心休まる存在かも…。そして、剣術や体術はさらに進化し、今では騎士団の訓練にも参加させてもらっている。
そして私は12歳となり、女性らしく程よく引き締まった魅惑的な見目となった‥‥と思う。艶やかなピンクブロンドを腰まで伸ばしており、周りからはよく美人だと言われ密かに喜んでいる。将来の夢は医者。今でも医学書をよく読んでいる。それからお祖母ちゃんとお菓子作りをしていたことで、お菓子作りも趣味になった。よく作っては3人に食べてもらっている。そのお祖母ちゃんは今も元気。時々一緒にお菓子を作っているし、寝る前の語らいも続けている。
――――――――――――――――
――――――――――――――
「今日は何を作るの?」
私がお菓子を作っていると、ルーカスが抱きついてきた。
3歳も年下の義弟だが、同じ身長になってしまうと……可愛いことは可愛いけど……何だか複雑だ。
「今日はシフォンケーキよ。最後に生クリームとフルーツも添えるの。」
「そう、美味しそうだね…。」
「きゃ!こそばいじゃないっ!」
ルーカスが耳元で囁くように言うので、驚いてしまった…。近過ぎて、私の耳に唇まで触れなかった?!
「こら!お前はまた!」
ノアが引き離しに来てくれた。
…良かった…。
「お菓子作りを見ていただけだよ。義兄さん。」
大きくなって、お義兄ちゃんから義兄さんに変化した。口喧嘩はよくするけど、お互いに得意な魔力や学問の面で教え合ったりして、基本的には仲良くしている。
「美味しそうな匂いがするね!」
ショーンもやって来た。まだ10歳なのに見上げる高身長。表情は幼さが残るけれど、ぱっと見は大人だ。
――――――――――――――――
――――――――――――――
私達は毎日、平穏に暮らしている。あの日、死んでしまっていたら味わえなかった幸せだ。
子供が四人、しかも優秀な子ばかりが一緒に生活しているので、自然と競うようになり、成長もしている。
そして、私達が同年代と比べてかなり規格外だったと嫌でも思い知らされるのは数年後、私達が学院に通うようになってからだ…。
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