王様のシロップ

はりもぐら

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王様のシロップ・1

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王様は大のシロップ好き。

コーヒーに入れたり、ソーダに入れて一日に何度もシロップを楽しみます。

その香りと甘さのとりこなのです。

お城のコック長であるピエールさんは毎日シロップを使ったメニューを作るのに大忙し。

だけど、王様はもっとおいしいレシピはないのかとワガママを言うのです。

そんな王様に応えようとピエールさんは今日も朝からレシピ作りに頭を悩ませています。

「朝のレシピは何だ?」

王様はワクワクして尋ねます。

「はい、キャラメルのシロップを使ったシナモンロールラテでございます」

ピエールさんは王様のテーブルにカップを置きました。

「スパイシーな香りのシナモンと、甘いキャラメルの相性は絶妙じゃのう」

王様はこのレシピが気に入ったようだ。

ピエールさんはホッと胸をなでおろした。

しかし、ゆっくりしてはいられない。

すぐに昼食後のシロップレシピを考えなければならないからだ。

「昼のレシピは何だ?」王様に尋ねられ、「レモネードソーダでございます」とピエールさんは答えた。

「おお、わしの好物じゃ」

王様は上機嫌でレモネードソーダを飲み干した。

「夜も楽しみにしておるぞ」王様に言われ、「ははっ」ピエールさんはうやうやしく答えた。

ピエールさんは少し休憩すると、夕食の準備と夜のシロップレシピに取り掛かるのだった。

「夜のレシピは何だ?」王様の質問に「ブラックチェリーモカでございます」とピエールさんは答えた。

「ほお、このレシピは初めてじゃな」王様は嬉しそうに言うと、カップに口をつけた。

「濃厚で芳醇な香りのブラックチェリーとモカのブレンドはくせになるのぉ」王様はこのレシピも気に入ったようだ。

「明日も頼むぞ」

「ははっ」

ピエールさんの忙しい一日はようやく終わりを迎えた。

ベッドに入る前、ピエールさんはノートにいくつかのレシピを書いた。

「明日の朝はどれにしようかな」

レシピを考えるのは大変だけど、王様が喜ぶ顔を見ると次のレシピを考える意欲が湧いてくるのだ。

「今朝はチョコバニラスチーマーです」

「ほう」

王様は今朝も上機嫌でシロップドリンクを召し上がった。

「ところで、明日の晩餐会だが、来賓にふるまうシロップの用意はできておるか?」

「はい、ぬかりなく」

ピエールさんは毎日のレシピとは別に、明日の晩餐会に向けての特別レシピもちゃんと考えていた。
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