55 / 64
第肆章 武器商人の都、京都炎上の章
第五十三節 戦争をする理由は、第一にお金
しおりを挟む
「織田信長が未曾有の大軍を率いて焼き討ちにするらしい」
この知らせに、京の都の人々は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けた。
過去の記憶が甦って来る。
2年前。
比叡山を焼き尽くす炎が、東の空を真っ赤に染めた日のことだ。
口々にこう言っていた。
「あの炎は……
延暦寺の方角では?」
「まさか!
高野山[現在の和歌山県高野町]と並ぶほどの聖地である比叡山を焼き討ちにしていると!?」
「織田信長め!
あの細川政元[数十年前に比叡山を焼き討ちにした武将のこと]に続き、まさに第六天魔王[仏教の敵のこと]の如き所業を!」
「細川政元?
この京の都の邸宅で行水[風呂のこと]の最中に『暗殺』された管領[将軍に続く幕府のナンバー2の要職]のことか?」
「暗殺ではない。
神仏が天罰を下したのじゃ。
いずれは、信長にも同じ天罰が下ることだろう」
それから2年が経ち……
あの日の光景が、今度は己の身に降り掛かろうとしている。
口々にこう言い始めた。
「比叡山では足りず、この京の都も灰にするつもりだと!?」
「何と!
信長は、この世に終末を齎すつもりなのか?」
こうして……
京の都の主だった人たちは京都所司代の屋敷へと大挙して押しかけたのである。
◇
京都所司代・村井貞勝。
何の富もない無名の家で生を受けた男でありながら……
優れた行政手腕を織田信長に見出されると瞬く間に出世し、京の都の治安維持を一手に担う要職に抜擢された人物だ。
「村井?
誰だそれは?
田舎大名の、そのまた家来のことなど知るわけがなかろう。
佐久間、林、柴田ならかろうじて聞いたことはあるが、村井なんて聞いたことすらないぞ?」
最初こそ京の都に住む人々から軽蔑の目で見られていたが……
治安維持に加えて朝廷、公家[貴族のこと]、寺社、商人との窓口も務め、それぞれで発生する様々な揉め事を一つ一つ解決させていく『手腕』には誰もが一目置かざるを得なくなっていく。
「信長の暴挙を止めるには、貞勝の力に頼るしかない」
人々からこう思われるほどに村井貞勝の名前は轟いていたのだ。
◇
「所司代様。
織田信長様が京の都に火を放つと聞きましたが……
真にございましょうか?」
慌てふためいている京の都の主だった人たちに比べ、貞勝は落ち着いて答える。
「おぬしたちは……
2年前の『警告』を忘れたわけではあるまい?」
「警告とは何のことです?」
「比叡山を焼き尽くす炎が、東の空を真っ赤に染めた日のことだ」
「……」
「信長様はすべてご存知であられた。
おぬしたち京の都の商人たちが、信長様の敵に兵糧や武器弾薬を流していたことをな」
「……」
「信長様は何度も仰せであったではないか。
『京の都に巣食う屑ども。
わしは……
京の都に、高利[高い利息のこと]で銭[お金]を貸す土倉[モノを担保としてお金を貸す業者のこと]を生業とする薄汚い集団が数百も存在していることを知っている。
随分と高い利息で民に銭[お金]を貸し、利息を払えなくなれば武装した者に踏み込ませて家の中の物をことごとく奪い、足りなければ家を取り上げ、妻や子供までも奪う暴挙に出ることも知っている。
そして。
うぬらが築いた土色の倉の中には莫大な兵糧や武器弾薬があり……
勝って欲しいと思う側に流して、さらなる荒稼ぎに励んでいることも知っている。
さらに。
儲けの一部を裏で幕府に収めていることもな』
と」
「……」
「それだけではないぞ。
信長様は、こうも仰せであった。
『京の都に巣食う屑ども。
わしの敵に兵糧や武器弾薬を流すことを直ちに止めよ。
うぬらは己の欲を満たすために争いの種を撒き散らし、天下静謐[現在の近畿地方の平和のこと]の邪魔をしている。
東の空を見よ。
比叡山を焼き尽くす炎を見よ!
次はうぬらの番だぞ!
わしは……
うぬらがどれだけ屑であるかも知っている。
己ばかりを安全な場所に置き、他人ばかりを危険な場所に置いて前代未聞の悪事を働かせたこともな。
これらは到底許されるものではない。
例え……
日ノ本の中心として、千年の長きに亘って繁栄を極めた京の都であろうとも絶対に容赦はせん。
全てを灰にしてみせよう』
とな」
「な、何と……」
「京の都の人々よ。
おぬしたちは2年もの間、信長様のこの警告を無視し続けていたのだ」
「……」
◇
一人の土倉を生業とする者が、こんな主張を始めた。
「所司代様。
京の都で土倉を生業とする集団が数百も存在していることは事実ですが……
信長様の仰せの通りに生業を止めたとして、その者たちは何を糧に生きていけば良いのでしょうか?」
「……」
「土倉を生業とする集団にも家族がおり、養っている者たちがいます。
全てを捨てて乞食になれと仰るので?」
「……」
「加えて。
信長様は、需要と供給の関係を無視されておいででは?」
「需要と供給の関係?」
「銭[お金]を借りたい『需要』があるからこそ、土倉を生業とする集団が栄えているのもまた事実です」
「……」
「高い利息によって苦しむ人々がいることも、事実ではありましょう。
だからと申して……
土倉を生業とする集団をすべて『悪』と見なすのもいかがなものかと存じます」
「……」
「止むを得ない事情もあるのでしょうが。
高い利息と知りながら銭[お金]を借りたわけですから、『自業自得』では?」
「……」
「それにも関わらず。
我ら土倉を生業とする集団だけを一方的に悪と見なし、全てを捨てて乞食になるか、それを怠ったから京の都を灰にすると仰せで?
この京の都には数多くの女子や子供もいるのですぞ?
あまりに乱暴では?」
さすがの貞勝も苛立ちを見せた。
「一つ、問いたい」
「何でございましょう?」
「高い利息によって苦しむ人々が『生ずる』であろうこと。
止むを得ない事情によって、高い利息と知りながら銭[お金]を借りる者が『生ずる』であろうこと。
土倉を生業とする集団は……
そういう不幸が生ずることを分かっていながら、人々に借金を勧めているのか?」
「そ、それは」
「人を『騙す』行為と何の違いがある?」
「お言葉を返すようではありますが。
我らは、人を騙す行為などしておりません」
「ほう。
なぜ?」
「人を騙す行為とは……
偽りを教え、伝えることではありませんか。
我らは隠れてこそこそと高い利息を掛けてなどいません。
『正直』に相手へ伝えた上で、銭[お金]を貸しているのです」
「ははは!
物は言いようだな。
まあ良い。
それよりも。
おぬしは、尤もらしい話にすり替えることで『論点』をずらそうと必死に足掻いているようだが」
「……」
「論点をずらすことで、おぬしが何を守りたいのかが明らかになっているぞ?」
「……」
一人の土倉を生業とする者は、沈黙してしまった。
◇
「もう一度、繰り返すが。
信長様が最も問題にされていたのは……
天下静謐[現在の近畿地方の平和のこと]の『邪魔』をするなということ」
「……」
「信長様は、京の都におわす帝[天皇のこと]より京の都とその周辺の静謐[平和のこと]を守るよう仰せ付けられていた。
それにも関わらず!
おぬしたちは、信長様の敵に兵糧や武器弾薬を流していた。
口先だけは従う素振りを見せながら……
隠れてこそこそとな。
わしは、その『理由』を分かっているぞ」
「……」
「これは、おぬしたち土倉を生業とする集団にとって死活問題となるからだ」
どういう意味なのだろうか?
◇
村井貞勝は的確に本質を突く。
「天下静謐が実現すれば、戦に必要な兵糧や武器弾薬の『価値』は下がってしまう。
これはつまり……
倉の中にある担保の価値まで下がってしまい、高い利息で銭[お金]を貸す生業そのものが崩壊しかねない。
加えて。
おぬしたちが倉を築くために投資した多額の銭[お金]は、『回収』不可能となってしまう」
「……」
「戦をする理由を聞くと……
皆、こう主張するらしい。
『領地が欲しいから。
復讐の連鎖だから』
などと。
だが、肝心なことを忘れていないか?
戦をするには莫大な銭[お金]が掛かるのだぞ?
こう考えないのが不思議でならん。
『戦をする人すべてが、よくもそんなに銭を持ってたものだな』
と」
「……」
「どう考えても楽な静謐[平和]を邪魔してまで、面倒で、危険な戦をする理由とは何か?
それは……
『第一』に銭[お金]が掛かっているからだ」
【次節予告 第五十四節 敵を一致団結させない謀略】
万見仙千代は、京の都の中で存在する『格差』に目を付けます。
お金持ちの上流階級の人々が住む上京と、そうでない人々が住む下京です。
上京の人々は常に下京の人々を見下して差別し、下京の人々は常に上京の人々への敵愾心を燃やしていました。
この知らせに、京の都の人々は天地がひっくり返るほどの衝撃を受けた。
過去の記憶が甦って来る。
2年前。
比叡山を焼き尽くす炎が、東の空を真っ赤に染めた日のことだ。
口々にこう言っていた。
「あの炎は……
延暦寺の方角では?」
「まさか!
高野山[現在の和歌山県高野町]と並ぶほどの聖地である比叡山を焼き討ちにしていると!?」
「織田信長め!
あの細川政元[数十年前に比叡山を焼き討ちにした武将のこと]に続き、まさに第六天魔王[仏教の敵のこと]の如き所業を!」
「細川政元?
この京の都の邸宅で行水[風呂のこと]の最中に『暗殺』された管領[将軍に続く幕府のナンバー2の要職]のことか?」
「暗殺ではない。
神仏が天罰を下したのじゃ。
いずれは、信長にも同じ天罰が下ることだろう」
それから2年が経ち……
あの日の光景が、今度は己の身に降り掛かろうとしている。
口々にこう言い始めた。
「比叡山では足りず、この京の都も灰にするつもりだと!?」
「何と!
信長は、この世に終末を齎すつもりなのか?」
こうして……
京の都の主だった人たちは京都所司代の屋敷へと大挙して押しかけたのである。
◇
京都所司代・村井貞勝。
何の富もない無名の家で生を受けた男でありながら……
優れた行政手腕を織田信長に見出されると瞬く間に出世し、京の都の治安維持を一手に担う要職に抜擢された人物だ。
「村井?
誰だそれは?
田舎大名の、そのまた家来のことなど知るわけがなかろう。
佐久間、林、柴田ならかろうじて聞いたことはあるが、村井なんて聞いたことすらないぞ?」
最初こそ京の都に住む人々から軽蔑の目で見られていたが……
治安維持に加えて朝廷、公家[貴族のこと]、寺社、商人との窓口も務め、それぞれで発生する様々な揉め事を一つ一つ解決させていく『手腕』には誰もが一目置かざるを得なくなっていく。
「信長の暴挙を止めるには、貞勝の力に頼るしかない」
人々からこう思われるほどに村井貞勝の名前は轟いていたのだ。
◇
「所司代様。
織田信長様が京の都に火を放つと聞きましたが……
真にございましょうか?」
慌てふためいている京の都の主だった人たちに比べ、貞勝は落ち着いて答える。
「おぬしたちは……
2年前の『警告』を忘れたわけではあるまい?」
「警告とは何のことです?」
「比叡山を焼き尽くす炎が、東の空を真っ赤に染めた日のことだ」
「……」
「信長様はすべてご存知であられた。
おぬしたち京の都の商人たちが、信長様の敵に兵糧や武器弾薬を流していたことをな」
「……」
「信長様は何度も仰せであったではないか。
『京の都に巣食う屑ども。
わしは……
京の都に、高利[高い利息のこと]で銭[お金]を貸す土倉[モノを担保としてお金を貸す業者のこと]を生業とする薄汚い集団が数百も存在していることを知っている。
随分と高い利息で民に銭[お金]を貸し、利息を払えなくなれば武装した者に踏み込ませて家の中の物をことごとく奪い、足りなければ家を取り上げ、妻や子供までも奪う暴挙に出ることも知っている。
そして。
うぬらが築いた土色の倉の中には莫大な兵糧や武器弾薬があり……
勝って欲しいと思う側に流して、さらなる荒稼ぎに励んでいることも知っている。
さらに。
儲けの一部を裏で幕府に収めていることもな』
と」
「……」
「それだけではないぞ。
信長様は、こうも仰せであった。
『京の都に巣食う屑ども。
わしの敵に兵糧や武器弾薬を流すことを直ちに止めよ。
うぬらは己の欲を満たすために争いの種を撒き散らし、天下静謐[現在の近畿地方の平和のこと]の邪魔をしている。
東の空を見よ。
比叡山を焼き尽くす炎を見よ!
次はうぬらの番だぞ!
わしは……
うぬらがどれだけ屑であるかも知っている。
己ばかりを安全な場所に置き、他人ばかりを危険な場所に置いて前代未聞の悪事を働かせたこともな。
これらは到底許されるものではない。
例え……
日ノ本の中心として、千年の長きに亘って繁栄を極めた京の都であろうとも絶対に容赦はせん。
全てを灰にしてみせよう』
とな」
「な、何と……」
「京の都の人々よ。
おぬしたちは2年もの間、信長様のこの警告を無視し続けていたのだ」
「……」
◇
一人の土倉を生業とする者が、こんな主張を始めた。
「所司代様。
京の都で土倉を生業とする集団が数百も存在していることは事実ですが……
信長様の仰せの通りに生業を止めたとして、その者たちは何を糧に生きていけば良いのでしょうか?」
「……」
「土倉を生業とする集団にも家族がおり、養っている者たちがいます。
全てを捨てて乞食になれと仰るので?」
「……」
「加えて。
信長様は、需要と供給の関係を無視されておいででは?」
「需要と供給の関係?」
「銭[お金]を借りたい『需要』があるからこそ、土倉を生業とする集団が栄えているのもまた事実です」
「……」
「高い利息によって苦しむ人々がいることも、事実ではありましょう。
だからと申して……
土倉を生業とする集団をすべて『悪』と見なすのもいかがなものかと存じます」
「……」
「止むを得ない事情もあるのでしょうが。
高い利息と知りながら銭[お金]を借りたわけですから、『自業自得』では?」
「……」
「それにも関わらず。
我ら土倉を生業とする集団だけを一方的に悪と見なし、全てを捨てて乞食になるか、それを怠ったから京の都を灰にすると仰せで?
この京の都には数多くの女子や子供もいるのですぞ?
あまりに乱暴では?」
さすがの貞勝も苛立ちを見せた。
「一つ、問いたい」
「何でございましょう?」
「高い利息によって苦しむ人々が『生ずる』であろうこと。
止むを得ない事情によって、高い利息と知りながら銭[お金]を借りる者が『生ずる』であろうこと。
土倉を生業とする集団は……
そういう不幸が生ずることを分かっていながら、人々に借金を勧めているのか?」
「そ、それは」
「人を『騙す』行為と何の違いがある?」
「お言葉を返すようではありますが。
我らは、人を騙す行為などしておりません」
「ほう。
なぜ?」
「人を騙す行為とは……
偽りを教え、伝えることではありませんか。
我らは隠れてこそこそと高い利息を掛けてなどいません。
『正直』に相手へ伝えた上で、銭[お金]を貸しているのです」
「ははは!
物は言いようだな。
まあ良い。
それよりも。
おぬしは、尤もらしい話にすり替えることで『論点』をずらそうと必死に足掻いているようだが」
「……」
「論点をずらすことで、おぬしが何を守りたいのかが明らかになっているぞ?」
「……」
一人の土倉を生業とする者は、沈黙してしまった。
◇
「もう一度、繰り返すが。
信長様が最も問題にされていたのは……
天下静謐[現在の近畿地方の平和のこと]の『邪魔』をするなということ」
「……」
「信長様は、京の都におわす帝[天皇のこと]より京の都とその周辺の静謐[平和のこと]を守るよう仰せ付けられていた。
それにも関わらず!
おぬしたちは、信長様の敵に兵糧や武器弾薬を流していた。
口先だけは従う素振りを見せながら……
隠れてこそこそとな。
わしは、その『理由』を分かっているぞ」
「……」
「これは、おぬしたち土倉を生業とする集団にとって死活問題となるからだ」
どういう意味なのだろうか?
◇
村井貞勝は的確に本質を突く。
「天下静謐が実現すれば、戦に必要な兵糧や武器弾薬の『価値』は下がってしまう。
これはつまり……
倉の中にある担保の価値まで下がってしまい、高い利息で銭[お金]を貸す生業そのものが崩壊しかねない。
加えて。
おぬしたちが倉を築くために投資した多額の銭[お金]は、『回収』不可能となってしまう」
「……」
「戦をする理由を聞くと……
皆、こう主張するらしい。
『領地が欲しいから。
復讐の連鎖だから』
などと。
だが、肝心なことを忘れていないか?
戦をするには莫大な銭[お金]が掛かるのだぞ?
こう考えないのが不思議でならん。
『戦をする人すべてが、よくもそんなに銭を持ってたものだな』
と」
「……」
「どう考えても楽な静謐[平和]を邪魔してまで、面倒で、危険な戦をする理由とは何か?
それは……
『第一』に銭[お金]が掛かっているからだ」
【次節予告 第五十四節 敵を一致団結させない謀略】
万見仙千代は、京の都の中で存在する『格差』に目を付けます。
お金持ちの上流階級の人々が住む上京と、そうでない人々が住む下京です。
上京の人々は常に下京の人々を見下して差別し、下京の人々は常に上京の人々への敵愾心を燃やしていました。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
大罪人の娘・前編 最終章 乱世の弦(いと)、宿命の長篠決戦
いずもカリーシ
歴史・時代
織田信長と武田勝頼、友となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つ!
「戦国乱世に終止符を打ち、平和な世を達成したい」
この志を貫こうとする織田信長。
一方。
信長の愛娘を妻に迎え、その志を一緒に貫きたいと願った武田勝頼。
ところが。
武器商人たちの企てによって一人の女性が毒殺され、全てが狂い出しました。
これは不運なのか、あるいは宿命なのか……
同じ志を持つ『友』となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つのです!
(他、いずもカリーシで掲載しています)
陸のくじら侍 -元禄の竜-
陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた……
織田信長に育てられた、斎藤道三の子~斎藤新五利治~
黒坂 わかな
歴史・時代
信長に臣従した佐藤家の姫・紅茂と、斎藤道三の血を引く新五。
新五は美濃斎藤家を継ぐことになるが、信長の勘気に触れ、二人は窮地に立たされる。やがて明らかになる本能寺の意外な黒幕、二人の行く末はいかに。
信長の美濃攻略から本能寺の変の後までを、紅茂と新五双方の語り口で描いた、戦国の物語。
豊家軽業夜話
黒坂 わかな
歴史・時代
猿楽小屋や市で賑わう京の寺院にて、軽業師の竹早は日の本一の技を見せる。そこに、参詣に訪れていた豊臣秀吉の側室・松の丸殿が通りがかり、竹早は伏見城へ行くことに。やがて竹早は秀頼と出会い…。
秦宜禄の妻のこと
N2
歴史・時代
秦宜禄(しんぎろく)という人物をしっていますか?
三国志演義(ものがたりの三国志)にはいっさい登場しません。
正史(歴史の三国志)関羽伝、明帝紀にのみちょろっと顔を出して、どうも場違いのようなエピソードを提供してくれる、あの秦宜禄です。
はなばなしい逸話ではありません。けれど初めて読んだとき「これは三国志の暗い良心だ」と直感しました。いまでも認識は変わりません。
たいへん短いお話しです。三国志のかんたんな流れをご存じだと楽しみやすいでしょう。
関羽、張飛に思い入れのある方にとっては心にざらざらした砂の残るような内容ではありましょうが、こういう夾雑物が歴史のなかに置かれているのを見て、とても穏やかな気持ちになります。
それゆえ大きく弄ることをせず、虚心坦懐に書くべきことを書いたつもりです。むやみに書き替える必要もないほどに、ある意味清冽な出来事だからです。
トノサマニンジャ 外伝 『剣客 原口源左衛門』
原口源太郎
歴史・時代
御前試合で相手の腕を折った山本道場の師範代原口源左衛門は、浪人の身となり仕官の道を探して美濃の地へ流れてきた。資金は尽き、その地で仕官できなければ刀を捨てる覚悟であった。そこで源左衛門は不思議な感覚に出会う。影風流の使い手である源左衛門は人の気配に敏感であったが、近くに誰かがいて見られているはずなのに、それが何者なのか全くつかめないのである。そのような感覚は初めてであった。
輿乗(よじょう)の敵 ~ 新史 桶狭間 ~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
美濃の戦国大名、斎藤道三の娘・帰蝶(きちょう)は、隣国尾張の織田信長に嫁ぐことになった。信長の父・信秀、信長の傅役(もりやく)・平手政秀など、さまざまな人々と出会い、別れ……やがて信長と帰蝶は尾張の国盗りに成功する。しかし、道三は嫡男の義龍に殺され、義龍は「一色」と称して、織田の敵に回る。一方、三河の方からは、駿河の国主・今川義元が、大軍を率いて尾張へと向かって来ていた……。
【登場人物】
帰蝶(きちょう):美濃の戦国大名、斎藤道三の娘。通称、濃姫(のうひめ)。
織田信長:尾張の戦国大名。父・信秀の跡を継いで、尾張を制した。通称、三郎(さぶろう)。
斎藤道三:下剋上(げこくじょう)により美濃の国主にのし上がった男。俗名、利政。
一色義龍:道三の息子。帰蝶の兄。道三を倒して、美濃の国主になる。幕府から、名門「一色家」を名乗る許しを得る。
今川義元:駿河の戦国大名。名門「今川家」の当主であるが、国盗りによって駿河の国主となり、「海道一の弓取り」の異名を持つ。
斯波義銀(しばよしかね):尾張の国主の家系、名門「斯波家」の当主。ただし、実力はなく、形だけの国主として、信長が「臣従」している。
【参考資料】
「国盗り物語」 司馬遼太郎 新潮社
「地図と読む 現代語訳 信長公記」 太田 牛一 (著) 中川太古 (翻訳) KADOKAWA
東浦町観光協会ホームページ
Wikipedia
【表紙画像】
歌川豊宣, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる