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第肆章 武器商人の都、京都炎上の章
第四十八節 徳川家康の妻・瀬名の反発
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織田信長が6人の側近を集めて開催した会議で、以下の作戦が決定した。
第一段階。
和平の意志があると武田勝頼を欺いて時間を稼ぐこと。
『偽りの和平』で相手を騙し、欺くという卑劣極まりないやり方ではあるが……
相手を徹底的に騙し、欺くような行為ができない勝頼の弱点を見事に突いた方法でもある。
第二段階。
5万人もの圧倒的な大軍で室町幕府、続けて朝倉・浅井連合を『滅ぼす』ことで……
いずれやって来る勝頼との決戦に多くの兵力を投入できる状況を作り出すこと。
そして。
最後の第三段階こそが……
織田軍の全兵力を注ぎ込んで勝頼との決戦に『勝利』し、続いて甲斐国[現在の山梨県]へと攻め込んで、信長が不倶戴天の敵と定めた武田家を滅ぼすことである。
会議の最後に、第一段階の具体的な方法についての話し合いが行われた。
要するに……
『誰』が和平の意志があると武田勝頼へ伝えるか、だ。
これについては、織田・徳川方と武田方の『国境』に接している2つの国衆[独立した領主のこと]を橋渡し役にすることとなった。
1つ目は、織田家と武田家の国境に接している美濃国・恵那郡[現在の岐阜県恵那市など]を治める遠山一族。
2つ目は、徳川家と武田家の国境に接している三河国・設楽郡[現在の愛知県北設楽郡]を治める、山家三方衆とも呼ばれた奥平一族と菅沼一族。
遠山一族は武田信玄に属していた時期があり、山家三方衆に至っては近くを流れる天竜川や豊川などの川の上流に武田家が支配する伊那郡[現在の長野県飯田市など]があるという地政学的な理由で昔から接点があった。
「そんな回りくどいことをしなくても、『直接』伝えればいいのでは?」
こう思う人もいるかもしれない。
そもそも。
目下のところ、武田家は戦争相手である。
あの三方ヶ原合戦からそれほど日も経っていない。
戦争相手に和平の意志を直接伝えるなど、敗北したと自ら認めるようなものだ。
戦争相手に直接伝える機会があるとすれば……
こちら側が圧倒的に有利な状況で行う降伏勧告か、戦争の継続ができないほどの圧倒的に不利な状況で行う一時休戦の申し出か、どちらかだろうか。
当たり前の話として。
一時休戦の申し出をする場合は、相手が納得するだけの『手土産』を用意しなければ絶対に成立することはない。
「和平を結んで戦争そのものを終わらせよう」
こういう申し出なら猶更、味方と敵方の両方と接点を持つ『第三者』を橋渡し役にするのが古今東西において共通する習わしである。
この第三者に相応しい勢力こそ、遠山一族と山家三方衆だと言えるだろう。
ちなみに三河国に住む山家三方衆の主は徳川家であることから……
当主である徳川家康と、遠江国・浜松城[現在の静岡県浜松市]を居城とした家康に代わって三河国・岡崎城[現在の愛知県岡崎市]の支配を任された家康の長男・信康の2人を通して橋渡し役を要請することとなった。
もちろん、偽りの和平であることは『伏せた』ままで。
◇
会議が終了すると……
堀久太郎は、すかさず後輩に当たる万見仙千代を呼び出した。
「仙千代殿。
そなたと話がしたい。
少しよろしいか?」
「かしこまりました。
久太郎殿」
2人だけになれる部屋を見付けると、久太郎はすぐに話を始める。
「わしは……
そなたのことを友であり、同志であると思っていた」
「違うのか?」
「……」
「どうしてだ?
どうして、あんな卑劣極まりない策を弄した?」
「……」
「仙千代殿。
わしに、こう語ったのを忘れたのか?
『腐り果てた室町幕府に代わり……
日ノ本を治める天下人となって、長く続いた戦国乱世に終止符を打てるのは……
信長様しかいないと存じます。
どれほど困難な道だとしても、信長様を一緒にお支えしましょう。
友として、同志として』
と。
わしは、そなたのような優れた男から友と呼ばれたことが……
たまらなく嬉しかった」
「ですから。
信長様に天下人となって頂くために……
勝頼を罠に嵌め、武田家を滅ぼすのです」
「それは違う!
違うぞ、仙千代!
偽りの和平で相手を騙し、欺くという卑劣極まりないやり方で得た天下人の地位に、何の『価値』がある?」
「……」
「信長様が、戦国乱世に終止符を打つのは何のためだ?
日ノ本の民が平和で安全に暮らす『ため』であろう?」
「それは……
重々承知しております」
「信長様の愛娘と結ばれたことで、信長様と同じ志を抱くようになった勝頼が当主となった武田家を……
あんな卑劣極まりない策で罠に嵌め、武田家との戦でさらに大勢の民を苦しめることが……
日ノ本の民のためになるとでも?」
「……」
「良いか。
仙千代殿。
我らが室町幕府を討ち、滅ぼす『資格』があるのはなぜだ?」
「……」
「それは……
日ノ本の民が、幕府よりも信長様を選んでいるからではないか!」
「存じております。
日ノ本の民が平和で安全に暮らすための役に立つことが、我らが『拠って立つ[世の人々からその存在や正当性を認められる根拠のこと]』場所だと」
「そなた、それを分かっていて……
なぜだ?
なぜ、あんな卑劣極まりない策を弄し……
自らが拠って立つ場所を、自らの手で汚すような真似をした?」
「久太郎殿。
それがしは……
『何度』も、信長様をお諫めしました」
「何っ!?
信長様は、そなたの諫言すらお聞き入れにならなかったと?」
「正しいか、正しくないかの『前』に……
我ら臣下がすべきことは何です?」
「主に『忠義』を尽くすことであろう」
「久太郎殿も、それがしも、織田家においては取るに足りない家柄の出です。
加えて、富んだ親から生まれてもいません。
それでも。
我らがこうして織田家で重く用いられるのは、信長様あってのことではありませんか」
「分かっている」
「主の燃え上がる復讐の炎を消すことができないのなら……
臣下としてすべきことを、するまでのこと。
主が武田家を滅ぼすと決めたのならば、臣下は武田家を滅ぼす『最善』の策を練らねばなりません。
どれだけ卑劣極まりないやり方だとしても……
最小限の犠牲で幕府と朝倉・浅井連合を滅ぼし、いずれやって来る勝頼との決戦に勝利するのです」
「仙千代殿。
すまない……
わしが勘違いしていた。
ただ、こんなやり方しかないのか……?」
「久太郎殿のように賢い方なら、これこそが最善のやり方だとお分かりのはず」
「……」
「だからこそ、激しく憤られたのでは?」
「……」
◇
沈黙を続ける久太郎を尻目に、仙千代は別の話題を口にし始めた。
「久太郎殿。
今は、『別』の心配をしなければなりません」
「別!?」
「和平の意志を伝える第三者として遠山一族と山家三方衆を選びましたが……
心配な人物が、2人ほどいます」
「心配な人物?
誰と誰だ?」
「1人目は、遠山一族に嫁がれた実質的な女城主である、おつやの方。
2人目は、家康殿の長男である、信康殿」
「おつやの方に、信康殿?
なぜ?」
「2人が……
勝頼と『同種』の人物だからです」
「同種!?」
「勿論のこと。
相手を徹底的に騙し、欺くような行為ができる人物ではありません。
『もっと正しい生き方をして……
誰かの役に立ちたい』
こう考える人物だからこそ、おつやの方は家臣や領民から慕われ、病弱な夫に代わって実質的な女城主となっているのです。
一方の信康殿も、家臣たちから大いに期待されていると聞きます」
「……」
「恐らく。
信長様の盟友である家康殿は、すべてを理解されることでしょう。
ただ……」
「『真実』を知った、おつやの方と、信康殿は……
激しく憤るだろうな。
特に信康殿は、家康殿の後継者でもある。
父子相克[父と子が対立すること]となれば、徳川家は醜い身内争いを起こすぞ」
◇
後に、万見仙千代の不安は見事に的中する。
「偽りの和平で相手を騙し、欺くなど卑劣極まりない!」
激しい憤りを露わにした、おつやの方と信康は……
勝頼の方が不利と分かっていながら勝頼の『味方』となった。
加えて、もう一人の女性を巻き込んでしまう。
歴史書では築山殿とも呼ばれている……
徳川家康の妻・瀬名[大河ドラマのどうする家康では有村架純さんが演じている]である。
息子の信康はまだ10代に過ぎず、彼女は浜松へ行かず岡崎に残っていた。
真実を知った彼女もまた激しい憤りを覚え……
見て見ぬ振りをする夫へ強く『反発』する。
これはやがて、信康事件の原因となった。
【次節予告 第四十九節 武器商人の都、京都と堺】
三方ヶ原合戦の2年ほど前。
織田家と武田家の『同盟』が続いていたにも関わらず……
織田家に属する遠山一族が、秋山信友率いる武田軍を一方的に迎撃するという上村合戦を起こしていました。
第一段階。
和平の意志があると武田勝頼を欺いて時間を稼ぐこと。
『偽りの和平』で相手を騙し、欺くという卑劣極まりないやり方ではあるが……
相手を徹底的に騙し、欺くような行為ができない勝頼の弱点を見事に突いた方法でもある。
第二段階。
5万人もの圧倒的な大軍で室町幕府、続けて朝倉・浅井連合を『滅ぼす』ことで……
いずれやって来る勝頼との決戦に多くの兵力を投入できる状況を作り出すこと。
そして。
最後の第三段階こそが……
織田軍の全兵力を注ぎ込んで勝頼との決戦に『勝利』し、続いて甲斐国[現在の山梨県]へと攻め込んで、信長が不倶戴天の敵と定めた武田家を滅ぼすことである。
会議の最後に、第一段階の具体的な方法についての話し合いが行われた。
要するに……
『誰』が和平の意志があると武田勝頼へ伝えるか、だ。
これについては、織田・徳川方と武田方の『国境』に接している2つの国衆[独立した領主のこと]を橋渡し役にすることとなった。
1つ目は、織田家と武田家の国境に接している美濃国・恵那郡[現在の岐阜県恵那市など]を治める遠山一族。
2つ目は、徳川家と武田家の国境に接している三河国・設楽郡[現在の愛知県北設楽郡]を治める、山家三方衆とも呼ばれた奥平一族と菅沼一族。
遠山一族は武田信玄に属していた時期があり、山家三方衆に至っては近くを流れる天竜川や豊川などの川の上流に武田家が支配する伊那郡[現在の長野県飯田市など]があるという地政学的な理由で昔から接点があった。
「そんな回りくどいことをしなくても、『直接』伝えればいいのでは?」
こう思う人もいるかもしれない。
そもそも。
目下のところ、武田家は戦争相手である。
あの三方ヶ原合戦からそれほど日も経っていない。
戦争相手に和平の意志を直接伝えるなど、敗北したと自ら認めるようなものだ。
戦争相手に直接伝える機会があるとすれば……
こちら側が圧倒的に有利な状況で行う降伏勧告か、戦争の継続ができないほどの圧倒的に不利な状況で行う一時休戦の申し出か、どちらかだろうか。
当たり前の話として。
一時休戦の申し出をする場合は、相手が納得するだけの『手土産』を用意しなければ絶対に成立することはない。
「和平を結んで戦争そのものを終わらせよう」
こういう申し出なら猶更、味方と敵方の両方と接点を持つ『第三者』を橋渡し役にするのが古今東西において共通する習わしである。
この第三者に相応しい勢力こそ、遠山一族と山家三方衆だと言えるだろう。
ちなみに三河国に住む山家三方衆の主は徳川家であることから……
当主である徳川家康と、遠江国・浜松城[現在の静岡県浜松市]を居城とした家康に代わって三河国・岡崎城[現在の愛知県岡崎市]の支配を任された家康の長男・信康の2人を通して橋渡し役を要請することとなった。
もちろん、偽りの和平であることは『伏せた』ままで。
◇
会議が終了すると……
堀久太郎は、すかさず後輩に当たる万見仙千代を呼び出した。
「仙千代殿。
そなたと話がしたい。
少しよろしいか?」
「かしこまりました。
久太郎殿」
2人だけになれる部屋を見付けると、久太郎はすぐに話を始める。
「わしは……
そなたのことを友であり、同志であると思っていた」
「違うのか?」
「……」
「どうしてだ?
どうして、あんな卑劣極まりない策を弄した?」
「……」
「仙千代殿。
わしに、こう語ったのを忘れたのか?
『腐り果てた室町幕府に代わり……
日ノ本を治める天下人となって、長く続いた戦国乱世に終止符を打てるのは……
信長様しかいないと存じます。
どれほど困難な道だとしても、信長様を一緒にお支えしましょう。
友として、同志として』
と。
わしは、そなたのような優れた男から友と呼ばれたことが……
たまらなく嬉しかった」
「ですから。
信長様に天下人となって頂くために……
勝頼を罠に嵌め、武田家を滅ぼすのです」
「それは違う!
違うぞ、仙千代!
偽りの和平で相手を騙し、欺くという卑劣極まりないやり方で得た天下人の地位に、何の『価値』がある?」
「……」
「信長様が、戦国乱世に終止符を打つのは何のためだ?
日ノ本の民が平和で安全に暮らす『ため』であろう?」
「それは……
重々承知しております」
「信長様の愛娘と結ばれたことで、信長様と同じ志を抱くようになった勝頼が当主となった武田家を……
あんな卑劣極まりない策で罠に嵌め、武田家との戦でさらに大勢の民を苦しめることが……
日ノ本の民のためになるとでも?」
「……」
「良いか。
仙千代殿。
我らが室町幕府を討ち、滅ぼす『資格』があるのはなぜだ?」
「……」
「それは……
日ノ本の民が、幕府よりも信長様を選んでいるからではないか!」
「存じております。
日ノ本の民が平和で安全に暮らすための役に立つことが、我らが『拠って立つ[世の人々からその存在や正当性を認められる根拠のこと]』場所だと」
「そなた、それを分かっていて……
なぜだ?
なぜ、あんな卑劣極まりない策を弄し……
自らが拠って立つ場所を、自らの手で汚すような真似をした?」
「久太郎殿。
それがしは……
『何度』も、信長様をお諫めしました」
「何っ!?
信長様は、そなたの諫言すらお聞き入れにならなかったと?」
「正しいか、正しくないかの『前』に……
我ら臣下がすべきことは何です?」
「主に『忠義』を尽くすことであろう」
「久太郎殿も、それがしも、織田家においては取るに足りない家柄の出です。
加えて、富んだ親から生まれてもいません。
それでも。
我らがこうして織田家で重く用いられるのは、信長様あってのことではありませんか」
「分かっている」
「主の燃え上がる復讐の炎を消すことができないのなら……
臣下としてすべきことを、するまでのこと。
主が武田家を滅ぼすと決めたのならば、臣下は武田家を滅ぼす『最善』の策を練らねばなりません。
どれだけ卑劣極まりないやり方だとしても……
最小限の犠牲で幕府と朝倉・浅井連合を滅ぼし、いずれやって来る勝頼との決戦に勝利するのです」
「仙千代殿。
すまない……
わしが勘違いしていた。
ただ、こんなやり方しかないのか……?」
「久太郎殿のように賢い方なら、これこそが最善のやり方だとお分かりのはず」
「……」
「だからこそ、激しく憤られたのでは?」
「……」
◇
沈黙を続ける久太郎を尻目に、仙千代は別の話題を口にし始めた。
「久太郎殿。
今は、『別』の心配をしなければなりません」
「別!?」
「和平の意志を伝える第三者として遠山一族と山家三方衆を選びましたが……
心配な人物が、2人ほどいます」
「心配な人物?
誰と誰だ?」
「1人目は、遠山一族に嫁がれた実質的な女城主である、おつやの方。
2人目は、家康殿の長男である、信康殿」
「おつやの方に、信康殿?
なぜ?」
「2人が……
勝頼と『同種』の人物だからです」
「同種!?」
「勿論のこと。
相手を徹底的に騙し、欺くような行為ができる人物ではありません。
『もっと正しい生き方をして……
誰かの役に立ちたい』
こう考える人物だからこそ、おつやの方は家臣や領民から慕われ、病弱な夫に代わって実質的な女城主となっているのです。
一方の信康殿も、家臣たちから大いに期待されていると聞きます」
「……」
「恐らく。
信長様の盟友である家康殿は、すべてを理解されることでしょう。
ただ……」
「『真実』を知った、おつやの方と、信康殿は……
激しく憤るだろうな。
特に信康殿は、家康殿の後継者でもある。
父子相克[父と子が対立すること]となれば、徳川家は醜い身内争いを起こすぞ」
◇
後に、万見仙千代の不安は見事に的中する。
「偽りの和平で相手を騙し、欺くなど卑劣極まりない!」
激しい憤りを露わにした、おつやの方と信康は……
勝頼の方が不利と分かっていながら勝頼の『味方』となった。
加えて、もう一人の女性を巻き込んでしまう。
歴史書では築山殿とも呼ばれている……
徳川家康の妻・瀬名[大河ドラマのどうする家康では有村架純さんが演じている]である。
息子の信康はまだ10代に過ぎず、彼女は浜松へ行かず岡崎に残っていた。
真実を知った彼女もまた激しい憤りを覚え……
見て見ぬ振りをする夫へ強く『反発』する。
これはやがて、信康事件の原因となった。
【次節予告 第四十九節 武器商人の都、京都と堺】
三方ヶ原合戦の2年ほど前。
織田家と武田家の『同盟』が続いていたにも関わらず……
織田家に属する遠山一族が、秋山信友率いる武田軍を一方的に迎撃するという上村合戦を起こしていました。
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