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タウンハウスで急転直下

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◇◇ユージーン◇◇

「なぜこのような辱めをわたしに?」

「ジルとランが横にくっついたら空いてるのは正面だけだろ?だから抱きかかえただけだ。辱めどころかむしろ愛でてるじゃねえか。
それに婚姻するならちゃんと夫々の絆を育まねえとな。伯父貴だけ抱かねえとか、そんなことありえねえし。」

「ジーンっ!皆の前でなんということを言うのです!」

年長者らしく「はしたないですよ!」とかぷりぷり怒っているが、赤面していてしかも涙目だからちっとも堪えない。

「伯父貴を伴侶にすると決めたからにはジルとランに遜色ないくらい大切にする。だがオレに情けをくれと言ったくせにこの程度で恥ずかしがるんだな。」

「……人の目のある場でこんなことをされたらどうすれば良いのか分からなくて。それにジーンに男性としての顔を向けられたのは初めてですし。」

「ははっ!オレのオムツを替えた話なんかするからだ。この程度の意趣返しくらい構わねえだろ?それにオレがどれだけ育ったか確かめてくれたって良いんだぜ。」

「うぅ……。せめて父上さまとお父さまの前ではやめてくれませんか?」

それは分からんでもない。
オレだって祖父さんたちの前でこんなことをするのはむず痒い。
だがそれじゃあジルとランが我慢できねえだろう。
あいつらスキあらばオレといちゃつこうとするからな。

「いけません、ミハエルさま。それでは我らまでご家族の前では触れ合えなくなってしまいます。」

ホラな。

「そのとおりです。正室がしないことをするわけにはいきません。ですから私たちのためにもはやくジーンに愛され慣れてくださいね?そうしたら人目もはばからずにたくさんジーンといちゃいちゃいたしましょう!」

「ならば今夜はジーンとミハエルさまが二人で過ごせば良いのでは?身体を繋げて愛されることにも慣れていただかねばならぬし。」

「私たちだけがジーンをのは問題だよね。ということですのでいろいろと覚悟してくださいね、ミハエルさま。」

ジルとランがベッド関連のことに貪欲なのは知ってたが、今はそれがありがたい。
ずっと家族だと思っていた伯父貴と伴侶になるなら切っ掛けが欲しい。
それが他ならぬジルとランの後押しならオレも遠慮なく乗っかれる。

「ジーンも今夜は男を見せねばな。………いや、そちらは心配無いか。むしろミハエルさまの御身が危うい。」

「え?でもジーンはちゃんと気遣ってくれるから慣れてない人にも優しいでしょ?まあ、その、サイズは優しくないけど…。」

「確かにジーンは労ってくれるし、ねだれば欲しいものを与えてくれる。だがお前も忘れたわけではあるまい、あの仕置きを。」

「ああ、アレね……。でもダンジョンじゃないから大丈夫じゃない?サウザンライトのタウンハウスなんだから、きっと王城よりも安全だよ。
それにミハエルさまは私たちみたいに見境のない言動はされないだろうし。」

二人が何か言う度に真っ赤に茹で上がる当事者を置いてけぼりにして、オレと伯父貴の今夜の予定が決められていく。

ジルもランも何でこんなにノリが良いんだか。
いや、オレとの触れ合いを確保するためなんだろうが、勢いがすげえ。

「ほっほっ、この様子なら後継の心配はいらぬようじゃ。のう、ギュンター。」

「そうのようですね。身体が自由に動くうちにまた子守りをしたいものです。ジーンのときは偶にしか会えませんでしたし、ミハエルとヴォルフのオムツを替えたのは40年以上も昔ですからね。」

「お父さま!」

「伯父貴も祖父さまには敵わねえな。」

「年の功ですよ。……ん?クラウスさま、ヴォルフとサリヤが到着したようですので、少し外します。」

そう言い残して応接室を出ていった祖父さまが、親父たちを伴って戻ってくるまで伯父貴を抱いていた。
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