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5章 風呂とかき氷と甘々の目撃者たち
06 〜ちょっとラース
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「しかしお前一人ならいくらでも風呂に入れるのに、いろいろと面倒くさそうな風呂屋をやるってのはどうしてなんだ?」
「そんなの簡単だ。俺が広い風呂に入りたいのもあるけど、メルヴィンとジェイデンのためだ。」
「………………夜の疲労回復か。」
真っ赤になって照れるくらいなら言わなきゃ良いのに、この男は…。
「それも大事なことだが二人を俺の伴侶にしたいからだ。」
「はぁ!?もうそんなコトになってんのかよ!展開が早過ぎねえか?」
「そうか?手をこまねいている間に横から掻っ攫われるより良いだろ。」
そんな間抜けになるのは御免だ。
もう俺のメルヴィンとジェイデンだから誰にも渡さない。
「ぐっ………それはそうだろうけどよ。」
「あの二人を娶るにはSランクのハンターになるだけじゃ足りないんだ。他にも実績がいるから、その一環だよ。水の魔道具に、風呂という文化、できたら食糧供給もして地位を固めたいんだ。」
「はー、また壮大な計画だな。だがお前が二人に囲われりゃそんなのいらねぇだろ?それじゃ駄目なのか?」
「うん。二人とも俺に嫁ぎたいんだって。時間がかかっても待つって言ってくれたんだ。それなら俺も甲斐性見せないと、だろ?」
「お熱いことで!惚気は程々にしてくれよ。」
「ははっ、善処する。ところでラースはこれから仕事か?」
「おう。まだ時間はあるけどな。シオンは何かあるのか?」
「俺は雑貨屋にちょっとな。簡単な準備もあるし。暇なら一緒に行くか?」
「そうだな、たまには雑貨見るのも良いか。」
「じゃあ準備してくるから少し待っててくれ。あと、昼メシありがとうな。」
◇◇◇◇◇
はあ、何なんだよあいつ!
一日会わなかっただけで展開について行けなくなるとは。
それより何より手が早い。
アンジェラさんもキティさんもチョロ過ぎねぇ?
雑貨屋に行く準備のために中座したシオンを見送って、思わず机に伸びてしまった。
アンジェラさんに付けられたキスマークはまだしもだけど、キティさんのキスマークと歯形がエゲツなかった。
確かに噛みごたえのありそうな胸だとは思うけども!
シオンの背中の傷も中々だったし、前腕には指の跡がくっきりだもんな。
…………………ある意味お似合いか。
しかしあんなに甘くイチャコラされるとは。
膝上抱っことか……!
目の前で行ってらっしゃいのキスとか………!
俺だってしたい!!
泣けてくるな。
そんな中で平然と風呂を満喫してたフェイトが凄い。
俺も風呂を堪能したが、あいつを直視しないように頑張った。
着替えを見てしまったのは不可抗力だと言いたい。
俺の方が先にシオンと出会ったのになぁ。
あいつに翻弄されてるうちに置いていかれちまった。
ウジウジしてた俺が悪いのは理解してるが、如何せん恋敵が最強過ぎる。
だってあのアレナド兄弟だぞ!
この国最強の男と剣士だぞ!!
ちびっ子からお年寄りまでみんな知ってる元ハンターだからな。
俺だってそれなりにモテるけど次元が違う。
英雄と凡人だもんな…。
しかも2対1。
今のところ、まだシオンは何者でもない。
これ以上立場が離れて行く前に俺も上を目指すしかないが、難しい。
シオンに相応しい男って、どうすりゃなれるのかね…。
アレナド兄弟にも認めてもらわなけりゃならんしなあ。
救いはシオンが囲われるんじゃなくて、囲う方だってこと。
あの二人に囲われたんじゃ貴族でも立ち打ちできねぇしな。
でも俺が囲われたいかと言えば何か違うんだよな。
「ラースさん、また何か余計な事考えてるでしょ。シオンさんが好きなら好きって言えば良いのに。」
「出会って数日の相手に言うことじゃねぇだろ。それにどうせならシオンに相応しい男になってから言いたいし。」
「はぁ…。そんなだからアンジェラさんたちに先を越されるんですよ。大体シオンさんに相応しい男って何です?それを決めるのはシオンさんであってラースさんじゃないでしょ?今なら『Cランクハンターのシオンさん』ですけど、これからランクが上がって行けばもっと厳しくなるじゃないですか。もっとラースさんも内面の可愛さや一途さをアピールしないと。想いを告げるなら今が狙い目なのに……。」
「ぐっ!言うな、フェイト。」
遠慮が無くなるのは構わねぇが、俺のメンタルを抉ってくるのは止めてくれ。
「同じお風呂に入った仲だし、元気付けようと思ったんですけど、余計なお世話でしたか?」
「気持ちは嬉しいが、アンジェラさんとキティさんを見るとどうしても劣等感がなぁ。まあこれは俺がどうにかしなきゃならん問題だから。気持ちだけありがたくもらっとくよ。」
「ラースさんがそう言うなら良いんですけど。」
「話は変わるけど俺と風呂入って大丈夫だったのか?嫌じゃなかったら良いんだが。」
「ここ数日でラースさんの印象が変わったのもあって、大丈夫でした。お気遣いありがとうございます。」
「何となく腑に落ちないがフェイトの負担が減るなら良いか。」
「気にかけてくれてありがとうございます。シオンさん限定のヘタレも治ると良いですね!」
まったくイイ笑顔だな。
あと俺はヘタレじゃねぇ!
自信が家出中なだけだから!!
「そんなの簡単だ。俺が広い風呂に入りたいのもあるけど、メルヴィンとジェイデンのためだ。」
「………………夜の疲労回復か。」
真っ赤になって照れるくらいなら言わなきゃ良いのに、この男は…。
「それも大事なことだが二人を俺の伴侶にしたいからだ。」
「はぁ!?もうそんなコトになってんのかよ!展開が早過ぎねえか?」
「そうか?手をこまねいている間に横から掻っ攫われるより良いだろ。」
そんな間抜けになるのは御免だ。
もう俺のメルヴィンとジェイデンだから誰にも渡さない。
「ぐっ………それはそうだろうけどよ。」
「あの二人を娶るにはSランクのハンターになるだけじゃ足りないんだ。他にも実績がいるから、その一環だよ。水の魔道具に、風呂という文化、できたら食糧供給もして地位を固めたいんだ。」
「はー、また壮大な計画だな。だがお前が二人に囲われりゃそんなのいらねぇだろ?それじゃ駄目なのか?」
「うん。二人とも俺に嫁ぎたいんだって。時間がかかっても待つって言ってくれたんだ。それなら俺も甲斐性見せないと、だろ?」
「お熱いことで!惚気は程々にしてくれよ。」
「ははっ、善処する。ところでラースはこれから仕事か?」
「おう。まだ時間はあるけどな。シオンは何かあるのか?」
「俺は雑貨屋にちょっとな。簡単な準備もあるし。暇なら一緒に行くか?」
「そうだな、たまには雑貨見るのも良いか。」
「じゃあ準備してくるから少し待っててくれ。あと、昼メシありがとうな。」
◇◇◇◇◇
はあ、何なんだよあいつ!
一日会わなかっただけで展開について行けなくなるとは。
それより何より手が早い。
アンジェラさんもキティさんもチョロ過ぎねぇ?
雑貨屋に行く準備のために中座したシオンを見送って、思わず机に伸びてしまった。
アンジェラさんに付けられたキスマークはまだしもだけど、キティさんのキスマークと歯形がエゲツなかった。
確かに噛みごたえのありそうな胸だとは思うけども!
シオンの背中の傷も中々だったし、前腕には指の跡がくっきりだもんな。
…………………ある意味お似合いか。
しかしあんなに甘くイチャコラされるとは。
膝上抱っことか……!
目の前で行ってらっしゃいのキスとか………!
俺だってしたい!!
泣けてくるな。
そんな中で平然と風呂を満喫してたフェイトが凄い。
俺も風呂を堪能したが、あいつを直視しないように頑張った。
着替えを見てしまったのは不可抗力だと言いたい。
俺の方が先にシオンと出会ったのになぁ。
あいつに翻弄されてるうちに置いていかれちまった。
ウジウジしてた俺が悪いのは理解してるが、如何せん恋敵が最強過ぎる。
だってあのアレナド兄弟だぞ!
この国最強の男と剣士だぞ!!
ちびっ子からお年寄りまでみんな知ってる元ハンターだからな。
俺だってそれなりにモテるけど次元が違う。
英雄と凡人だもんな…。
しかも2対1。
今のところ、まだシオンは何者でもない。
これ以上立場が離れて行く前に俺も上を目指すしかないが、難しい。
シオンに相応しい男って、どうすりゃなれるのかね…。
アレナド兄弟にも認めてもらわなけりゃならんしなあ。
救いはシオンが囲われるんじゃなくて、囲う方だってこと。
あの二人に囲われたんじゃ貴族でも立ち打ちできねぇしな。
でも俺が囲われたいかと言えば何か違うんだよな。
「ラースさん、また何か余計な事考えてるでしょ。シオンさんが好きなら好きって言えば良いのに。」
「出会って数日の相手に言うことじゃねぇだろ。それにどうせならシオンに相応しい男になってから言いたいし。」
「はぁ…。そんなだからアンジェラさんたちに先を越されるんですよ。大体シオンさんに相応しい男って何です?それを決めるのはシオンさんであってラースさんじゃないでしょ?今なら『Cランクハンターのシオンさん』ですけど、これからランクが上がって行けばもっと厳しくなるじゃないですか。もっとラースさんも内面の可愛さや一途さをアピールしないと。想いを告げるなら今が狙い目なのに……。」
「ぐっ!言うな、フェイト。」
遠慮が無くなるのは構わねぇが、俺のメンタルを抉ってくるのは止めてくれ。
「同じお風呂に入った仲だし、元気付けようと思ったんですけど、余計なお世話でしたか?」
「気持ちは嬉しいが、アンジェラさんとキティさんを見るとどうしても劣等感がなぁ。まあこれは俺がどうにかしなきゃならん問題だから。気持ちだけありがたくもらっとくよ。」
「ラースさんがそう言うなら良いんですけど。」
「話は変わるけど俺と風呂入って大丈夫だったのか?嫌じゃなかったら良いんだが。」
「ここ数日でラースさんの印象が変わったのもあって、大丈夫でした。お気遣いありがとうございます。」
「何となく腑に落ちないがフェイトの負担が減るなら良いか。」
「気にかけてくれてありがとうございます。シオンさん限定のヘタレも治ると良いですね!」
まったくイイ笑顔だな。
あと俺はヘタレじゃねぇ!
自信が家出中なだけだから!!
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