3 / 170
1章 同意のない召喚は犯罪
01
しおりを挟む
「ハロウィン当日って何処もかしこも混み合うじゃない?良からぬ輩に絡まれるのもゴメンだし、ちょっと前倒ししてパーティしましょ!もちろん藍羽家でね♡」
なんて言い出したのは誰だったか。
ハロウィンに託けてコスプレ呑み会したいだけだろと思いつつ、否やはないので了承する。
「父さんと母さん、おじさんには許可とったのか?」
母の家は都市部から少し離れた所にある、代々続く武術の宗家なので敷地は広く練武場もある。
現在は母の弟が当主だ。
「もちろんよぉ!いつものメンバーで楽しみたいの。それなら紫苑も安心だし藍羽家の練武場が会場ならイイデショ?」
年齢を感じさせない明るくパワフルなこのオネェ様(多分50代)は俺の父親のスタイリストのアケミさんだ。
今日も指の先までキチンと整えられていて麗しい。
父はモデルを中心に芸能活動しているので、業界のオネェ様方の友人たちがいる。
俺の多感な時期に色々と世話を焼いて支えてくれた人達からの誘いだ。
断わる理由など無い。
それにいつものメンバーなら俺も気兼ねせず楽しめる。
主に両親の仕事の仲間とおじや従兄弟達というお馴染みの顔触れだ。
忙しい人たちだが昔から俺を可愛がってくれていて、俺も皆を大切に思ってる。
「いいけど俺コスプレのネタ無いぞ」
「アタシの職業は何よぅ。ちゃんととっておきのを準備してあるワ。楽しみにしててちょうだい♡」
震えて待てじゃなくて?というツッコミは出来なかったが、内輪の呑み会ならまぁいいかと流した。
だが当日渡されたのはまさかの父親とのペアルックだった。
アケミさん曰く、「ヨーコと一緒に愛と気合いを目一杯注入して作ったの♡」だそうだ。
さすが本気を出したプロフェッショナル。
クオリティがエゲツないほど高い。
最近、俺が子どもの頃に一世風靡したファンタジーアニメの続編が制作された。
主人公のビジュアルは父をモデルにしており、瞳の色が違うだけでほぼ本人そのままだった。
その主人公の装備一式である。
前作の青年期の主人公(俺)と今作の壮年期の主人公(父)を両手に抱えてご満悦のオネェを白い目で見た俺は悪くないと思う。
ちなみに俺(黒髪)と父(淡い金髪)は髪色以外そっくりだ。
瞳の色もブルーグレーで同じだし、父は外国人なので日本人とのハイブリッドの俺の方が少し華奢だが、身長もほぼ同じなので自分でも良く似ていると思う。
似ていると言った後では恥ずかしいが、父はこれぞ王子様といった容貌の美丈夫だ。
二人とも自分の外見が理由でやたらと苦労をしてきたので、それを分かり合う同士でもあり親子仲は良い。
もちろん母との仲も良好。
そして両親は今でもラブラブだ。
怖ろしいくらい細部まで拘って作られた衣装を「20歳越えてから父親とお揃いって…」と文句を言いながらも着てみる。
子どもの頃から好きなアニメだったので、思いの外俺のテンションも上がっていた。
まぁ、俺より周りが喜んでいたが。
アケミさんは「今日は新旧ヒーロー撮影会よぉ~♡」と自分の世界へ飛び立った。
母は笑顔でどこか懐かしそうに俺を見ていたし、父は純粋に自分と同じサイズの服を着る俺の成長に感動しているようだった。
色々事件もあったが、愛されて育った俺は幸せだと思う。
先に練武場を借りた会場へ向う両親に「カラコンいれてから行く」と伝えて準備をする。
驚いたことに今日はレイラさんも参加するらしい。
数年ぶりに会えることに浮かれてしまう。
金髪に紫の瞳になった自分を鏡で確認してから会場に行こうと立ち上がる。
今日の呑み会のメンバーにも「双子?」とか「ドッペルゲンガーかよ!」なんてウケたら衣装を着た甲斐があるな、など思いつつ会場のドアを開けたら、そこは馴染みのある練武場ではなく薄暗い空間だった。
なんて言い出したのは誰だったか。
ハロウィンに託けてコスプレ呑み会したいだけだろと思いつつ、否やはないので了承する。
「父さんと母さん、おじさんには許可とったのか?」
母の家は都市部から少し離れた所にある、代々続く武術の宗家なので敷地は広く練武場もある。
現在は母の弟が当主だ。
「もちろんよぉ!いつものメンバーで楽しみたいの。それなら紫苑も安心だし藍羽家の練武場が会場ならイイデショ?」
年齢を感じさせない明るくパワフルなこのオネェ様(多分50代)は俺の父親のスタイリストのアケミさんだ。
今日も指の先までキチンと整えられていて麗しい。
父はモデルを中心に芸能活動しているので、業界のオネェ様方の友人たちがいる。
俺の多感な時期に色々と世話を焼いて支えてくれた人達からの誘いだ。
断わる理由など無い。
それにいつものメンバーなら俺も気兼ねせず楽しめる。
主に両親の仕事の仲間とおじや従兄弟達というお馴染みの顔触れだ。
忙しい人たちだが昔から俺を可愛がってくれていて、俺も皆を大切に思ってる。
「いいけど俺コスプレのネタ無いぞ」
「アタシの職業は何よぅ。ちゃんととっておきのを準備してあるワ。楽しみにしててちょうだい♡」
震えて待てじゃなくて?というツッコミは出来なかったが、内輪の呑み会ならまぁいいかと流した。
だが当日渡されたのはまさかの父親とのペアルックだった。
アケミさん曰く、「ヨーコと一緒に愛と気合いを目一杯注入して作ったの♡」だそうだ。
さすが本気を出したプロフェッショナル。
クオリティがエゲツないほど高い。
最近、俺が子どもの頃に一世風靡したファンタジーアニメの続編が制作された。
主人公のビジュアルは父をモデルにしており、瞳の色が違うだけでほぼ本人そのままだった。
その主人公の装備一式である。
前作の青年期の主人公(俺)と今作の壮年期の主人公(父)を両手に抱えてご満悦のオネェを白い目で見た俺は悪くないと思う。
ちなみに俺(黒髪)と父(淡い金髪)は髪色以外そっくりだ。
瞳の色もブルーグレーで同じだし、父は外国人なので日本人とのハイブリッドの俺の方が少し華奢だが、身長もほぼ同じなので自分でも良く似ていると思う。
似ていると言った後では恥ずかしいが、父はこれぞ王子様といった容貌の美丈夫だ。
二人とも自分の外見が理由でやたらと苦労をしてきたので、それを分かり合う同士でもあり親子仲は良い。
もちろん母との仲も良好。
そして両親は今でもラブラブだ。
怖ろしいくらい細部まで拘って作られた衣装を「20歳越えてから父親とお揃いって…」と文句を言いながらも着てみる。
子どもの頃から好きなアニメだったので、思いの外俺のテンションも上がっていた。
まぁ、俺より周りが喜んでいたが。
アケミさんは「今日は新旧ヒーロー撮影会よぉ~♡」と自分の世界へ飛び立った。
母は笑顔でどこか懐かしそうに俺を見ていたし、父は純粋に自分と同じサイズの服を着る俺の成長に感動しているようだった。
色々事件もあったが、愛されて育った俺は幸せだと思う。
先に練武場を借りた会場へ向う両親に「カラコンいれてから行く」と伝えて準備をする。
驚いたことに今日はレイラさんも参加するらしい。
数年ぶりに会えることに浮かれてしまう。
金髪に紫の瞳になった自分を鏡で確認してから会場に行こうと立ち上がる。
今日の呑み会のメンバーにも「双子?」とか「ドッペルゲンガーかよ!」なんてウケたら衣装を着た甲斐があるな、など思いつつ会場のドアを開けたら、そこは馴染みのある練武場ではなく薄暗い空間だった。
5
お気に入りに追加
538
あなたにおすすめの小説
【R18】俺の楽しい異世界性活
屋台の店員
BL
これは、俺が異世界へ行き、とにかくエロへ突っ走り、様々な男たちをあの手この手で落としていく話である。
※主人公はクズです。
※予告なくエロが入ります。
※一部、無理やり描写が入ります。
※主人公総攻めです。
【BL:R18】旦那さまに愛育調教されるオトコ妻
時枝蓮夜
BL
この世界には完全な男性1:完全な女性0.4:不完全男性0.5の割合で生まれてくる。
ぼくは不完全な男、12歳から15歳で肉体的な成長が止まり、生殖能力もない不完全男性として生まれた。
不完全男性は数の足りない女性の代用として、完全な男性の内縁のオトコ妻になる事ができる。
○
ぼくは14歳になる直前に旦那さまに見初められた。
そして15歳の春、スクールの卒業と同時に旦那さまに娶られ、オトコ妻となりました。
○
旦那さまに娶られ、オトコ妻となりましたので旦那さま好みのオトコ妻となるべく愛育調教が始まりました。
○
旦那さまのお気に召すまま、ぼくを旦那さま好みに調教して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる