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第二章 鍛冶と鉱山の国トトリ

第二話 

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「夕飯どうしようか」
侑はミチルが何を食べるのか気になる。

「侑様は作れませんよね。」
「スキルで作ったらどうです?」

「クリエイトでは作れないよ、必要な情報が多すぎてイメージ出来ない。
これから調理とかのスキルを覚えてたら、夕飯じゃなくて夜食になっちゃうよ。」

「ブラフマー様から頂いたカバンの中に食べ物は入ってないのですか?」

「ちょっと待って。」
侑はカバンの中に食べ物が無いか調べる。

「食材は入ってたよ、肉と野菜と調味料と」
侑はテーブルの上に並べ始めた。

「そのまま食べれるものは無いね、仕方無いから、肉焼いて野菜茹でてで良いか。」

「ところで、ミチルの主食って何?」

「姿は鳥ですが、侑様と同じ物を食べますよ。」
「それに、焼いて茹でただけは駄目です。
ある意味、今夜は侑様の誕生日なんですから。」

「そうは言っても、料理出来ないし。」
侑は困り果てた。

「仕方有りませんね、私が作ります。」
「その代わり、私が呼びに行くまで書斎から出ないで下さい。」

「ミチルが作るの?!」
侑はあまりの驚きに大声を出した。

「あまり気が乗りませんが、侑様の誕生日ですから粗食では私が許せません。」
「で、侑様は何を食べたいですか?」

「…鶏の唐揚げ…小さい頃、母さんが作ってくれたのが美味しかったんだよ。」

「侑様は私に油の中にダイブしろと」
ミチルはいたずらにクスッと笑った。

「で、なんで俺はここに居ちゃいけないの?」

「私はこの姿では料理出来ませんから、人化をします。
今もそうですが、人化すると裸なんですよ。」
「…見たいとか言わないですよね?」

「言わないよ、大人しく書斎に篭もるよ。」
侑は慌てた。
…ミチルは人化も出来るのか
侑はミチルが召喚獣だと言う事を疑い始めた。

「では、料理を始めますから書斎に篭ってしっかりドアを締めて下さいね。」
ミチルに促され、侑は書斎に移動した。

…裸を見られるのは別に構わないんだけど、私を見たら侑は私から離れられなくなってしまうし…

ミチルはそんな事を考えながら、人化を行なった。

侑は書斎で本を眺めてる。
児童書から、専門書まで多岐にわたるジャンルの本が整然と並んでいた。

侑はカバンの中から、ティーターンに貰った魔導具を出した。
砂時計の形をした魔導具はアンティーク調の装飾が施され、中の砂らしきものは金色でキラキラと輝いている。
砂時計をひっくり返すとキラキラと砂は細く落ち、周りの景色がセピア色になって時間が止まったように感じた。

…すごいな、これ。
侑は一人しかいない部屋で声を出していた。

まず、自分の事が知りたい。
その為には、この世界の人がどうなのかを知らなければ…
侑は分かりやすそうな児童書を手に取った。

『人族って何?』って題名が書かれてる。
並びを見ると、人族以外にもエルフ族、ドワーフ族、獣族等の本もあるシリーズ本だった。

本を机に置いて、ページを開いた。

人族とは、短命だが全てにおいて平均的なオールラウンドの種族である。
天寿を全うした者の中から1%は神族に転生する。
レベル1のステータスは全て10からスタートする。
レベルアップの際、ステータスは個人差があるが種族の特徴通り平均的に振り分けられる。
レベルアップは痛みを伴う。
体力等身体的なものは筋肉痛、魔力等は頭痛を伴う。
15歳を過ぎ、ステータスが150を超えるとジョブを選択する事が出来る。
ジョブを決定してからのレベルアップ時のステータスはそのジョブに応じたステータスが多く割り振られる。
ジョブを決定すると、職能レベルが開放されレベル1からスタートする。
職能レベルは熟練度によりアップする。
レベルやステータスの確認、ジョブの決定は教会の神官のみが行える。

他の種族の本も読んでみる。

……やっていたネトゲとシステムはあまり変わらないな。
で、今の俺はレベル1だけどブラフマー様がカスタマイズしてくれたからどうなんだろう?

俺は鏡を見て、鑑定眼を発動した。

名前 侑
種族 人族?
レベル1
体力 200
魔力 200
知力 280

ユニークスキル クリエイトLv1
スキル
ラーニングLv1
ランゲージLv1
鑑定眼Lv1
カスタマイズLv1

各状態異常耐性
即死耐性

創造神の加護
地神の加護

…ブラフマー様がその場で数値を言わなかったからなんとなく分かってはいたけど、チートだな。

砂時計の砂が全て落ち、周りの時間が戻った。
ミチルが呼びに来るまで、片っ端から本を読みまくった。


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