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第一章 神殿

第六話 

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「何事?」

ブラフマーは部屋の中を見渡した。

侑はラムネを飲んでいた。
ミチルはテーブルの上でポテチやら、ポップコーンを食べている。
どうやら、ミチルが侑にねだって出してもらったらしい。

「ところで、ユニークスキルは決まりましたか?」
ブラフマーは侑の顔を見つめた。


「クリエイトを下さい」
侑は真顔でブラフマーに言った。

「面白い事を考えましたね、ですがユニークスキルはその名の通り固有スキルです。
オリジナルのままは渡せませんよ?」
…ミチルの思惑通りに進んだみたいですね…

「貴方がクリエイトの器を考えて下さい。」
ブラフマーは侑に課題を出す。

「貴方はこの世界でドラえもんになりたいのですか?
私も随分昔ですがそちらの世界でマンガを読みましたよ。
たしか、ポケットから道具を出すのでしたね。
貴方もポケットを着けますか?」
ブラフマーはニッコリと提案した。

…いや、ポケットは無いでしょ。…
「発動条件や魔導具を使うなどの制約を付けて、オリジナルと違う形にすれば頂けるのですか?」
侑は確認する。ミチルは肩の上で微笑んでる。

「あと、気になったのですがブラフマー様はすごく若く見えるのですが?」
素朴な疑問が口から出た。

「神殿はインベントリだと聞きましたね?
私は滅多に神殿から出ないので歳を取らないのです。
スキルですが、貴方のオリジナルになるなら、可能ですよ。」
ブラフマーは端的に答える。

俺はどうすればオリジナルになるか考えた。
ブラフマー様のは無条件で発動できる。
では、俺のは条件を付けよう。
ブラフマー様のはどこにでも魔法陣を書ける。
俺のは魔導具を介して魔法陣を書けるようにしよう。

それなら、俺のオリジナルになる筈だ。

「作りたいものをイメージ、作りたい物の属性の石を魔導具に入れる。
魔導具を介して魔法陣を書く、手を入れて取り出す。」
俺の考えた条件を手順にして説明する。

「ブラフマー様、この流れなら俺のオリジナルになりますよね?」
侑は答えにたどり着いた。

「問題無いです、良く考えてられていますね。
では魔導具は私からのプレゼントとしましょう。」
ブラフマーは笑顔で答えた。

「スキルと魔導具は別カウントですか…
すいません、クレクレになってますね。」
侑は申し訳なさそうに俯く。

「構いませんよ、私も貴方の事が気に入ってますから」
ブラフマーは笑顔を崩さない。

ミチルがピクッと反応する。

ブラフマーはミチルの反応を気にもとめず、
「では魔導具は指輪にしましょう。
装飾はシンプルに、石を入れる穴はインベントリと同じ構造にして目立たないようにしましょう。」
話を進めた。


ブラフマーはクリエイトを発動して、指輪を作ってくれた。

指輪を受け取りはめてみると、ちょっと大きかった指輪がピッタリのサイズに変化し一瞬光った。

「これで所有者登録が終わりました。
貴方以外は使う事が出来なくなりました。」
全ての祝福が終わり、ブラフマーは安堵と寂しさを感じた。

「ありがとうございます、大切にします。」
侑は深々と頭を下げ、ブラフマーに御礼を言った。

「これで貴方には3つのスキルと召喚獣、ユニークスキルを渡す事ができました。」
「あとは、こちらの世界で暮らすための容姿やステータスをカスタマイズしましょう。」  

ブラフマーは最後の仕事があった事を思い出し、少し嬉しそうだ。  
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