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6.君と命の呼吸
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窓の隙間から吹き抜ける風が、優しくカレンダーの裾を揺らす。
八月十一日。
キッチン横の壁にかけられたそこに記載された数字を、赤いマジックで丸く囲んだ。
今日で、移植をして十年が経つ。
私は生存者の確率に入ったまま、二十六歳を迎えていた。
今でも定期検診は欠かせないけれど、問題なく日常生活を送っている。
絵の具で塗り込められたような純白の家。
少し高台のここで、毎日遥かな海を臨んでいる。
記念すべき今日という日に、嬉しい知らせが二つ、あった。
一つは、今手にしている薄紅色の厚紙の招待状。
そこには、お姉ちゃんと理人の名が並んで綴られ、結婚式場の地図が記されている。
遠回りした恋が、ようやく身を結んだようだった。
温かな気持ちでその手紙をダイニングテーブルに置くと、もう一つのよい知らせを彼に伝えるため、家を出た。
八月十一日。
キッチン横の壁にかけられたそこに記載された数字を、赤いマジックで丸く囲んだ。
今日で、移植をして十年が経つ。
私は生存者の確率に入ったまま、二十六歳を迎えていた。
今でも定期検診は欠かせないけれど、問題なく日常生活を送っている。
絵の具で塗り込められたような純白の家。
少し高台のここで、毎日遥かな海を臨んでいる。
記念すべき今日という日に、嬉しい知らせが二つ、あった。
一つは、今手にしている薄紅色の厚紙の招待状。
そこには、お姉ちゃんと理人の名が並んで綴られ、結婚式場の地図が記されている。
遠回りした恋が、ようやく身を結んだようだった。
温かな気持ちでその手紙をダイニングテーブルに置くと、もう一つのよい知らせを彼に伝えるため、家を出た。
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