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第三章、汚れた大人たち
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珍しい表情に思わずじっと見つめてくるあゆらに気づいた志鬼は、彼女に心配をさせないようにすぐいつもの調子で笑ってみせた。
「とにかく泣きたい時は、あゆら専用志鬼くん胸板があるのをお忘れなく」
「何よ、それ……」
あ、まただ。とあゆらは思う。
ついさっきまで泣いていたのに、気づけば志鬼のおかげで自分を取り戻している。
あゆらは軽く瞼を拭うと、顔を上げて少し微笑んで見せた。
「もう大丈夫よ、話の続きをしましょう」
「おお……ほな、話戻して悪いけど、帝の奴を逮捕するためには、被害者の訴えが必要や。それで帝を引っ張れたら、美鈴ちゃんの件は避けて通れんやろうからな」
「自分を傷つけてでも、帝くんの悪行を証言してくれる女の子を探さなきゃいけない、ということね?」
「ああ、すぐには見つからんやろうから、なかなか骨の折れる作業になるやろうけどな。とりあえずこのキモいおっさんらが出て来たクラブに潜入捜査と行くわ」
「潜入……捜査?」
聞き慣れない文字にあゆらは少し首を傾げながら志鬼を見た。
「表向きは普通のクラブを装ってるけど、必ず裏の場所があるはずや。店主にでもそれを聞き出して、帝に売り飛ばされた女の子を探す」
「私も行くわ」
「……ハイ?」
あゆらの発言に、志鬼は思わずカタコトで聞き返した。
「とにかく泣きたい時は、あゆら専用志鬼くん胸板があるのをお忘れなく」
「何よ、それ……」
あ、まただ。とあゆらは思う。
ついさっきまで泣いていたのに、気づけば志鬼のおかげで自分を取り戻している。
あゆらは軽く瞼を拭うと、顔を上げて少し微笑んで見せた。
「もう大丈夫よ、話の続きをしましょう」
「おお……ほな、話戻して悪いけど、帝の奴を逮捕するためには、被害者の訴えが必要や。それで帝を引っ張れたら、美鈴ちゃんの件は避けて通れんやろうからな」
「自分を傷つけてでも、帝くんの悪行を証言してくれる女の子を探さなきゃいけない、ということね?」
「ああ、すぐには見つからんやろうから、なかなか骨の折れる作業になるやろうけどな。とりあえずこのキモいおっさんらが出て来たクラブに潜入捜査と行くわ」
「潜入……捜査?」
聞き慣れない文字にあゆらは少し首を傾げながら志鬼を見た。
「表向きは普通のクラブを装ってるけど、必ず裏の場所があるはずや。店主にでもそれを聞き出して、帝に売り飛ばされた女の子を探す」
「私も行くわ」
「……ハイ?」
あゆらの発言に、志鬼は思わずカタコトで聞き返した。
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