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第二章、騎士と王子
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「あ、言うとくけど生き物は撃ってないで、小さい時からそういう訓練させられるからしゃあないねん。他にも空手とか柔道とかボクシングとか……格闘技は一通りやったな」
「そうだったのね、だからあんなにすごい身体――」
「え、何何?」
「な、なんでもないわ!」
志鬼の肉体の賛美を口走りそうになったあゆらは、焦って首を横に振った。
裏社会ならでわの英才教育とでも言おうか、そんな経緯があり、志鬼の鍛え抜かれた身体は作り上げられ、元より筋がよかった格闘能力に磨きがかかったのである。
ゲームが終わり、射撃の銃を置いた志鬼は何やら低い位置から強い視線を感じ、そちらを見た。
するとそこには、十歳程度の小僧が二人、首を痛めそうなほど近距離で長身の志鬼を見上げていた。
「兄ちゃんすげえな、俺もやりたい」
「俺も俺も、兄ちゃんみたいに銃ぶっ放してえ」
「お前らガキにはまだ早いやろ」
「ケチケチするなよ、減るもんじゃなし」
「なんでヤンキーが猫連れてんだよ、食うのか?」
「そうそう、煮て焼いて……って食うか! ……はあ、めんどくさいなもう、ちょっとだけやで」
なんだかんだ言いつつも、子供を軽々抱っこしてやり方を教えてやる志鬼。本場仕込みの出血大サービス指南である。
時折髪を引っ張られたりして騒ぎながら、しばらく教えれば子供たちは満足げに手を振って去って行った。
「そうだったのね、だからあんなにすごい身体――」
「え、何何?」
「な、なんでもないわ!」
志鬼の肉体の賛美を口走りそうになったあゆらは、焦って首を横に振った。
裏社会ならでわの英才教育とでも言おうか、そんな経緯があり、志鬼の鍛え抜かれた身体は作り上げられ、元より筋がよかった格闘能力に磨きがかかったのである。
ゲームが終わり、射撃の銃を置いた志鬼は何やら低い位置から強い視線を感じ、そちらを見た。
するとそこには、十歳程度の小僧が二人、首を痛めそうなほど近距離で長身の志鬼を見上げていた。
「兄ちゃんすげえな、俺もやりたい」
「俺も俺も、兄ちゃんみたいに銃ぶっ放してえ」
「お前らガキにはまだ早いやろ」
「ケチケチするなよ、減るもんじゃなし」
「なんでヤンキーが猫連れてんだよ、食うのか?」
「そうそう、煮て焼いて……って食うか! ……はあ、めんどくさいなもう、ちょっとだけやで」
なんだかんだ言いつつも、子供を軽々抱っこしてやり方を教えてやる志鬼。本場仕込みの出血大サービス指南である。
時折髪を引っ張られたりして騒ぎながら、しばらく教えれば子供たちは満足げに手を振って去って行った。
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