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白昼の衝撃

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「はぁーーっ? 課長、なにか悪いものでも食べたんですか!?」
「失礼ね、なにも……いや、失礼なのは私も一緒か」

 悪いものではないと思うけれど、変わったものを食べたのは確かだ。異空間で。

「前に、派遣はすぐ辞められていいとか言ってごめんなさい。あれこそあなたを妬んでいたからかも」

 誰しもそれぞれ抱えているものがある。
 浅い部分だけで判断されたくないのなら、自分もそうするのはやめよう。

『たまには恥もかいてみるものですよ』

 うん。その通りだ。
 相手が武装しきっていたら、こっちだって安心して鎧を捨てられない。
 身軽になるきっかけをくれた、猫宮さんの言葉が鈴の音とともに響いた。
 
 藤本さんは笑っていた。
 小悪魔っぽい、この方が、彼女らしくてずっと魅力的だと思う。
 偽物の天使なんてどうせ長続きしない。

「いいですよ、許してあげます」
「どうして私にはそんな偉そうなの」

 あきれたようにため息をつきながらも、悪い気分じゃなかった。
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 ふと腕時計を確認してみると始業時間直前で、似たような顔つきを見合わせた私たちは、ヒールを鳴らしてオフィスへと急いだ。
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