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奇妙な仲間たち

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「……おはよう。今日は何度も同じこと言わさないで、きちんと仕事をこなしてよね」

 横目で見ながら言うと、笹原くんは「は、はい」とうわずった声を上げながらさらに小さくなった。
 ――ちょっと、怖がらせすぎかな?
 ふとそんなことを思うけれど、できないことはできないとハッキリ言わなきゃ、永遠に進歩しない。
 そして問題は彼よりも、その隣で挨拶もせずに平然と立っている彼女だ。
 昨日、給湯室で男性社員に囲まれてサボっていた派遣社員――藤本ふじもとさん。
 妙に煌びやかなハート型の手鏡を持ち、ピンクのグロスを塗っている。
 相変わらずスカートは短いし、ブラウスから下着が透けて見える。

「……ちょっと、あなた」
「あれ? 課長~?」

 ゆるふわのミディアムヘアーをした彼女は、白々しく今気づきました、と言わんばかりにチラッと流し目をしてくる。
 
「あれ、じゃないでしょう、昨日も言ったけど、その格好」
「……課長って、あたしのこと妬んでます?」
「――は?」

 突然のセリフに、思わず険しい顔をしてしまう。

「私が若くて可愛くて、男性にモテるから、やっかんでるだけですよね?」

 咄嗟に浮かんだ文字は、バカじゃないの。
 だけどそんなことを口にする気にもならない。
 この手の脳足りんは、まともにかまうだけ無駄だ。
 そう思ったのに。

「課長って恋愛経験なさそうですもんね、高学歴鼻にかけてて、いかにも仕事できますって顔で、そういうの男性は嫌いですよ」

 私のことなにもわかっていないくせに、こんな相手になにを言われても放っておけばいいのに。
 カチンときたのは、痛いところを突かれたから。
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